オリックスバファローズバトルロワイアル第3章
at BASE
660:代打名無し@実況は実況板で
07/11/25 10:35:23 x0+t5c8g0
保守
661:代打名無し@実況は実況板で
07/11/26 01:35:35 V7JlCQy/O
川越さん応援保守
662:代打名無し@実況は実況板で
07/11/26 15:46:55 A3BruJEGO
保守
663:代打名無し@実況は実況板で
07/11/27 08:12:56 KGJ7i/S90
平野(小)がトレード・・・
664:代打名無し@実況は実況板で
07/11/27 21:12:40 1neNIVmV0
、._.,
665:代打名無し@実況は実況板で
07/11/28 00:10:00 C3lA+x8yO
浜中
666:代打名無し@実況は実況板で
07/11/29 01:10:09 pcyivLLIO
☆
667:「170・生きるための役割 1/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:03:30 PdkMsZfQ0
ガタン。
壁に何かがぶつかったような音を聞き、北川の上半身に力が入った。
順番に眠り、今は北川が朝の6時まで起きている番だった。光原と下山は北川と交代で眠
りについた。高木を起こすのは可哀相だと意見が一致し、北川1人での見張り番だった。
カタタン。
また何かがぶつかった。北川はそっと立ち上がると、まずは下山に歩み寄った。軽く肩を
叩く。ビクンと体を震わせて、普段は寝起きの悪い下山がすぐに目を覚ました。
「な、何かあったんですか?」
小声で尋ねてくる。北川は小さくうなずいた。
「何かが壁にぶつかってるんや。さっきから2回。俺、ちょっと外に出て調べるから、念
の為起きとってもらえるか」
「俺も行きますよ」
「いや、お前はミツと高木の面倒を頼む。もしもの時は2人を起こしたってくれ」
ガタン。
また音がした。明らかにそれなりの重さのあるものがぶつかっている。しかもさっきとは
音の場所が微妙にズレている。音は動いているのだ。着実にドアのある方へと。
「頼む」
呟くと北川は出口の方へと歩を進めた。懐中電灯の灯りを点け、タオルで光源を包み込む。
弱くなった灯りを背中に隠し持ち、薄くドアを開けた。目の前には夜の闇。しばらくその
闇を見つめて目を馴らした。
ドン。
近くでまた音がする。北川が唾を飲む。静かにドアを押す。体スレスレまでの幅にして、
そっと顔を出し左右を見渡した。
数メートル先、何かが壁の下にうずくまっていた。うずくまる、というよりももたれかか
るようにして崩れ落ちていた。物ではない。何か生き物の大きさだ。人か、獣か。
「………う………」
小さく呻く声がした。人だ。
「…………ぐ…………うぅ……っ…………」
苦しんでいる声だとわかった。体を縮めて、苦しんでいる。
668:「170・生きるための役割 2/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:04:46 PdkMsZfQ0
北川はそっとドアの外に出た。静かに扉を閉める。中に残した3人に出来るだけ影響が出
ないようにドアから少しだけ離れた。4人で武器を分けた時に選んで手にした殺虫剤を握り、
そっと声をかけた。
「………誰や?」
ガツン、と音がしてまた呻き声が聞こえた。どうやら驚いて頭を壁に打ちつけたらしい。
「大丈夫か?俺や、北川や。誰や?」
「…………ペーさ…………」
「そうや!誰や!」
思わず歩み寄った。そして懐中電灯で相手を照らした。小さく丸めた背番号44が見えた。
「鈴木!」
そのユニフォームは血だらけだった。北川はすぐそばにしゃがみこむと顔を覗き込んだ。
「うわっ」
思わず声が出てしまうほど、鈴木の端正な顔は傷ついていた。ろくな治療も出来なかった
のだろう。血はこびりつき、赤く腫れている部分もあった。しかし何よりも目を引いたの
は腹部の異様なほどの出血だった。何かがそこから生えている。赤く染まった何かがあっ
た。北川は出来るだけ見ないようにして、鈴木の肩を支えた。
「こっち来い!中入れ!治療する道具は無いけど、水で顔洗うくらいは出来る!」
傷ついたその体を引き上げると、また鈴木が小さく呻いた。かなり傷ついている。もう1
人で立つ力すら無いのかもしれない。北川の耳元で鈴木の荒い息遣いが聞こえた。ぜーぜ
ーと喉が鳴っている。不規則なそのリズムが明らかな心身の異常を伝えていた。
(瀕死の重傷か?間に合わんか?誰にやられた?!)
鈴木を引き摺るようにして壁沿いに歩き、ドアを開けた。
「シモ!鈴木や!大怪我しとる!手当ての準備や!水とタオル!」
「は、はい!」
下山がバタバタと音を立てて鞄を引っ掴む。白旗組の旗から1枚のタオルを外し、自分の
鞄から水を取り出した。北川も殺虫剤を床に置いた。
「鈴木、ここ、座れ」
北川が鈴木の体を床に下ろそうとしたその時、視界にキラリと光るものが見えた。
(えっ?)
そう思った瞬間、左足に鋭い痛みが走った。
669:「170・生きるための役割 3/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:05:35 PdkMsZfQ0
「ぐっ!」
慌てて北川が鈴木を突き放すようにして離れて、床にしゃがみ込む。鈴木は上半身を屈め
たまま、腹部の辺りに置いた両手で何かを握っていた。下山が咄嗟に鈴木に懐中電灯を向
けた。その眩しさに鈴木の体が横を向く。キラリと光る短い物。ナイフのような物が見て
取れた。
「てめえっ!!」
下山が鈴木に飛びかかる。途端に反撃をするように、鈴木が尋常ではない暴れ方でナイフ
を振り回し始めた。下山も咄嗟に白旗の棒を手にしようと動いた。すると恐ろしい形相で
鈴木が突っ込んでくる。慌てて置かれている机の向こう側へと身を逃がした。懐中電灯と
いうスポットライトの中、白と赤、紺のまだら模様が踊るように暴れ狂うその光景は異常
すぎてどこか滑稽だった。しかし鬼気迫るその表情は正面に立つ下山の体を凍りつかせり
には充分だった。狂った人間は全てが滑稽で、全てが真剣で、自分の世界で他人の世界を
侵食しようとする。その迫力に下山は明らかに飲み込まれていた。
「ミツ!高木!起きろ!」
北川は痛む左の太ももを押さえながら必死で叫んだ。あれだけ傷ついた鈴木のどこからこ
んなに動く力が出るのか。鈴木には出会った選手全てが敵に見えるのか。精神を狂わせる
ほどの恐怖を体験したのだろうか。だとしたらそれは一体どのような体験だったのだろう。
そんなことを考えながら北川は、今自分が精神を狂わせるほどの恐怖と向かい合わせだと
いうことに気づいた。
(………嶋村)
祈りの言葉を呟く。彼は祈りの象徴だ。北川の心の中の、決してブレない軸だった。
背後から鈴木の足を抑え込もうとタイミングを計るが、まるで千鳥足のように鈴木の立ち
位置が落ち着かない。北川も怪我のせいで思ったように動けない。額に脂汗が滲んだ。
起き上がった光原が異様な状況に驚いて、高木を叩き起こしている。今は高木のことは光
原に任せるしかないだろう。北川と下山の2人で鈴木をどうにかしなければならない。
(嶋村。3人を守ったってくれ。俺はどうなってもかまわん。もう何度も言ってるな?)
心の中で呟く。
(嶋村、すまん。俺、3人を助ける為に戦う。戦わないって約束したったけど、他の奴ら助
ける為なら、お前も許してくれるか?)
670:「170・生きるための役割 4/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:06:37 PdkMsZfQ0
「道連れだぁぁぁぁぁぁっ!!!」
喉の奥から搾り出したような鈴木の絶叫が室内に響いた。ナイフを振り上げて下山へと突
進する。これだけの大怪我を負いながら、まだそんな力があること自体が不思議なくらい
の迫力だった。最早鈴木は手負いの獣だった。
「シモさん!!」
光原が絶叫する。高木が泣きはらした目を擦りながら、ようやく身を起こした。
「シモぉっ!!」
叫びと同時に北川が前方へとヘッドスライディングする。そのまま鈴木の両足に喰らいつ
いた。
「うあっ!」
足を抑え込まれ、鈴木が重心を崩して前のめりに倒れる。そこへ下山が飛びついた。
「離せぇっ!!」
また鈴木が暴れる。滅茶苦茶に振り回されるナイフの動きが読めず、下山は必死にそれを
避けながら、なんとか右腕に抱きつくようにして抑え込んだ。
「離せっ!!畜生!お前らも道連れだ!みんな死ぬんだ!!」
声を掠らせながら鈴木が叫び続ける。
「落ち着け鈴木!」
「手当てしたら大丈夫や!みんなで助かる方法探すんや!」
「うるせえっ!」
鈴木が必死に上半身を起こす。右手にぶらさがっている下山を剥がそうともがくがままな
らない。口から泡を吹きながら鈴木が暴れ続ける。白い唾と赤い雫が一緒に散った。
「ペ、ペーさん!」
光原は白旗の竿を握り、頭の中が真っ白になっていた。
ふと、光原の横をゆっくりした動きで動くものがあった。
「高木?!」
高木はゆっくりと鈴木に近づいてゆく。足にしがみついた北川は床に伏した状態。下山は
右腕にしがみついた状態。共に高木の行動を気にする余裕は無かった。
瞬間、鈴木がナイフを持っている手の手首を返した。そこには下山の左肩があった。グッ
という感触、同時に下山の悲鳴が上がった。
671:「170・生きるための役割 5/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:07:33 PdkMsZfQ0
「シモ?!」
「畜生っ!……っ痛……負けねえぞこの野郎!!生きたいのはみんな一緒だ!!」
よりしっかりと鈴木の右腕を拘束する。
「邪魔だぁっ!!死ねえぇぇぇぇぇっ!!」
絶叫と同時に鈴木が顔を上げた。
そこに、高木がいた。
コツン、と鈴木の額に何かが当たった。
バン!という破裂音。反動で鈴木の頭部が後ろへと弾かれる。ガクリと鈴木の首の力が抜
け、続いて全身から力が抜けた。硝煙の匂い。耳に鳴り続ける残響。ゆっくりと下山が体
の力を抜く。ズルリと鈴木の体が崩れ、うつ伏せに倒れた。ゴツンと鈴木の腹部辺りで何
か硬いものが床に当たる音がした。
北川は起き上がり、その光景を見た。
高木が左手に銃を握ったまま、立ち尽くしていた。
銃口からは白い煙が微かに上がっている。
全員、何も言えなかった。
「…………はは…………」
小さな音が、高木の口から漏れた。
「………あはは………」
続いて言葉のようになった。
「あはははははははは!はははははは!あはははははははははは!」
狂ったような笑い声になった。ただ、その音は狂気を含んでいた。決していつもの高木の
笑い声ではなかった。
「1人殺してるんだから、2人殺しても同じじゃないですか!誰かがやらなきゃいけないじ
ゃないですか!じゃなきゃみんな死んじゃうじゃないですか!だったら俺が最適じゃない
ですか!あははははははははははははは!!」
笑い声は続いた。
「あはははははははは!はははははははははははは!」
やがて、高木の表情が歪んだ。唇が震え始めた。
「あははははは!ははは!………はは!……は……ははははは…………」
その目元から、大粒の涙が零れた。
672:「170・生きるための役割 6/6」 ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:08:44 PdkMsZfQ0
「高木っ!!」
光原が高木にしがみつく。まるで母親が泣いている子供を抱きしめるように、光原は高木
を抱きしめた。光原自身も泣いていた。ゴトン、と高木の左手から銃が落ちる。
「…………っ!!」
高木のくぐもった声が聞こえた。そして肩を震わせ、しゃくりあげる音が。
「高木っ!」
続いて北川も下山も高木を抱きしめた。4人はスクラムを組むような状態でしがみつきあっ
た。互いの無事を確認し、傷ついた者を悲しみ、高木の選んだ道を少しでも慰める為に。
鈴木は頭部と腹部から流れ出す血の海に浸かっていた。
あの時、ジェイソンを威嚇する為に使った銃が今夜、ジェイソンの命を奪った。
【×鈴木郁洋 残り・21人?】
673: ◆UKNMK1fJ2Y
07/11/29 23:09:42 PdkMsZfQ0
今回は以上です。
674:代打名無し@実況は実況板で
07/11/30 00:02:40 uKa3VEq7O
職人さん乙です!
みんなの悲しみ、やり切れなさが伝わってくる…
675:代打名無し@実況は実況板で
07/11/30 01:13:28 5C2mR9zP0
投下乙です!
そうか、高木前に一度ジェイソンに襲われたことあったんだよな…
これからどう展開していくのか気になる…
676:代打名無し@実況は実況板で
07/11/30 05:05:42 f8fx21QN0
職人様の作品キター!!!!
研究所のことなど気になることが多いだけに
順調に話しが進んでいるのはとても嬉しい!!
それにしても高木カワイソース・・・・皆で精一杯慰めてあげてくれよ・・・・
677:代打名無し@実況は実況板で
07/11/30 09:57:14 wfGVf3Wz0
投下乙です!!
って、高木ぃぃいい!!
みんな怪我したり心に傷負ったり・・・一応まだ無傷なWカトウ組は大丈夫かな?
678:代打名無し@実況は実況板で
07/11/30 21:34:39 9rz4oIc+0
投下乙です。
高木そんなに自暴自棄になるなよ。
とにかく頑張れ!!
それしか言えない・・・
679:代打名無し@実況は実況板で
07/12/01 22:22:01 20aztniO0
乙
うわ 今日 高木のトークショー見てきたから生々しいわ
680:代打名無し@実況は実況板で
07/12/03 00:31:02 SpqEaAwy0
ほしゅ
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