阪神タイガースバトル ..
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07/08/21 01:59:34 L9b+SwYB0
>>611より
154.答えを探して
(夢、か?)
今岡は両手でかかえた膝の上に乗せていた頭をゆっくりと上げた。
月明かりを頼りに時計を見ると、午前2時を少し回ったところだった。
2時間ばかり前に聞こえた謎の爆発音が嘘のように、暗い森はひっそりと
静まり返っている。
(金魚か……)
頭を強く横に数回振ってみたが、今までうたた寝をしていたのか、ただ単に
考え事をしていただけなのかが判然としない。いずれにせよ、ずっと忘れて
いた出来事なのに、どうして急に思い出したのだろう。
小さな池に放たれた十数匹の金魚が、現在の自分たちに重なるからか。
同じように小さな島に閉じ込められ、最後の一人となるまで殺しあわねば
ならない自分たちに。生き残れる者はただ一人。つまり、仲間が次々と死んで
ゆく中、たった一匹残って悠然と巨大化したあの金魚のように。
(それは、嬉しいのかな)
再び当時の疑問が浮かぶ。何者にも脅かされることのない、自分こそが
唯一無二の存在である小さな世界。それは同時に孤独な、ただひたすら
孤独な世界でもある。あの時は、嫌だと思った。自分なら、そんな寂しさには
きっと堪えられない。だが、すぐに忘れた。今日この時まで、ほんの少しも思い
出すことはなかった。恐ろしくはあったが、現実に自分がそのような状況に
置かれるとはまず考えられなかったからだ。
今、自分はまさにそのただ一匹の金魚となることを目指すよう強制されている。
(俺に、できるんか?)
今岡は自分自身に問いかけた。このゲームに投げ込まれた以上、いつかは
答えを出す必要があるのだが、実は一度も深く考えたことはなかった。
自分は、果たしてあの金魚になれるのか。他人に殺されず生き延びられるか
という可能性についてはひとまず措く。問題は、ただ一人生き残る孤独を
受け入れられるかという自分自身の気持ちについてだ。
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