阪神タイガースバトル ..
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601:174(4/5) 07/07/29 13:24:08 3wqs3kpm0 3年。10匹。 新しい情報にワクワクする。断片的な事実は、想像をより色鮮やかに見せる。バ ニラエッセンスのようなものだ。 つまりはこの池の王者は、当時放流された十数匹の囚われ金魚の、唯一無二の生 き残りであるということだ。 冬が来て、夏が来て、台風が来て、時には心ない子供や大人のいたずらに襲われ ながら、また一匹、また一匹と白い腹を出して同胞達が水面に浮かんでいく。 そんな様子を眺めながら、20センチの金魚は生き残って年を重ねていく。 桜の季節になるたびに一回り身体が大きくなり、比例して仲間の数は減っていく。 そして自分以外の最後の一匹までもが水面へと召されていくのを、彼は文字通り 死んだ魚の目で見つめていくのだ。 狭い縄張りの中で、暗い世界の中で、なぜ自分独りが生き残っているのかも分か らずに、ただ、そこに留まっている。 「それは、嬉しいのかな」 「もうそろそろいいでしょ」 いい加減妻の苛立ちが募ってきたので、今岡は息子の手を引いて駐車スペースに 向かった。 一度だけ、池の中の20センチの彼を振り返った。 妻が運転をすると言うので、助手席に座ってぼんやりと信号の色が変わるのを眺 めていた。 信号は、安っぽい赤い色をしていた。 先程出会った、錦鯉になれない魚も、似たような安っぽい色をしていた。 幸運にも強靭な肉体を持ち、強運にも理不尽な生活環境に適応し、悪運にも外敵 に生命を脅かされることなく巨大化した一匹の金魚。 今岡誠は、金魚の気持ちになってみた。
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