阪神タイガースバトル ..
[2ch|▼Menu]
466:924(4/4)
07/05/31 01:30:52 Hb/u/dub0
(こいつは―俺とは違う)
思い知らされずにはいられなかった。迫り来る禁止エリアの恐怖があったとは
いえ、ただうろたえるばかりだった自分とは明らかに違う。
―絶対に、死なせない。
こう言えたなら、牧野の考えをひるがえさせられただろうか。牧野があの場を
離れない限り自分も絶対に行かない。それくらいの意志をぶつければ、彼を
動かせたかもしれない。自分には、そこまでの強い気持ちが欠けていた。

(俺は……)
そしてさらに思い知らされる。今の自分もあの時の牧野と同じではない、と。
牧野は数時間前から覚悟を決めていた。密かに遺言を書き上げ、ぎりぎりまで
黙っていた。自分はどうだ? ショッキングな出来事の連続で捨て鉢になり、
衝動的に死にたがっているだけだ。それも自らの手ではなく、他人に命を
絶たせようとしている。

「それに、死ぬつもりやったら逆にもう怖いものなんかあらへんはずでしょ?」
駄目を押すように桜井が聞いてくる。桟原はふと可笑しくなり、肩をすくめて
小さく笑った。いつか危害を加えられるのではと恐れていた男に自分の方から
殺してくれと頼み、逆に死ぬなと説得されていては、世話はない。
「桜井……俺な」
急に笑い出した自分を、桜井が不思議そうにのぞきこんでいる。
「捜してる人が、いるんや。この島のどこにいるか分からんけど」

笑うのをやめ、桟原は顔を上げた。
「その人に会えた時は、頼むから手ぇ出すなよ?」
「え? そしたら……」
言わんとすることを理解した桜井の顔がぱっと明るくなる。自分のような人間に
ここまで左右される彼に、今度は苦笑いを浮かべずにはいられなかった。
(今はこれで、ええよな?)
桟原は自分自身に問いかけ、心の中でうなずいた。

【残り34人】


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

4616日前に更新/228 KB
担当:undef