阪神タイガースバトル ..
[2ch|▼Menu]
433:174(7/7)
07/05/20 18:24:18 Ix2egfVm0
 中村はヘッドフォンを装着し、震える指先でチカチカと呼び続けるスイッチを押した。
 その瞬間、耳に直接流れてきた声に。
 知らされる事実に。
「――」
 脳髄を直接殴られたような衝撃が走った。
(そんな……こんなことって……)
 有り得ない。あってはいけない。そんな言葉がぐるぐると頭を巡る。思考が、これ
以上考えることを拒否しようとしていた。
 それでも、無慈悲にも耳に流れ込んでくる情報は、確実に、残酷に中村に真実を
突き付けていた。
(そうか、だからあの人は―)
 失ったピースを見付けたパズルがするすると解けていく。
 その時は気付かなかった違和感が、今になって違和感であったことに気付く。そして、
その正体に気付く。
 呼びかけは執拗だった。しかし、一向に応えない中村豊―正しくは主催者―に
対して諦めたのか、先方は最後にひと言を残して通信は途切れた。
 無音になったヘッドフォンをはずし、中村豊は呆然と立ちつくした。時間にすると、
ほんの数秒間。感覚にすると、限りなく長い間。それはある種の絶望だった。
 このゲームに放り込まれた時と、秀太に裏切られた時と、同等か、もしくはそれ以上の。
(早く、伝えないと……!)
 一刻も早く彼らに会わなければいけない。
(ゴレンジャーに!)
 真実を知りにここに来たのだ。突き付けられた真実の惨さに、打ちひしがれている
暇はなかった。
 ここで得た情報を、伝えなければならない。―立ち向かえる者に。
 書類を手にしたまま、中村豊は開けたドアの隙間をすり抜け、出口へと疾走した。 
「…………」

 薄暗い廊下を走り去っていく彼を見送る視線に、中村豊は気付かなかった。

【残り34人】


次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

4616日前に更新/228 KB
担当:undef