阪神タイガースバトルロワイアル第八章 at BASE
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342:174(1/5)
07/04/10 23:26:57 QZzdt7eb0
>>258
147.千載一遇

「ふぅ……」
 手にしていた黒いアタッシュケースを地面に置き、背中に担いだウィリアムスを
担ぎ直して、田中秀太は溜息をついた。一人で運ぶには少々キツイ荷物の量だ。
 パスワード式のキーロック機能がついたアタッシュケースは、見た目から推測
出来る重量の倍は重い。中身が重いのかケース自体が重いのか知らないが、それが
余計に秀太の苛立ちを増長させていた。
 地図を片手に、鬱蒼と覆い茂る森の前に佇む。だいたいこの辺りから先が、体育館
を内包する禁止エリアになるはずだ。
 秀太はイヤホンを装着し、腕のトランシーバーに口を寄せた。
「田中秀太です」
『ウィリアムスか』
 秀太への労いの言葉もなく、彼が担いでいる男の名前を口にする。
 応えたのは岡田でも平田でもなく、平塚だった。先程の急な用事の押し付けの時
から、こちらへの対応は全て平塚が行っている。他の人間は手が空いていないの
かもしれない。
「はい」
 やはり見られている。
 先の連絡時とは違い、迷いなくウィリアムスの名を口にした平塚にそう確信する。
 口元を引き締め、秀太は悟られぬようこっそりと周囲を見回した。カメラがどこか
に付いているはずだ。
(あそこか―?)
 斜め右前方の木の枝の一部に、不自然な光沢が見えた。
 怪しまれないように顔の向きを注意しながら目を凝らす。暗くてよく見えないが、
そう意識してみると、そこに人工的な何かが取り付けられていて、雨水に濡れて
月明かりを反射しているようにも見える。
 あれがカメラだとしたら、あんなものがいったい幾つこの島に設置されているの
だろうか。


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