阪神タイガースバトル ..
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07/03/01 01:11:49 H6qWW3SF0
―絶対に生きのびろよ。
ふと、耳元で今は亡き人の懐かしい声が聞こえた気がした。こんなに早く
あの世に行けば、あの人は怒るだろうか。
(けど、牧野さんかて……ずるいやないですか)
負傷した身が足手まといになるなどと勝手に決め付け、早々と離脱して
しまった先輩。自分を残して逝った彼の「優しさ」が今は無性に腹立たしい。

(俺は牧野さんがケガしてようとなんやろうと、一緒にいてくれはったら
 それだけで良かったのに。そやのに、一人で置いてかれて……)
残された自分は生きるも地獄、死ぬも地獄の狂ったゲームの中でもがき
続けねばならない。否、この状況では死こそがむしろ天国だ。いつ殺されるか
分からぬ恐怖におびえ、他人の死に打ちのめされ、人間らしさを失いながら
生き続けるくらいなら、いっそ死んで解放された方がどれほど楽だろうか。
(こんなんで三東さんに会えても、多分なんもでけへんし……)
もう、何もかもがどうでもよく思えた。

「べつに、どうもせん。撃てや、桜井」
少し前の自分なら信じられない台詞をごく自然に桟原は口にしていた。
「撃てや。―俺を、殺せ」
「……ええんですか」
抑えた声が、驚くよりも確認するような調子で尋ねてくる。
「ええんや」
「ほんまに、それでええんですか」
「ええんや、もう」
「脅しやないっスよ? 俺がほんまに人を殺せるやつやってのは、桟原さんも
 よう分かったはるでしょ」
拳銃にじりじりと圧力が加わる。ユニフォームを通して肌に食い込んでくる
金属が痛いが、それもあまり気にならなかった。
「分かってる。俺、もう疲れたんや……。楽にしてくれ」
桟原はグリップを握る桜井の手の甲にそっと自分の左手をあてがった。

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