阪神タイガースバトル ..
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07/02/05 23:22:17 IE3K5sjq0
真に怒りを向けるべき相手は他にいる。それはよく分かっている。だが、その
点を酌んで藤原を心から思いやってやれるほど自分はできた人間ではない。
元凶がなんであれ、相手が危険な存在であることに変わりはないのだから。
さしあたって考えねばならないのは、彼とこのまま行動を共にして良いかと
いうことだ。常軌を逸した思い込みに支配されてすでに殺人を犯し、この先も
犠牲者を増やしかねない男と―。

もう一つ気になるのは、猫の目のようにくるくると変わる彼の不安定な感情と
態度だった。それも、こちらが思いもよらないような変化を見せる。へたに
刺激すると何をされるか予測すらつかない不気味さと、得体の知れない
そら恐ろしさがある。
(逃げた方が……いいんと違うか?)
藤原から離れるという選択肢が頭をよぎった時、ふと隣で頭まで深々と布団を
かぶって横になっている小宮山のことが気になった。爆発音にさえぎられて
聞きそびれたが、彼は何を思って藤原と行動を共にしているのか。

パートナーを眼の前で殺害した男が自分に対しては好意と信頼を寄せてくる。
一緒に命を奪われないだけましとはいえ、実に気味が悪い話だ。中谷自身も
秀太に庄田を殺されたが、もしあのとき秀太が同じように接してきたとしたら、
受け入れられるわけがない。相手との武器の差や拒絶した時のリスクを
考えてひとまずおとなしく従うとしても、隙があれば絶対に逃げ出すだろう。

小宮山が藤原の異常さを恐れていることは間違いない。ならば、逃げる
チャンスがなかったのか、それとも恐怖で逃げるに逃げられないのか?
(もしそうやったら、小宮山も一緒に連れて逃げた方が……)
その時、奥の藤原が大きく一つくしゃみをした。自分の考えを読み取られて
いるような気がして、中谷はぎくりとした。
藤原は鼻をすすり、ごそごそと身体の向きを変えた。今度は、彼もすぐには
寝付けないようだ。

【残り34人】


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