阪神タイガースバトルロワイアル第八章 at BASE
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07/02/05 23:09:04 IE3K5sjq0
>>149より
144.処置なし

手前の民家や建物に隠れて見づらいが、数百メートルほど向こうの森の
あたりがうっすらと明るく、煙が立ち昇っている。それを除けば暗い風景の中で
うごめくものは何一つない。だが、自分たち以外に生き残っている34人が
確かにどこかに潜んでいる。皆、何を思い、どのように過ごしているのか―。
そんなことを考え、中谷仁(背番号66)は窓のそばを離れられなかった。
「中谷、どうしたんや? 寝えへんのか?」
藤原通(背番号2)が声をかけてきた。

突然響き渡った謎の轟音。小宮山慎二(背番号60)の提案で二階に上がり、
音がした方向の窓を開けてみると、遠くで火事が起こっていると確認できた。
おそらく、あの音は何かが爆発したせいだろう。気にはなるが、わざわざ
確かめに行くのも危険だ。結局、今夜はこのまま寝ようということになった。

「いや、外見てたら、みんなが今どうしてるんか気になってな。……とか、どこで
 何してるんやろなあ」
さり気なく中谷は「彼」の名を出してみた。藤原が敵とみなす一軍の中でも特に
重要なポジションを占める男だが、同時に気のおけない同級生でもある。
小宮山の告白どおり藤原が果たしてそこまで異常な思考に陥っているのか、
これである程度つかめるはずだ。いかに一軍の選手を信用できない状態でも
「彼」をも敵視するとは考えにくい。

「井川?」
中谷の予想に反して、藤原の声はとがめるような調子を含んでいた。
「お前、井川のことなんか気にしてんのかよ?」
まさかそこまでは、と思いつつも中谷はそ知らぬ風で続けた。
「そら、まあ同い年やし、入団以来の間柄やし」
「やめとけ。心配するだけ損や」
今度はおそろしく冷ややかな声だった。
(こいつは……)


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