阪神タイガースバトルロワイアル第八章
at BASE
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07/01/25 23:19:36 uIE0ridb0
>>108より
142.逡巡
雨はすっかり上がり、雲の切れ目から煌々と輝く月が顔をのぞかせていた。
ヘリコプターの周辺は墜落の影響で木々がなぎ倒されており、ほとんど
さえぎられることなく青白い光が降りそそいでいる。くっきりと照らし出された
四つの人影がうごめくさまを、秀太は息を殺して見つめていた。
どうやら中村豊は彼らのもとに帰っていないらしい。負傷などでアジトに
留まっている可能性もあるものの、他のメンバーがこぞってここに来ている
ところを見ると、戻っていないと考えるのが妥当だろう。ならば、四人は今でも
行方不明となった中村と自分を案じているのだろうか。自分の裏切りも
知らず、なんの疑いもなく待ってくれているというのか。
秀太は自分の胸がきりきりと痛むのを感じた。
(今さら戻れるわけ……ないのに)
中村を殺そうとしただけではない。あれからさらに庄田の命を奪い、関本に
傷を負わせ、今またウィリアムスを捕らえて恐ろしいプロジェクトの犠牲に
供しようとしている。こんなにも罪を重ね、どうして戻れようか。
(バカ! そんなこと、どうでもいいだろ!?)
いつまでも迷いを捨てきれない自分に腹が立つ。今考えねばならないのは、
突然現れた邪魔者たちをやり過ごして一刻も早くウィリアムスを首脳陣に
送り届けること。ただ、それだけだ。
だいたい戻るも何も最初から―ゲーム開始前に岡田に持ちかけられた話を
受けたあの瞬間から、自分は彼らの仲間になどなり得ない立場にあるのだ。
思い出してみるがいい。ゴレンジャーに喜んで加わったのも、元はといえば
彼らを殺すためだった。
(殺す―)
思わず地面についた指の先に、冷たく固いものが触れた。見ると、ウィリアムスのマシンガンだった。
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