阪神タイガースバトル ..
[2ch|▼Menu]
108:174(6/6)
07/01/18 00:37:05 kqpHyExZ0
 彼らの間に何があったのかは、鳥谷の話を聞きかじっただけでは真実は分からない。
 だがあんな風に、弱い感情を表に出せるのは良い傾向だと思う。
 決して順風満帆とは言えないルーキーイヤー。
 のし掛かるプレッシャーや謂われのない中傷に、心身共に疲弊していないわけが
ないのに、決して弱音を吐かないタフなルーキーが葛城は心配だった。
 気晴らしにと強引に飲みに連れて行ったりもしたが、愚痴のようなものはトンと
聞いたことがない。結局、葛城の方が日頃のストレスをぶちまけ、それに聞いて
いるのか聞いていないのか分からない顔で頷くのが常だった。
(それがどうだ? 何があったのか知らんが……)
 「怖い」と彼は言った。
 そんな風に弱音を吐いてくれたのが、意外に嬉しかったりするのだ。
(あいつにとってそれは、多分……いい傾向だ)
 それを『成長』などと言う言葉でまとめるのは、まるで自分が彼の親か何かの
ようでおこがましい話ではあるが―
「葛城さん?」
 唐突に、名前を呼ばれた。
 それは、予想していたのとは別の方向から。
「!?」
 注意力が散漫になっていた自分に気付く。慌ててそちらを振り向くと、いきなり
懐中電灯を向けられた。眩しさに思わず目を瞑る。
「あ、すみません。光量を落とした方がいいですね」
 落ち着いた声と同時に、一気に辺りが薄暗くなる。手で押さえるか、布をかける
かしたらしい。うっすらとこちらを照らす明かりは、相手の顔を確認するには十分
だった。
 一本の木の裏から、のそりと姿を現した人影にギクリとする。
「伊代野……?」
 伊代野貴照(背番号67)の幼さを残した顔が、じっとこちらを見つめていた。 

【残り36人】


次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

4616日前に更新/228 KB
担当:undef