阪神タイガースバトル ..
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103:174(1/6)
07/01/18 00:32:27 kqpHyExZ0
>>86
141.バカと煙はなんとやら

「木登り……ですか」
 そろそろ首が痛くなるほど直角に見上げていた木のてっぺんから視線を外し、
鳥谷敬(背番号1)は幹に手をついたり枝振りを確認したりしている葛城育郎
(背番号33)に目をやった。精一杯の訴えを込めて。
 2人で森の中を突き進み、山道に入ったところで、このまま場所も分からない
まま先に進むのは無謀と葛城が判断し、近くで目立って背の高い木に登り様子を
探ろうと提案したのはほんの数分前のことだったと記憶している。
「夜中に山登りって……」
 先程から盛んに、控えめに気の進まないことをアピールしているのだが、どうやら
張り切っているらしい提案者の耳には届いていないようだった。あるいは、届いて
いても聞き入れられていないか。
 鳥谷は東京都東村山市出身だが、残念ながら木登りとは余り縁のない幼少時代を
過ごした。
 鳥谷くらいの世代になれば、木登り遊びなど小学生の時にやらなければ、その後
一生やる機会には恵まれないだろう。周囲の環境にも寄るだろうが、中学以降も
やっていたらそれはなかなかの自然愛に富んだ溌剌少年である。
 目の前の葛城育郎はもしかしたらそのなかなかの溌剌少年だったのかもしれない。
 世代の問題か、と言ったら多分怒るだろうからそういうことにしておく。
「よっし」
(全然良くないし)
 鳥谷の胸中を余所に、どうやらその木を気に入ったらしい葛城が気合を込めた。
「なんや、おもんない顔してるなー」
「元々こんな顔なんで」
 さて登ろう、という体勢を見せた葛城がこちらを振り返り、景気の悪い顔をして
いる後輩にダメ出しをする。
「文句あるんか?」
「いいえ別に」
 ある、と言ったところで何だかんだと説得をされて強制されるのだろう。
 その作業に無駄を感じ、鳥谷はさらりと先輩の絡みを流した。


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