オリックスバファロー ..
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30:代打名無し@実況は実況板で
06/11/04 18:55:27 nDD2oQNd0
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31:代打名無し@実況は実況板で
06/11/04 22:42:58 0faTAV3w0
Bs

32:代打名無し@実況は実況板で
06/11/05 18:37:42 Fpwys7GNO
☆ゅ

33:代打名無し@実況は実況板で
06/11/06 16:31:55 N60BGuKMO
捕手的山

34:「78・間に合った投手 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:31:14 4CeYN0ge0
「ふざけんなよ畜生」
静かな機械音。エレベーターの中。高木は一人ごちた。
室内のテレビが突然爆発した。高木は山口に要求されたコーヒーを作っていたので、幸い
テレビからは離れていた。テレビの前にドッカリと座っていた山口は、いくつかの破片を
顔面に受けた。大きな傷にはならなかったが、小さな切り傷、擦り傷がいくつも出来、チ
リチリとした痛みに文句を言い始めた。
「酒探してこい!酒!ホテルならどっかに隠してあんだろ!ワインは飽きた!バーにゃウ
ィスキーがねえんだよ!貯蔵庫でも探して来い!」
我儘な命令を下され、高木は仕方なくホテル内を彷徨っていた。
それほど広いホテルではない。しかし高さがある。5階のバーはもう見た。山口ご所望の
ウィスキーは無かった。レストランを見つければいいのだろうか。貯蔵庫はまた別の場所
だろうか。地下2階から最上階まで、隈無く探検した方がいいのだろうか。
念の為、自分の鞄は持って来ている。山口を完全に信頼しているわけではない。むしろ、
あまり信じてはいない。自分をこんな風にこき使う人間だ。何かのおこぼれに預かれる可
能性も少ない。もし何かあったら、高木のことを放り出して逃げてしまうかもしれない。
「………ったく、俺をナメんなよ」
けれどおとなしく命令に従っている自分が情けない。
仕方ないのだ。
世の中は上に立つ人間と下敷きになる人間、強い人間と弱い人間に分けられる。山口と高
木が並んだ時、たまたまこういう力関係になっただけだ。
また違うメンバーが集まったら、山口だって下になるのだ。
自分を納得、というよりも諦めさせ、まずは地下から探すことにした。外部から大量の食
料が運び込まれた場合、普通は地上1階か、地下に収められると考えたからだ。
地下2階は当然のことながら薄暗い。左手に持った懐中電灯の明かりを頼りに廊下を歩く。
(なんか、こういう恐い映画ってあったよな……)
ドアを見つけると、その部屋の表示を調べる。機械室であったり、違う部屋だったり、食
料及びアルコールは見当たらない。
山口の要求で、傷の手当が出来る救急道具も探さなければいけない。
「………はぁ」

35:「78・間に合った投手 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:31:52 4CeYN0ge0
小さくため息をつく。
(俺、なにやってんだ)
暗い部屋。自分1人。じっくりと考える。
(俺、殺し合いさせられてんだよな?)
支給された武器、「グロック17」と呼ばれる銃は右手に持っている。山口には嘘をついて
その銃は見せなかった。全く違うアイテムを支給されたように見せかけて誤魔化した。
『プライドと自信を持て』
ふいに思い出す言葉。あの日、仰木監督にかけられた言葉。
『高木、いいか、お前は近鉄最後の勝利投手だ。そのことに自信を持て。プライドを持て。
お前は最後の最後に間に合った選手なんだ。これを結末にするな。新しいものに繋げるん
だ。お前自身の力で』
あの言葉が、今も胸を離れない。
『お前自身の力で』
いつも、何かあった時に自分に投げかける。
(俺自身の力で、切り開くんだ)
地下2階には、めぼしいものは見当たらなかった。エレベーターホールに戻り、地下1階
へ向かうことにした。懐中電灯で廊下の前方1メートル辺りを照らして歩く。
また小さくため息をついた。
(………山口さん以外の誰かに会ったら、俺、迷わずそっちに行くと思うな)
エレベーターのドアが開く。明るい小さな四角い空間。
そこに、その人物はいた。
狭いエレベーターの端に、体を窮屈そうにくの字に曲げて横たわっている誰か。
そして箱の中、反対側の角に、もう1人の人物は膝を抱えてうずくまっていた。
ゆっくりと顔を上げる。表情はない。
不気味な顔。
白いアイスホッケーのマスクをつけていた。
そいつがニタリと笑ったような気がした。

【残り・34人】

36:「79・エレベーター1 1/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:32:59 4CeYN0ge0
高木がエレベーターでその人物と出会った時より20分ほど前。
廃墟ビルの中に籠もっていた光原と金子は、それなりに作戦らしきものを練っていた。
建設的な意見はあまり出なかったのだが、少なくとも2人して黙り込んでいるよりはマシ
だった。
金子は終始、腕の痛みに顔を歪めていた。光原も、そんな表情を見ていることがつらくな
った。普通に生活するには自分の体は何の問題もない。けれど、金子の状態はそれすら許
してもらえない。時折激痛が走るようだ。ピクリと歪む表情でそれがわかった。
「やっぱり俺、薬探してくるよ。痛み止め欲しいだろ」
光原が立ち上がる。
金子は左手で、腹部に押さえ込んだ傷だらけの右腕をそっと撫でた。
「こんな感じの街ならさ、多分あると思うんだ、薬局とか。ちょっと待ってろ」
「でも……」
金子が不安そうな表情を見せる。光原はわざと笑顔を作って見せた。
「大丈夫だよ、注意して歩けばいいんだ。誰かに会えるかもしれないし」
「……敵だったら?」
また泣きそうな声を出す。
「大丈夫!仲間かもしれないしね。信じられる誰かに会えるかもしれない」
まだ金子は戸惑った顔をしている。
「大丈夫だって!金子はここで隠れて休んでろよ。俺も無理はしないから。すぐ戻って来
る。30分くらいかな」
「………それぐらいなら……ホントに無理しないで下さいね」
「ああ、じゃあ行ってくるよ」
鞄を肩にかけ、笑顔で手を振る。
「すみません、ミツさん……俺……全然役に立たなくて……」
「いいって。じゃあ」
何故か腕にアヒルの浮輪を通したまま、光原がビルを出て行った。

37:「79・エレベーター1 2/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:33:42 4CeYN0ge0
金子はしばらくの間、光原の出て行った出口を見つめていた。
そして、小さく笑った。
「……ほんっとにお人よし」
大きく息を吐く。
「自分から薬探しに行ってくれちゃうんだもんなあ」
確かに腕が痛む。さっきよりもよりズキズキと痛むようになった。血管が揺れる感覚とで
も言えばわかってもらえるだろうか。金子の方でも、薬を探しに行かないかと声をかけよ
うか悩んでいたのだ。声をかけるタイミングを考えていた。
なのに光原は自らそれを提案して、1人で外へと飛び出して行った。
「ミツさん、上手く扱えば何かと楽だよな」
誤算は自分の右腕。今の時点では使い物にならない。
突然の清原の来襲。恐ろしかった。
(………あの人たちに勝って、生き残るんだ)
菊地原と萩原の家を訪れた時、何故自分は攻撃しなかったのか。
(……食料を得る為に行ったからだ。それに武器はこんな小さなナイフだし……)
それは言い訳。
本当は恐かったのだ。自分が誰かを殺す勇気など無かったのだ。
清原と対峙した時の恐怖感。
(違う!俺は弱虫なんかじゃない!やろうと思えば出来るんだ!戦えるんだ!清原さんは
不意打ちだったから……!)
必死で自分を奮い立たせる。
どこかで水滴の落ちる音がした。もうずっと聞こえている音。不規則なその音が、今金子
が1人であることを痛感させる。
(ミツさん、ずっと喋っててくれてたからな)
金子の気持ちを落ち着かせようとして、わざと明るい話題を喋り続けてくれた。金子は十
分落ち着いていたのだが、わざと怯えている演技をしていた。それもこれも、自分が生き
残る為。

38:「79・エレベーター1 3/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:34:29 4CeYN0ge0
(さて……と)
左手だけで伸びをしたその時、何かが水たまりを踏む音がした。
水滴の落ちる音ではなく、バシャン、と水たまりに何かが踏み込む音。
「………ミツさん?」
問いかけてから、自分のミスに気づいた。
敵に居場所を教えてしまった。敵からの返事はない。当然だ。
金子の全身が震えた。慌てて鞄に手を伸ばし、肩にかける。
(もし……もしだぞ、どこかに敵が隠れてたとしたら……俺かミツさんが1人になるタイ
ミングを待っていて………)
背筋に冷たいものが走る。両腕に鳥肌が立った。自分の武器はサバイバルナイフ。しかも
右手は使えない。
(逃げなきゃ!)
立ち上がった瞬間、ゴウッという音と共に、崩れた壁の隙間から大きな炎が飛び出してき
た。
「あちっ!!」
慌てて躱し、出口へと駆け出した。
少し距離をおいて背後から聞こえる足音も、着実について来る。
(やべえ!)
廃墟ビルを飛び出す。目の前は大通り。遮るものは何もない。金子は一刻も早くどこかへ
身を隠したかった。戦える体ではない。うまく敵をやり過ごさなければ。
すぐ正面に見えたホテルらしきビルに飛び込む。エレベーターのドアが開いていた。
(あれだ!)
何も考えずに中に飛び込み、ドアを閉める。
咄嗟にそのホテルの最上階、8階へのボタンを押した。

【残り・34人】

39:「80・エレベーター2 1/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:35:52 4CeYN0ge0
エレベーターが上昇し始める。
しかし、チンという音がしてすぐに2階で止まった。
「え?」
ドアが開く。
(まさか!!)
恐怖の形相で金子は身を縮めた。
だが飛び込んできたのは、顔の左半分を血だらけにした大西だった。
「うわあっ!!」
叫ぶ金子を無視し、大西は慌ててドアを閉めた。そして最上階のボタンを押そうとして、
もうランプがついていることに気づいた。
「こ、これ、お前が押したのか?!」
「は、はい」
「そうか、なら……いや、どうやって逃げる?!」
「に、逃げるって?!」
「敵がいるんだよ!このホテルの中に!俺もやられた!」
「えっ?!」
思わず絶句する。せっかく炎の敵から逃れたと思ったのに。
「畜生……左側が見えねえ!」
「誰なんですか?!」
「わからねえよ!白いマスクかぶってんだ!ジェイソンだよ!『13日の金曜日』の!アイ
スホッケーみたいな!」
余程焦っているのか苛ついているのか、大西は荒い呼吸をしながら常に体を動かしていた。
「畜生!」
大西は5階のボタンを押した。
「え?」
金子は思わず疑問の声を発した。エレベーターが4階を過ぎる。
「隣にもう1台エレベーターあったよな?俺は5階から非常階段で下りる」
「あるんですか?」
「あった、確か、あった」
「でも階段でジェイソンに会うかも」

40:「80・エレベーター2 2/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:37:19 4CeYN0ge0
「あいつはエレベーターで移動する。俺が会ったのもエレベーターに乗ろうとした時だ。
中にいたんだ。しかも足を怪我してるみたいな歩き方だった。階段は無理だろ、じゃあ
な!」
5階に着き、エレベーターのドアが開く。大西がフロアへと飛び出して行った。
金子は一瞬躊躇った。
大西と一緒に行動する為に飛び出すか、それともこのままエレベーターで地上へ戻るか。
もう炎を使って追ってきた敵は諦めただろうか。
この建物に入ったせいで、敵が増えてしまった。
迷っている間にドアが閉まる。エレベーターは最初に押されたボタン、最上階へと上がっ
て行こうとする。まだ決断しきれていない自分。うろたえることしか出来ない自分。
ふいに、どこかから恐怖に満ちた甲高い絶叫が聞こえた。喉から振り絞ったような声。
ちょうど閉まったばかりのドアの向こう、5階のフロアから。
(お、大西さん?!)
背筋に寒気が走る。敵がいたのだろうか?!
(ど、どうする?!)
考えても答えは出ない。手足が震えていた。小さな箱の中。
(ど、どうしよう……俺……俺……!)
エレベーターが最上階に着く。ドアが開く。そこから誰かが入って来そうな気がして金子
は慌てて開閉ボタンを連打した。ゆっくりとドアが閉まる。急いで1階のボタンを押す。
炎の敵が自分を追って来ているなら、きっとエレベーターか階段で自分の跡を追うはずだ。
ならば入れ替わりで自分がこのホテルを脱出すればいい。
(このまま逃げるんだ!)
そして気づく。
4階のランプが点いている。
金子は触れていない。大西も触れていない。
つまり、4階で誰かがボタンを押して待っているのだ。
(やばい!!)
エレベーターは6階を過ぎていた。咄嗟に5階のボタンを押した。4階に着く前に下りて、
大西と同じように階段で逃げるのだ。
5階はさっき、大西が下りた階ではなかったか?

41:「80・エレベーター2 3/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:38:36 4CeYN0ge0
だがもうそんなことはどうでもいい。敵は4階で待ち構えているのだ。
エレベーターが5階に着く。ドアが開いた。
血の海が広がっていた。
床に転がった、一個の体。
「ひいっ!!」
恐怖のあまり、体が動かない。そのくせ足はガクガクと震えていた。
足を動かそうとする。だがどこに向かって動かせばいい?
ここは小さな白い箱の中。
出口はただひとつ。
出口の向こうは血に染められた世界。
ブイン、という鈍い音と共にエレベーターのドアが閉まり始める。目の前の赤が消えてゆ
く。
(閉まれ!早く閉まれ!)
心の中で叫んだ。
無事にドアが閉まり、エレベーターが下降する。
そして、チン、という音と共に4階で止まった。再びドアが開く。
(閉まれ!閉まれっ!)
泣きそうになりながらまた開閉ボタンを連打する。ドアは一度開き、すぐに閉じ始めた。
あと少しでドアが閉まりきる。
(閉まれ!早く閉まれっ!)
その瞬間、狭い隙間から2本の大きな手が現れた。ねじ込むようにグイッと双方のドアを
押さえ付ける。物体に当たったドアは安全装置が働き、自動的に開き始める。
金子の目が恐怖と絶望に見開く。
ゆっくりとドアが開く。
開ききるのが待ちきれないのか、その人物はエレベーターの中に入り込んで来た。
真っ白い顔。
いや、白いマスクに覆われた、顔。
「……う……あ……っ!」
ようやく体が動いても、金子の逃げ場は狭いエレベーターの数歩後ろだけだった。
2本の腕が伸び、金子の首を壁に押しつける。

42:「80・エレベーター2 4/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:39:30 4CeYN0ge0
「げっ……!」
ギリギリと絞め上げられる。息苦しさに必死にもがくが、敵は微動だにしない。両足をバ
タつかせる。首を絞める手を剥がそうとするが、使えるのは左腕のみ。
敵の力は恐ろしかった。
「ぐ………あ………ぁ……っ!」
恐怖と息苦しさ。金子の頭が混乱する。酸素が入ってこない。
苦しい。
助けて。
誰か。
光原たちを騙した罰か。
もうダメだ。
もう………
(……投げ……たい………)
ぼんやりと脳裏に浮かぶのは、ただ一度だけ叶った夢。
まだ誰も踏み荒らしていないマウンドに立つ自分の後ろ姿。
(………勝ち……た……い………)
世界に霧がかかる。
ズルリと金子の手が落ちた。
敵が手を離す。
壁に沿ってズルズルと金子の体が床に崩れ落ちた。体をくの字に曲げて、窮屈そうに。
(………さて、と)
白いアイスホッケーの仮面をつけた人物は、反対側の隅に腰を下ろした。
エレベーターはすでに、ランプの点いている地下2階へと向かっている。
(……まだ腕が疲れてるな)
地下で呼んでいる新たな犠牲者を仕留められるだろうか。

【×金子千尋 残り・33人】

43:「81・ジェイソン 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:41:00 4CeYN0ge0
高木は開いたエレベーターを呆然と見つめていた。
アイスホッケーのマスクをつけた男。
(ジェイソン!)
瞬時にそう思った。そして床に倒れている人物。その体は細い。数字の「19」がかろうじ
て見えた。
予想外の光景に体が凍りついた。
ユラリ、とジェイソンが立ち上がる。エレベーターのドアが閉まり始める。ジェイソンが
腕を延ばし、ドアの動きを止めた。ガクン、と小さくドアが揺れ、再び開き始める。
ジェイソンが前へ一歩踏み出した。
「う、うわああああああっ!!」
絶叫し、高木は真っ暗な廊下を闇雲に走りだした。懐中電灯の明かりも頼りにならない勢
いで、ただひたすら前へ。
(うわあっ!うわあっ!うわあっ!)
心の中で叫び続ける。出口を求めて走り回る。逃げなければ。身を隠す場所は?
廊下の突き当たり、「非常階段」の文字を見つけた。飛びつき、必死にノブを回す。
動かない。鍵がかかっている。
(畜生!!)
後ろを振り返る。ジェイソンがゆっくりと近づいて来ていた。どこかしら足をかばうよう
な歩き方で。再びドアノブをまわす。ただガチャガチャと虚しい音がするだけだ。
(ダメか!)

44:「81・ジェイソン 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:42:00 4CeYN0ge0
ドアは諦めるしかない。ならば、脱出方向はひとつだけ。ジェイソンとすれ違って逃げる。
高木は自分の腰に手をやった。とうとうこれを使わなければならない。使いたくはなかっ
た。人殺しにはなりたくなかった。けれど今、これを使わなければ自分が殺される。
今まではこれに手を伸ばす余裕がなかった。しかし今なら、ゆっくりと歩み寄るジェイソ
ンの妙な余裕が時間をくれる。
銃をベルトから引き抜いて両手で握り、心の中で掛け声をかけて一発撃ち放った。
瞬間目をつぶってしまい、高木の重心が揺れた。
「ギャッ!!」
叫び声と共に、ジェイソンが肩を押さえてよろめき倒れる。
(今だ!)
高木はジェイソンに向かって駆け出すと、ハードルを飛び越える要領で勢いよくその体の
上を飛び越えた。振り返ることなくエレベーターホールへと走り、そこに止まっていたエ
レベーターに飛び込むとドアを閉め、1階を押した。
足元に転がる金子の死体を見ないようにして。
やけに長く感じる時間を過ごし、エレベーターが1階で開く。
上の階に残している山口のことなどとうに忘れて、高木は外へと飛び出した。
太陽の眩しい市街地へ。
今こそ、自分自身の力で。

【残り・33人】

45: ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/06 22:43:50 4CeYN0ge0
今回は以上です。

46:代打名無し@実況は実況板で
06/11/06 23:06:33 xQio7C220
投下おつかれ様です!
千尋タン(ノД`)・゚・。 高木がんばれ・・・

47:代打名無し@実況は実況板で
06/11/07 00:26:15 LYRhMkfQ0
乙ですた。また一人死んでいくよ。・゚・(ノД`)・゚・。
高木も気になるが山口も気になる。まあ部屋にこもってりゃ敵には会わないと思うが・・・
職人さん一人に書いてもらってるのはなんか申し訳ない気もする。

48:代打名無し@実況は実況板で
06/11/07 13:30:16 Epbvwe0ZO
谷、巨人入りか

49:代打名無し@実況は実況板で
06/11/07 14:03:35 FxmiRBNZO
乙です!!
金子…(´;ω;`)
大西と高木はどーなるんだ?!


50:代打名無し@実況は実況板で
06/11/07 18:20:55 hWhsT5BoO
やべえ、恐くてエレベーター乗れねえ…

51:代打名無し@実況は実況板で
06/11/07 18:58:23 ke7gVI0g0
エレベーターの扉が開いたらジェイソンが中でたたずんでるとか(((( ;゜Д゜)))

52:代打名無し@実況は実況板で
06/11/08 09:27:15 etEy6683O
ジェイソンと聞いてグラバーを思い浮かべた漏れは(ry

53:代打名無し@実況は実況板で
06/11/08 18:38:13 +lNUl3h00
どうも、乙です。
ジェイソンの正体が誰なのかが気になる・・・。

54:代打名無し@実況は実況板で
06/11/09 17:39:18 NVxuq67S0
ジェイソンの正体は蘇った仰木さん

55:代打名無し@実況は実況板で
06/11/10 00:28:21 KbP4SfoHO
あれ?他球団を見守るスレ落ちた?

56:代打名無し@実況は実況板で
06/11/10 01:13:47 e4P6E8hw0
落ちてるっぽい

57:代打名無し@実況は実況板で
06/11/10 21:21:17 gBrMLWqkO
保守

58:代打名無し@実況は実況板で
06/11/11 00:23:36 e8+8IYlBO
ホシュ

59:代打名無し@実況は実況板で
06/11/11 14:52:29 v+i4dmot0
ほしゅ

60:代打名無し@実況は実況板で
06/11/11 23:57:19 i0fhzQfjO


61:代打名無し@実況は実況板で
06/11/12 01:28:40 ReAhuvYR0
しかしここの内容はかなりクオリティ高いな。

62:代打名無し@実況は実況板で
06/11/12 02:08:58 lTB0zjO+0
>>61
そちらの「クオリティ高い」の基準がどれほどのものかは
しらないけどそこまでは思わないな
ジェイソンの回は息もつかせぬ展開で久々に話に入りこめて
よかったけど

63:代打名無し@実況は実況板で
06/11/12 15:49:46 TKDWz6BqO
52
実はオレもwww

64:代打名無し@実況は実況板で
06/11/12 22:36:16 fImr0RYJO
ほしゅ

65:代打名無し@実況は実況板で
06/11/13 14:13:54 c/OISGW00
捕手

66:代打名無し@実況は実況板で
06/11/13 21:29:55 0ObobNVdO
また見守るスレ落ちた?

67:代打名無し@実況は実況板で
06/11/13 21:49:49 lifJAyOp0
そうみたいだね
8章目は1000までいったのに
9,10と連続で100までいかなかったとは

68:代打名無し@実況は実況板で
06/11/14 13:39:13 Im9DB/QDO
ホシュ

69:「82・懲りない人」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:34:02 1b6FiKuM0
5階のエレベーターホールには、真っ赤な液体が広がっていた。
色鮮やかなカーペットに染み込み、それは毒々しい色を浮き上がらせていた。
倒れていた体がピクリと揺れた。
不自然な形に捩れていたそれは、元の体勢に戻ろうと蠢いた。
「………っ……いてぇ………」
だるい体を起こし、右手を頭に当てる。顔を上げた。
山口だった。
(……畜生!大西の野郎!)
あまりにも高木の帰りが遅いので、おぼつかない足取りではあるが自分から部屋を出て探
しに来た所だった。空腹とアルコールの魅力には勝てなかったのだ。
5階にあるバーにはアルコールが数本残っていると高木が言っていた。酒が欲しくて、自
分からエレベーターを降りた。バーで適当に2本の赤ワインを選んで持ち出し、エレベー
ターホールに戻った所で、突然大西と出くわした。正面衝突。
ワインのビンが山口の頭に当たり、そのまましばらくの間倒れていた。
気がついたのが、今。
辺りを見回しても大西はいない。どこかへと走り去ったようだ。
(あの野郎、とんでもねえ顔して逃げて行きやがったな)
化け物を見た時のようなあの表情、驚愕という言葉すら物足りないだろう。
そして、顔半分を汚していた血。いや、あれは血だろうか。目の錯覚か?
それにしても高木はどこへ行ったのだろう。
(畜生、2本とも割れやがった)
立ち上がる。ビンを強く打ちつけた額が痛い。後頭部もしたたか打った。
(新しいの探してこなきゃな)
再びバーへと戻ってゆく。しばらくすれば高木のことも簡単に忘れてしまうだろう。
危険の潜むエレベーター、このホテル自体に潜む危険にも気づかず、山口は一人アルコー
ルと共に生きている。

【残り・33人】

70:「83・妖刀 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:34:51 1b6FiKuM0
机の上に置いてある、長い日本刀。
説明書には「伊勢千子村正、全長:105cm重量:1210g」と書いてある。
徳川家を呪う刀、妖刀・村正。振り回す程度に扱うことは出来るようだ。
バッターでよかったとつくづく早川は思った。スイングする気持ちで刀を振ればいいのだ
ろうか。とある有名なバッターは、日々日本刀を振ってスイングやバットコントロールの
練習をしたと言う。自分もそうしろと言われているのだろうか。
何度か試しに木の枝を切ってみた。そのたびに、スパッという切り心地にどこかしら爽快
なものを感じていた。
(もっと何か……違うものを切ってみたいな……)
葉っぱ……木の枝……幹……もっと大きなもの……手ごたえがあって、柔らかい………
人間。
(ダメだ!何考えてんだよ!この刀は自分を守る為に使うのであって……)
相手が刀よりも弱い武器だったら、切りかかってもいいのだろうか。
それとも刀より強い武器だったら、戦意を持ってもいいのだろうか。
妖刀。
呪いの刀。
徳川一族の多くの者を斬った刀。
徳川一族暗殺の濡れ衣を着せられた者が切腹したのもこの刀。
じっと刀の刃を見つめる。
いくつもの忌まわしい伝説が、この現代でどのように機能するというのだろう。
時計を見る。午後3時過ぎ。あと数時間で2日目の夜が来る。
まだ生き残っている自分。
制限時間以内に残り1人にならなければ、全員の首輪が爆発するという。だがそれは本当
だろうか。早川はまだ危険を実感したことがない。出発直後に吉井に声をかけられたが、
すぐに別れてしまった。正確には、吉井が早川から逃げたのだ。この刀を持っている早川
を見て。早川を恐れたのか。それとも、妖刀・村正を恐れたのか。吉井には、この妖刀の
持つ何か不思議な力が伝わったのだろうか。

71:「83・妖刀 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:35:57 1b6FiKuM0
そんな神秘の力を纏う刀なら、自分にも何かしら出来るのではないだろうか?あの吉井が
逃げたくらいなのだ。吉井が早川に怯えるはずなどない。ならばこの刀に怯えたに決まっ
ている。
この妖刀さえあれば。
(………試してみようか)
少しだけ、外を出歩いてみようか。気づかれないようにどこかに潜んで、もしそこを誰か
が通ったら、背後から。そう、背後からなら気づかれないはずだ。
右手で刀の柄に触れる。冷たい感触。
額に汗が滲む。自分の呼吸が荒くなっている。いつの間にか口元に怪しい笑みが浮かんで
いる。ピクリと頬が歪む。
(この刀なら………俺にだって………)
ふいにどこかで鳥が鳴いた。一瞬息を飲み。慌てて首を振った。
いけない。
自分の心が危険な方向へと向かっている。
(………でも………)
チャンスかもしれない。もしここで勝利出来れば。見返すチャンス。自信を持つチャンス。
危険な賭けとはわかっているが。
(………1人だけ)
そう、1人減らすだけだ。あとは他の人たちに任せよう。
1人だけ。
刀の感触を味わってみたい。
1人だけ。
たった1人だ。
ゆらりと早川は立ち上がった。
何かに魅入られたような目をして。

【残り・32人】

72:「84・ラッキーカード 1/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:37:53 1b6FiKuM0
(……谷さん……)
平野恵一は拭いても拭いても込み上げてくる涙を拭いながら、膝を抱えていた。
平野が辿り着いた場所は、南西の海岸沿いの洞窟だった。
市街地の隅を突っ切り、かなりの距離を歩いたと思う。目の前は海。近くには小さな港が
あるようだ。今いるエリアが次の禁止エリアに入っていないことを確認すると、地図を鞄
にしまった。
平野は谷の遺体を見た。香月の襲われた場所に戻り、それを見た。
あの時、途中で出会った嶋村は北川を迎えに行くと言った。けれど、平野はどうしても谷
の様子を調べに戻りたかった。一刻も早く。
嶋村は北川を選んだ。平野は谷を見捨てた。
自分が見捨てたことへの罪悪感。
結局、谷も失い、嶋村もその後どうしているかわからない。全てが裏目に出る状態。
考えを変えたくて、鞄の中から自分に与えられた支給品を取り出した。何度読んでも意味
がわからない。
真っ白なカード。
赤い字で「ラッキーカード」と書かれている。
『生き残りたければ「J-2」の研究所へ行け!ただし、マーマレードジャムを忘れずに!』
説明はそれ以外には全く無い。後は裏面に西洋風の意味深な絵が描かれているだけ。
(マーマレード?)
平野の鞄の中に入っていたのはパンとバターだった。
(マーマレードだった人もいるのかな?)
静かな空間に、波の音だけが聞こえた。数時間前までは谷との会話があった。
けれど今は1人。
(行ってみようか)
この研究所とやらへ。けれど平野の体力が続くだろうか。
(マーマレード……どうやって手にいれよう?)
何故マーマレードなのだろう。考えることが多すぎる。
「マーマレード……」
「ママがどうかしました?」
突然の声に顔を上げる。

73:「84・ラッキーカード 2/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:39:11 1b6FiKuM0
「……なんだ、恵一か」
呟いたのはユウキだった。どこか残念そうな表情を浮かべている。
「ユウキ……無事か」
「……まあね。恵一も」
中途半端な答え方をして、洞窟の壁、平野の向かいに座る。同い年の2人が、複雑そうな
表情をしながら。
「恵一、誰かに会った?」
尋ねられて当然なユウキの問いかけが、平野を深く傷つけた。
「……谷さんと……嶋村と……香月」
「香月………」
ユウキの声色が、微かに変わる。
「香月、どこにいた?」
「どこ……だったかな……あいつは危ないよ」
「危ない?」
身を乗り出して尋ねてくる。
「谷さん………香月にやられたんだ………」
「………へえ」
ユウキの答えはそっけない。驚くでもなく、悲しみを伝えるでもなく、平野を励ますでも
なく、ただ返事をしただけだった。
「俺を……かばって………」
また涙が込み上げてくる。慌てて袖で拭った。今は泣いている場合ではない。
「ユウキ」
「ん」
「お前、マーマレードジャム持ってるか?」
「マーマレード?ああ、さっき呟いてたの、そのこと?」
「ああ、持ってるか?」
「いや、アーモンドバターなら入ってたけど」
「そうか……」
「マーマレードがどうしたんだ?」
平野は鞄からラッキーカードを取り出した。

74:「84・ラッキーカード 3/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:40:21 1b6FiKuM0
「これ」
ユウキは慎重にそれを受け取ると、やや眉をしかめながらその文章を読んだ。
「………なんだこれ?」
顔を上げ、平野を見る。平野も小首を捻って見せた。
ユウキはラッキーカードを太陽の光に当てたり、ちょっと壁で叩いてみたりした。何も変
哲もないカードだ。プラスチックだろうか。定期券程度の大きさだ。
ユウキは地図を広げた。研究所の位置を確かめる。
「島の端っこか……そんな遠くはないな」
再び顔を上げ、平野を見た。
「恵一」
「ん?」
「行かないか?」
ユウキの顔は真剣で、どこか楽しげだった。ワクワクしているという表現がぴったりだ。
「研究所。何があるか知りたくないか?」
「知りたい……けど……今から?」
「今から」
平野は呆れたように目を閉じた。
(俺、どこまで体力持つかな……)
自分の体はまだ完全ではない。そんな不安を察したように、ユウキが続けた。
「疲れたら休めばいいよ。俺も肩貸すし。だって、恵一だってこのカードの意味、知りた
いだろ?」
「ああ」
しっかりとうなずく。
「じゃあ行こうよ。ちゃんと体調を見ながら歩こう」
そうなのだ。ここに座っていたって始まらない。動かなければ。
生き残る為の手段がこのラッキーカードには隠されている。
(みんなで生き残れるのかな……)

【残り・32人】

75:《OTHER SIDE・3 1/3》 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:42:00 1b6FiKuM0
白い飛沫を上げて、1台の小さな船が海を走る。
操縦しているのは、水玉模様の赤いスカーフを靡かせたリプシー。
スカーフが揺れ、その下に提げている小さなペンダントがチラリと見えた。
涙型のクリスタル。彼女からもらったものだ。
『リプシー、これ、あなたにあげる』
そう言って、彼女は微笑んだ。
『これね、あの発表があった後、ファンの人からもらったの』
少し照れたように話す。
『だから、あの日からそう決めたの。このペンダントを私の流す涙の代わりにしようって。
私はずっと笑顔でいるわ。でなきゃファンの人も選手のみんなも心配でしょう?不安でし
ょう?だから、私は笑顔でいる。代わりにこのペンダントが泣いてくれる。私の涙は全部、
ここの中』
彼女はペンダントを外し、リプシーの掌の上に乗せた。
『私達はいなくなるけれど、私の分まで頑張って』
リプシーはその場でペンダントを首にかけた。
『………ええ、頑張るわ。私ももう泣かない。絶対に泣かない。このペンダント、貴女だ
と思って大事にするから。絶対肌身離さず持ち歩くから!』
彼女はニッコリと笑った。風に揺れる黄色い髪。可愛らしい雛菊のような笑顔で。
草原の香りのする彼女と、潮風の香りのするリプシーの、それが別れだった。
もうこれ以上、大切な人たちを失いたくはなかった。
例え、この想いが通じていなくても。

76:《OTHER SIDE・3 2/3》 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:43:11 1b6FiKuM0
ネッピーはそのリプシーに背中を向けて座り、海に残る航跡をぼんやりと見ていた。
(パンツが見えるのが嫌ならさ、もっと長いスカート履くか、ライナみたいにズボン履け
ばいいじゃん)
風に揺れるミニスカートがリプシーには気になるらしい。
「お年頃だからね」
ネッピーの隣で、同じ方向を向いて座っている大島コーチが言った。
両手で小型無線装置を抱えている。小型だが、大島の体と比べると充分な大きさが感じら
れた。
「普段スタジアムでは平気でスカートヒラヒラさせてんのに……。ねえ、大島コーチまでなに
も一緒にここまで来なくても……」
「だって、連絡係がいないと不便だろ?」
ニコニコしながら答える。
「多分島だと携帯は使えなくなるからね、ヘッドセットタイプの無線ね。トランシーバー
みたいなもんだよ。ちゃんと防水加工されてるから。あと、食料はこれだけ買いこんであ
るからね。いざとなったら釣りでもして増やすけど」

77:《OTHER SIDE・3 3/3》 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:44:20 1b6FiKuM0
リプシーは真っ直ぐ前を見つめていた。目の前に広がる海。
視線はただ一人の人物の面影を追っていた。
(始めて意識したのは、あの日)
中日との交流戦。
中日のマスコットであるドアラがリプシーの元へとやって来た。
リプシーはファンの子供達と、ネット越しにやりとりをしていた。
ふいに肩に柔らかい何かが乗った。
見ると、ドアラがリプシーの肩を抱いている。
ビックリしたのと同時に、その存在のインパクトに驚いた。
そしてドアラは、何食わぬ顔でリプシーの肩を抱く手に力をこめてきた。
(な、何この人……いえ、何このドアラ……)
戸惑ってしまった。リプシーは子供の構える携帯カメラにポーズをとりたいのに、ドアラ
が邪魔をする。心なしかドアラはドラゴンズ側へリプシーを引っ張って行こうとしている
ようにも思えた。
(ちょ、ちょっと痴漢……!)
その時だった。
「へえー、これが噂のドアラかー」
そう言って、あの人が現れた。さり気なくドアラの注意を引く。
「握手しよう、握手」
その人が両手を差し出すと、ドアラも両手を差し出した。リプシーの体が自由になる。
その人はさりげなくリプシーに「お逃げ」と合図を送った。
その時から、リプシーはその人に目を奪われるようになった。
(私をドアラのセクハラから助けてくれた……)
気のせいだったのかもしれない。単にあの人がドアラと遊びたくて、偶然だったのかもし
れない。
それでもいいのだ。
リプシーはそれ以来あの人を見つめ、あの人のさりげない部分をいくつも見出した。
今度はリプシーがあの人を救う番だ。
(必ず……必ずお助けします……どうかご無事で……)

78: ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/14 20:47:20 1b6FiKuM0
今回は以上です。
年末に向けてちょっと仕事が増えてきそうなので、投下量が少なくなるかもしれません。
出来るだけ週1回のペースで投下出来るよう頑張ります。

79:代打名無し@実況は実況板で
06/11/14 20:50:57 K6nbKr5D0
ちょwwwドアラwww
ペースなんて気にしなくても投下していただければそれで十分でございますハイ

80:代打名無し@実況は実況板で
06/11/14 23:01:05 Z7Ns8DL+0
職人さん乙です。無理はいけませんからお仕事がんばってくださいね
ってかドアラwww痴漢なのかよwww

81:名無しさん
06/11/15 01:03:48 kHI9LoSEO
また明日だな…

82:代打名無し@実況は実況板で
06/11/15 09:30:48 uVdpVo7lO
リプシーの想い人が気になる罠

83:代打名無し@実況は実況板で
06/11/15 10:20:11 J4ydDHF2O
ちょwwwドアラwww一番最悪www

84:代打名無し@実況は実況板で
06/11/15 13:00:52 NK4Ci6hmO
職人さん乙!超乙!
無理はなさらないでくださいね(´・ω・`)
一瞬ドアラがリプシーの想い人かと思ったwwwww

ファルルのペンダント……(´;ω;`)

85:代打名無し@実況は実況板で
06/11/16 02:18:41 59bUxzuqO
保守

86:代打名無し@実況は実況板で
06/11/16 12:34:49 Jzmzm04I0
ほしゅ

87:代打名無し@実況は実況板で
06/11/16 19:57:01 O+N+NKVN0
保守

88:代打名無し@実況は実況板で
06/11/16 20:06:05 6Uz0HJXr0
新スレ立ててから埋めろよ>本スレ

89:代打名無し@実況は実況板で
06/11/17 02:23:01 1OQFf+SeO


90:代打名無し@実況は実況板で
06/11/17 19:46:05 1OQFf+SeO


91:代打名無し@実況は実況板で
06/11/18 08:08:31 0fxSnAJ4O


92:代打名無し@実況は実況板で
06/11/18 21:09:52 r8Hlk2/I0
保守

93:代打名無し@実況は実況板で
06/11/19 14:55:02 NS2/Vboy0
捕手

94:代打名無し@実況は実況板で
06/11/20 00:18:54 A+fLosnGO
ほしゅ

95:代打名無し@実況は実況板で
06/11/20 10:22:28 wGNC5C7hO
おはよう保守

96:代打名無し@実況は実況板で
06/11/20 22:58:34 Eg0gktt90
おやすみ保守

97:代打名無し@実況は実況板で
06/11/21 09:53:08 QHVMNgUHO
捕手

98:「85・希望死因・過労及び熱中症 1/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:11:27 0Ui6RH/f0
菊地原は空腹を感じていた。
鞄を失った。地図の無いことがどれだけ危険かは十分わかっている。簡単な島の地図は頭
の中に残っているが、細かいエリアの区切りなどはわからない。次に禁止エリアが増えた
時にはどうすればいいのか。
(あまり歩きまわるのもよくないんだがな)
歩かなければならない理由があった。仲間が欲しい。地図を持っている仲間が。喉も渇い
ている。どこかに水はないだろうか。市街地の方に行けばあるだろうか。炎天下にしばら
く倒れていたのがいけなかったのだろう。徐々に疲労も感じてきている。微かに腹部が痙
攣しているようだ。
体の酷使には慣れている方だが、今の状況は訳が違う。
ユニフォームのボタンをひとつちぎり取り、口に放り込んだ。こうすれば自然と唾が出る。
本で読んだ知識だが、少しは気休めにでもなるだろう。
6月とはいえ、昼間の陽差しは容赦ない。爆風で帽子も失った。汗が止まらない。
(熱中症が恐いな)
空腹で、水分も無い。最悪だ。
体力には自信のある方だ。でなければ連投が仕事の中継ぎなど出来ない。脅威の疲労回
復度を誇る菊地原だ。けれど。
(さすがにきついな。まだ2日目だってのに)
微かに眩暈がする。腹部や四肢の痙攣も確か熱中症の症状ではなかったか?
(これは水よりもまず塩分補給だな……塩とか梅干だ。いきなり水をガブガブ飲んだらヤ
バイって聞いたことあるぞ……)
これまでに貰ったファンレターのほとんどに、こう書かれていた。
『お体をお大事に』
『体に気をつけてがんばってください』
友人たちからも言われた。
『死なない程度に頑張れ』
笑いながら話したものだ。仲間内でも連投が菊地原のステータスになりつつあるようだ。
困った時の菊地原。
それがチーム内での存在意義だった。

99:「85・希望死因・過労及び熱中症 2/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:13:19 0Ui6RH/f0
無言のまま、土の上を歩く。サクサクと乾いた音がする。いい天気だ。
いい天気すぎる。日陰が見当たらない。あったとしても、自分の体をゆっくり休められる
ような場所ではない。
(歩いて行けば、どこかに日陰か水があるさ)
自分を励ましながら歩く。
昨夜はあまり眠れなかった。こんな状況に放り込まれてぐっすり眠れる方が変なのだ。な
のに一緒にいた萩原があっさり寝てしまった。物事を考えすぎる萩原が、あんなにあっさ
り眠ってしまうとは意外だった。それとも菊地原が緊張しすぎているのだろうか。
徐々に体が汗をかかなくなる。
(これってヤバイ状態だよな)
熱中症の一歩手前。すぐにでも日陰を見つけて休まなければ。口の中がカラカラだ。
(………畜生)
「菊?」
声がした。ずっと地面ばかり見ていた顔を上げる。目が霞む。視界が揺れている。
「菊、大丈夫か?」
心配そうな声が歩み寄って来る。菊地原の目の前が真っ暗になった。
「菊!」
崩れ落ちる菊地原の体を支えようとして腕を伸ばした的山は、巻き込まれるようにして一
緒に地面に倒れた。
「菊!しっかりしろ!」
水を取りだし、菊地原の口に当てる。少しは飲んでくれたが、十分とまでにはいかなかっ
たようだ。その体温の高さに驚く。菊地原の意識は朦朧としていた。
「菊!」
頬を叩く。菊地原はまともな反応を返さなかった。

100:「85・希望死因・過労及び熱中症 3/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:14:12 0Ui6RH/f0
「菊………」
心配そうな表情をしていた的山が、ニヤリと笑った。
「………お前が勝手に倒れたんだ」
そのまま菊地原の体を横たえる。
「熱中症、水分不足、過労……理由ならなんでも後からつけられる」
空を見上げる。まだ眩しい太陽がしっかりとその存在感を示している。腕時計を見る。ま
だあと2時間は太陽が照っていてくれるだろう。
「お前さんなら、過労で死んでもおかしくないよなあ。死因、過労及び熱中症」
立ち上がる。
「このまま静かに、眠ったみたいに死ぬ方が楽だろ?」
ふと菊地原のポケットの膨らみに気がついた。手を伸ばし、それを取り出す。
「手榴弾か……こいつはいいや」
見つけた1個だけを自分の鞄にしまって歩き出す。振り返らず。
「……別に俺は何もしてないからな」
何もしない、罪。
目を閉じたまま、菊地原は動かない。

【残り・32人】

101:「86・あの時… 1/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:15:49 0Ui6RH/f0
出発したその夜に川辺で川越に声をかけられて以来、坂口は誰とも会っていなかった。
どこかで声を聞いたような気もする。爆発音や破裂音を聞いたような気もする。けれど、
それが殺し合いの副産物だという確証はどこにも無かった。
坂口は何も見てはいない。森の中、小さな家の中にずっと篭っている。下手に出歩くのは
危険だ。自分から危険に飛び込んでいく必要はない。与えられた武器も、どことなく微妙
だ。まるでチーム内における自分の立ち位置のように。
毒薬を一体どう使えばいいのか。誰かに毒を飲ませるには、まずその誰かに近づかなけれ
ばならない。近づくにはここを出て歩かなければならない。そして何か食べ物に添えてこ
の毒を差し出すのだ。混ぜるか、かけるか、強引に飲ませるか。
偽りの仲間を作るべきだろうか。
(仲間……)
もし相手が銃を持っていたら、自分は相手に近づけるだろうか?坂口が毒を提供する前に、
自分の胸に風穴が開くかもしれない。
(………弱い武器だよな)
寂しい。不安だらけだ。誰を信じればいいのかわからない。
もうこんなことを繰り返し、数時間以上考えている。ずっと同じことばかり考え続けてい
る。簡単に答えが出るのならこんな苦労はしない。考えているうちに、時間だけがどんど
ん過ぎてゆく。
何ひとつ、建設的なものがない。
(こういう優柔不断なところが俺の駄目な点だよな。走塁とか、瞬間の判断が必要だって
のに、いつもスタートで躊躇っちゃうんだ。散々コーチにも言われてきたことなのに……)
コンコン。
ふいに音がした。一瞬それが音だと気づかず、どこから聞こえたかもわからず、空白の時
間があってから慌てて周囲を見回した。
窓ガラスを叩いた音だと気づき、驚いて立ち上がる。念の為、室内で見つけて手元に置い
ておいた火かき棒をしっかりと握った。少し距離を取って、窓を見た。
笑顔の本柳がかろうじて窓から顔を出している。きっと背伸びをしているのだろう。その
横には伏せ目がちの目まで見える人物。あの感じは恐らく川越だ。
本柳は坂口を見つけ、ホッとしたような嬉しそうな表情で手を振った。

102:「86・あの時… 2/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:17:01 0Ui6RH/f0
笑顔。見慣れた仲間の笑顔。親しげな笑顔。
あの笑顔のどこを疑えというのか。ましてや本柳と川越だ。チームで1、2を争うくらい
の「いい人」なのだ。疑うことなく無条件で信頼出来る2人がやって来たのだ。
坂口は急いで窓辺へと歩み寄った。仲間がいたのだ。ようやく独りではなくなるのだ。
昨夜、川越は仲間を信じろと言った。けれど坂口は信じなかった。川越に背を向けて逃げ
出した。それでも川越は「頑張れ!」と叫んでくれた。
そして今、自分はやっと川越と本柳を信じようとしている。
もっと早く信じればよかったのだ。そうすれば、こんな不安で寂しい時間を送ることもな
かった。
あの時川越を信じていれば、もっと違う展開になっていたはずなのに。
坂口の笑顔を見て、本柳も満面の笑顔になる。
(よかった!やっと……!)
そう思って窓を開けた瞬間、本柳が何かを取り出し、坂口の頭部に痛みが走った。
(え?!)
「あ、失敗」
本柳がライフルを構えていた。その先からは白い煙が上がっている。
痛みを感じる箇所に手をやった。ヌルリとした感触。驚いてその手を見る。血に濡れてい
た。
(え?!)
銃弾が頭部を掠ったのか。
「ミスった。も一度」
本柳がライフルを構え直す。
「う、うわ!」
坂口は慌てて家の奥に逃げようとした。途端にビシッという痛みが首に走った。痛みはそ
のまま首に巻きつき、ギリギリとした継続的なものに変わった。
「え?」
急に息苦しくなった。見ると窓から長いロープのようなものが伸び、坂口の首に巻きつい
ている。そのロープは川越によって絶え間無く引っ張られていた。
(な、なんだ?!)
声に出そうとしても出なかった。喉が締め上げられているのだ。

103:「86・あの時… 3/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:18:08 0Ui6RH/f0
逃げようとする。が、首に巻きついたそれに引っ張られて動けない。逃げようとすればす
るほど、自分の首を絞めることになる。かといって首を緩める為に窓辺へと歩み寄れば、
本柳の銃口が待っている。
(ひ………!!)
本柳が再びライフルを構える。標的になっているのは自分。本柳が顔をしかめて片目をつ
ぶり、照準を合わせる。
(本柳さん!!)
泣きそうな思いで叫んだ。声には出来ず、心の中で。
あの時、信じろと言った川越。
信じなかった自分。
そして、今信じようとした自分。
一体何が正しいのか。
坂口は混乱した。
しかし一向に本柳は引き金を引かない。呼吸の出来ない苦しさと、向けられた銃口への恐
怖が坂口の心を支配する。それ以外は何も考えられない。
(あ………ああ……あ………!)
静かだった。
ただ時折ロープの軋む音だけが小さく聞こえた。
やがて、ピクン、ピクンと坂口の頬が引きつった。カッと目を見開いたまま、その体が崩
れ落ちた。
静かだった。
「撃たなくてすんじゃったな」
安心した口調で呟きながら、本柳が窓を乗り越えて家の中に入ってくる。
入り口の方を見ると、予想通り中から鍵がかかり、バリケードが張られていた。
続いて川越が窓を乗り越えてくる。右手に畳んだ鞭を持って。
本柳は倒れている坂口を無視して、鞄を漁った。
「食べ物と飲み物、地図と……これかな?」
手にした小壜を見る。
「毒薬か……」

104:「86・あの時… 4/4」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:19:14 0Ui6RH/f0
本柳が小さくため息をつく。
「ちょっと難しい武器だな……」
川越の方を見た。右手に鞭を持ったまま、ボーッとしている。本柳は毒薬の小壜を川越に
渡した。
「持ってて下さい」
ぼんやりとした動きで川越はそれを受け取る。
「ん?」
本柳の視界に、鳥籠にしてはやや大きめの籠が見えた。一羽の鳥がいる。あまり家庭では
見かけないような、原色鮮やかな鳥。腹を空かせているのか、目を閉じ、じっと動かない。
歩み寄り、中を覗き込んだ。水と餌が入っているはずの桶は空になっている。
「………食うかな」
本柳は自分の鞄からペットボトルを出し、まずは桶の片方に水を注ぎ入れた。そしてもう
片方に、パンを小さくちぎって詰めた。そして詰めきれない分を少し、籠の端に置いた。
鳥はパチ、パチ、と二回瞬きをしてから、ようやく目を開けた。本柳は静かに籠の扉を閉
めた。
「安心していいぞ、誰もお前をいじめたりしないから。餌、食っていいんだぞ、腹減って
んだろ?」
鳥は早速水に飛びついた。そしてパンに。本柳は嬉しそうに笑った。
「よかった、やっぱり腹減ってたんだな」
夢中になっている小鳥を見つめ、改めて川越を見た。
「行きましょう。また援護お願いしますね」
本柳の表情は、小鳥を見つめている時と変わらない。無邪気な表情でライフルを抱え直す。
2人が再び窓から外へと出て行った。

あの時川越を信じていれば、もっと違う展開になっていたはずなのに。

【×坂口智隆 残り・32人】

105:「87・探り合い 1/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:20:35 0Ui6RH/f0
首輪探知機を手に、下山は市街地へと足を伸ばした。
移動しない時は電池がどれくらい持つかわからないので、大体30分置きくらいに電源を入
れる程度にしていた。掌サイズの黒い手帳のような形。取り扱い説明書は本体付属のポケ
ットにしまえるようになっている。何かとお手軽なコンパクトサイズ。
(ゲームでも出来たらいいんだけどな)
ゲームに夢中になって、誰かに背中から襲われては意味がないけれど。
今、その探知機はひとつの明かりを灯していた。下山はその明かり目指して歩く。遠くか
ら見て、敵ではないようなら声をかける。明らかに敵なら………
(逃げるよな、俺の場合。それが無難だって)
相手の持っている武器にもよるだろうが、それはまたその時に考えればいい。武器を持っ
ていても恐くない人間もいれば、武器を持たずともその存在自体が恐ろしい人間だってい
るのだ。
(誰とは言わないけどさ……)
はたして自分はどちらに属する人間なのだろう?
画面を見る。徐々に自分の首輪が、相手の首輪に近づいている。
そしてとうとう、相手の詳しい居場所を見つけた。
『Cafe Bs』
そんな看板のかかった店。建物の外からでもコーヒーのいい香りがする。
一瞬「罠」という言葉も思い浮かんだが、腹の虫が鳴った。コーヒーの香りには勝てなか
った。扉にかかっている中立地帯の説明をしっかりと読み直し、慎重にドアを開けた。
「いらっしゃーい」
カウンターの中から元気な声をかける相川に驚いた。そして、カウンターに座ってコーヒ
ーを飲んでいる迎がいた。ビックリした顔で下山を見ている。
下山は場を和ませるように、軽く手を上げた。迎も曖昧な返事を返した。そのままカウン
ターの端に腰を下ろす。念の為、少しの距離を取った位置に。
「何にしましょ?」
相川がメニューと砂時計を差し出す。

106:「87・探り合い 2/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:21:55 0Ui6RH/f0
「本格的なんだな」
「キチンとコーヒー専門店のマニュアルもらって来たんで」
「じゃあ、抹茶オレ」
「それコーヒーじゃないです」
「じゃあ……アイスカフェオレ」
「かしこまりました」
ペコリとお辞儀をして、相川が作業を始める。
「……シモさん」
恐る恐る迎が声をかけてきた。
「なんだ?」
「誰か、恐い人、いました?」
「いや、俺は会ってない。お前は?」
迎は両手でコーヒーカップを包むと、静かに呟いた。
「……死体、見ました」
「誰の」
「……近藤。地面に犯人の名前っていうか、手掛かり残して」
「………誰だ?」
「お待ちどう様ー」
相川が下山の前にアイスカフェオレを置いた。カランと氷が音を立てる。
「地面に残ってた文字からすると、吉井さんかユウキさんか歌さんです」
下山は少しだけガムシロップを入れ、一口飲んだ。
「俺、コボの敵、討ちたいです」
『近藤』ではなく、ニックネームで呼んだ。
「俺ら、ずっとサーパスで頑張ってきました。あいつの努力も見てるし、俺も負けないよ
うに頑張ってきました。だから、敵討ちたいです」
「敵は他にもたくさんいるかもしれないぞ」
「わかってます。だから、吉井さんかユウキさんか歌さんに会ったら……」
そこで言葉が止まった。再びドアが開いたからだ。

107:「87・探り合い 3/3」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/21 20:22:56 0Ui6RH/f0
「いらっしゃーい」
元気な声に迎えられたのは村松だった。ボウガンを肩にかけ、中を見回している。自然と
迎は身構えてしまった。
「……中立地帯、なんだよな?」
村松のいぶかしげな問いかけに、相川は元気よくうなずいた。
「はい!ここで戦い始めたら、すぐに首輪が爆発します」
「……そうか」
村松は迎と下山から離れた席に座った。すぐに村松に砂時計が与えられる。何を意味して
いるのか、ブランボーがサムアップして見せた。
「……なんで相川たちがここにいるんだ」
「まあいろいろありまして、お手伝いを」
「手伝いってのは俺達のか、それともオーナー側か」
一瞬、相川が返事に詰まる。そして、俯きがちの視線で答えた。
「………オーナー側です」
しかしすぐに顔を上げ、自信に満ちた声で答えた。
「正確にはサーパス側です!」
紛れも無い宣言。それが相川の本心だった。
「そうか」
それきり、村松は黙ってしまった。
「……コーヒー飲みますか?」
「……エスプレッソ。シナモンスティックはあるか?」
「はい。少々お待ち下さい」
「村松さん」
意を決したような口調で、迎が声をかけた。村松は無言のまま静かに迎を見つめた。
「吉井さんかユウキさんか歌さんに会いましたか?」
「いや。その3人がどうした?」
迎は自分が見たことを話し始めた。下山に説明した時よりも、もう少し詳しく。
相川はカウンターの奥の部屋に姿を消した。

【残り・32人】

108:代打名無し@実況は実況板で
06/11/22 05:37:30 OeUAJVbiO
ORIX

109:代打名無し@実況は実況板で
06/11/22 15:32:30 ZSVihz9O0
。・゚・(ノД`)・゚・。坂口いいいいいいいい

110:代打名無し@実況は実況板で
06/11/22 17:23:43 X/EzJn6gO
グッチが……グッチが………(´;ω;`)

111:「88・タナボタ 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/22 21:46:03 AVuGJqTq0
ぼんやりとしたまま、川越は緩やかな坂道を登っていた。歩く、というよりも、勝手に両
足が動いていた。前を歩いている人物に続いて、後ろを歩く。自分でものを考えていない
状態。白い靄のかかった記憶の中。
突然、鋭く甲高い声で鳥が一声鳴いた。
ハッとして、右手に握っていた小壜を落とした。
後ろから規則的に聞こえていた足音が止まったので、本柳が慌てて振り返った。
「どうしました?」
「あ……」
少しずつ、頭の中の靄が晴れて行く。
「敵ですか?!」
敵。
その一言がキーワード。再び川越の頭の中が白に侵食される。
「……いや」
「なら行きましょう。川越さん、前歩いて下さい」
即されて前へと進む。
あの時認識した解放の合図は、鋭く甲高い鳴き声。なかなかあの鳥は姿を現さない。

一方、地面に落ちた小壜は緩やかな坂を転がっていった。死の液体で満たされたそれは
コロコロと転がり、やがて丸太にコツンとぶつかった。
「ん?」
丸太に腰掛けていた筧がそれに手を伸ばす。そっと取り上げ、貼られてあるラベルを見る。
(毒薬?)
小首を傾げる。また奇妙な武器に出会ったものだ。
誰が落としたのだろう?何故ここに?
立ち上がる。
目の前で牧田が殺されてから、筧は歩き続けていた。一所に止まっていては、敵の格好の
標的になる。どこにどんな罠が仕掛けてあるかわからない。常に動いていなければ。
そんな脅迫観念に押され、筧は歩き続けていた。しばしこの丸太に腰掛けて休み、またそ
ろそろ出発しようとしていたところだった。

112:「88・タナボタ 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y
06/11/22 21:46:48 AVuGJqTq0
疲労していた。仲間にも出会えず、ひとりぼっちのまま、あてもなく歩き続ける。
地図に載っている市街地。そこに向かえば食料や、何か使えそうな道具があるかもしれな
い。そう思って方向を定めて歩いた。
あの罠は突然だった。牧田の命を奪った事故。いわゆるトラップタイムのひとつだったの
だろうか?
(いや、オーナーは違うトラップの話をしてた……)
ということは、あれはオーナー側のトラップではない。違う敵の仕掛けた罠。
誰か……一緒にこの島に放り込まれた選手の仕掛けた罠。
牧田の死体をハッキリとは見なかった。その体は照明器具に押し潰され、隠された。筧は
無我夢中でそこから逃げ出した。そして次の放送の時、牧田の名前が読み上げられた。
(………ひとつ間違えば、あれは俺だった)
(俺は運が良かったんだ)
(そうだ、まだ俺にはツキがあるんだ)
(こうやって、簡単に新しい武器まで手に入った。神様は俺に味方してる)
歩き続け、市街地が見えてきた。やがてその店を見つけた。『Cafe Bs』。扉に貼ってある注
意書きを読み、どこかホッとしながら中に入った。
村松、下山、迎が一斉に筧を見つめる。筧もその視線に驚き、ドアノブを握ったまま足を
止めた。
「あ、あの……」
「中立地帯だそうだ。何もしないよ」
村松が声をかける。
「そ、そうですか」
中途半端に笑いながら筧は店内に入った。ドアを閉める。安心したせいで、バタン、と少
し乱暴に。
突然、相川がカウンター奥の部屋から飛び出して来た。
高らかな宣言と共に。
「トラップターイム!」

【残り・32人】


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