一億円プレーヤーバト ..
119:2 ◆ACsLXL4x9o
06/08/29 01:10:47 5I6IGvfs0
なるほど、それはそうかもしれない。
自分を殺そうとしている者の言葉に、妙に納得してしまう。
死にたくないから殺す、実に単純な話だ。これならば腑に落ちる。先程の金村の
話よりもよっぽど理に適っている。
こんな状況で、やけに冷静に相手の言葉を受け止めている自分も、もしかしたら
十分オカシイ部類の人間に入るのかもしれない。
どうせなら金村くらい、『生きる気も死ぬ気も無い』とかわけの分からないこと
を言いながら、達観出来るオカシさがあったら、今こうやって殺される瞬間も、ここま
で怖くも悔しくもなかっただろうか。
落合だって死にたくはない。死にたくはないが、殺したくもない。そんなマトモな
落合は今、まさに殺されようとしている。
死にたくないのに殺されるのは、実に最悪な結末だろう。
(でもやっぱりわっかんねーよ、金村)
死ぬ前に軽くヒトの頭をかき混ぜていったマイペースエースの顔が浮かぶ。
(結局あれってどういう意味なんだ? お前がこうやって、今の俺みたいに居眠り
から覚めた瞬間通りすがりの人殺しに殺されても、お前はそんなことが言えるのか?
お前は死ぬ時どんな気持ちで死ぬんだ?)
畳みかけるように浮かぶ疑問に、応える者はここにはいない。
(人間がどうせ死ぬのはそうだけどよ、やっぱり、やりたいこともあるし、やり残
したこともあるし、死にたくないって思うのが人間なんじゃないのか?)
こちらが肘を押さえ起きあがるよりも早く、二発目、三発目が立て続けに撃ち込
まれた。それらは今度こそ、確実に落合を死へと誘う急所へと刻まれた。
「う……あ……っ!」
声も出ないほどの激痛。それはすぐに無痛へと変わり、間もなく暗い意識は闇の
底へと落ちていく。
120:2 ◆ACsLXL4x9o
06/08/29 01:11:19 5I6IGvfs0
「俺はね、生き残らなきゃいけないんですよ、落合さん」
急速に墜ちていく暗闇の中で、そんな声が聞こえた気がした。
もはや、それすらもどうでもいい。彼の生き残りたい理由などに興味がない。
もし、最期に興味があるとしたら―
(そういえば、なんで歌ってたのかも分からずじまいだったな……『ファイターズ賛歌』)
謎を残して死ぬのは気分が悪い。
どうせ死ぬなら、すっきりとしてから死にたかったものだ。
落合は死の間際にたくさんの謎を置いていった男を恨んだ。しかし、彼がここに
いなかったことを、こっそりと天の誰かに感謝した。二人揃って草陰の地蔵になって
しまうよりは、あんなやつでも生きていた方がいいに決まっている。
(お前がどう言うかは、分かんねーけどよ)
闇の海をどこまでもどこまでも沈みながら、落合は誰とも知れぬ誰かに呼びかけた。
それは多分、とても親しい、大切な誰かだったのだと思う。
(ゴメンな―)
ゴロンゴロン……
不定期に響く、まるで舗装されていない道に長らく放置され不具合の生じたタイヤ
を転がすような鈍い音。
「落合さん?」
宣言通り、リヤカーを引いて戻ってきた金村が元の場所に辿り着くと、そこには
沼の表面を優雅に歩くアメンボの姿しかなかった。
「あれー、落合さーん?」
ぐるりと見回し、暢気な声で捜し人の名を呼ぶ。
「おーい」
金村の呼びかけが、応える者のいない草陰に響いた。
落合英二(D26) 死亡 【残り52名 年俸総額111億6580万円】
121:代打名無し@実況は実況板で
06/08/29 01:14:09 ZK2EQ6ZT0
おぉ!初めて投下にリアルタイムで遭遇した!!
122:代打名無し@実況は実況板で
06/08/29 01:53:48 OdaPd6r4O
落合いいいいいいいいいいいいいいいい
orz
123:代打名無し@実況は実況板で
06/08/29 02:22:50 UfJVJjkpO
まさかさすがに寝てる間に、なんてことは無いだろうと思ってたのに…
124:代打名無し@実況は実況板で
06/08/29 21:57:10 EYM+4y4o0
余韻がなんともいえないな ウッ
125:代打名無し@実況は実況板で
06/08/30 23:02:55 jvXDD8uq0
保守
126:代打名無し@実況は実況板で
06/08/30 23:21:09 7aRjmwU/0
谷しゃん…英二しゃん…(ω・`)
127:代打名無し@実況は実況板で
06/08/31 23:52:57 irvbj8Hx0
保守
128:代打名無し@実況は実況板で
06/09/01 08:06:45 xeYgMr57O
落合…(泣)
129:代打名無し@実況は実況板で
06/09/02 01:32:29 gVrjPGjy0
保守
130:代打名無し@実況は実況板で
06/09/02 13:31:08 K+oiR+RFO
スピンアウトに作品きてるね。
131:代打名無し@実況は実況板で
06/09/02 13:46:16 kGCn66MaO
>>130
読んできた。超泣いた。
スピンナウト職人さん乙でした…!
132:代打名無し@実況は実況板で
06/09/03 18:45:26 m8UTRWgq0
保守
133:代打名無し@実況は実況板で
06/09/04 13:07:06 YweOEFmI0
スピンアウト感動した。
134:代打名無し@実況は実況板で
06/09/06 00:30:23 xPXpXCPH0
今岡&佐伯コンビの話が読みたい…
135:代打名無し@実況は実況板で
06/09/06 14:22:55 x1lMc3NC0
保管庫板のAAかわいい
136:代打名無し@実況は実況板で
06/09/07 10:58:35 t4wvBAvC0
そっと保守
137:代打名無し@実況は実況板で
06/09/08 07:58:22 BYzNleBwO
礒部達がみたい
138:代打名無し@実況は実況板で
06/09/08 14:28:55 Scd94rXy0
思い切って捕手します
139:代打名無し@実況は実況板で
06/09/09 11:42:33 nGPI3WpT0
保守
140:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:07:25 PfaVyyl90
黄信号
ピ――…と小さな声をあげ、モニターが暗くなった。
バッテリー切れだ。
(つけっぱなしじゃ半日持たないか。無駄遣いできないな)
慌てもせずその場に腰を下ろし、デイパックを探る。同梱された換えのバッテリーの数は、そう考えるとあまり多くない。
学校を出た後、和田一浩は探知機を頼りに針葉樹の林の中を進んでいた。青いランプが少しでも近い所にあれば、時に道を迂回し、時に木の陰にじっと身を潜めて、相手が十分な距離まで遠ざかるのを待つ。その繰り返し。
薄暗い中で独りきりの、気の遠くなるような行程だった。耐えられたのは、自分の現在位置が捕捉できているという安心感が、たとえ僅かでもあったからだろう。
それもあと少しの辛抱だ。日没前には林を抜けて、次の落ち着き先―林を抜けて真っ直ぐ行った所の、誰かが長い時間留まっていたあの建物のマークがいい―にたどり着ける。
こんなゲーム誰がまともに乗るものかと、初めは思っていた。
だが実際には、あの時学校で聴いた銃声の後にも、赤いランプはそこかしこと増え続けている。一人の異常者がしていることではなく、皆顔見知りの選手同士が殺しあっているのだ。あの『ルール』を信じ、与えられた武器を用い、生き残ろうとして。
かといって、相変わらず実感は持てないままだ。
本当にあの銃声は本物か?本当にこの赤いランプの場所で人が死んでいるのか?この目で見るまでは信じられない。
『そんなのちょっと行って見てくりゃいいじゃないですか』
あの生意気で気の短いエースならば言うだろう。だが。
(それで本当だったらどうするんだよ?)
それで本当だったら――俺は見殺しにしたんだ。F−5地点、14時ちょうどの赤いランプを。
141:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:08:11 PfaVyyl90
「…あれ」
バッテリーがうまく嵌らない。その小さなプラスチックの塊が強張った指を滑って、柔らかい土の上に落ちる。
拾おうと伸ばした右手が震えていた。手首を強く握ってふぅと息を吐く。落ち着け。
自分の安全を最優先、人間は結局自分の命が一番大事…よく聞く話だが、実際やってみるとキツいものだった。
こんなに悩むなら見に行って撃たれて死んでしまった方が楽だったんじゃないかとさえ思えてくる。
(信じない――この目で見るまでは)
だから、見ない。あんなもの本当じゃない。
まもなく夕刻を迎えようとするこの時間になってまで、2色に光るランプ達と、ライオンズのチームメイトや他の選手たちのイメージが結びつかないのは、自分の精神がそれを拒んでいるからに他ならない。和田は自覚していた。大の男が情けない話だ。
そして、例えばこのままゲームが終わるまで潜伏に成功し、年俸総額10億円の中に生き残った時――自分は言うのだろうか。
山と築かれた選手たちの遺体を見ながら、『まさか本当に殺しあってたなんて』と。
身震いがした。
(良くできたゲームだよ。大したもんだ)
ループを続ける思考の中、皮肉な笑いがこみ上げた。
ゲームと言っても、選手達が楽しむのではない。これは見物人達が選手というコマを使って遊ぶためのゲーム。
自分が逃げられる道具を得たから逃げているように、あの『誰か』は殺せる武器があるから殺すのだ。みんな見事に踊らされている。
そこで再びあのエースの童顔が浮かんだ。
踊らされているとして――そうだな、お前ならもっと積極的にこれを使うんだろう。人を助ける為か、殺す為かはわからんが。俺はどうやら駄目だ。どちらも怖い。
142:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:08:48 PfaVyyl90
ピ、と小さく鳴いてモニターが息を吹き返した。
ほんの十数秒の間に状況は一変していた。それにも然程は同様しない。頭の中で考えたことなんてアテにならないと、試合の中で嫌というほど味わっている。
モニターの中、現在地からわずかに北東。和田のベクトルと交わる角度で二つの青が微妙な距離をあけて、林を東側から移動してきている。道連れなのか、追う者と追われる者なのか…。
ぱん、とその方角から乾いた音がした。
「…!」
今度はどちらのランプも青いままだ。
惹かれるように足が動いた。遠ざかるのでなく、その場所へ向かって。
一方の青がもう一方を残して去って行く。取り残された青は動かない。
青と赤があって黄色がないんだな、とふいに思い浮かんだ。あったらからといってどうということもないが、例えば…生きている者の青、死んだ者の赤、殺した者の黄。
和田は走った。もうすぐだ、あの向こう側、ちょうど林が終わる所。
そこに近づいている青が自分。同じ色をしている。
143:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:09:22 PfaVyyl90
一本の針葉樹の根元に座り込んでいたのは、福浦和也だった。
真正面に飛び出す形になってしまい、和田はひやりとしたが、福浦はしばらく気づかなかった。…気づかない、というより。
所謂「体育座り」で膝頭にライフル銃をしっかりと挟み、それだけが自分の拠り所であるかのように銃身をぎゅっと抱き締めている。しかも氷水でも浴びたように小刻みに震えているのだった。怪我はないようだが、明らかに尋常な様子ではない。
(あーこういうのもヤバいな…)
声をかけずに逃げようかと迷い始めたところで福浦が顔を上げた。
「和田さん…?」
ぎくりと動きを止めてしまった和田に、福浦は銃を投げ捨てて縋りついた。
「ナオを、清水直行を見ませんでしたか!?ねぇッ、知りませんか?」
「ま、待て、落ち着け!」
宥めるが、福浦の錯乱は収まらなかった。和田の肩を掴み、ナオが、ナオが、とうわ言のように繰り返す。
和田は相手の胸倉を掴み、平手で頬を張った。充血した目は怯えていたが、それでやや落ち着きを取り戻したようだった。
「福浦、何があった。さっきの銃声は?」
福浦は口をへの字に曲げてかぶりを振った。
「…違う、あいつが…俺はそんなつもりじゃ…」
聞き取れるか聞き取れないかの声で、答えたというより独り言に近い。
「あいつ?」
和田が聞き返したのにハっと我に返って、福浦はまた同じことを問うた。
「それより、清水を知りませんか?どこにもいないんです。あいつ、撃たれたのに…」
『撃たれた』という自分の言葉をきっかけに、また視線がふらふらとさまよう。
「血の跡を追ってたのに、暗くなって見えなくて…こっちじゃないんですかね…?」
言うにつれて、また震えが止まらなくなる。
良く見れば福浦の白いユニフォームは泥で汚れ、擦り切れてさえいる。生死もわからぬ相手を探し、ずいぶんと歩き回った様子が見て取れた。
「俺、どうしたら…どうしよう、ナオ…」
「福浦お前、」
チャラララララララ
144:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:10:03 PfaVyyl90
大音量で島中に響き渡るあの曲が、和田の質問を遮った。
二人同時に、弾かれたように音のする方を見上げる。よろめいて座り込んでしまった福浦を一先ず置いて、和田は自分の荷物から地図とペンを取り出した。
福浦はデイパックを探ることもせず、中空を見上げて固まっていた。もう一度声を掛けようかと迷ったが、その前にあのウグイス嬢の声が鳴り響いた。
『1日目12時より、18時現在までの死亡者―
読売ジャイアンツ 清水隆行 背番号9 1億8000万円
横浜ベイスターズ 若田部健一 背番号47 1億1000万円
中日ドラゴンズ 井端弘和 背番号6 1億4000万円
中日ドラゴンズ 谷繁元信 背番号27 2億5000万円
中日ドラゴンズ 落合英二 背番号26 1億1000万円
中日ドラゴンズ 山本昌 背番号34 2億3000万円
中日ドラゴンズ 福留孝介 背番号1 2億円
阪神タイガース 片岡篤志 背番号8 1億8000万円
広島東洋カープ 佐々岡真司 背番号18 1億3000万円
以上 9名 総額17億3000万円
これによりまして、残り51名。
現在の年俸総額は、107億6580万円 となりました』
145:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:10:57 PfaVyyl90
「あ…あぁ」
福浦は奇妙な声を挙げたきり、地面に突っ伏してしまった。泣いている。
清水の無事を知って余程安心したのだと、和田は思った。
福浦に同行しようと決めた。少々危険な状態ではあるが、自分に危害を加えるようなことはとりあえずなさそうだ。この探知機があれば、これだけ仲間思いの男のために、清水を探してやることができるかもしれない。
そんな思いつきは、自分が罪の意識から逃れたいために他ならないと分かっていた。言い訳をするつもりはない。
『続いて、禁止エリアの発表を行います。
20時30分 G−5
20時30分 G−5
該当するエリア内で行動中の参加者は速やかに移動して下さい。
次の定時報告は、午前0時を予定しております。
皆様の御健闘をお祈りします』
禁止エリアを告げる声に隠され、福浦の呟く言葉は和田の耳には届かない。
地面に伏せたその表情が、未だ恐怖に引きつったままであることも、和田には分からなかった。
「なんで…まだ死んでない…なんで…」
低く、呪いの言葉のように、福浦は繰り返し呟いていた。
放送が終わり、島は沈黙に覆われる。
「…福浦?」
和田が地図から目を上げたとき、そこにはもう誰の姿もなかった。
【和田一浩 福浦和也 F−5】
【残り52名 年俸総額111億6580万円】
146:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/09 12:13:34 PfaVyyl90
訂正します!F−5→F−4です。
最後sageミスすみませんorz
147:代打名無し@実況は実況板で
06/09/09 14:56:23 z7yNY/Ph0
乙です
148:代打名無し@実況は実況板で
06/09/09 23:40:53 jgVMesJm0
新作キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
職人さん乙です!
2323部隊www黒田を呼べ!
福浦…不穏だなぁ
149:代打名無し@実況は実況板で
06/09/09 23:55:40 te8/0cnY0
福浦と清水の関係が気になる。
福留を殺したのはだれ?
150:代打名無し@実況は実況板で
06/09/10 00:06:22 UJGZ9u8dO
福浦には何かウラがありそうだな
職人様乙であります
151:代打名無し@実況は実況板で
06/09/10 22:27:39 W+MwG1da0
(´w`)<福浦にはウラがあるナンチテw
152:代打名無し@実況は実況板で
06/09/10 23:04:09 tzZSTFuy0
>>151
川相さん…このスレにはもう井端が居ないんです…゜。・゜(ノД`)゜・。゜
153:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 02:18:54 tk7ZOpcj0
中日ファンだけど中日選手死にすぎワロタ
154:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 08:25:39 THstyTFUO
真面目なシーンなのにメル欄にワロタ
155:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 16:13:46 Zq/OAK2W0
中日死にすぎwwww
156:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 16:59:59 Fv17gndS0
>>151
[ー。ー]<お迎えに上がりましたよ
と( 6 )っ
ノ ノ
( (
)ノ
157:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:08:46 r/8jt4Ql0
『歩み寄る運命』
岩瀬仁紀は腕時計を見た。六時が近い。
「よ……いしょ、っと」
岩瀬はデイパックを無造作に放り投げ、そして、今度は背負ってきた山本昌を慎
重に降ろした。山本を木の根元に寄りかからせるように安置すると、岩瀬自身もそ
の隣に腰を下ろす。空を仰いだが、夜の迫る森の中では黒い葉陰しか見えなかった
汗にまみれ、蝋を塗ったように光る岩瀬のこめかみを夜風が冷やしてゆく。
大変な道程だった。
岩瀬は、死んでしまったとわかっていても、どうしても山本を置いてくることが
できなかった。微笑んだ表情のまま事切れている山本を見ていると、どうしてもそ
うできなかった。ただそれだけだ。
しかし、それとは別のところで、彼を置き去りにしてしまうと、一緒に岩瀬の中
のとても大事なもの―人として、一番大事なもの―まで、一緒になくしてしま
いそうな気がしたのも事実だ。
<復讐なんて、バカなこと考えるんじゃねぇぞ? 岩瀬>
どこからか、そんな声が聞こえた―気がした。
尊敬していた先輩。可愛がってくれた先輩。岩瀬は、オフに山本の主催するラジ
コンレースの大会に参加したことさえあった。山本は、熱心な口調でラジコンの面
白さを語り、そして、陽気に笑っていた。
自分を庇って殺された、かけがえのない先輩。
危険なことは百も承知で、岩瀬は山本の重い体を背負い、さまよってきた。
158:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:11:21 r/8jt4Ql0
チャララララララ
放送の音楽。岩瀬ははっとして体を起こした。地図と名簿、ペンを取り出す。ど
んなに辛くてもこの放送を聞き逃すわけにはいかない。禁止エリアに引っかかって
死ぬなんてバカな真似をしたら、命を懸けてくれた山本に申し訳が立たない。岩瀬
はぎゅっと目をつぶり、やがて読み上げられるであろう山本昌の名前に耐える覚悟
をした。
(大丈夫、昌さんはここにいる。俺がどこか安全なところまで連れてって、ちゃん
と眠らせてやるんだ)
この放送を乗り越えれば、それができる。それが自分の使命だ。岩瀬はそう信じ
るしかなかった。
『お待たせいたしました。第二回、定時放送をお知らせいたします』
かっと目を開ける。ペンを握りなおし、名簿と地図に集中した。
『1日目12時より、18時現在までの死亡者―
読売ジャイアンツ 清水隆行 背番号9 1億8000万円
横浜ベイスターズ 若田部健一 背番号47 1億1000万円
中日ドラゴンズ 井端弘和 背番号6 1億4000万円
中日ドラゴンズ 谷繁元信 背番号27 2億5000万円
中日ドラゴンズ 落合英二 背番号26 1億1000万円
中日ドラゴンズ 山本昌 背番号34 2億3000万円
中日ドラゴンズ 福留孝介 背番号1 2億円
阪神タイガース 片岡篤志 背番号8 1億8000万円
広島東洋カープ 佐々岡真司 背番号18 1億3000万円
以上 9名 総額17億3000万円
159:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:13:10 r/8jt4Ql0
これによりまして、残り51名。
現在の年俸総額は、107億6580万円となりました。
続いて、禁止エリアの発表を行います―』
「……ウソだろ?」
ペンを持つ岩瀬の手は、しかし、ぶるぶると震えるだけだった。放送はなおも続
いているが、ガンガンと鳴る頭の中をむなしく素通りしていく。
―井端、谷繁さん、落合さん、孝介!?
震えは瞬く間に手から全身へと伝わった。
(みんな……ウソだろ!?)
山本一人だけではなかった。五人ものチームメイトの命が喪われていた。岩瀬に
とっての不幸は、それが現実だと信じざるをえないことだった。現に、放送で名前
を呼ばれた山本は岩瀬の目の前で死んでいるのだ。
―井端、谷繁さん、落合さん、孝介!
体が大きく震え、岩瀬はよろめいた。慌ててバランスをとろうと手をついた瞬間
ひじが何かに触れた。
「あっ!」
ぐら、と山本の体が傾ぐ。岩瀬は慌てて山本を抱え起こそうと手を伸ばした。
ぞくり。
岩瀬は思わず手を離した。山本の体は重力に従い、どうっと音を立てて倒れた。
血にまみれてどす黒く変色した『CD Dragons』のロゴ。
(あ……)
岩瀬は、戦慄した。死者の体は、あまりにも冷たかった。
冷たく、物言わず、岩瀬を拒絶していた。
160:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:15:20 r/8jt4Ql0
「うわあああああああッ!」
形容しがたい激情が脳天を直撃した。耐えきれず岩瀬は絶叫し、どこへともなく
駆け出した。
(みんな死んだ―!)
木々の間を闇雲にかけぬける。細い幹を押しのけ、枯れ葉を踏み散らし、肌の切
れるような風を受けながら岩瀬は疾走した。
(みんな死んだ―!)
「うあッ!」
岩瀬は転倒した。大木の根につまづいたのだ。大蛇のようにうねうねと地を這う
それは、夜の森の不気味さをまとって岩瀬の目に飛び込んでくる。
「くっそぉ……」
土をつかんで立ちあがろうとする。その拍子に、手のひらがずきりと痛んだ。転
んだ拍子に擦りむいたらしい。
立ち上がると、森の奥の方に弱い光が見えた。はっとして目線を少し上にやると、
ドーム型のシルエットが確認できる。滅茶苦茶に走っているうちに、擬似東京ドームの近くまで来てしまったようだった。
悪夢はあそこから始まった。オーナー達はあの中にいるのだろう。しかし、禁止
エリアというバリアに守られた擬似東京ドームには近づくことさえ許されない。
あんなに頼りない光なのに、どうしてこんなにも心を揺さぶられるのだろう。
擦りむいた手のひらがずきずきと痛む。肺が痛む。心臓が痛む。
(痛い)
痛い。痛みを感じる。俺は生きている。
(だけど―)
俺は一人だ。どうしようもなく、一人だ。
161:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:17:20 r/8jt4Ql0
……ザッ……
圧倒的な孤独に打ちのめされる岩瀬の耳が、森の中に異質な音をとらえた。
ザッ、ザッ……
紛れもない。足音だ。何者かの足音が近づいてくる。
(ああ―)
岩瀬は己の運命を悟った。そして、力をなくしてずるずると崩れ落ちた。
(そうか、俺もここで死ぬ運命なんだ)
昌さんは殺された。球を受けてくれる谷繁さんも、堅い守りで安心させてくれる
井端も、落合さんも、孝介も……みんな死んでしまった。どうして俺一人が生き残
れるというのだろう? 一人で生き延びて何になるというのだろう?
ザッ、ザッ―
足音は迷うことなく岩瀬を目指して近づいてくる。
(そうか……俺も死ぬんだ)
不思議と抵抗は無かった。それは、とても自然なことのように思えた。
岩瀬は口を開いた。
「俺を、殺してくれよ」
―ザッ。
足音が、止まった。
「ドラゴンズの岩瀬だ。誰でもいい。ここで俺を殺してくれよ」
「……」
息をのむ気配がしたが、返事はない。かまわず、岩瀬は独り言のように続けた。
「さっきの放送、聞いただろ?」
闇の中を、一条の風が吹き抜けた。岩瀬の嘆願は続く。
「みんな死んだ。もう、俺の投げてたドラゴンズは死んだんだ。こんなの、生きて
る意味ねぇよ……。頼む、殺してくれよ。俺が死ねば、2億3000万分、他の誰かが
生き残れるんだろ? 俺の命なんか、もっと生きたいって思ってるヤツのために
使ってやってくれよ。俺には復讐なんてできないし、こんなの……一人で生きてい
くのなんて無理だよ……」
岩瀬の頬を、涙が伝った。
162:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:19:04 r/8jt4Ql0
「なあ……殺してくれよ……」
岩瀬は地に両手をつき、まるで土下座するように懇願した。ぽとり、と涙の一粒
が落ち、硬く冷えた地面に染みこんでいく。
ザッ―
止まっていた何者かの足音が、再び岩瀬に向かって近づいてきた。
(ああ)
ザッ―
(これで、楽になれる)
近づいてくる。すぐそこだ。枯葉が舞う。滲む視界の端に、スパイクのつま先と、
地面すれすれまでに長い、白っぽいユニフォームの足が映って―
―ザッ。
そして、岩瀬の前で止まった。
「みんなじゃないですよ。……ガンさん」
(え?)
岩瀬は顔を上げた。彼が、確かにそこにいた。ひどく懐かしい、今日会ったばか
りなのに、もう一年も会っていなかったように懐かしい顔がそこにあった。
「はは……なあんだ……」
岩瀬の頬を、新たな涙が滑り落ちた。
「ゴメンな、忘れてたよ……そうだよなあ」
頬がむずがゆい。そこで岩瀬は、自分が泣いていたことを初めて知った。
「そうだよな、お前がいたんだよな……憲伸」
川上憲伸が、確かにそこに立っていた。木々の合間からこぼれる擬似東京ドーム
の明かりを、ぼんやりと背に受けて。精悍な顔が、しっかりと岩瀬を見つめていた。
「そっか……俺……」
「ガンさん!」
急速に遠のいていく意識の中、岩瀬は、地面に崩れ落ちる自分を抱え起こそうと
する腕の温かさを感じていた。
(そっか、俺ってまだ、一人じゃなかったんだ……)
【岩瀬仁紀・川上憲伸 E−3】
【残り51名 年俸総額107億6580万円】
163:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:26:01 r/8jt4Ql0
以上です。
いつも保守してくださるみなさん、ありがとうございます。
なるべく早いペースで投下できるようがんばります。
164:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/11 18:33:28 r/8jt4Ql0
>>159 訂正
×CD Dragons
○CDRAGONS
ですorz
165:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 18:35:43 Fv17gndS0
職人さん乙です。
死神様ガンガレ!昌たちの分もイ`!
そして、憲伸もガンガレ!
166:どうですか解説の名無しさん
06/09/11 18:36:53 VGeuBlZ80
>>157-162
おつです!
別板でショックなことがあったんで
余計泣けてきた ・゚・(ノД`)・゚・
167:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 18:43:50 AHqcIfNc0
職人さん乙です!
岩瀬…、立浪や野口もまだ生きてるよ…
168:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 21:32:11 A95i5tC+0
>>167
それ考えると岩瀬ボケすぎだなw
169:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 22:48:57 YNCZo/kh0
乙です!
死神ヨカッタ…゜。・゜(ノД`)゜・。゜
170:代打名無し@実況は実況板で
06/09/11 23:52:07 yLDrU4diO
>>168
岩瀬は天然だからw
まぁ自分のチームメイトばかり五人も死んでたら2323しく動揺もするよね
……立浪はともかく野口が無傷ってのがまた…
171:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 00:11:49 YrB7ZlvK0
野口は鉢+マシンガンなんだよね。ある意味強運かもな。
172:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 00:19:14 f/molKx40
>>171
鉢がのぐちんの武器の一種みたいでワロタ
173:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/12 01:09:53 IKbBQtb70
保守がてら
写真で見る死亡者リスト
URLリンク(fs.plaync.jp)
>>145更に訂正します。ぐだぐだで申し訳ありません。
×【和田一浩 福浦和也 F−5】→○【和田一浩 福浦和也 F−4】
×【残り52名 年俸総額111億6580万円】 →○【残り51名 年俸総額107億6580万円】
174:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 13:26:13 01Dr+p8+O
職人さん乙です!
ビリバト読んでると毎回“今回〇億も死んじゃったのか…じゃあ結構減ったかな?”
と思ってしまうけど、まだ100億以上あってびっくりする。
これ読むと、あらためて野球選手が凄い額のお金を稼いでるんだと気付かされるよ。
しかし10億か…やっぱりランキング上位の人が残るか残らないかは大きいね。
175:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 16:34:34 1g5fttvd0
片岡死亡の報を聞いた阪神勢
特に京都兄弟の片割れ桧山の反応が気になる
176:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 18:24:19 CSRJd5n+0
乙です。
177:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 19:44:31 6ETieoDC0
個人的には立浪と松中が気になる
立浪イイキャラだなあ…wktk。お人よしの松中には不幸になって欲しくないが…
178:代打名無し@実況は実況板で
06/09/12 23:26:07 1dhTAIqS0
>>157-162
乙でございます。
泣けた…
死神様イ`。
ケンシンと再会出来て良かったよ。
179:代打名無し@実況は実況板で
06/09/13 01:12:17 CUZSIctMO
ビリバトは謎が多いというか、全体的にミステリアスな雰囲気なんだな。
さすがにみんなキャラ立っててイイ!
…福留前に出てきた時誰かに「孝介」って呼ばれてたような…。
180:代打名無し@実況は実況板で
06/09/13 17:05:33 tqvlVxH1O
ほんとにこの先予想がつかん。二岡はどうしてるんだろう?
181:代打名無し@実況は実況板で
06/09/13 17:16:39 mVw0SJ5Z0
C:\My Documents\My Pictures\img33200.jpg
182:代打名無し@実況は実況板で
06/09/13 18:20:26 pbUoa59XO
川上と岩瀬
かなりの最強タッグだ
ガンガレ!
とりあえず谷つえぇ
183:205orz ◆cZJuOTmaac
06/09/13 20:41:19 /kM2fyXx0
度々失礼致します。
>>144において、死亡者の年俸の合計額に誤りがありましたので修正させて下さい。
×以上 9名 総額17億3000万円 → ○以上 9名 総額15億3000万円
×現在の年俸総額は、107億6580万円 → ○現在の年俸総額は、109億6580万円
よって>>145及び>>162時点では、正しくは
【残り51名 年俸総額109億6580万円】
となります。
職人並びに読者の皆様には大変申し訳ありません。
ご迷惑をおかけ致しました。
184:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/13 20:50:36 lcv/U84C0
>>140-145 『黄信号』
>>157-162 『歩み寄る運命』
以上の2作品で訂正です。
× 以上 9名 総額17億3000万円
○ 以上 9名 総額15億3000万円
× 現在の年俸総額は、107億6580万円となりました。
○ 現在の年俸総額は、109億6580万円となりました。
× 【残り51名 年俸総額107億6580万円】
○ 【残り51名 年俸総額109億6580万円】
185:571 ◆Fly.B4DluA
06/09/13 20:51:55 lcv/U84C0
>>183
リロってなかったorz
186:代打名無し@実況は実況板で
06/09/14 23:50:56 CRbBUdnO0
保守
187:代打名無し@実況は実況板で
06/09/15 07:57:33 fv2iMnSjO
最近投下が多くてうれしい。個人的には毛に頑張ってほしい。
188:代打名無し@実況は実況板で
06/09/15 08:42:39 pfZzmyC60
>>187
一瞬どの2323さんを応援してるのかと考えた
189:代打名無し@実況は実況板で
06/09/15 12:14:24 +AxSKfCO0
井川か
190:代打名無し@実況は実況板で
06/09/15 21:50:56 yKtB2jyGO
ブラックトリオガンガレ!
職人さんもガンガレ!
191:代打名無し@実況は実況板で
06/09/16 17:20:09 qfyWp7Hk0
保守
192:保管庫 ◆aJXRzq7RiQ
06/09/16 20:13:47 M9j2NJf70
職人様方、保守の方々超乙です。
『うつらうつら』
『黄信号』
『あゆみよる運命』
をうpしました。
番外編、スピンアウト投下の作品は後日またまとめさせていただきます。
193:代打名無し@実況は実況板で
06/09/17 00:56:45 smeec9P9O
>>192
保管庫さんもいつも乙です!
さっそく読み返しに行ってきます
194:代打名無し@実況は実況板で
06/09/17 10:35:12 rMNledlAO
保管庫様乙です!
195:代打名無し@実況は実況板で
06/09/17 23:06:03 AsJNRlGSO
きゃっちゃー
196:代打名無し@実況は実況板で
06/09/18 02:44:09 Lsh3Hsr10
スピンアウトも読んできた。
番外編までが素晴らしい。
職人さんたちサイコー!
保管庫さん、いつも乙です。
197:代打名無し@実況は実況板で
06/09/18 22:24:17 PqBKZnoc0
捕手
198:代打名無し@実況は実況板で
06/09/19 07:26:17 c06uFWH30
保守
199:代打名無し@実況は実況板で
06/09/19 12:26:44 grtt6xiC0
保管庫様乙あげ
200:代打名無し@実況は実況板で
06/09/20 03:15:03 hdnde9kv0
保守
201:代打名無し@実況は実況板で
06/09/20 22:00:02 xC17xLPa0
ほすほす
202:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:39:29 +tDNZVsS0
『ゲームが始まる前に。』
近づくのは、死の予感だ。
予感はいずれ確信へと変わるだろう。
それは、このゲートを出た瞬間かもしれない。
ゲートを出て、周囲も確認せず走り出そうとした瞬間、待ち伏せしていた誰かに
この命を奪われるかもしれない。
ラストバッターである自分を狙えるのは、参加者65人全員だ。
(俺の命は、6億5000万だ……)
このゲームにおいて、最も疎ましい存在。
ゲームが始まる前、佐々木主浩(YB22)は自分の置かれた状況に絶望していた。
「佐々木主浩様」
唯一の心の拠り所である後輩の斎藤隆までもがグラウンドから姿を消し、陰鬱な
気持ちで死のゲートへと続く廊下を歩いている途中、佐々木はその名を呼ばれ足を
止めた。
振り返ると、この殺戮ゲームにも、野球ドームという舞台にもそぐわないような、
黒いタキシードに身を包んだ執事然とした男が佇んでいた。
「主催者の皆様がお呼びです。最上階までご案内いたします」
チャラララララララ
近くにスピーカーが設置されていたらしい。派手に鳴り響いた軽快な曲に、佐々木
主浩は否応なく叩き起こされた。
あれからどれくらい気を失っていたのだろうか。ふと考えて、今大音量で流れて
いる音楽が午後6時の放送を伝えるものであることに気付く。
起きる直前に見ていた夢ははっきりと覚えていた。何の面白味もない、12時間
前に体験した記憶そのままの夢。
後頭部が酷く痛む。慎重に身を起こしながら、佐々木は将棋の駒が散乱した部屋
の床を一瞥した。斎藤はこの騒音の中まだ気を失っていて、だらしなく板敷きの床
に伸びている。
203:代打名無し@実況は実況板で
06/09/20 22:41:00 +tDNZVsS0
「くそ……っ」
放送内容だけは聞き逃さないようメモを取りながら、佐々木は蘇った数時間前の
忌々しい記憶に舌打ちした。
思い出しても忌々しい。全く殺し合いというものに縁がなさそうな、『平和ボケ
日本人代表』のタスキでも引っ提げて歩いているようなふざけた二人組に見事に
してやられたのだ。
確かに、少々油断し過ぎていたというのはあるかもしれない。だがだからと言って
訳も分からないまま布団に襲われ、見事ジャイアントスイングまで決められた言い訳
にはならない。
だがこれだけの不覚を取っても、殺されなかったのは運が良い。
明らかに戦意のない二人を襲ったのは、そう言う意味では良い選択だったと言える。
「返り討ちに遭うこと自体、想定外だったがな……」
苦々しい呟きは、そのまま床に転がる王将に吸い込まれた。
畳の床には、佐々木が装備していた武器類が無造作に転がっていた。見たところ
ロクな武器も持っていなさそうな彼らにとって、本来ならば喉から手が出る程欲しい
品であるはずだ。いったんは取り上げた物を、持ち去らずに置いていったと言う
ことは―
「人が良すぎだぞ……佐伯……」
長生きは出来そうにない男だ。
もっとも、人の悪い彼というのもとんと想像がつかないが。
天井を仰ぎ見る。薄汚れた茶色の木板と、年月を経てべったりと張り付いた染み
が目に入り、佐々木はそれらの汚いものから目を逸らすように瞼を閉じた。
『君は特別なんだよ』
玩具のような箱庭を出る前、囁かれた甘い言葉が蘇る。
(そう、俺は特別なんだ―)
『仙台に帰りましょう』
斎藤の言葉は間違いではなかった。自分には、故郷に帰るだけの資格がある。
仙台に帰ろう。仙台に帰ろう。
脳の中で笑いながら囁く声。
それらに身を任せ、目を閉じたまま深く深呼吸をすると、20年近く昔の記憶が
ゆったりとした波となって押し戻されてくる。当時は世界の全てを呪ったことも
あったはずだが、今となってはそれすらも若き日の想い出の中に埋没していた。
204:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:41:37 +tDNZVsS0
(タカシがいて、社長がいて、ニカウの馬鹿野郎がいて……)
あとは……
そこから先は、記憶の中に靄がかかるような奇妙な感覚を覚えた。
決して忘れているわけではないのだが、何故か思い浮かばない。
ド忘れというやつだろう。無理に思い出す程のものでもない。
何となく、思い出す必要もない気がした。
(俺は帰れる―)
それだけでいい。その事実さえあれば、忘れている過去の記憶などどうでも
いいのだ。
それは、彼らとの『約束』なのだから。
「やあ」
かけられた声は、思いの外友好的なものだった。
もっとも、それは目の前の人物にしては、という注釈付きであり、最大限好意的
に見ての解釈であり、悪名高い渡辺恒雄がその笑みの裏に恐るべき悪意を隠し持って
いると他人が捕らえても、それをフォローしてやるつもりは佐々木には更々なかった。
ドームを出る前、執事然とした男に連れられて佐々木が足を踏み入れたのは、最上階
のホールだった。
仰々しい鉄扉を抜けると、13対の目に同時に射抜かれた。
おおよそ、どこかしらで見た記憶のあるNPBの支配者達。
その長とも言える老人に向かって、佐々木は背筋を伸ばして問いかけた。
「俺にだけ用事とは、どういうことですか?」
案内の男にはそう説明された。「あなたにだけ、主催者が会いたいと言っている」と。
こんな気の狂ったゲームを発案するような人間に近づく危険性は計り知れなかった
が、かといって自分に拒否権があるわけではない。
暗澹たる気持ちで足を踏み入れた佐々木に向けられた用件は、全く予想だにして
いなかったものだった。
「ゲームが始まる前に」
渡辺恒雄は両肘をテーブルにつき、手の甲に顎を置いた姿勢で厳かに切り出した。
205:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:43:16 +tDNZVsS0
「ゲームが始まる前に、君には準備してもらいたいものがあってね」
「準備?」
小さく復唱した佐々木には取り合わず、渡辺がパチンと指を鳴らす。
途端、奥の扉が静かに開き、黒服の男が二名、車付きの長机を押して出てきた。
13オーナーが囲む円卓と、入り口前に立ちつくす佐々木の間を遮るように長机
が置かれ、その上にかけられていた布が取り払われる。そこに現れたものに、佐々木
は息を飲んだ。
「好きな物を選んでくれたまえ」
その反応を面白がるような渡辺の声がホールに響く。
拳銃、機関銃、ナイフ、長剣、手榴弾、防弾チョッキ……
思いつく限りの武器―まさに戦場を生き抜くための道具が厳めしく並ぶ黒い台座。
「欲張りすぎて身動きが取れなくなったら問題だからな。その辺りは節度をわきまえて」
「…………」
何故、という疑問を、佐々木は咄嗟に口に出すことが出来なかった。
佐々木の内心を手に取るように、三木谷が補足してくる。
「君は特別なんだよ」
それは、気味が悪いほど穏やかな声音だった。
「君は今回のフェスティバルの中心人物だから」
その声が紡ぐのは、甘い、誘惑にも似た響きを含んでいた。それらが、麻薬のよう
に佐々木の鼓膜に浸透していく。
「自分でも分かっているだろうが、このゲームは君にとって非常にリスクが高い」
自然と顎を下げて頷いた。「何故自分が……」―このゲームのルールを聞いた
時から、己の中を支配していたのは、不条理に対する反発心だ。
「ならばこその特別配慮だ」
「……楽天みたいなもんか」
その戦力の乏しさ故に、今回の異例の補強策が組まれた球団ように。
リスクの高さを補うだけの攻撃力を、彼らは自分に与えようとしている。
ゆっくりと、物資が並ぶ長机に近づき、佐々木は一番手前にあった突撃銃に手を
伸ばした。銃身の長い鉄の塊を持ち上げると、ずっしりとした感触が両手にのし掛
かる。勇ましい外観が、実際の重量以上の重みを伝えてくるようだった。
「弾は入っているのか?」
「もちろん」
206:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:44:36 +tDNZVsS0
銃口を斜め下に向けながら、照準枠を覗き込んで問いかける佐々木に三木谷が
即答した。
「それはハーネルStG44突撃銃。弾倉式で、30発が装弾されている」
(ならば―)
ここでこの銃を放てば、ここにいるうちの数名を殺すことは可能だ。
おそらく―自分の命と引き替えに。
机の両脇に佇む、武器を運んできた黒服の男達を横目で見やる。佐々木の脳裏を
一瞬過ぎった、不穏な考えを見透かしたのかどうか―懐に手をやった彼らの行動
は、現状を照らし合わせてみるとはったりではないはずだ。
結局、咄嗟に思い浮かんだ案を実行に移すことは出来ず、佐々木は速まる心音を
抑え、息を押し殺して視線を机に落とした。
自分が今手にしている物と、同じ型の銃が目に入る。
待ち合わせ場所で待っているであろう後輩の顔を思い出した。
「現在、君は非常に不利な局面に置かれている」
こんな状況に強制的に置いた当事者とは思えない口調で、三木谷は佐々木に救い
の言葉を投げかけた。
「君の生き延びる確率が上がるよう、我々も尽力しよう」
「生き延びる……俺が……?」
生き延びたい。そう思っていた。斎藤とも、生き残って仙台に帰ろうと約束をした。
だが、それとは違う。このゲームに圧倒的な影響力を持つ人間にそう言われることは、
佐々木に一筋の光明を差した。
希望という名の光。自分が佐々木主浩という特別な人間であることへの自信。
そう、佐々木主浩は常に特別だった。これまでの人生も、そしてこれからの人生
も、佐々木主浩は特別でなければいけない。
(俺には、それだけの価値がある、そうだろう?)
誰にともなく問いかける。蘇ってきたプライドが、明確な生きる気力を佐々木主浩
に与えた。
高揚する気持ちを誤魔化すように顔を伏せる。自然と、微かに口端が上がるのを
抑えきれなかった。
グラウンドを出る前に描いた青写真が、より一層その輪郭をはっきりと映し出した
気がした。
207:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:45:56 +tDNZVsS0
―だが、佐々木主浩は気付かなかった。
その時、彼は『生き延びる確率』とは言っても、『生き残る確率』とは言わなかった
ということに。
「一番右にある、黒い小箱を開けてくれるかな」
突然切り出した渡辺恒雄の言葉に従い、佐々木は机の一番右端に置かれていた箱
を手に取った。慎重に蓋を開くと、小さな銀の輝きが目に入る。
「銃弾?」
人差し指と親指で摘み上げる。本物など見たことはないが、よくドラマや映画で
見かける銃弾と寸分の違いもない。
「銃弾を模した無線イヤホンだ。耳に入れるとぱっと見目立たない。―それと、
その隣にある拳銃」
言われ、佐々木は反射的にもう片方の手で拳銃を取った。
「その銃はマイクを内蔵している。この二つで我々と交信が出来る。……まあそう
頻繁に使うことはないだろうが、万が一の時のためだ」
「大層な仕掛けだな……」
こんなものにどれだけのコストをかけているのかと想像すると、呆れてしまう。
だが、皮肉を込めた台詞を絞り出した声が震えているのを、佐々木自身自覚して
いた。この状況で007みたいだとはしゃぐ馬鹿は……野球界では、佐々木は新庄
くらいしか思い浮かばなかった。
ゴクリ……と自らの唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。銃弾を転がした掌
が震える。
この技術の先にあるものが恐ろしかった。大量の武器。高度な技術。大がかりな
仕掛け―果たしてこれは、日本の一エンターテイメントを担うだけの人間が用意
できるようなものなのだろうか?
「君の為だよ」
己の中の不安を疑問を払拭するように、甘い言葉が注ぎ込まれる。
脳が酷く脈打った。
(興奮しているのか、俺は)
動悸が収まらない。しかし、それは先程までの恐怖を動源としたものとはまた
別物だ。例えばそれは―9回裏、1点差でマウンドに上がる時の、抑えきれない
高揚感にも酷似していた。
208:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 22:48:13 +tDNZVsS0
いつの間にか傍らに控えていた案内人の男にデイバッグを手渡される。やけに軽い
それの中を確認すると、地図や食料、飲料水といったものしか入っていない。参加者
全員に一つずつ支給されているはずの支給品は―今、目の前に並んでいる。
ガチャガチャと荒々しい音を立てながら、佐々木は屍肉に群がるハイエナのよう
にそこにある支給品を漁った。だが、高揚する気持ちとは裏腹に、頭は怖ろしく冴
え渡った。血走る目で、これからの己の行く先に必要なツールを瞬く間にリサーチ
していく。
渡辺が言うように、無理に持ち過ぎても機動性に欠ける。大切なのはバランスだ。
いかにしてこの戦場を生き抜くか。自分と、多くても3人以外の全員の屍を乗り越
えられるだけの装備を、今ここで掻き集めなければいけない。
「準備は出来たようだな。―さあ、もう行きたまえ『仲間』が心配しているの
ではないかね?」
促され、佐々木は夢遊病患者のような足取りで出口へと向かった。影のように
ついてくる案内人と共にオートドアを抜けると、その背後で空気が抜けるような
音を響かせて扉が閉じた。
「ははっ……」
今まで飲み込んでいた吐息が、乾いた笑い声と混じって零れた。どこか狂気を
孕んだ表情で、手にした突撃銃を強く握り直す。
「ははは……!」
止まらない哄笑が、最後の参加者だけが残る疑似ドームに響いた。
『彼に早々と死なれてしまっては、面白くないからな』
彼が案内人に連れられ、高額年俸者用のゲートへと向かう中、厚い鉄扉の向こう
で交わされた会話を、佐々木主浩は知らない。
『ゲームは始まったばかりなんだ……』
【残り51名 年俸総額109億6580万円】
209:2 ◆ACsLXL4x9o
06/09/20 23:06:19 +tDNZVsS0
>>192
保管庫様いつも乙です!
ありがとうございます
210:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/21 01:49:04 dNHTA8Av0
『迷子のお知らせです』
『30歳くらいの頭の薄い内野手が、チームメイトを探しています』
取り澄ました女の声――いや、あれは風が揺らす葉擦れの音だ。
そうとは分かっていても耳に障る。
『でまかせに簡単に騙された間抜けな内野手が、自分で撃ったチームメイトを探して
います――可哀想に』
「…うるさい」
『人殺しが被害者の死体を捜しています。生きていられたら合わせる顔がないので、
死んでいてくれた方が』
「うるさいッ!黙れ、黙れ黙れ黙れ…」
とうに真っ暗闇になった森の中を、福浦は肩で息をしながら歩く。
良く見えない。怖い。早くどこか、ここじゃない場所へ。
見えない代わりに頭の中のスクリーンはより鮮明になった。もう何度も、同じ場面が繰
り返し再生されている。
公園の低い生垣の向こう、光を反射する小さな海。海へ下る斜面。桑田と向き合った
清水直行の、手にはマシンガン。
鳴り響くアナウンスの中に、ふふ、と別の笑い声が混じった。どくんと心臓が跳ね上がる。
柔らかく高い声。また来た、やっぱり弾は当たっていなかった。ナオにだって当てたく
なかったのに、なんで――
『ねぇ、そんなつもりじゃなかったのにね。ただ止めようとしただけなのに』
遠くからでも良く見えたのだ。清水の体の、左側で弾けた血の色。
上体の左側なら心臓だ。撃ってしまった、人間を、他の誰でもない清水直行を!
211:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/21 01:54:10 dNHTA8Av0
「っう、うう!」
獣のように呻いて、暗闇を振り仰いでぐるりと見渡す。足がもつれて、背中に木の幹が
ぶつかった。
桑田の姿は見えない。だがいるのだ。声が、気配が、福浦を取り巻いている。
どこにもいないがあらゆる場所に存在する――頭の片隅をどこかで聞いた言葉がよ
ぎる。何の化け物だろう、そんなものに遭ってしまった。
「あんた、俺を騙したんだ!俺にナオを撃たせるために、あんなデタラメ…!」
数名の選手がメジャー行きの確約と引き換えに殺人者の役を引き受けた、清水もその内
の一人だと。そんな愚行は絶対に止めさせなければ、とも。
『そう、デタラメ。…けどな』
一度は信じた。何故?
――その可能性を、知っていたから。
「違う…」
フロントとの交渉が上手く行かず、清水は悩んでいた。…だからと言って人殺しに走る
ような人間ではない。そんなバカな話があるか。
応援していた。地味は地味なりに、清水ならメジャーでもやれるだろう。それは福浦に
とっても誇らしく嬉しいことだ。
…そう、嬉しいことだ。
212:205 ◆cZJuOTmaac
06/09/21 01:55:06 dNHTA8Av0
『ずっと思ってたでしょ。本当は』
…でも、日本に残された俺らはどうなる?
エースに出て行かれて、暗黒時代に逆戻りかよ?
マリーンズを見捨てるのか、ナオ。
俺達を…俺を、見捨てるのか。
『そんな風に裏切るなら、許さないと思ったでしょ?だから――撃った』
「違う…違う違う違う違う違う違うッ!」
悲鳴が闇の中に跳ね返る。
怖い。苦しい。こんなのはもう嫌だ。
ナオ、どこにいるんだ。
お前に会えたら。
お前さえいなければ。
お前を――殺せば。
俺は楽になれるのか?
【残り51名 年俸総額109億6580万円】
213:代打名無し@実況は実況板で
06/09/21 02:03:34 /sVjS5ZN0
職人さん乙です!
フクラ…
214:代打名無し@実況は実況板で
06/09/21 20:11:11 Esr5YMBJ0
職人様方乙です!
佐々木、何かカワイソス…
福浦落ち着けって福浦!
215:代打名無し@実況は実況板で
06/09/21 21:41:16 gI2mCZlc0
職人さん方続々と乙です!!
それにしてもこの表現ワロタ
>『平和ボケ日本人代表』のタスキでも引っ提げて歩いているようなふざけた二人組
タスキ引っ提げた二人のAA想像してしもたw
216:代打名無し@実況は実況板で
06/09/21 23:08:27 oib2bQTn0
職人さま方乙です!
佐々木の話も福浦の話も、物凄い深刻な場面のはずなのに
「平和ボケ日本人代表のタスキ」とか「頭の薄い内野手」とかのネタでちょっと笑ってなごんでしまうw
217:代打名無し@実況は実況板で
06/09/22 06:50:46 IJonkTC80
乙!
218:代打名無し@実況は実況板で
06/09/22 11:16:46 +UhZTQx7O
ホントに乙です!
連チャンだーー!!
219:代打名無し@実況は実況板で
06/09/23 04:26:53 R21AcQs40
hosyu
220:代打名無し@実況は実況板で
06/09/23 12:22:55 SXY3im3HO
↑なんかIDエッチだね保守
221:代打名無し@実況は実況板で
06/09/24 00:08:13 KLpn2X530
>>220
>>219のR21が?それとも自分のSXYが?保守
222:代打名無し@実況は実況板で
06/09/24 23:57:13 KLpn2X530
人間が一人
ええ奴やなぁ、やっぱりこいつは。
∧__ ∧∧
(⇔ヽ〔 ´ー`〕 絶対にこのゲームとやらを壊しましょう。
( つ ,-"" )
大馬鹿だ俺は…!ヾし' _ノ〉 〉
(__)_)
誰だって同じや…なぁ、あっちゃん
悪魔が一人
保守
223:代打名無し@実況は実況板で
06/09/25 01:31:01 aHMT2sfr0
>>222
おお、GJ!と言いたい所だが……
改編したい……のぶひこさんの頭を 彡⌒ミ に改編したい……!
224:代打名無し@実況は実況板で
06/09/25 19:43:18 OKSQ34fc0
ワロスw保守
225:代打名無し@実況は実況板で
06/09/26 04:22:59 pq9I8YH90
hosyu
226:代打名無し@実況は実況板で
06/09/26 14:18:57 jExbJwhA0
ほしゅほしゅ
227:代打名無し@実況は実況板で
06/09/27 10:35:09 VoabRhrk0
ほす
228:代打名無し@実況は実況板で
06/09/28 03:18:48 hME6rxOU0
∧_∧
.(;`_´;/):::: : .
そうだよな・・・ U U )::: :::
. (_(_⊃::::
. , ― 、- 、
お前がいたんだよな・・・ << ) ):::: : .
U;( ;(U_つ::::.. .. .
∧∧ ´´ フラッ・・・
ガンさん! > ( ;゚ー´ ) , ― 、- 、ヽヽ
( つ << )つ\
と__)_) し ヽ _つ
そっか、俺ってまだ、一人じゃなかったんだ……
保守
229:代打名無し@実況は実況板で
06/09/28 12:49:05 bsCxys9c0
>>228
ヤベェ、なんだか涙萌え。
GJ!
230:どうですか解説の名無しさん
06/09/28 16:56:29 LWgKBzUl0
>>228
コレの後にスピンアウト用スレに投下されてあった別解釈版のもワロタ
231:代打名無し@実況は実況板で
06/09/28 19:41:31 QKM6NdUp0
スピンアウト、『うつらうつら』の挿絵AA泣けた・・・でも金村w
232:代打名無し@実況は実況板で
06/09/29 10:01:19 vE98viKJ0
保守
233:代打名無し@実況は実況板で
06/09/29 22:18:11 0BEV7MH20
捕手
234:代打名無し@実況は実況板で
06/09/30 12:08:24 TCVP7XuL0
ほしゅっとく
235:代打名無し@実況は実況板で
06/09/30 23:11:44 /XJfH/PYO
しゃあないなあ
ほしゅ
236:代打名無し@実況は実況板で
06/10/01 19:59:56 otws06Bu0
ほせほせ
237:代打名無し@実況は実況板で
06/10/03 00:34:16 brDVIHPU0
捕手が保守(´w`)
238:代打名無し@実況は実況板で
06/10/03 14:35:49 n0nVhMxh0
[`ー」ー]捕手も保守
239:代打名無し@実況は実況板で
06/10/04 14:17:58 DeaVB0jb0
ほす
240:代打名無し@実況は実況板で
06/10/05 01:46:13 U1ArTx6Z0
捕手
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4914日前に更新/109 KB
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