東北楽天イーグルスバ ..
44:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 00:18:54 mv0W+cAvO
>>43
大丈夫だよ。
あと、詳しいルール説明の入った話、今から投下するよ〜
45:希望を手に:1
06/04/10 00:20:31 mv0W+cAvO
次々と選手の名前が呼ばれていった。
一体どういうことなんだ…。片山博視(28)は考えていた。
松本コーチの説明、マネキン爆発、そしてマーティ・キーナート元GMの死体。
全く信じられない。冗談だよな?夢だよな?嘘だよな?誰か何とか言ってくれ!
俺はまだ一年目だぞ?ドライチの期待のルーキーだ。
なのに何で殺し合いなんかに巻き込まれるんだ?
いやだ。死にたくない。
今まで味わったことのない深い絶望と恐怖に包まれて行く気がした。
暖かい沖縄なのに鳥肌までたってきた。
死にたくない、死にたくない、死にたくない…。
夢だったプロ野球選手になれたのに。まだ何もしてないのにこんな所で死にたくない!
唇をきつく噛み締めた。
生きたい。生きて一軍のマウンドに立ちたい。
俺は生きたいんだ!
どうする?どうすればいい?
片山は自問してみる。
一軍枠20人に入ることだ。そうすれば死なずにすむ。
そうだ、そうすれば生き残れるんだ。何でも良いから最後まで生き残るんだ。そうだ!
全くの暗闇の中に、小さく希望のろうそくのあかりが灯った気がした。
片山の心に新たな希望がわいてきた。プロ入りの時にもあったものだ。
46:希望を手に:2
06/04/10 00:22:30 mv0W+cAvO
片山は気をとりなおす為に、頬をパンパンと叩いてみた。
再び考える。
…確か、松本コーチが言ってたよな。
「12:00からスタートして一人ずつ出ていく。後は三分ごとって訳だ」
「みんなにはそれぞれ武器と水、地図、食料を支給する。ただし武器はランダムだ。まぁ運次第という訳だ」
「この球場は島の真ん中だ。なおこの島の人は全て退去させてある。家などは自由に使って構わん」
「BRの期限は3日間だ。6時間ごとに定時放送をする。死亡者、禁止区域を伝えるから耳かっぽじってよく聞いておけ!」
「禁止区域に入ると即アウトだからな。気を付けろ」
「24時間以上死亡者がいない時、ランダムに3人が選ばれて消される。死にたくないなら誰かを殺せって訳だ」
…大体こんな所だったよな。
「次…背番号28。片山博視!」
自分の名前が呼ばれた。
とにかく生き残ることだ。改めて自覚する。
歩いていき、黒服の男から持ち物を受け取る。何だかズシリと重かった。銃か何かだろうか。ならば当たりかも知れない。
これなら生き残れるかもな、と思うとさらに希望がわいてきた。
緊張と希望に頬を紅潮させながら、片山博視は一歩ずつ歩を進めた。
生き残るために。
そして、一軍のマウンドに立つために。
47:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 00:47:25 mv0W+cAvO
ルール大体あってると思うんが…。
初心者だから不安だ。
間違いなら指摘頼む
48:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:50:41 6xOvyCXX0
「え〜っと、次で最後だな。背番号91林英傑!」
最後の英傑が返事もなく、ただ荷物を受け取ったところで。
松本の仕事はひとまず終わった。
「とりあえず終わったな。4時間もまぁ・・・。これで当面の長い仕事は終わったな。
上の決定とはいえ、選手達に殺し合いをさせるなど。あまりいい仕事ではない。」
松本が椅子に深く座り帽子をかぶりなおした。そこに黒服の男が一人近づいてくる。
ほかの男達とは違い、その仕草やスーツの襟元にあるバッチからしてこの男が黒服達のチーフ
ということを松本は疲れを覚えつつも思った。
「お疲れ様です松本コーチ、どうぞ。」
男は言葉と同時に椅子に腰掛けた松本に紙コップ入りのコーヒーを差し出した。
49:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:51:26 6xOvyCXX0
「ああ、すまんね流石に年はとりたくないもんだ。これだけのことで疲れる。」
そういいながら松本はコーヒーをすする。
「これからのことだが、私の次の仕事は何ですか?何もきいてないんだが。」
松本が黒服のチーフらしき者に問う。
「いえ、松本コーチの仕事はコレで終わりです。」
「どういうことだ!?」
「つまり貴方はもう用済みということですよ。」
黒服の男の口元が緩む。サングラスに隠されて目は見えないが口元は確かに笑っていた。
「何だと!・・・ぐっ・・・貴様ぁ!謀ったな・・・!」
松本の手から紙コップが落ち口から大量の血が吹き出る。
「貴方はよくやってくれました。これからはほかのコーチを操るみせしめになってもらいますから。」
松本は薄れ行く意識の中で、何故なんだという問いを繰り返していた。
「ああ、死ぬ前に教えといてあげますね。貴方の家族の命・生活はこちらの方で保障させていただきますんで。」
男の声は苦しみもがく松本に届いたのかはわからない。
コーチ【松本匡史 】死亡 【死因】青酸カリ中毒
50:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:51:57 6xOvyCXX0
「お疲れ様です。チーフ。」
「現状はどうなっている?」
部下に答えるまでもなく現在の状況を問う。
時間は遡る――
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。いったい何なんだよ!クソッ!」
山崎武司(7)はこの状況がまだ信じられないでいた。
中日からトレードに出され、オリックスで干され一時は引退も考えた。
昨年も二軍スタート今年こそはと思っていた矢先の出来事である。
「こんなことになるんだったら、星野さんみたいにおれも引退しとけばよかった。」
―――ガサガサ・・・・ガサガサ。
「だっ、誰だ!?」
物音に反応した山崎が武器の日本刀を構える。――――この武器は比較的あたりの武器といってもいいだろう。
「山崎さん!僕です!佐竹です!危害を加えるつもりはありません武器を直して下さい!」
草むらから出てきた佐竹が両手を上げて近づいてくる。
どうやら本当にこちらに危害を加える気は無いらしい。
「佐竹!おまえ一人か?」
山崎が草むらの方に叫んだ。
「いえ、僕のほかに吉田さんがいます。とりあえず今からそっちに行きますから待っててください。」
山崎は安堵の表情を見せた。とにかくこの状況を整理するには一人では不可能な状態だったからだ。
51:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:52:32 6xOvyCXX0
片山はグラウンドを出た後海岸線沿いにずっと歩いていた。
「おれは・・・・絶対1軍になってやる。絶対・・・・生き残る。」
決意を胸にずっと海岸線をひたすら歩く。
すると片山の目に一人の人影が映ってきた。
永池恭男(37)である。
「あ!永池さん!」
永池に片山から話し掛ける、皆尋常な精神状態ではない。
「えっと、君は片山くんだったな?災難だねこんな入ってきて早々に。」
片岡は永池の意外なまでに冷静な反応に驚き、少々困惑した。
「そうですね、まさかこんなことが現実にあるなんて。しかも映画そのまんまじゃないですか。」
片岡はなるたけ平静を装い取り繕って永池と話す。
永池も見た目は冷静に見えるがはたから見ればそうとう動揺していたのであろう。
昨季の対日ハム戦でのサヨナラエラーなどもあり今年こそとリベンジに賭ける男の情熱は行き場を失っていた。
「そういえば永池さん、武器はなにだったんですか?」
唐突な片山の質問に少し困惑したように永池は
「ん?ああコレだよ。こんなんでどうしろっていうんだよ。なぁ?」
永池はそういって。自動車整備用のツールキットを見せた。
気まずそうに鼻をかいている永池に
「僕なんてこのタオルですよ?タオルならほかにも何枚か持ってるのに・・・。」
かばんからタオルを取り出して永池に見せる。
「そりゃあ災難だな、コーチが本気な以上やるしかなさそうだしな・・・。ところでお前
何でわざわざタオルを手に巻いてるんだ?」
52:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:53:08 6xOvyCXX0
「え?いやぁそのですね、こういうことです。」
ズドン・・・。花火のような音が海岸線に鳴り響きそして消えた。
「か・・・・片山・・・・てめぇ・・・。」
ずるずると倒れる永池をよそに片山はそっちのけでつぶやいていた。
「やっやっちゃった・・・・・。どうしよう・・・・。」
背番号37【永池恭男】死亡 死因【射殺】
53:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 22:54:16 6xOvyCXX0
ウホッ【】つける場所間違った。
死因のところに【】つけてると脳内変換してくださいorz
54: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/10 23:03:21 mv0W+cAvO
乙!>>45、>>46とプロローグ書いた者です。
死因も書くのか、了解。
って松本コーチ死んだよ!
展開が読めないなぁ…。
55:代打名無し@実況は実況板で
06/04/10 23:10:24 6xOvyCXX0
>>54
そちらも乙です〜。
とりあえず
56:55 ◆rmHnpNCVhQ
06/04/10 23:14:50 6xOvyCXX0
うは途中で切れた。
展開読めないようにしてすいませうんorz
とりあえず自分としては人に読んでもらうものなので
出来る限り見れるものを書いたつもりなんですが。
それに展開読めないほうが面白い感じになると思ったんでやってしまいました。
職人様としてはやりにくいですか?
ほかのロワとか見ると本部の息のかかったのが出てきて裏切られたりとかあったので
一応本部側殺しとかなとおもってやったんですけど。
ほんともうスイマセンOTTL
57: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/10 23:18:57 mv0W+cAvO
展開が読めない方が書く甲斐があると思うんで良いと思いますよ〜
今回もかなり予想外だったしw
58:光る男:1 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/11 01:33:40 XBz9XJYyO
腕時計はそろそろ12時を指そうとしていた。
「そろそろ…か」
会議室の窓から球場の入口をながめながら、男は独りごちた。
12時をまわった頃、球場入口から一人の選手が走りさっていった。
「ふっふっふ…始まったな」
目を細めて男は呟いた。
よく見るとその眼光は穏やかで、見る者を威圧するような光はさほど無い。
しかしその分頭はピカッと光り、見る者の視線をはねかえしていた。
「ちょっと山下さんさっきからピカピカ眩しいですよ。帽子でもかぶって下さい」
と杉山賢人(76)が、机の上に置いてあった山下の帽子をかぶせた。
「うるさいな杉山。帽子をかぶってばかりだと頭皮が蒸れるんだよ」
と山下大輔は強い口調で言った。
「今更蒸れの心配しても仕方ないでしょう」
と杉山、冷静につっこむ。
「う…うるさいな!まだ諦めるのは早いだろうが!」
「いっそ高木豊さんみたいにしたらどうです?
CMにも出られてギャラももらえます」
「それは何だか降参したみたいで嫌だな、最後まで戦うぞ俺は」
と、力を込めて言ったが
「もうどうにもならんでしょう」
とバッサリ斬られた。
ううっとたじろぐ山下。
だが現場指揮担当という立場上、あまり舐められるのもいけないと思い直した。
59:光る男:2 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/11 01:34:45 XBz9XJYyO
「それよりも杉山、監視システムとかはどうなっている?」
と山下は何だかおかしくなった雰囲気を、真面目な方向に戻そうとした。
「それなら万全です。流石に親会社が親会社ですからこういった対応は行き届いてます」
「そうか…」
山下は頷いた。
「しかしこれから何をすればいいんだろうな、杉山?」
「そうですね、このマニュアルによると山下さんの具体的な仕事は…
えーと、次の定時放送くらいですかね」
パラパラとマニュアルをめくりながら杉山が言った。
「そっかぁ…何だかヒマで悪いなぁ。モニターの監視とかしなくて良いのか?」
「それは運営本部が行うと書いてありますよ」
「運営本部?本部はこの会議室じゃないのか?」
山下は驚いて聞き返す。
「ええ。モニターとかの必要な物は全て監督室にあるみたいですよ」
「何?えっ、じゃあここは一体何なんだ?」
「会議室です」
「それは分かってるよ!そうじゃなくて、それなら現場指揮の俺は一体何なんだって事だよ」
「うーん…。
現場指揮の上に現場総指揮とか総督とかいうそういう役割があるんじゃないですかね。
何も聞いてないんですか?」
60:光る男:3 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/11 01:36:33 XBz9XJYyO
「そんなの全然聞いてないぞ。
ただ三木谷社長から『山下くんには現場の指揮を頼む』と聞いただけだ」
「そうですか、それならあれですよ。
山下さんはほら…えーと、あの〜…、
あっ優しいし責任感のある人ですから、
あまり負担をかけたくないという社長の意向では」
「そうかなぁ…」
山下は納得いかないようすで、首をかしげた。
(信頼できないからとは流石に言えないよなぁ)
杉山は笑いながら思った。
「杉山?何で笑ってるんだ」
「えっいやあのー…お茶でも飲みますか?」
「そうだな、することもないしな。頼むよ、あっ緑茶な」
「ではいれてきます」
会議室を出て、杉山はふぅとため息をついた。
そして、ちょっと危なかったが…しかしこの調子なら何とかなるだろう、と思った。
61:代打名無し@実況は実況板で
06/04/11 11:33:05 hceA8F6I0
超乙です!
大ちゃんキター!!!
62:代打名無し@実況は実況板で
06/04/11 11:50:26 vvYFlJIh0
大ちゃんの後光の差した頭を
さりげなくネタにする職人さん(*^ー゚)b グッジョブ!!
バトロア自体殺伐してるから、ちょっとした小話は癒されるよ
63:代打名無し@実況は実況板で
06/04/11 15:14:23 xM6bg3bU0
サブタイ見た時、目立つ選手の話かなと思ったら…確かに光る男ですねw
笑わせて頂きましたw
64:楽天のエース:1 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 04:54:18 aYlIvdLWO
「背番号21、岩隈久志!」
楽天のエース、岩隈久志の名が呼ばれた。
だが、岩隈は選手たちの後ろの方で呆然としていた。
目の前で人が殺されたのもショックだったし、自分たちが殺し合いという非常な事をさせられるというのも信じられなかった。
「岩隈選手、早くしてください」
黒服が冷たい声を放った。
ハッと我にかえった。条件反射のように慌てて歩き出す。
「クマ、大丈夫か?顔が青いぞ」
と最年長の吉田豊彦が声をかけたが、岩隈はただコクリと頷くだけだった。
まだ茫然自失から完全に抜けきっていなかった。
黒服からバッグを2つ受け取った。
水などの入ったバッグを肩にかけ、武器の入ったバッグを受け取る。
ズシリとした手応えが腕に伝わる。重いな、と思った。
岩隈はまた歩き出す。
何でこんなことに?
それしか考えられなかった。ただそれだけだった。
65:楽天のエース:2 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 04:55:03 aYlIvdLWO
近鉄がなくなったときもそうだった。
優勝してからたった3年で近鉄はなくなった。
自分を育ててくれたバファローズがなくなってしまった。
バファローズが好きだったのに。
あんなことになってしまった。
梨田監督がいて、ノリさんがいて、タフィがいたバファローズは消えてしまった。
バファローズじゃないバファローズになってしまった。
そんなバファローズでプレイする気にはなれなかった。
だから楽天に来た。
礒部さんや吉岡さん達がいたし、またやる気になれた。
なのに…こんなことになってしまった。
どうしてだろう。
岩隈にはわからなかった。
66:楽天のエース:3 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 04:57:08 aYlIvdLWO
岩隈は真新しい廊下をぼんやりと歩いていた。
角を曲がり、出口の扉が見えた時、不意に前のドアが開いた。
「ちょっと、こっちに来てくれ」
ドアから姿をあらわしたのは広橋公寿(85)コーチだった。
岩隈は広橋に導かれるままに、部屋に入った。
用具室のようだった。灰色のロッカーが3、4台並び、その脇にバケツやトンボが立掛けてある。
少し埃臭く、中の空気は冷たかった。
「君に頼みがある」
広橋はパイプ椅子を岩隈にすすめた。
「何ですか、広橋…コーチ」
岩隈は椅子にかけながら、ちょっと口籠って答える。
「つまり、君には生き残ってもらいたい。
運営側について欲しい」
広橋は岩隈の顔をしっかり見ながら言う。
「ちょっとお義父…広橋コーチ、どういうことですか?」
「…岩隈君、君はエースだ。新チームで投げてもらいたいという、社長の意向をきいてもらいたい」
「それはつまり…他の選手達を裏切れということですか?」
岩隈は尋ねた。
「そういうことになる…かもしれないな」
語尾をごまかしながら、広橋は苦い顔で言った。
「これは…礒部さんや吉岡さんたちにも同じように言ったんですか?」岩隈は広橋の目を見ながらきいた。
「いや…礒部君は熱血しやすい性質だし、吉岡君は年をくっている。だから言ってない」
岩隈の視線を外して、広橋は言った。
「…そうですか。だったら、それはできません」
岩隈は目をつむり、ややうつ向いて言った。
67:楽天のエース:4 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 04:58:50 aYlIvdLWO
「久志君、どうしても駄目なのか?」
広橋の口調が変わる。
「チームメイトを後目に、自分だけ、安全をはかる、というのは、できません。もう、うしないたくないんです…」
一語ずつ確かめるように、岩隈は言った。
「これは脅しみたいで言いたくないんだが…。
まどか達には運営側の監視がついているんだ」
「!」岩隈は思わず顔を上げた。
「この島の選手達の家族は、全てマークされているんだよ。
もし逃亡したりしたら家族にも害が及ぶことになる…」
「お義父さん!」
岩隈は立ち上がると、やにわに広橋の肩を掴んだ。
パイプ椅子がガチャンと倒れた。
「仕方ないんだ…久志くん。私如きではどうにもならないんだ。
今回のこの仕掛けには楽天だけでなく、もっと大きな力がはたらいているようなんだ。
君がうんと言ってくれないと、私も娘をうしなうことになる」
「…」
岩隈は広橋の肩から手をはなし、たちつくした。
「だから、久志君。どうか我々の側についてくれないだろうか?君が生き残れるように便宜をはかる。どうか、頼む!」
広橋は立ち上がって頭を下げた。
「…」
岩隈は何も答えなかった。
もう何もなくしたくなかった。
68:楽天のエース:5 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 04:59:26 aYlIvdLWO
2004年9月24日、大阪ドーム。
大阪近鉄バファローズ、最後の試合だった。
試合は近鉄が、近鉄らしい劇的なサヨナラ勝利をおさめた。
試合後、選手みんなでグラウンドを一周した。
スタンドに一杯に別れを惜しむ観客。
応援旗が舞い、惜別の声が飛んでいた。
みんな、泣いていた。
ノリさんも目を真っ赤にして、泣いていた。
観客もスタッフもみんな、近鉄が好きだったみんなが、泣いていた。
もう、何もなくしたくなかった。
もし自分がここで断わると、家族をなくしてしまうことになる。
しかし諾と言っても、チームメイトをなくしてしまうことになるだろう。
自分でなくさなくとも、誰かがなくしてしまうだろう。
「久志君!どうか、どうか、まどかと羽音の為にも…頼む!」
広橋が再び頭を下げた。
どうする?どうすればいい?
小さな部屋にただ沈黙が流れた。
69:楽天のエース:6 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 05:01:42 aYlIvdLWO
岩隈は目を開き、広橋を見た。
広橋は頭を深々と下げたままだ。
…ん?
岩隈は広橋の足元を見た。
ポタッポタッと何かが落ちていた。
泣いていた。
広橋が泣いていた。
「お義父さん…?」
「久志君、頼む!」
広橋の声が涙声になっている。
岩隈は目をつむると、深呼吸を一回した。
なくすのは、もういやだと思った。
「…お義父さん、いえ、広橋コーチ。わかりました」
岩隈は強く、ゆっくりと頷きながら言った。
「そうか!久志君、いや岩隈君。」
広橋は頭を上げると眼鏡を外し、目を拭った。
そして岩隈の手を握った。
…これでいいんだ。
割りきれない思いを掻き消すように、岩隈は思った。
否、思おうとした。
70: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 05:04:17 aYlIvdLWO
ちょっと長すぎたかも…。スマソorz
71:代打名無し@実況は実況板で
06/04/12 05:42:35 LWNQEj6LO
職人さん乙です!
不意に泣きそうになってしまった…(つД`)゜。
72: ◆rmHnpNCVhQ
06/04/12 07:04:48 CEXS2Mm+0
乙っす〜
ちょい細かいですが近鉄の最終試合は27日(あんまりよくおぼえてない26だったかな?)
のヤフーBBだったような。
本拠地最終はその日であってるはずだけど。
73: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/12 07:37:48 aYlIvdLWO
>>72
指摘ありがとう
最終は27日のヤフーBBでした。ミスったな…orz
代打で吉岡が出てきてたからそう思ってたんだが…
74:代打名無し@実況は実況板で
06/04/13 01:21:28 JF5KjH2j0
n
75:代打名無し@実況は実況板で
06/04/13 03:02:27 NjYHsX160
>>50 は九州人だと思う
76:さて。 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/13 03:16:37 eA70Fz3BO
斉藤秀光(5)はただあてもなく、細い道を走っていた。
突然、殺し合いをしてもらうって言われても、はいそうですかと言える訳がない。
名前を呼ばれ、装備一式を渡されても、実感がなかった。
とりあえず球場から離れて、少し考えてみようと思い、二股の道を左に進んだ。
歩いていくと、舗装されていない道の向こうに、海が広がっていた。
青い海は彼方まで広がっていた。
さて…どうするか。
ふぅっとため息をついた。
斉藤は走るのを止め、歩き始めた。
道はだんだんと左にカーブしていた。
一軍枠20人を決めるということは、50人近くが減らされるということだ。
つまり、この島で50人が死ぬということだ。
そんな馬鹿な。こんなことを考えた奴らは狂っている!
と舌打ちする。
だが実際に、キーナート元GMが殺されている以上、本気なのだろう。
とはいえ、こんな馬鹿げた企みで死ぬのはもっと馬鹿げている。
何とか生き残らないといけない。
とにかく、生き残れるのは20人だけだ。
その為にはどうするか。
道を歩く斉藤の前に、小さなバス停と待合所がみえた。
斉藤は歩いていき、バス停の時刻表を見た。端の方などはペンキが剥げて、錆びていた。
77:さて。:2 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/13 03:19:16 eA70Fz3BO
「うわ、1日2本かよ。」と独り言。
少ないなぁ。
でも、いくら待っていても今日はバスは来ねえやな。
と、何となく思った。
肩にかけたバッグを外しながら、待合所のベンチに腰かける。古びた木製のベンチがギシッと軋んだ。
持ち物をチェックしてみようと思い、斉藤は脇に置いたバッグを開いた。
しかし、何も入っていなかった。
あれ?と思い、中をまさぐると小さな金属製の箱が出てきた。
よく見るとポータブルテレビのような形をしている。
「何だろうなこれ?」
ためつすがめつながめてみる。
画面があり、横にスイッチがついている。
画面には白線で四分割され、さらに円が2つ、ダーツの的みたいに入っている。
「テレビではないな?」
とりあえず電源を入れてみる。
…ぽちっとな。
ぶーんと小さな音がしたが、しかし何も映らない。
「おかしいな」と首をひねって、テレビらしきものを振ってみた。
その時、隅の方に赤い点滅が見えた。
ゆっくりと瞬きながら画面の中心に近づいていくようだ。
ふと斉藤が顔を上げると、誰か近づいてくるのが見えた。とりあえず待合所の裏にまわりこんで隠れる。
画面の赤い光は、中心に近づくかと思うとそれていった。
78:さて。:3 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/13 03:21:10 eA70Fz3BO
斉藤がそっと様子を伺うと、背番号9の後ろ姿が見えた。
「鷹野さんだ」
と呟く。
鷹野は何事もなく、スタスタと歩いていった。
これはそうか、レーダーか。なるほどな。
感心した。
武器と言えるかどうかはわからないが、これはかなり使えるだろう。
鷹野が行き過ぎたのを確認して、斉藤は再びベンチにかけた。
そして、これからどうするか、もう少し考えてみることにした。
79:LEVEL4 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/14 02:49:24 IysKthbJO
「背番号6、西谷尚徳!」
「は、はい!」
西谷は上擦った声で、慌てて答えた。
まだ、心の準備が出来てなかった。
本当にみんなと殺しあわないといけないのか?
と思いながら、荷物を受け取る。
ちらりとチームメイトを振り返ってみた。
選手達の中に、明大でともにプレイした、一場靖弘の顔を見つけた。
目があうと一場は軽く頷き、少し笑ってくれた。
西谷も軽く頷き返す。
他に同期の塩川と大廣はいないか、目だけ動かして探してみた。
選手たちの端の方で大廣を見つけたので、強い視線を送る。
だが大廣は西谷の視線を婉曲に外して、関係ないというそぶりを見せた。
おかしいな、と少し戸惑った。
塩川を探すが、アイツは1番だったなと思い出した。
そうか、もう出発してるなぁ。大丈夫かなアイツ、と塩川の顔を考える。
黒服がさっさと行けと合図したので、仕方なく西谷は出口へ歩き出した。
一場は笑ってくれた、大廣は何だかよそよそしかった…。
歩きながら思い出す。
やはり誰かと一緒に行動した方がいいな。
まず入口付近で一場を待とうか…。
あいつはあとどれくらいで出てくるだろう、と西谷は頭の中で数えた。
80:LEVEL4 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/14 02:50:33 IysKthbJO
俺が6番であいつは11番だから…あと4人で12分か。
どうしようか。
考えていると出口についてしまった。
そういえば…出口で待ち伏せ。
いきなりドン、てのもよくあるパターンだよな、とドアに手をかけた時にふと思った。
武器は何だっけ。
心配になってカバンのジッパーを下ろす。
中には黒光りする金属の棒があった。
銃かな?
取り出すと意外と重かった。
銃身はあまり長くない。
ショットガンかな?
銃についての知識は素人だが、何となくそんな感じだった。
ドガンと小さな弾が飛び出す奴だなとイメージした。
他には何もないか、カバンを探ると、紙の箱が出てきた。横に何か書いてあるが英語であまりわからない。
とりあえずshotgunという文字があったのでショットガンという事はわかった。開けると中身は銃弾で、全部で10発あった。
やっぱ本物かなぁと思ったらワクワクしてきた。
こうやって撃つんだな、と構えてみると意外と重かった。
西谷は縁日の射的を思い出した。
あれはコルク銃だけどこいつは本物だぞ、と思うと何故か笑えてきた。
すると何となく心も落ち着いてきた。
81:LEVEL4 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/14 02:53:44 IysKthbJO
さあて行きますか。
とりあえずこれを見たら、仕掛けてくる奴はいないでしょ。
少し気分も上がってきた感じだった。
銃を構えて用心しながら、ゆっくりとドアを開ける。
とりあえずは誰もいないようだ。
ぱぁっと太陽が差した。
目をしかめる。
そして誰もいないか見渡した。
塩川は居ないみたいだった。
もう既に遠くへ行ってしまったのかもしれない。
一場を待とう、と西谷は考えた。しかし出口の真ん前で待っている訳にも行かないだろう。
どこかに隠れていよう。
西谷は手頃な場所を探した。
ハチ公なんかないよなー、と軽くジョークを思いついて一人で笑った。
球場入口前には駐車場があり、乗ってきたバスが少し遠くに見えた。
とりあえずあの後ろに隠れておこう。出口が見えるしすぐに声をかけられるだろう、と考えた。
使ったことのない銃を構えながら、映画で見た刑事のそぶりをしつつ、バスに近づいていった。
誰もいない…な。
確認して、西谷はふふっと笑った。
何だか自分は映画の中にいるような気分がした。
バスの脇から出口を見つめて一場を待つことにする。
あと12分か。アイツ、どんな顔して出てくるだろうな。びびって出てくるのかな。ふふっ、楽しみだ。
腕の中にある銃の重さが、西谷に余裕を与えてくれる気がした。
82:代打名無し@実況は実況板で
06/04/14 09:29:50 HR/L8XTg0
一場はどうでるのだろうか・・・
83:代打名無し@実況は実況板で
06/04/14 18:48:28 IysKthbJO
捕手
84:吉岡忍法帳 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/15 01:57:51 jBKt83aEO
「何じゃこりゃ」
吉岡雄二は眉を下げた。
武器の入っているバッグから出てきたものは、赤色の巻物だった。
武器って…銃とか刃物とかだろう、普通。
何で巻物なんだよ。
俺は忍者かよ。
忍者だったらこう…、と巻物を口にくわえながら落ちている葉っぱを頭に乗せてみた。
目をつむり、精神を落ち着ける。
…よしっ!
「ひーほー、はほーほひゅふ!(忍法、火遁の術!)」
…勿論何も起こらない。
何の反応もないので、やってて空しくなってきた。
あかんなぁ。
ドサッと地面に寝転がって空を見上げた。
雲が流れていく。
空は平和だ。
でもこの島は殺し合いの舞台になっちゃうんだよな…。
徒々なるままに考えた。
どないしょっかなぁ…。
チームメイトを殺す訳にもいかんよなぁ、でも相手が仕掛けてきたら応戦するしかないかな…、でもなー。
と脇に置いた巻物を手にとる。こんなんでどうせぇっちうねん。
このままでは仕方ないので巻物の紐をといてみる。
パラリと紐が外れた。吉岡はクルクルと開いてみた。
何か書いてあるか少しワクワクする。
85:吉岡忍法帳 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/15 02:01:18 jBKt83aEO
だが、巻物には何も書いていない。真っ白だった。
「嘘やん」軽く呟いた。
チッと舌打ち。
一体何だよ、これは。ムスッとした顔をする。
全く…、主催者は本当に殺し合いなんかさせる気があるのか?
巻物を投げ出した。
はああっ、深くため息をつく。
銃とか持ってる奴はやっぱやる気になってんのかなぁ。
空を見ながら思う。
今日は真っ青に晴れてんなぁ。あったかいし。
東北なんかまだ雪が降ってて大変何だよなぁ。寒いしなぁ。あれは野球する環境じゃないっての。
ベンチにコタツでもおいといて欲しいよ、全く。球団ももう少し気をきかせ…
「……あっ」
吉岡はガバッと起き上がって声を上げた。
そっかぁ、なるほど…。自分の思いつきに、顔がニヤニヤしてきた。
そうだよ、そうだよー、その手があるじゃん。驚き桃の木21世紀だよ。
すぐさまもうひとつのカバンをひっくり返した。が、「あれっ?入ってない?」
おかしいなぁ。サバイバルさせるなら入れとけっての。
くそーっ、どうすればいいんだ。
吉岡は少し考えると、ひっくり返した荷物の中から地図を広げた。
こう来て今、この辺やから…こっちか。
方向を確認した吉岡は荷物を片付けて歩き出した。
86:代打名無し@実況は実況板で
06/04/15 07:52:00 jUNdtxwz0
吉岡さんて、関西弁じゃない気が...
87: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/15 11:22:19 jBKt83aEO
>>86
確かに選手名鑑では東京出身みたいですが、近鉄にしばらくいたので所々、関西弁を混ぜてみたんです。関西弁の方がノリが伝わるかと思ったし。失敗かな?
88:代打名無し@実況は実況板で
06/04/15 11:40:02 qHJ0l3Vv0
どっちかっつーとあれだけ関西にいて関西弁うつらないって珍しいなーというタイプだったように思うんだが
まあ吉岡を見てのrGsyzf.Kp2 氏の判断なら別に文句は言わん
89:いてまえを知る者
06/04/16 02:23:16 uOU7tsmpO
礒部公一(8)はサバイバルナイフを片手に、憤怒の表情で歩いていた。
全く…上の連中は何を考えてるやがるんだよ。
道に落ちていた小石を蹴飛ばした。小石は道を外れて飛んでいった。
戦力強化の為に殺し合い?ふざけんな!
強く舌打ち。
楽天のリーダー、礒部の心の中はまさに煮えくりかえっていた。
「あいたっ」
急に人の声がした。
「誰だ!?」
礒部はナイフを構え、声を上げた相手に呼びかけた。
「礒部さんですか…?ひどいですよー。急に石が飛んでくるんだもん」
前の道の脇からガサッと顔を出したのは憲史(60)だった。
額を左手で抑えながら歩いてきた。
「あっ川口か、すまん」
「すまんじゃないですよー。何か恨みでもあるんですか?いったぁ…」
うらみ顔で礒部を見ながら、石が当たった所をさすっている。
「本当にすまん。ところでお前何してたんだ?」礒部は尋ねた。
「いやー、ただ用を足してただけです。そしたら急に石が飛んできて。手元が狂っちゃったじゃないですかー」
「…そうか、ところでお前、荷物は?」
「荷物っすか、置いてありますよ、取ってきますねー」
憲史は荷物を取りに走った。
90:いてまえを知る者
06/04/16 02:26:44 uOU7tsmpO
偶然とはいえ、近鉄時代にともにプレイし、優勝も経験した憲史に会えたことで、礒部は安心した。
アイツもこんな馬鹿げたことに納得してないだろう。
「お待たせしましたー、んで礒部さんはこれからどうしますか?」
どうするって、と礒部は一瞬戸惑った。
とくに、具体的には何も考えてはいない。
「お前はどうするつもりだ?」
と聞き返してみる。
「そうですねー、何も考えてませんでした」
「おいおい…」
お前もか、と思う。
「でも礒部さんにあえましたから。何かやるんならつきあいますよ」
礒部の目を見ながら憲史が言った。
「そうか」
礒部は少し考えた。
つきあう、と言ってくれている以上、憲史はついてきてくれるはずだ。結構真面目な奴だし。
それならなんとかなるかも知れない。
「とりあえずな、こんな馬鹿な仕掛けに乗る必要はないと思うんだ」と礒部は思いつくままに言った。
ええ、と憲史は頷く。「だからな、こんなのはぶち壊してやろうや。けどどうやったらぶち壊せるか、は俺達だけじゃわからん。」
「そうですね」
「野球と同じでまず、相手の情報がいる。そして他にも人数を集めよう。早くしないと馬鹿な奴がこの馬鹿げた仕掛けに乗ってしまう」
91:いてまえを知る者 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/16 02:28:25 uOU7tsmpO
そこまで言った時、パーンと銃声が聞こえた。
距離があるようで音は小さい。
「!」
二人とも顔を見あわせた。
「礒部さん、誰かが…」
「みたいだな。乗っちまった奴がいるみたいだな。…行くぞ川口!」
礒部は銃声の方へ走り出した。
「はい!」と川口も続く。
走りながら礒部はふと思いだした。
「川口、手は洗ったか?」
「いえ…」
「後でちゃんと洗えよ?」
とにかく、礒部と川口は走り続けた。
92:言葉の壁 ◆rmHnpNCVhQ
06/04/16 08:33:13 hJ9Kfw+G0
片山が永池を殺し、礒部と川口が走っていたころ反対側の海岸ではまた選手が出会っていた。
林英傑(91)と関川浩一(23)である。
「あ!えーと・・・・。誰だっけ?」
関川は一瞬思い出せなかった。
「そうだ!リンウェイツだっけ?」
期待通りの大ボケをかました関川に英傑は
「否!我林英傑」
無表情に中国語で返す。
台湾からきた新外国人選手の英傑はあまり理解できていないだろう。
まさかさっきのカプセルに翻訳機なんてついているわけなく。
「我何故現此処?我不明」
中国語(台湾語)で話されても心得の無い関川には理解できない。
関川はタイムを取る仕草をして少し考えた。
「あ〜キャンユースピークイングリッシュ?」
英傑は関川の発音が少し変わった英語に頭を傾げるだけ。
「どうする?あ〜そしたらこれでどうだ?」
そうすると関川は地面に漢字を書き始めた。
多分意味だけは通じるはずだ。
私関川浩一 私不敵
なんとか通じてくれることを願って。
しかし英傑はまだ首をかしげている。痺れを切らした関川は字を「私」と自分を指差し。
「セキカワコーイチ。俺は敵じゃない。」
ソレとともに握手を求める。英傑は
「好(ハオ)」
と笑顔で一言うなずいて握手をした。
93:代打名無し@実況は実況板で
06/04/16 09:02:48 M/zUBoT90
関さんとインチェとは、意表をつく組み合わせw
なんか和みますね〜。
94: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/16 12:06:05 uOU7tsmpO
乙です。
インチェを関川と組み合わせたのか。意外です(o^-’)b
95: ◆rmHnpNCVhQ
06/04/16 23:46:08 hJ9Kfw+G0
中国語の心得なんて俺無いんで変な感じになってますけどorz
リアルで球場いって疲れた〜。
あと憲氏は背番号61ですよ。
ユニフォームどっちだっけ?KENSHIなのかKAWAGUCHIなのか。
登録名いつ変えたっけ?
96: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/17 00:12:37 ZS4xLZ1UO
指摘サンクスorz
修正がきかないのがツラいorz
去年の契約更改で発表してたみたいでつ
97:代打名無し@実況は実況板で
06/04/17 05:43:06 jnsNpmZ60
age
98:代打名無し@実況は実況板で
06/04/17 19:38:54 ZS4xLZ1UO
捕手カツノリ
99:孤独 ◆rmHnpNCVhQ
06/04/18 23:08:46 tlRet6k10
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・クソッ一体なんだっていうんだよ。」
悪態をつきながらも山の中をひたすら走る人影があった。
野村カツノリ(52)である。
親の七光りだとか何打とか言われつづけ、イマイチ成績もパっとしないカツノリ
トライアウトで得た多分最後といってもいいチャンス昨年もパっとはしない成績だったものの
父親とは違う魅力があり人望も厚いカツノリはただ一人山の中をさまよっていた。
「あ〜なんでこんなことに?親父にも知らされていないなんて。」
今期監督は自分の師であり、そして父の野村克也だった。
孝行したいとき親はなしというし今年こそと思っていた矢先である。
ソレは皆思っていることであろうが。
などと考えているうちに山の頂まできてしまった。
「あ〜あこんなきれいなところなのになぁ〜。みんなどうしてるんだろ?」
寂しさのあまり泣き出しそうになるカツノリ
そこにガサガサという音を立てて狸が顔を出した。
「な、なんだ?・・・・・狸かよ。」
カツノリは半泣きになった眼をこすり山道をまた歩き出した。
自分はどんなことをしても生き残る。
しかし、一人では無理だということもわかっている。
チームメイトとまだ会うこともないカツノリは
一人たださびしく山を下り始めた。
100: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/19 02:51:15 A8FvHiI/O
乙です〜
他には職人さんいないかな?
101:ひび割れた心 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/19 03:38:14 A8FvHiI/O
海岸から離れた山中を、片山は無我夢中で走っていた。
撃ってしまった。
永池さんを…
片山の頭の中で、それだけが何度もぐるぐる回っていた。
「はぁっはぁっ…」
山道を走り続けて流石に息がきれてきた。
片山は一本の木の下に座る。
おもむろにバッグからペットボトルの水を取り出し、一気にグビグビと飲んだ。
一本をすっかり飲み干した所で、ぷはっと息を吐き出した。
息はまだ荒い。
本当に殺してしまったんだ…、片山は片手に持ちっぱなしの銃を眺める。
顔に近づけると、少し硝煙の香りが残っているような気がした。
記憶をたぐりよせてみる。
永池の姿。
とっさの小細工。
ひきがねを引く。
銃撃の冷たい感触。
大きな銃声。
永池の体に銃弾。
まるで吸い込まれていくように。
撃ち込まれた弾丸。
流れ出す赤い血。
倒れる永池。
片山を睨みながら倒れる永池の、あの顔。
そこまでははっきりと思い出せたが、その後どうやってここまで来たのかははっきり覚えていなかった。
ただ、その場から離れた方がいいと、何となく思ったから走り出した。
思ったかどうかすら、微妙だった。本能がそう命令した感じだった。
102:ひび割れた心 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/19 03:39:27 A8FvHiI/O
急に何か物音がして、前方に何かが見えた。
人か?
片山は慌てて荷物を引き寄せ、木の後ろにまわりこんだ。
様子を伺おうと頭をおさえたとき、帽子がないことに気づいた。
海岸に落としたのか、山道で落としたのかはわからない。
仕方ない、と思い、そのまま様子を窺う。
誰かが山道を歩いてくる。
まず、赤いクリムゾンレッドの帽子が目に入った。
楽天の選手だ。間違いない。
誰だろうか、と考えたが、片山は選手の顔をまだよく知らない。
永池の顔は覚えたが、彼はもう居ない。
楽天の選手はまっすぐこっちの方へ向かってくる。
他には誰もいない。一人のようだ。
片手に何かを持っている。黒くて細長い銃のような――
103:ひび割れた心 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/19 03:41:50 A8FvHiI/O
ふと気がつくと、片山は立ちつくしていた。
左手に残る感触に気づく。
さっきと同じ感触。
何だか心地よいものですらあった。
また、撃ってしまった。
片山は思った。
今度は意外に興奮していない。さっきと違って、意外と冷静だ。
足元を見た。何かが横たわっている。赤い液体を流して、倒れている。背番号51。
SATOH…さ・と・う、と読めた。
記憶を呼び返す。
佐藤の手の銃。
それを見た途端、体が勝手に動く。
佐藤に近づく。
驚く佐藤。
俺の武器、タオルだったんですよ。
笑いながら言う。
佐藤は言った。
さっきと同じ様に。
「何でタオルを巻いてるんだ?」
同じ様に、
「こうするためだ」
ひきがねを引く。
あの心地よい感触。
真っ直ぐに飛び出していく銃弾。
頭に赤い穴。
不思議そうな顔のまま倒れる、佐藤の顔。
片山はふっと、眠りから覚めるような感覚を覚えた。
2mほど離れた所に佐藤が持っていた銃が落ちていた。自分の拳銃とは違い、大きかった。バットくらいの長さのそれはライフルだろうか。
片手で拾い上げようとしたが、意外に重いので両手で拾った。
3〜4kgはあるようだった。
104:ひび割れた心 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/19 03:44:02 A8FvHiI/O
改めて地面にあるモノを見つめた。
別段、何も思わなかった。
片山は佐藤のバッグから水と食料を取り出すと、自分のバッグに入れて歩き出した。
今度は誰の顔を覚えられるかな、と思った。
背番号51【佐藤和宏】死亡【銃殺】
105:代打名無し@実況は実況板で
06/04/19 21:42:47 7Zi7GLNZ0
>>102-104
乙です
片山コワー━(( ;゚Д゚))━
106:代打名無し@実況は実況板で
06/04/19 21:49:01 653NaM2j0
>>102-104
冷酷なヒットマン片山 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
107:代打名無し@実況は実況板で
06/04/20 08:16:14 HvrE0/KlO
ホシュ
108:代打名無し@実況は実況板で
06/04/20 11:54:25 UknKnK5p0
t
109:代打名無し@実況は実況板で
06/04/21 00:36:58 Rh14Z+imO
寿司
110:代打名無し@実況は実況板で
06/04/21 00:50:23 zVKbGMqMO
2319
111:代打名無し@実況は実況板で
06/04/21 04:51:01 kqjunM1/0
age
112:代打名無し@実況は実況板で
06/04/21 17:42:44 GOl12gda0
保守
113: ◆rmHnpNCVhQ
06/04/21 22:32:12 PJWEGDjv0
そういえば肝心の残り人数書いてなかったな〜
えっと2人死んでいま残り79人?だっけ?
114: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/22 01:34:44 p0s3enQMO
>>113
選手は全部で67人(現在、永池と佐藤除いて65人)。
残り人数に、コーチは含むの?
115: ◆rmHnpNCVhQ
06/04/22 07:57:05 CElrK2+y0
あーコーチ入ってたんかその人数w
サンクス
116: ◆rGsyzf.Kp2
06/04/22 16:37:20 p0s3enQMO
人数をカウントするのは選手だけだよね?
コーチ陣含むなら
ノムさんをどうするか難しい。
おまけに大ちゃんも登場してるしな
117:代打名無し@実況は実況板で
06/04/22 18:27:19 66SKU6dI0
過去ロワの例からすると文章以外をスレに投下するのはどうかと
118:代打名無し@実況は実況板で
06/04/23 08:22:58 GjUSwYp+O
藤井
119:代打名無し@実況は実況板で
06/04/24 04:42:53 3UyQQkIV0
近澤
120:代打名無し@実況は実況板で
06/04/25 00:50:27 7V+D56fHO
カツノリ
121:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 01:16:43 Q4dmrznIO
新里
122:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 05:34:12 tnfs8xFe0
長坂
123:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 07:37:04 +V8ZPP+b0
朝井
124:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 15:43:54 j/RfIhWZ0
朝井はいつ捕手に転向したんだ
125:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 21:21:24 wNWnmReZO
礒部
126:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 21:26:00 cEB56MIG0
関川
127:代打名無し@実況は実況板で
06/04/26 22:56:40 wEMRPFaBO
先生
128:笑裏蔵刀 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/28 00:13:32 cGzL8r6MO
西谷が出ていった後、一場靖弘(11)は腕組みをして考えていた。
後ろを振り返りながら自分にアイサインを送る西谷に、あの時は確かに同意の意思を示した。
大学時代、ともにプレイし、さらにプロ野球の世界に飛び込んでからも、同じチームでやっているチームメイトだ。
しかし、と今は違うことを考えている。
本当にそれでいいのか、と。
野球はチームプレイだが、こと投手に限ればその限りではない。
誰が言ったのかは知らないが、『投手は一度マウンドに上がれば孤独だ』という台詞がある。実際にプロ野球で一年だけだがやってみて確かにそれは実感した。
だから、ということはないが一人を恐れることはなかった。
しかし、と一場は考える。
はじめての見知らぬ場所、しかもいきなり殺し合いをしろ、だなんて訳のわからない状況では話は別だ。
こんな所に三日間も一人でいるのは精神的にも肉体的にも、キツイものがあるだろう。一般人は尚更、たとい、プロ野球選手であっても無理だ。
確か、一軍枠は20人。1人だけという訳ではない。これだけ生き残れるのだから、一人でいるよりも誰かと組むのは上策だ。
よしんば戦うにしても、複数の方が断然有利である。
129:笑裏蔵刀 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/28 00:14:03 cGzL8r6MO
一対一だと負けるはずはないが、下手すれば相撃ちということにもなりかねない。
やはり誰かといるべきである。それも信頼してくれる人なら言うことはない。
複数で動く時のデメリットは裏切りと、それに対する疑心暗鬼。
が、西谷ならとりあえず問題ないだろう。あの時の視線に狂気の色は見えなかったし、自分を信頼している様子だった。何よりも気心の知れた仲間だ。
仮に裏切るようなことがあっても、嘘や隠し事が苦手な素直な奴だ。その前に何かしらのそぶりを見せるはず。
…いざとなれば裏切られる前に裏切ってやればいいさ。
生き残るのはお前じゃない、このオレだ。
一場の口元に軽く、冷たい笑みが浮かんだ。
「背番号11、一場靖弘!」
自分の名前がコールされた。いよいよ来たな、と覚悟を決めてゆっくりと歩きだす。歩きながら目だけ動かして、選手たちの表情を見渡す。
真っ青な顔をして震えている選手がいた。山村宏樹(16)だ。一場は彼を見てフン、バカだなと薄笑いした。これじゃ生き残れまい。
視線を移すと朝井秀樹(36)の姿が目についた。まわりの選手たちの暗い顔とは対照的に、何故かご機嫌な顔をしている。
130:笑裏蔵刀 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/28 00:15:18 cGzL8r6MO
何だ、コイツと怪訝に思う一場。恐怖のあまり、どこか理性が狂ってしまったのだろうか。もしそうなら、次に会ったとき、なにをしでかすかわからない。ああいう奴は他にもいるかもしれない。充分注意すべきだ。
所定の荷物ふたつをうけとり、一場は出口に向かってあるく。廊下を少し進み、誰も居ないのを確認して、バッグを床に置いた。
ひとつのジッパーを下ろす。中には水、食料、地図。地図を取り出して後はしまう。
そしてもうひとつのバッグを開けると、白木の棒が入っていた。片端に布が幾重にも巻かれている他に、装飾などは一切無い。
銃やナイフなんかを予想していたので少しガッカリした。
とりあえず取り出してみると意外に重い。ちょっと考えるとふと思いついた。両端を持ちて左右に引っ張ってみる。
するとスラリと抜けて、銀色の刀身があらわれた。蛍光灯にかざすと、キラリと光を反射する。一点のくもりもない。切味はかなりよさそうだ。
仕込み杖か、と思いながらある映画を思い出した。
刀をしまい、再び出口に向かった。
ただの杖と見せかけて、相手が油断したらスパッと斬るイメージを思い浮かべる。
ドアの前でゆっくりと深呼吸をし、思い切ってバッと開いた。
131:笑裏蔵刀 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/28 00:16:18 cGzL8r6MO
周りを見渡すが待ち伏せなどはないようだ。
一歩ずつ、用心しながら歩いていく。
駐車場を真っ直ぐ横断していき、半ばまで来たとき。
「よぉ、ヤス!」と声をかけながら、西谷がバスの影からヒョイと姿をあらわした。
右手に何かを持っている。黒いそれは、何か銃のようだ。
「待ってたぜ、ヤス♪」
普段と違う、明るい声だ。
「あ…あぁ」
頷きながらも一場は違和感を隠しきれない。
「おい、なんか暗いなあ♪しっかりしろよ〜♪一人じゃ心細いからさぁ、待ってたんだよ。一緒に行こうぜ♪」
と言って西谷は一場の肩をポンと叩いた。
口調とは裏腹の台詞に、一場はかなり戸惑いを感じていた。こんなヤツだったか…?
妙に明るく調子が軽い。
思わず一場は西谷の顔をまじまじと眺めた。まるで遠足に来た小学生の顔だ。
「何だよ〜なんかゴミでも付いてるのか?」
「いや、別に…」
視線を手元の地図に落とした。
「あっそうだ♪どうせならさぁ、海辺に行こうぜ、せっかく海があるんだしさ♪」と西谷が地図の海岸を指差した。
「ってお前、遠足じゃないんだから」
「いいんだよ、やることねーんだしさ♪行こうぜ〜」
西谷はそう言うと肩を銃で叩きながら先に歩いていった。
132:笑裏蔵刀 ◆rGsyzf.Kp2
06/04/28 00:17:55 cGzL8r6MO
遅れないようについていく。
いつもは一場が提案して西谷がついてくる構図なのに、逆になっている。おかしい。西谷は恐怖心やら何やらで気が触れたのだろうか。
普段は西谷はもっと冷静なはずだが、それともこれが本性なのだろうか。
一場は先を行く西谷の背中を、不審の目で見つめた。
不安だがともかく西谷は銃を持っている。誰かが仕掛けてきても対応できる。
あれくらいの方が、怖くてガタガタ震えているような奴より役に立つだろう。ここはとりあえず一緒にいよう、と考えた。
それに、と一場の口元に微かな笑み。
…いざとなれば裏切られる前に裏切ってやればいいさ。生き残るのはお前じゃない。このオレだ。
「何してんだよ〜。置いてくぞ〜」
もう西谷は百mほど先にいた。
「すまん、今行くから」
一場はそう答えて走り出した。
133:代打名無し@実況は実況板で
06/04/28 14:16:15 1FQFN4vzO
ここに一人、狂喜に目覚めてしまった男がいる。
背番号00:森谷昭仁
恐怖や混乱の中、仲間達を背に飛び出して来た彼は草むらにいた。
ガサガサッ…
音のする方を向くと雀のような小さな鳥がいた。
彼は、大きくバットを振りかぶり雀の脳天を叩き割った!そう、彼に与えられた武器は金属バットだった!
「打撃力不足なんて…もう誰にも言わせへん!生き残って一軍のマウンドに立つんわ、この韋駄天森谷昭仁や。」
ニヤリと冷たく微笑み、森谷は歩き出した…
134:代打名無し@実況は実況板で
06/04/28 14:16:42 rXR9nDK20
なんだ、このくだらない日記スレは
135:代打名無し@実況は実況板で
06/04/28 14:48:20 rtUn2QZo0
もりたぬキタコレ
136:代打名無し@実況は実況板で
06/04/28 17:06:26 INtwKNp10
森谷は顔が怖いせいでいつもこんな役だなw
137:代打名無し@実況は実況板で
06/04/29 08:40:08 An99SI1pO
捕手
138:代打名無し@実況は実況板で
06/04/29 08:54:56 y5T6BuiF0
マウンドに立つのか・・・さすがアホキャラだな、森谷・・・
139:代打名無し@実況は実況板で
06/04/29 16:23:38 U0KO4qrx0
言われて気付いたw
ワロスwww
140:代打名無し@実況は実況板で
06/04/30 01:41:18 zqtWwOn9O
保守
141:代打名無し@実況は実況板で
06/05/01 00:51:57 cCyjb0G1O
ら
142:代打名無し@実況は実況板で
06/05/01 02:09:01 X5fQ9rov0
l;
143:代打名無し@実況は実況板で
06/05/02 01:21:28 i1KaT/joO
礒部
144:代打名無し@実況は実況板で
06/05/02 11:03:58 WK53q4GUO
野村
145:代打名無し@実況は実況板で
06/05/02 17:09:36 VYyw2ohC0
age
146:代打名無し@実況は実況板で
06/05/03 18:45:02 AjOTCELrO
捕手
147: ◆DQN.BOMcLA
06/05/04 19:40:15 HcDLdZhd0
捕手
148:『鬼ごっこ』
06/05/04 20:46:36 00bC0UDD0
潮の匂いが近付く。
辺りをぐると見渡しても、今は誰も見えない。
いや…『今は』誰も、と言ったところか。
じきに来るのは分かっている、待つだけだ。
時計を見て、時間を予測する。そして、木にもたれかかって目を閉じた。
「……さん。」
「来たか。」
ほぼ予測した時刻に背後から声がした。
答えて振り向く。
「一体何の用です? コーチになってる人まで使って呼び出すとか。」
「別に。ただお前に言いたいことがあるだけだ。」
時間を見る。あまり意味のない行動はこれから先、慎んだ方がいいことだろう。
組んでいた腕を緩め、目の前の人間を見据える。
「お前は野球がまだしたいか?」
「当たり前でしょう。」
「二塁か、遊撃でか?」
「まだ守備が衰えてるとかは思ってませんから。それは一緒でしょう?」
「そうだな。それが、問題なんだけどな。」
意味が分からないといった様子で首を傾げられた。
「…何の話です?」
「俺は、」
息を吸う。一瞬だけ目を閉じる。
149:『鬼ごっこ』
06/05/04 20:47:14 00bC0UDD0
「このチームの中なら誰にだって内野の守備においては負けてないと思ってる。お前にもだ、もちろん。
で、今回こういうことになった。なら、俺が何したいか少しは見当がつくだろう?」
「さぁ? あんたのことなんか俺は興味ないですから。」
「珍しいな、お前がそんな口叩くなんて。」
あんた、とこの男からそんな呼ばれ方をされたのは初めてだ。
いつも笑っているようなこの男に。
「俺やって生活ありますもん。少々変わったっておかしくはないでしょう?」
「ああ、そうだ。だから俺が変わってもおかしくない、興味がない、と。」
「でしょう? ここで気にかけんといけんのは自分が生きてるか死んでるかだけ、でしょ。」
「ああそうだ。だから−−−」
「俺はお前を殺そうと思ってる。」
ふっと鼻だけで笑う。何の為か? 自嘲の為か。
普段は細い目をしている男の目が少しだけ開く。
自分が塁にいて、こいつが打席の時ぐらいだろうか。こんな目で見られるのは。
「何で? 俺が生きて帰ったら守備位置がカブるからです?」
「さっきも言ったろ。内野の守備だけなら俺はチーム一だと思ってるって。」
「じゃあ何でわざわざ俺を、殺すんです?」
鞄に手を入れて、銃を取り出す。右手に持って、前に銃口を向ける。
「野球は守備だけでも、打撃だけでも、走塁だけでも、3拍子揃ってるってだけでも、ダメだろ?」
撃鉄を下げ、引き金を引く。
乾いた音がして、目の前の男の顔に赤い線が一筋走る。
男は一瞥すると、顔の両脇に手を上げた。
150:『鬼ごっこ』
06/05/04 20:47:52 00bC0UDD0
「鬼ごっこだ。
俺は鬼だ、お前は逃げろ。最後まで生きた方が勝ちだ。」
「…景品とかないんですの?」
「お前が生きて普通に帰ったら考えてやるよ。」
それやったら、と男が半笑いで肩をすくめる。
「意味ないですやん。不利なん俺ばっか。」
「不利でも力を出し切らなきゃ、どうせお前は生き残っても生き残れないだろうな。」
「野球できるだけマシ。そう思わんとねぇ。」
「はっ、言うな。まぁいい、ついでに会った奴殺すからそれが景品だと思っとけ。」
銃を下げ、鞄の中に入れる。
生返事を2回返し、男が屈伸を始めた。
時計を見る。秒針が1回りしたら、始まりのサイレンを鳴らす。
「…別に鬼ごっこしてもええですけど、言っときますよ。俺そんな足遅くないって。」
「奇遇だな、俺も遅くない。」
「ま、寄る年波にはかないませんけどね。」
「そこも同じか。」
目を閉じる、時計を見る。カウントダウン。
「…ゲーム、開始だ。」
酒井忠晴(0)は、そう呟く。
顔を上げると、もうすでに沖原佳典(32)の足跡だけが残っていた。
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