中日ドラゴンズバトルロワイアル第十二章
at BASE
36:代打名無し@実況は実況板で
05/06/06 19:43:13 1ozXh8fv0
>>1乙です
自分用に保存してたのを貼っておきます。
保管庫にまだうpされてない178章と179章です。
178.白日
今の自分の心境に、晴天は確かにそぐわないのだろう。
鈍色に濁る空も、乱暴に吹きつける風も、自らの胸中をそのまま表わしているかのようだ。
野ざらしで雨に打たれていることすら、因果めいていると思う。
感情は重く冷えきったまま。しかし足だけは前へと動いている。
湿った地面の草を踏みつけながら、佐伯貴弘は携帯電話を耳元に近づけた。
相手が応じるという確信は何故かあった。たっぷり十数回ほどの呼び出し音が続いた後、
戸惑いからであろう空白と、感情を抑えつけた事務的な相手の応答を受話機ごしに聞く。
「何の用だ」
さあ、用件は何だったのだろう。回線を繋ごうとしたこの行為がきわめて衝動的なものだったことに
今更ながら気がつき、佐伯はぴたりと足を止め、声を立てずに笑った。
あえて理由を探すのなら、身体の奥底に巣食う混沌を相手に分けてやりたかったからなのかも知れない。
心に降りそそぐ雨の冷たさを。
ホテルの通路は声が響きすぎる。仕方なしに砂原は手洗い場の個室へと入りこんだ。
渡辺から、と宮内には言ったが、あれはとっさに口をついたでまかせだった。着信の相手が相手
だけに、割り当てられた自室では話ができない。盗聴されている可能性が高いからだ。
トイレに入ったのは苦渋の選択だったのだが、それにしても何故自分がこんなコソ泥めいた真似を
しなければならないのかと、釈然としない苛立ちを抱えつつ携帯を開いた。
「契約のことなら、先程話した通りだ。今更覆りはせんよ」
相手が何を言うより先にそう念押しをしたのは、八つ当たりの意味もこめてのことだった。
だが回線の向こうの返答はやけにあっさりとしていた。
「それやったら、もうええんですわ」
「……何?」
「ちょっと俺の話聞いてもらえませんかね、オーナー。取引っちゅうか…まあ取引なんかな、これは」
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5382日前に更新/125 KB
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