中日ドラゴンズバトルロワイアル第十二章
at BASE
198:152−154
05/07/18 00:20:40 AIrcDwIZ0
>>182
ぱあん、という軽い銃声が一つ、森に響いた。
それはあまりにも軽く、けれどやけに大きく響く音。空に染み渡るように広がっていく
その音が、完全に消えた直後。
銃弾を受けた桧山は、まるで糸の切れた操り人形のように力無くくずおれた。
小笠原は銃口を桧山に向けたまま、ゆっくりと近づいていく。
桧山は英智に覆いかぶさるようにして事切れていた。
「桧山さん……すいません」
心からそう告げて、小笠原は桧山の体を英智の隣に寝かせた。
桧山の表情には、苦渋や恐怖といったものは無い。ただ、何が起きたのかわからない、
というような驚愕に満ちたものだ。見開かれた双眸は焦点を失い、ただ薄暗い曇天へと向
けられている。
その目蓋を、小笠原は指でそうっと閉じさせた。
降りしきる雨は、まるで桧山の死を悼むようにその足を速めていく。
「小笠原……」
その声は背後からかけられた。
小笠原が振り向くと、そこには井上の姿があった。肩で息をつき、そのユニフォームは
雨と泥と血にまみれている。特に出血がひどいのは右腕で、だらりと下げられたその指先
からは雨混じりの血液がとめどなく流れていく。
「! 一樹さん! 大丈夫なんですか?」
「……っ、ああ……なんとか、な……背中って言っても肩に近い位置だったから、致命
傷じゃあない……右腕は、動かせない……たぶん腱をやられた」
情けないな、と漏らす井上の顔は、血の気が失せていてひどく青白い。
立っているのはもちろん、話すのもやっとなのだろう。その表情は苦痛に歪み、声はか
すれている。
井上は足元の桧山に目をやって、それから小笠原の目を見て、
「……お前が、撃ったのか?」
真剣な眼差しで、そう問うた。
「……ええ。俺が、撃ちました。大西さんの銃で」
小笠原は目を逸らすことなく、答えた。
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