アテネ五輪日本代表バトルロワイアル 第一章 at BASE
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730:2氏代理投下 ◆7581q1C1/U
05/07/23 00:24:50 b2TXPL6B0
「黒田の決意」

木村が走り去った後も、黒田はしばらくその場に座り込んでいた。
まさか木村に襲われるとは思っていなかった。
自分が一番気にかけていた同じチームの仲間に、拒絶され、攻撃された。

ただ、「人を殺せる武器」を持っていただけで。木村は自分を殺そうとした。
ただ、人を殺せる武器を持っていた「だけ」で。あの人は仲間を殺そうとした。

黒田を覆う絶望は、もはや木村を追いかける気力さえ奪っていた。
ただじっと、手に持ったボウガンを覇気の無い目で見つめる。

この武器が襲った原因か?別の物なら襲ってこなかっただろうか?
何故、もっと冷静に話し合えなかった?
怪我をしていた。怪我は大丈夫だろうか?
自分は、人を殺すような人間だと思われていたのか?

様々な疑問や不安が、黒田の頭の中で激しく渦巻く。

もし、この武器を差し出していたら、信じて貰えただろうか?
それとも、この武器で自分を殺しただろうか?
それ以前に、そうしなければ信頼できないような間柄だっただろうか?
この状況は固い友情も信頼も、全て打ち崩してしまう物なのだろうか?

ボウガンに大粒の水滴が一滴、二滴と落ちていく。
黒田は、自分が改めて泣いている事に気づいた。

(……こんなに泣いたんは、あの日以来やな…。)

完封目前の9回。3点取られてベンチで情けなくも泣いてしまったあの日。
その姿を全国に晒している事を理解していても尚、涙は止まらなかった。
悔しかった。自分が情けなくてたまらなかった。消えてしまいたった。

731:2氏代理投下 ◆7581q1C1/U
05/07/23 00:25:15 b2TXPL6B0

あの時の涙を悔し涙とするなら、今流している涙は何と表せばいいのだろう。
タオルも無い、TVカメラも無い。明らかにあの時とは、違う涙。
いっそ泣き尽くしてしまおうか。そうすればきっと、スッキリする。
ボウガンを手に持ったまま顔を上げると、ボンヤリと鞄を見やる。

(…アテネか…アテネで泣かんで良かったなぁ…って、何考えとんやろ、俺…。)

その鞄は、黒田達が世界に挑んだ証。それがその鞄の、本来の意味。
黒田と木村は、広島東洋カープの代表としてこの鞄を与えられたのだ。
(…こんな情けない奴がチームの代表やったら、そりゃチームも優勝できんわな…。)
黒田は苦笑する。自分に対して。木村に対して。ここ十数年優勝していないチームに対して。
(……チームの代表なら、最後の最後まで堂々としとらんと、チームに失礼やな…。)
袖で涙を拭い、これ以上涙が零れない様に空を見上げた。顔に吹き付ける潮風が、冷たい。
黒田は大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
己の信念を曲げずに。何があっても動じずに。最高の死に場所を見つけるまでは。誇りを持って。
落ち込んでいる暇はない。木村も岩隈も生きようと皆必死なのだ。それを責めるつもりは無い。

(でも俺は、醜い生き様を晒す位なら、格好良い死に様を求める。)

それは、男として。夫として。父親として。全てにおいての誇り。
そして、岩隈に何をしたいかを問われ、空を見上げた時から決意していた事。

「…俺は勝手に死ぬから、お前ら勝手に生きとけや。」

黒田は鞄を持って立ち上がり、理想の死に場所に向かって走りだす。もう、涙は止まっていた。

【黒田 F−2(H−4を目指している)】

732:75 ◆7581q1C1/U
05/07/23 00:27:14 b2TXPL6B0
投下完了しました。
2氏さん乙です。

733:代打名無し@実況は実況板で
05/07/23 00:33:58 XJnlIkdrO
代理投下乙です!
また新作キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
って工エェェ(´д`)ェェエエ工!
黒田死ぬ気なのかよ?!

734:代打名無し@実況は実況板で
05/07/23 00:38:24 fQ1015O60
新作キテタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
職人様GJです!三日連続で6作凄過ぎです!
って黒田勝手に死ぬからって何だよ!?

735:代打名無し@実況は実況板で
05/07/23 01:17:52 arurXwE0O
新作またまたキタ━(゚∀゚)━━!!!!!

とことんカプの二人がセツナス。黒田!くろーだ!
うわぁぁん!・゚・(ノД`)・゚・

736:代打名無し@実況は実況板で
05/07/23 16:22:37 wzbsADzZ0
職人様方、乙です!

黒田どうなるの黒田

737:保管庫 ◆athensVWRU
05/07/23 16:36:42 8O3kxsHn0
90.黒田の決意まで保管しました。

マックが恐い…((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
黒田死んじゃうつもりかよー!。・゚・(ノД`)・゚・。

保管しつつも楽しませてもらってます!
職人さんファイトォ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!

738:代打名無し@実況は実況板で
05/07/24 12:13:12 J5+s5v5q0
保管庫様、職人様いつも乙です!

なんだかすごくワクテカです。
皆様がんがって下さい!!

739:458 ◆EKBnf1A7Os
05/07/24 12:42:18 mZxhiOgb0
「微かな希望」

和田は森を走る。由伸に向けて混乱していたとはいえ
いとも簡単に何発も発砲した自分に対して逃げるように。
仲間のいる由伸と違い、最も信頼する者に見捨てられた自分。
「…自分のケリを自分でちゃんとつける事ができたら…」
もしかしたら城島は考え直してくれるかもしれない。
仲間として再び受け入れてもらえるかもしれない…
それは極めて可能性の低い、微かな希望。
(でも、でも…だからって由伸さんを殺すなんて…)
あの時は怒りと混乱のために、考え無しに発砲してしまったが
やはり誰かを殺すなど…和田は足を止める。
どんな手を使っても城島に受け入れてもらいたい、
だけど誰かを犠牲にできない。そんな葛藤で苦しげに眉をひそめた時である。
「だから次元の帽子は4歳のオスアザラシの腹の皮という決まりなんですよ。」
「んなこと知るかいな。お前、変やで?」
先ほど走った地点とまったく同じルートを歩いて来たのは…由伸と宮本であった。
「不二子のスリーサイズ並にこんなの常識ですよ。」
「え?いくつなんや??」
「…なんでそこだけ食いつくんですか。」
先ほどの事などなかったかのように、十年来の相棒さながら、こんな場でも
他愛の無い会話で盛り上がる2人の姿に、和田の憎悪の念が再び蘇る。
(相棒との会話はさぞ楽しいんでしょうね…)
木陰に隠れながら、和田は瞳をぎらつかせる。
(ああそうだ…こいつらを仕留めれば…城島さんは…)
自分を見直してくれるかもしれない。ならばこいつらを仕留めればいい。
嫉妬、羨望、憎悪に流されるように、和田は銃を構える。対象は決まってた。
自分が清水を狙撃したことを知っている由伸、大事な者に突き放された
自分とは大違いの由伸…狙うは彼だ。

740:458 ◆EKBnf1A7Os
05/07/24 12:43:11 mZxhiOgb0
「…和田は…どこ行ったんでしょう。」
瞳を曇らせ、ぼそりとつぶやく由伸に、和田は思わず手を止める。
「気になるんか?お前に発砲しまくったのに。」
「そりゃあね…たしなめるつもりが結果ああですから…」
由伸の言葉に和田は再度逆上する。
(余裕のお言葉ってわけですか…)
もう迷う必要もない。和田はゆっくり引き金に指をかける。
「あいつは…仲間を殺すなんて、そんなことできる奴じゃないんです。」
指に力を込めた瞬間に聞こえた由伸の言葉。そんなことできる奴じゃない…
その言葉に激しい動揺を感じたせいか、引き金を引く指が揺れ動く。
パンッ…
乾いた銃声音。最後の弾丸は宮本をぎりぎりかわし、後の木に埋め込まれた。
「!なっ…」
指が揺れ動いたせいか、狙いは大きく外れた。
「お、お前、影から狙ったのか…」
硝煙の臭いが強い方向の茂みで呆然と銃を構えたままの和田を発見するなり、
由伸は信じられないと目を見開く。
違う。言いかけた和田は言葉を飲み込む。
違う?狙ったのは宮本さんじゃなくて、あんただと言えというのか?
和田は虚ろな視線を由伸に送ると、弾丸が空となった銃を向け直す。
「くそっ!くそっ…」
和田はもはや混乱のみに支配されるように、何度も引き金を引くが、
カチカチと音が鳴るだけである。そこで始めて弾倉が空なのに気がつくと、
さっと青ざめ、由伸を見ると…
「う、うわあああっ!」
和田は聞き取りにくい奇声をあげると、まるで子供そのものに
手を振り回しながら由伸を押しのけ、一目散にその場から逃げ去った。

741:458 ◆EKBnf1A7Os
05/07/24 12:45:34 mZxhiOgb0
「あいつ本当に…」
和田を呆然と見送ると、由伸はどうしても信じたくないと俯く。
「…冷静に狙い撃ち考えた奴の行動とも思えんけど…
影から俺らに自分の意志で発砲したのは事実や。」
残酷なまでに正直な宮本も感想に、由伸はさらにうなだれる。
「せやけどそれでも信じるというなら…とことん信じればええよ。
危ない目に合うたから、疑り深くなることが一概に正しいと言えんやろ。」
「宮本さん…」
宮本は本当にどんな状況でも冷静さと、度量の大きさを兼ね備えている。
由伸は感嘆するようにつぶやいた。
「で、どうしたいんや?ここはお前にまかせるわ。」
「…あいつをさらに追いつめたのは俺だから…」
「やってもうた事の責任をとりたいわけやな。お前らしくてええんやないの?」
あくまで悠長に笑う宮本に、由伸も元気付けられるように笑い返す。
「とはいえ…どうしようかまでは考えてないんですけどね。」
ただ混乱を抑え、誤解をとき、お前は悪くないと分からせたいだけだった。
「随分と長くこの森に居る気がすんなぁ…」
由伸と宮本は疲れたようにため息をつくのであった。

【由伸・宮本C-2  和田 D-2へ移動】

742:2氏代理
05/07/24 14:38:51 jMjy13jw0
[ジグソーパズルを組み立てる]


「ちょっと今日は・・・・うん・・ゴメン・・・・ちょっと積もる話があってさ・・・・酒も・・・うん・・ゴメンね、11時ぐらいには帰るから・・・それじゃあ・・・」

渡辺は携帯電話の終話ボタンを押した後、再び目の前のノートパソコンの液晶画面を見た。
暗がりの中で光を放つそれには『Port of Yokohama Entry Schedule』の文字が浮かんでいる。

「やっぱり・・・・って言っていいべきかどうか分かんないけどな・・・・・」

マウスから手を離し両手を握り、それを顎の下に持ってくると渡辺は軽く目を伏せた。

ここに書かれていなければおかしい『Diamond Princess Sea』の文字がどこにも無い。
検索機能も使った、目を皿のようにしても探した。
しかしどこにもないのだ、全ての船の出港が書いてあるはずであるこのページに。

小さく息を吐き渡辺はポケットの中を探って2枚のコピー用紙を取り出した。
そしてそのうちの一枚を広げると、そこには『2004年五輪会のご案内』と印刷してあるのが読める。
その中には確かに『あの船』の名前もあった。
溜息をつき、もう一枚の紙を広げる。
『強制参加』『重大な罰則』との文字が踊るそれは渡辺の疑問の輪郭をさらに鮮明にさせているようだった。

「スケジュールに無い寄航・・・・な訳ないな・・・」

とんとんと画面を右手の人差し指で叩きながら、自分で呟いた言葉に自分で否定した。
このページは確かリアルタイム更新と書いてあった、つい数時間前に出港した船の事が書いていない訳無い。
顔をしかめ、頬杖をついて渡辺は静かに思考を巡らせる。

確かに『あの船』はあそこにあった、それは確かなこと。
でもその存在を公的に示すものは無い。
まるで、『あの船』があそこにあった事を隠すかのように。
それに一競技限定の五輪会なんて今まで無かった。

743:すいません間違えました75氏です
05/07/24 14:39:27 jMjy13jw0
その上強制参加と重大な罰則が加わるとなると・・・・・。
絶対に何かおかしい。

窓の外には夜の帳の落ちた横浜港が見える部屋で、渡辺はあの時のように天井を仰ぎ目を閉じた。



「あ、野田さんお久し振りです。」
「久し振り。」
「どうもです。」
読売新聞本社近くの漫画喫茶に石川、阿部、野田の三人は居た。
阿部から野田にメールが入り、それまで落ち合う場所にしていた本屋からここへ場所を変えたのだった。

「あーもうこんな時間か。俺もう疲れた。」
「なーに言ってんすか、シーズン中は今から試合でしょ。」
適当に返事をしながら後ろ手に個室の扉を閉めると野田はテーブルの上にあったフライドポテトの山から1つ取って口に放り込む。

「そう言えば野田さん、家に帰らなくても良いんですか?」
部屋の壁にすがって立っていた石川が尋ねる。
おぉ、そこに居たのか。と野田がニヤニヤ笑いを浮かべているのを見て、石川はチームメイトの事を思い出していた。

「あぁ今日帰れないって一応連絡入れといた。俺はオール可。」
「妻帯者ってやっぱ大変ですね〜。」
「お前はとっとと結婚しやがれ。」
野田と阿部の軽快な掛け合いを聞きながら、石川は気付かれないように肩を震わせて笑っている。
何だよ〜と軽い口調で野田は笑っている石川にイーっと歯を見せた。

「んで、誰に会ってきたんだ?」
部屋に備えつけのソファーに座りながら野田が阿部に向かって問うと、笑いに耐え切った石川が返答する。

「滝鼻さんです。」
「誰それ。」

744:75氏代理です
05/07/24 14:40:00 jMjy13jw0
野田がそうあっさりと返すと阿部は盛大な溜息をついた。

「・・・うちのオーナーっすよ。」
そうなの?と言う野田に石川と阿部は思わず顔を見合わせる。
自分のせいで悪くなった空気に気付き、慌てて野田はデスクトップパソコンのディスプレイを見た。

「んで?滝鼻さんには・・・・」
「会えませんでした。」
「え、会えなかった?」
不思議そうな表情の野田に、阿部と石川はこれまでの事を話した。
アポイントメントをとっていたが急な仕事が入ったということで滝鼻に会えなかったこと、
その代わりにUSBメモリを秘書と名乗った男から貰ったこと、
その中身を見るためここに合流場所を変えたこと。
たまに相槌を打ちながら野田は真剣な眼差しで2人の話を聞いていた。

「で、そのメモリの中見た訳?」
「見ました。でも・・・・」
石川の語尾が濁る。
それを受けて阿部が野田の前にあるパソコンを操作し、タスクバーに収まっていたウィンドウを表示させると、画面が黒で覆われた。
そしてその中心にポツリと何かを入力する欄と『Enter』のボタンがある。


745:75氏代理です
05/07/24 14:40:26 jMjy13jw0
野田は画面を覗き込み、一言。

「何じゃこりゃ。」
とそう呟き、首を傾けた野田に『俺らが言いたいっすよ。』と阿部が答えた。

「ヒントもあったんですけど何が何やらさっぱりで・・・・。」
分かんなかったんです、と石川が野田の隣に座りながら言った。
阿部はもう一度操作するとステータスバーに『Hint.txt』と書いてあるウィンドウが開く。
鼻の頭を人差し指で抑えながら、野田は白の背景に浮かんだ細く黒い文字を小さな声で読み始めた。


「真実の母オリンピアよ・・・・」


<<渡辺 横浜港近くのホテル
 野田・阿部・石川 読売新聞本社近くの漫画喫茶>>

746:代打名無し@実況は実況板で
05/07/24 14:41:41 jMjy13jw0
名前間違えてすいませんでした>75氏・2氏

747:代打名無し@実況は実況板で
05/07/25 01:40:16 DJyP5qkY0
宮本と由伸の会話が、ルパンヲタの自分には堪らないw
由伸もキャプテンもカコイイなぁ…!

748:代打名無し@実況は実況板で
05/07/25 02:06:03 1xWogh530
職人さん乙です!
ミスター一人相撲素敵すぎw
由伸いいこだよ由伸
キャプかっこよいよキャプ

シドニーも動き始めてますね〜
プロ野球選手が漫喫にたまってる姿想像するだにワロスwwww

749:保管庫 ◆athensVWRU
05/07/25 18:17:07 JtQYZSU20
92.ジグソーパズルを組み立てるまで保管しました。

ルパン見たばかりでキャプと由伸の会話が…w
シドニー組の動きも気になりますね。

フラの人、いつもありがとうございます!
更新、早くて保管庫側が追いつけないw
職人さんもファイトォ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!

750:代打名無し@実況は実況板で
05/07/25 22:19:40 vOyMKpjn0
 


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