ソフトバンクホークス ..
160:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 21:35:32 l6vncS9d0
逃げろ! (その1)
「城所…城所……」
呼ばれてふりかえると、そこにいたのは金子と榎本だった。
「金子、榎本!よかった、お前ら生きて……」
ところが、さわったとたんに二人の体はすうっと半透明になった。
「えっ…あれっ??」
「逃げるんだ…ここは、危ない…」
「え?」
「殺されちゃう。逃げないと…殺されちゃうよ…。
早く…早く…」
真剣な表情の金子。泣き出す榎本。
突然の事に、城所はわけがわからない。
「何だよ。何言ってんだよお前ら。…殺されるって…」
「逃げろ!早く!あの人は……!!」
「あの人…馬原さんは……」
「えっ?」
「とにかく逃げろ!早く!!」
「逃げて、城所…!!」
161:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 21:57:59 l6vncS9d0
殺される?
馬原さんに?
…俺が??
「わ、わかったよ。逃げる、逃げるよ。じゃあお前らも一緒に…」
「…ダメなんだ…俺たちは一緒に行けない……」
「何で!?」
「だって…だって俺たち……」
二人のユニフォームがみるみる赤く染まっていく。
「殺されちゃったから………」
「金子!榎本ぉっ!!」
「うわあっ!?」
「……あれ?」
夢を見ていたようだった。
神内が驚いた顔でこちらを見ている。
「大丈夫か?」
「は、はい…。…あれ?森本さんは?」
「見張り交代だよ。……なあ、城所…」
「はい?」
「話があるんだ。…馬原さんの事で」
「…はい」
神内は田口に話した事を城所にも話した。
162:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 22:21:47 l6vncS9d0
「…どう思う?城所」
城所は絶句した。
何て事だ。神内さんの考えが正しいとしたら…
二人は…危機を知らせに来てくれたのか!?
「神内さん、俺…」
城所が自分が見た夢の事を話そうとした、その時。
「フフ…ハハハ……」
横から笑い声がした。
見ると、馬原が寝たまま一人で笑っている。
「ま……」
言いかけて、城所はぞっとした。
違う…馬原さんじゃ…ない!!
笑い声はとても馬原のものとは思えなかった。
老人だ。城所はそう思った。
「こいつの周りは…1、2、3…4匹か。さて…」
「………っ!!」
163:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 22:42:32 l6vncS9d0
城所は恐怖で動けなかった。
早く。アレから逃げないと。
死ぬ。
殺される。
怖い…怖い!!
何してるんだ。早く、逃げないと!
アレが…起きるぞ!!
でも、体が動かない。
もうダメだ。殺される……!!
「何やってんだ、逃げるぞ!!」
突然大声がした。神内の声だった。
城所ははっと我にかえった。
「逃げるぞ!!…立てるな!?」
「は…はい!!」
「田口さん!森本さん!!」
二人は乱暴に扉を開け、部屋をとびだした。
早く!逃げなければ!!
アレが…アレが動き出す前に!!
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
164:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 22:51:38 0kf3QhnK0
職人さん、乙です。とうとう馬原が・・・
165:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 23:04:42 lUqjpxLa0
乙です。
しかし馬原はどのBRでもエライ目に遭ってるな・・・・・・・。
166:代打名無し@実況は実況板で
05/06/19 23:56:09 bw3l5mqC0
乙ですー。
でもできればsageで・・・
167:764
05/06/20 01:39:15 L2aM+Q6J0
食料ですが、私は家などに置いてあるものが腐っていて、
屋外にあるもの「魚・山菜・水」等は取りさえすれば食料に出来ると、
そう解釈していました。そうしないと若干ゲームの縛りがきつすぎます。
ただ、VR世界なので、全て食料は取ることは出来ないとしても矛盾は
出ない気もします。
ですが、『グーリン的ポイント取得法』を私的に矛盾をなくす為には
『グーリン的ポイント取得法』によってサーモン以外の食料品も得て
(バター)一緒に焼いて食べていた。と、するのはいかがでしょうか?
それでも「リモート・ビューイング act2」と若干矛盾が出そうな気
もしますが・・・。
168:代打名無し@実況は実況板で
05/06/20 20:07:03 65Rvh2ugO
保守
169:149
05/06/20 21:46:06 IpdhKL1K0
黒服の説明によると
「探せば食料庫・武器庫がある」
「ポイントが満点になると9人に残れなくてもゲームクリア」
食料を得るのにポイントは関係ないということですね。
たぶん+αの方と記憶がごちゃ混ぜになっているようです。スミマセン。
764氏の「屋外にあるもの「魚・山菜・水」等は取りさえすれば食料に出来る」
という案を取り入れて、『グーリン的ポイント取得法』を少し手直しします。
(◆7KR.e180t 氏の「密室にて」と話が噛みあうようにします。)
『リモート・ビューイング act2』の方は、グーリンやズレータが「サーモン」を
意識したから、2人の記憶よりサーモンが形成されたということにします。
170:149
05/06/20 21:57:01 IpdhKL1K0
『グーリン的ポイント取得法』 修正版
本間は、ずっと気にかかっていることがあった。
大道が本間を殴った時、腕時計のポイント数が1点加算された。
たぶん、ポイントは「仲間を傷つける」行為によって加算されるのだ。
大道のことを思い出すと、ふと、心配になってきた。
現在一緒にいるこの2人は、誰かを傷つけてはいないだろうか?
殺し合いに参加するつもりは無さそうなのだが。
「グーリン、ポイント見せてくれないか?」
本間は、眠そうにしているグーリンの腕をとった。
いきなり腕をつかまれたグーリンは、びっくりして飛び上がった。
バチバチバチ!ビリビリビリビリ!
「うわあああぁあぁあぁあぁあっ!」
「ぎゃぁぁああっっぁぁぁああ!」
本間とズレータが同時に悲鳴をあげる。
2人の悲鳴を聞いて、グーリンから発していた光が消える。
「いきなり、危ないニョホ!」
プン!とふくれっ面をしたグーリンの腕を見ると、ポイントが【18】になっている。
そういえば、グーリンといると時々軽く肌がかゆくなったりしたのを思い出した。
本間とズレータを感電させて、ちゃっかりとポイントを貯めているようだ。
「今のはびっくりしただけニョホ。普段は痛くないようにするニョホ。」
何ともすっとぼけた言い草だが、いつか役に立つだろう。
激しく感電させないことを約束させて、ポイントの加算に協力することにした。
ちなみに、ズレータと本間のポイントは【0】のままだ。
171:36
05/06/20 22:28:13 eYUA6j7e0
◆UKNMK1fJ2Y氏版をアップしました。
それと、149氏の109「グーリン的ポイント取得法」の修正版をアップしました。
172:36
05/06/20 22:29:43 eYUA6j7e0
すいません、途中で送信してしまいました
>>170
わざわざありがとうございます。職人さん乙です!
ふくれっつらのグーリンかわいいよグーリン(´Д`*)
173:代打名無し@実況は実況板で
05/06/20 23:20:50 yndjJG3n0
38懐かしい人にボーナスポイントの説明のってますよ
10Pで食料はもらえるみたいです
174:代打名無し@実況は実況板で
05/06/21 00:26:52 rx8QHziR0
あろえちゃんがたまにあるえちゃんに見える・・・
175:代打名無し@実況は実況板で
05/06/21 00:27:49 rx8QHziR0
ゴバクスマソ
176:代打名無し@実況は実況板で
05/06/21 19:42:14 g5GGBJEi0
楽天に負けそうです
177:代打名無し@実況は実況板で
05/06/22 18:39:46 0F4h8I1+O
ほ
178:代打名無し@実況は実況板で
05/06/23 04:18:30 /EXKNBP6O
ホシュ
179:代打名無し@実況は実況板で
05/06/23 18:00:41 iDS4B6OH0
保守
180:代打名無し@実況は実況板で
05/06/23 22:39:26 O+d0FeaV0
圧縮回避
181:代打名無し@実況は実況板で
05/06/24 11:30:02 WNtjlNwjO
捕手
182:代打名無し@実況は実況板で
05/06/24 20:15:14 bDp2dTuo0
松中が首にしてる、ネックレスってゲルマニウムねっくれす?
183:代打名無し@実況は実況板で
05/06/25 21:04:11 KpYKjrB40
だめじゃん
184:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 02:13:09 bACOI8Gf0
動き出す殺戮者
(…井口が死んだか)
出口はI-2に身をひそめていた。
その頭からの出血は、少量だがいまだ止まっていない。
(くそっ……!)
井手を追おうとしたのだが、逃げられてしまった。
東へ逃げたか、それとも北か。
(どこ行きやがったあのガキめ…。
しかもショットガンまで持って行きやがって)
今までポジション関係無く無差別に選手を狙ってきたが、今は違う。
井手正太郎。狙いは奴だ。
(まあショットガンはもう役立たずだろうな。
弾ぶっぱなしてやったからな…。…ええい、くそガキが!!)
185:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 02:30:27 bACOI8Gf0
まさか井手に邪魔されるとは思わなかった。
そして溝口。あの時溝口がよけいなマネをしなければ、井口・井手の
二人とも殺し…今頃銃器が手に入っていたはずなのに。
(あのバカが…。もう少しだったのに。
しかしあと2ポイントか…。2ポイントくらい簡単だな。
…さて、と……。)
出口はゆっくりと歩き出した。
何かに導かれるように、北へ。
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
186:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 02:39:30 G7j0IKHsO
職人さん乙です!
井手逃げて超逃げてー!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
眼鏡っ漢出口のこれからも気になります。
187:36
05/06/26 12:27:59 tXvLayd70
職人さんキテターヽ( ゚∀゚)ノ
出口さん怖いよ出口さん
つ◆UKNMK1fJ2Y氏版アップしました。
188:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 12:59:10 yNzDuySU0
城島編・・・そう来るとは!
189:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 15:40:25 EQMDCIY20
>>184-185
投下乙。でも次からはsageてね。
190:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 16:22:09 bACOI8Gf0
えっと…sageってどうすればいいんですか?
191:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 16:26:33 RolfGblE0
>>190
ホークス本スレからの転載だが、こうすれば良い。
|書き込む| 名前: | | E-mail(省略可): | sage |
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ iii■∧ 。
書き込むとき、E-mail欄に『 sage 』(半角)> 〔 ・,e,・〕/
と記入すると、スレッドが上がりません | ▽(| つ
_________________/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
━━━━━━━━━━━━
【 sage の利点 】
,__ 1・書き込みの後もスレッド順位は変更されない。
iii■∧ 。 2・だから荒氏に見つからない
〔∂ヮ∂〕/ 3・マターリ進行のスレッドに有効
▽(| つ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|━━━━━━━━━━━━
192:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 16:39:26 bACOI8Gf0
わざわざありがとうございます。
次からは気をつけます。
193:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 16:41:45 bACOI8Gf0
わあっ、言ったそばから忘れてしまった…。
すみません〜〜!!
194:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 16:47:23 yNzDuySU0
あと気になったんだが、推敲はしてるんだろうか。
考えながら書いてるように見えてちょっと怖い。
思い違いなら申し訳ないが。
195:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 18:37:10 bACOI8Gf0
推…?あの〜、どういう意味なんでしょうか……。
失礼な事をしたんだったら謝ります、ごめんなさい…。
196:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 19:55:55 QHNOmdVyO
>>195
推敲の意味も知らないの?
とりあえず辞書引きな。
知らないことが信じられないけど。
あとあなた、あげの人なんじゃないの?もし本人ならどこのバトロワに投下しても荒れるからやめてくれ。
197:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 20:52:03 q+9EgI6w0
すい‐こう 【推敲】
[名](スル)《唐の詩人賈島(かとう)が、「僧は推す月下の門」という自作の詩句について、
「推す」を「敲(たた)く」とすべきかどうか思い迷ったすえ、韓愈(かんゆ)に問うて、「敲」の字に改めたという故事から》
詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。「―を重ねる」「何度も―する」 .. [さらに]
--------------------------------------------------------------------------------
198:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 22:17:21 bACOI8Gf0
す、すみません、本当に知らなかったんです……。
ageとsage知らなくて…。わざとじゃないんです!
知らないままだと迷惑になるから思い切って聞いてみたんです…。
もうあげたりしないように気をつけます!
本当に申し訳ありませんでした!
199:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 22:18:39 SvDn4jWp0
>>195
ageで書くとアラシと疑われたり荒れる元になるので、気を付けてくださいね。
作品自体は、いい感じですよ。
出口、こわいよ、出口。
200:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 22:43:01 bACOI8Gf0
お褒めの言葉ありがとうございます。嬉しいです。
これから気をつけて書き込みます!
201:代打名無し@実況は実況板で
05/06/26 23:32:06 yNzDuySU0
>>200
作品自体に問題があるわけじゃないが、推敲の意味を知らないという語彙力と、
分からないことを調べようともしないというところに、
これからリレーを続けていけるのかすごく不安を感じる。
最近まとめサイトの相談スレに書き込みした人だよな?
分からないことがあったら他人に聞く前にまず自分で調べてくれ。
202:代打名無し@実況は実況板で
05/06/27 00:02:35 QHNOmdVyO
>>200
あとこれからもリレー参加するならここでの発言はなるべく控えたほうがいいと思いますよ。
203:代打名無し@実況は実況板で
05/06/27 14:42:22 NC7Eeh/k0
介入
「・・・よし」
モニターに映し出された文字の羅列を確認して、彼は疲労の中にも安堵の表情を見せた。
モニターの横には山積みの本。
それらにはハッキングなどに関する少々物騒な題名が書かれていた。
「ここまでハッキングできればいいだろう」
彼がハッキングしたのは警視庁のデータベース。
つまりSクラスのセキュリティを誇る場所への侵入が成功したのである。
驚くべきことに、彼はこの技術を数日でマスターした。
理由は、「教え子たちの開放」。
数日前から、異変は起きていた。
選手はおろか、王監督にさえ連絡がまったくつかない。
それと同時に彼はかつての仕事仲間から相談を持ちかけられていた。
妙な仕事を告げられたというのだ。
それらの関連性を感じ取った彼は彼女に探りを入れてもらうことにした。
その結果、彼女−サチコ−の携帯からおおよその事態が把握できた。
しかし、直接行動を移すのはあまりに危険だ。
そう判断した彼は、BR世界への侵入を試みることにしたのだ。
「殺し合いなんて・・・」
ぎゅっと唇を噛み締める。
これから羽ばたいていくであろう若い選手、チームを牽引する選手、豊富な経験を持つ選手。
そして、共に戦った仲間。
いらない選手なんてどこにもいない。
こんな馬鹿馬鹿しいゲーム、俺が壊してやる。
「それまで・・・みんなを守っててくれよ、藤井」
そう言って彼はまたキーボードを叩きはじめた。
天神のとあるネットカフェの一室で、彼の戦いは始まった。
204:代打名無し@実況は実況板で
05/06/27 14:48:32 NC7Eeh/k0
えー、王監督以外のスタッフ陣の様子が分からないのでちょっと出してみました。
「彼」が何者かは文章を読めば一目瞭然でしょうw
前に出ていた「サチコ」があれ以降全く使われていなかったので、ここで関連付けてみました。
205:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 00:50:20 6qg0KSiq0
乙です。
・・・誰だか全然わからん・・・
206:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 00:57:07 oYhjlfrF0
>>205
ヒント:教え子・仲間・頭もいい
207:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 02:57:32 X2v/+jMCO
>>204
あんまり余計なこと書くな、誰かわかんないし。
208:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 03:43:27 4NltwJt40
114 正道
間違って、いたのだ。
6時の放送を聞いてから、吉本の頭に浮かんでいたのはそればかりだった。
井口が死んでしまった。ゲームの開始直後に出会った井口が。
『俺結構お前の事面倒見たと思ってたんだけどな』
確かに、面倒見が良い選手が多いこのチームの中でも、よく面倒を見てくれた先輩だった。
今年吉本が開幕スタメンに名を連ねたときも、にっと笑ってがんばれよと言ってくれたのだ。
ゲームの最初、吉本が襲い掛かっても、武器を奪っただけで反撃まではしてこなかった。
ただ悲しげな顔をしただけだった。
―もしも、あのとき。
宮地からの思わぬ攻撃を受け、あと一歩のところでライフルを逃したその後、
休む場所と武器を探して、吉本は歓楽街に来た。元はスナックか何かだろうか、
歓楽街の南側に位置する小さな建物で、しばらくの時を過ごした。
休む場所は確保したものの、武器と呼べるような武器は見つかっていない。
歓楽街まで来て見つけたのはライターと酒瓶くらいだ。とても銃器に対抗できやしない。
武器を探し回ったあげくに吉本が至った結論は、この世界で武器らしい武器は簡単には
見つからないということだった。例えば民家に入っても、まともな包丁は見当たらない。
まな板があるのにもかかわらず、そもそも包丁がなかったり、ボロボロにさび付いていて
使えそうもなかったり、といった具合だ。
嬉しくない結論にため息をつき、それでもなんとか武器を探そうと外に出たとき、
放送が流されたのだ。
井口の死を知って、感じたのはひどい喪失感だった。
放送を聞き終え、呆然と顔を上げると、東の空は赤と青と白の光で彩られていた。
朝焼けは雨の前兆と聞いた覚えがあるが、正しかっただろうか。
正しかったとして、ここでは雨は降るのだろうか。
209:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 03:45:59 4NltwJt40
間違っていた。
この世界に来て、チャンスだと思ったのに、どうして活かすことが出来なかったのか。
一人殺せばポイントが貯まる。同じポジションならならば生き残る確率が高まる。
レギュラーを勝ち取ることができる。とても分かりやすい構図じゃないか。
努力さえすれば、それはポイントで表される。結果が出る。
現実では、そうはいかない。実らない努力の、どれ程多いことだろう。
間違っていたのだ。
あの時、鳥越を逃がしてはならなかった。
三瀬と話しもせず、すぐに殺しておけばよかった。
井口に武器を取られたくらいで怯んではならなかった。
―自分が。自分が、殺すべきだったのだ。
後悔に襲われながらも、吉本はこれからの方策を練った。
考えなければならない。もう後悔をしないためにも。
「がんばれって言ってくれましたよね、井口さん」
あのときと目標はいっしょだ。一軍で野球をして、活躍すること。
手段が違うだけ。
野球と人殺しという、ただそれだけの手段の違いだ。
「俺、がんばりますよ」
もう間違わない。そう固く心に誓った。
元いたスナックらしき建物に戻り、酒の並んだ棚を見る。求めるラベルは見つかった。
スピリタス。アルコール度数が高いため、火気に注意してくださいとの注意書きを見て、
吉本は満足げに笑った。もちろん銃器には程遠いけれど、武器のひとつにはなるだろう。
あとはヘアスプレーの類でも探そうか。
「雨、降らないといいな……」
そういえば雁ノ巣でも同じような願い事をしたことがあると、そんなことを思い出しながら、
吉本は再び外に出た。
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
210:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 09:50:26 XnOGdaIj0
職人さん乙です!龍生…・゚・(ノД`)・゚・。
おまいやっぱり井口の事敬愛してたんだな。
211:某スレ579 1/3
05/06/28 12:39:45 YLHEEsId0
進む!いいじマン 1
彼−−飯島一彦−−は緊張していた。目の前には新オーナーがいる。
新オーナーから呼び出しがあったのは、ついさっきのことだった。
一介の営業である自分が何故ここに立ってるのか、飲み込めないでいる。
今年は自分の人生の中で、激動の年だった。
突然の解雇通告と、その後の身の振り方の提案。
ユニフォームを脱いだ人生を歩んで行く等考えていなかった。
踏ん切りをつけるのに時間がかからなかったといえば、嘘になる。
だが色々考えた。生き方は一つではない。
営業として野球を多くの人に届ける側に回るのも、道だ。
自分しかできないことも色々あるだろう。
そう考え、第2の人生を踏み出した。
だが今の自分は一介の営業職で、オーナーと直接一対一で会見する様な地位ではない。
なのにいつものように仕事をしようと会社に赴くと、自分あての電話があり、
オーナーが会いたいと言っているという連絡を受けたのだ。
212:某スレ579 2/3
05/06/28 12:40:33 YLHEEsId0
呼び出しを受けたのは、少し郊外にある研究施設のようなものだった。
そして目の前には、遠くからしか見た事のない新オーナーがいる。
「あなたを呼んだのは他でもありません。
選手達へ対するアフターケアをお願いしたく思い、お呼びしました」
突然そう切り出されたが、言っている意味がよくわからない。
アフターケア? 何のアフターケアなのだろう。怪訝な顔をしていると、すぐに後を続けた。
その内容は衝撃的なものだった。
選手は今、バーチャルリアリティの世界で殺し合いをしている、という。
頭の良さを伺わせる淀みのない説明が繰り広げられて行く。
だが内容が内容なだけに、俄には信じられない。
というか、何の冗談だろう、としか思えない。
どこで笑えばいいのか、だが冗談にしては相手の顔が本気すぎて笑うに笑えない。
こちらのその反応は予想できていたのか、オーナー自ら陣頭に立って施設を案内し始めた。
施設の規模に、何かの冗談ではないことが何となく飲み込めて来る。
だからと言って、バーチャルリアリティだの殺しあいだのに納得がいったわけではない。
(確かに凄い規模だけど……その割には意外と安普請だな)
扉を開け閉めしてそんなことを考えていると、唐突に声をかけられた。
「扉の安っぽさが気になりましたか? まぁすぐに破壊するものなのでね」
(破壊……?)
213:某スレ579 3/3
05/06/28 12:40:58 YLHEEsId0
最後にその部屋に入った時、飯島は『背筋が凍り付く感覚』というものを体験した。
少し肌寒く温度設定された部屋には、一面に妙な機械が並んでいた。
それは霊廟に並んだ棺桶を連想させた。
顔の所はガラス張りになっており、中に横たわった人間の顔が見える様になっている。
どの顔も見覚えがある。
福岡ソフトバンクホークスの、選手達。
松中さんが苦悶に満ちた顔をしているのはなぜだろう。
背番号順に並んでいるようだが、ところどころ空いているのはなぜだろう。
寺原の口元の薄ら笑いはなんなんだろう。
「理性はあり得ないと思っていても、感覚で理解できたことでしょう」
後ろに立ったオーナーが静かな声で喋り出した。
「あなたに果たしてもらいたい役割を、改めてご説明します。
この施設は、バトルロワイアル終了時点で『爆発事故』により消失します。
その際に、必要なデータ・人材以外は全て事故により失われます。
選手の死体や……働いている職員も。そのことを知っている職員は極僅かです。
一部勝者となり現実世界に復帰する選手には、重ねて偽の体験をしてもらい、
BR世界の事は全て夢であると思わせます。
あなたにしてもらいたいのは、その後の経過の観察と、
BRのことは夢であると継続的に信じ込ませる事です。
その為には選手に信頼されている事が一番ですので、あなたを選ばせてもらいました」
オーナーの顔を振り返ることができない。
何だかいつものあの憎めない顔で淡々と喋ってる様子が想像できてしまったから。
「今現在も順調に選手の数は減っていますので、全てが終わる迄はそう時間はかかりません。
あなたには終わる迄この施設に留まってもらいます。
ご家族には仕事であるとご説明済みですので、安心されてください。
今回のあなたの仕事に対しては、あなたには拒否権はありません。
ご家族が選手と同じ目に遭われることは望まれないでしょう?」
本能が囁く。逆らってはいけない。
この人はやると言ったらやる人で、つまらないジョークで人を担ぐ為に時間を割く様な人じゃない。
「今……そのBR世界とかいう所で、どういう状況なのか教えてもらえませんか」
「いいでしょう。コントロール室にご案内します」
214: ◆7KR.e180t.
05/06/28 13:17:54 wbc9gr6+0
師弟関係(その3)
「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
「――ッ―――ァァァァ!!!!!」
寺原と和田が交差する。
寺原の持つ斧が風を引き裂き、和田の体めがけて襲ってくる。
和田は肩にかけていたバックを寺原に向けて振った。
斧がバックを切り裂き、中のペットボトルが破裂し、水が噴き出した。
パンや、地図、色々なものがこぼれだす。
(大丈夫だ。見える…!)
和田はそのまま寺原の右腕を左手で、首筋を右手でつかみ、押し倒した。
二人はこんがらがりながら、草むらの中に倒れこむ。倒れる時に、斧が背中のどこかに
あたったのか、少し痛んだ。
そのまま右手と首を押さえつけたまま、上体を起こした。
細身な和田に寺原の体を押さえつけるのは、大変な仕事だったが、和田はなんとかそれをこなした。
すべては…寺原のため。
寺原が正気を戻してくれるなら、こんなことくらい。
215: ◆7KR.e180t.
05/06/28 13:21:53 wbc9gr6+0
その寺原は和田の下で必死にもがいていた。残った左手でなんとか和田を引き剥がそうとする。
和田も寺原の右手を抑えてる左手に全体重をかけ、それに抵抗する。
すると今度は、その左手側に体を押された。寺原は左手を使って引き剥がそうとするのではなく、
逆に和田の体を、和田が体重をかけている左側に押した。
ちょうど、寺原が寝ていた場所を支点に、二人の位置が入れ替わるように回転した。
そのままの勢いで二人は組み合ったまま、ごろごろと回転していく。
転がりながら蹴りが入り、拳が交わされる。
もはやいつのまにか寺原は斧を持っていなかった。
それは、はたから見てる鳥越には単なる子供のけんかのように見えたろう。
命のやり取りをしているこのゲーム中、二人の戦いは子供のけんかだった。
『あいつより俺のほうが強い』
『あいつには負けないよ』
男なら一回くらいは思ったことのある、思い。
そんな単純な理由でのけんか。
不謹慎ながら鳥越は笑ってしまっていた。
いいな。こういう関係も。
拳をまじわすこともできる師弟関係。言いたい事も言い合って、互いにライバル視もして…
俺に、こういう関係の人がいただろうか…
216: ◆7KR.e180t.
05/06/28 13:25:56 wbc9gr6+0
「ハァ…ハァ…ハァ…俺の勝ちだな」
寺原の上に馬乗りになったまま、和田は言った。
寺原は体力の限界なのか、ダメージがひどいのか動こうともしない。
和田は立ち上がった。その顔はところどころ腫れ上がっていた、女性ファンが見たら悲鳴を上げるだろう。
しかし、和田の表情はすがすがしかった。
「よっ…と」
和田は寺原の肩をかついで、立ち上がらせた。
これまた同じように顔が腫れた寺原がびっくりしたように、和田を見た。
「な…なに…」
「もう勝負はついたろ。もういいだろ。俺たちと一緒にこいよ。用事が終ったら
診療所に行くつもりだから、そこで治療しよう」
和田はあっけらかんと言った。
「や、やめてください。俺、俺、俺…和田さんに勝てなかった。負けたんです!情けは…いりません。
それに、俺和田さんにも、他のチームメイトのみんなにもひどいことしたし」
「ぐだぐだ言うな。年上の言う事は聞いとけ!」
「は、はい!…あ…」
いつもの調子でつい返事をしてしまった。
217: ◆7KR.e180t.
05/06/28 13:29:04 wbc9gr6+0
「よーし。じゃぁ行くか。鳥越さんも待ってる」
「う〜〜〜…は、はい。」
しぶしぶ、と言った感じで寺原は言った。
だめだわ。まだ、俺、この人にかなわない。野球でも、人間の器としても…
このゲームが終ったら、謝ろう。そして、もっと、もっと練習して、いつか和田さんを越える
ピッチャーになってやろう。ホークスのこれからを、和田さんと支えるんだ。うん。
「なんか言ったか?」
「い、いや、なんでもありません」
あせって少しテレながら答えた。
「変なやつだなぁ。行くぞ」
和田は鳥越の方へ歩き出した。鳥越が手を振っている。喜んでくれてるのだろうか。
「――ッ!」
ん?なんか叫んでるな。どうしたんだろ?
「…ろーッ!!」
「鳥越さんー?どうしましたー?」
「後ろだーー!!!」
え?
ドンッ
何かが当たるような衝撃が走った。
取得ボーナスポイント:寺原隼人【20】(かなり殴り合って上限いっぱい7p・計17p)
和田毅【21】(同上7p・計8p)
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
218: ◆7KR.e180t.
05/06/28 13:31:36 TNTd7M4F0
保管庫管理人さん。職人の皆様、いつも乙です。
219:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 17:06:41 AmrywPzo0
>>214−>>217
◆7KR.e180t様乙です。わっちの身になにが・・・
220:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 17:27:10 4j/U+0XLO
新作ラシキテル―ヽ(゚∀゚)ノ―!
某スレさんお帰りなさい、◆7KRさん(携帯からなので
お名前コピペできなくてすいません)お疲れさまです!
221:代打名無し@実況は実況板で
05/06/28 23:15:27 T9mp20tFO
あげとくね
222:代打名無し@実況は実況板で
05/06/29 13:00:21 U7OWX1p40
田口
223:代打名無し@実況は実況板で
05/06/29 17:37:08 hnUHdBTB0
うはあ、飯島参加だな。しかも黒幕側だし。
謎のスタッフ(秋山?湯上谷?)はマジで分かんないよ?
吉本の決意、まちがっとるぞ!!!
和田・寺原の話は、鳥越が何気に気になるw
224:某スレ579
05/06/30 03:19:13 hAV99Xkm0
★━━━━━□★
□『BR2』 通信 5号 □★
★━━━━━□★
お久しぶりの更新です。
なぜ、どうして戦う。
なぜ銃を向けあう。
ともに落ちたBR世界で、互いの心の中を覗く。
そこには、荒涼たる砂漠の中、
闇夜に銃を求めて立ち尽くす、孤独な己の姿が在った。
BR2通信第5号を配信致します。
┏━・ INDEX ・・━━━━━━━━━━━━┓
[ 最新ニュース]
[ タイムテーブル]
[ 現在のポイントランキング]
[ 編集後記 ]
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛
225:某スレ579
05/06/30 03:20:19 hAV99Xkm0
■[ 最新ニュース ]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
まずは脱落者からの発表です。
瑞季選手【56】、北野選手【39】以上2名です。
それぞれ動きがありつつも、小康状態になっているようです。いい殺人鬼
になりそうだった北野選手の死が悼まれます。
他には出口選手、笹川選手などがゲームを面白くしてくれそうな気配。馬
原選手の行方にも大注目。
三人目のボーナスポイントの取得者は、吉本選手です。
割とやる気を見せていた吉本選手。吉本選手の動きも気になるところ。
■[ タイムテーブル]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
今回は、BR世界で重要な意味を持つタイムテーブルについておさらいして
みましょう。
☆脱落者・禁止区域・ボーナスポイントを知らせる放送
6時間おき
☆禁止区域の増加
2時間ごと
*一日目*
BR開始(高橋選手【0】出発)…12:00
第一回目放送…13:45
[二時、四時、六時の禁止区域の発表以下同様]
第二回目放送…18:00
第三回目放送…24:00
*二日目*
第四回目放送…06:00
226:某スレ579
05/06/30 03:21:28 hAV99Xkm0
■[ 現在のポイントランキング ]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
1位 20P 竹岡選手【68】
2位 18P 出口選手【4】
グーリン選手【63】
4位 17P 寺原選手【20】
5位 11P 三瀬選手【57】
6位 10P 笹川選手【59】
急激にポイントを伸ばしたグーリン選手……やはり謎が多いですね……。
寺原選手が和田選手との殴り合いによりポイントを伸ばしましたが、これ
は師弟愛っていうやつなんでしょうか? 今までの殺りくっぷりが嘘のよ
うな爽やかさです。
そしてやはり注目は成長著しい笹川選手ですね。
■[ 編集後記 ]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
間があきがちなBR2通信ですが、皆さん存在を忘れてはいません……よね?
編集部員も常に募集中なので、ふるって御参加ください。
―――――――――――――――――
◇ 編集:BR2プロジェクトチーム
227:代打名無し@実況は実況板で
05/06/30 13:44:47 tmTdztd8O
久々にBR2通信キタ―ヽ(゚∀゚)ノ―!
イイヨイイヨ〜
228:代打名無し@実況は実況板で
05/06/30 15:24:01 PRbL9hUz0
現在地まとめ
H-5=寺原、和田、鳥越
D-6(診療所)=川崎、井出、明石
H-7=松中、的場(二人は同じエリアにいるが別行動。また松中は寺原のもとへ移動)
F-4(民家)=竹岡、斉藤(F-3かもしれない)
B-4(民家)=城島、杉内、藤井
C-2(神社)=田口、馬原、神内、城所、森本
E-2=グーリン、ズレータ、本間(本間はE-3から流された)
C-9=松
D-9=吉本
F-1=竹岡
I-2=出口
所在不明者
三瀬、宮地:裸電球の小屋
永井:水田 山田の死体のぞば(AM7:00ころ)
稲嶺、高橋:屋外。(なにかあった時の指定場所《高橋が笹川に襲われたのがA=8なのでその付近?》)
新垣、小椋、柴原、田中:西へ
笹川:新垣チームの近くにいた
大道、荒金:E-3にPM8:00ごろいた以来消息不明
岡本、中村:川沿いにいて以来消息不明
229:代打名無し@実況は実況板で
05/06/30 15:51:51 ld5mZ91/0
>>228
乙!そしてGJ!なんだが…。
志村ー!4行目吉武が竹岡になってるー!
座長が怒ってくるぞw
∧_∧
[ `±´]n <・・・。
/マタロー|E)
(. _ |
し´ `J
230:764
05/06/30 17:44:17 JGXwbWjc0
『ぬぐえぬ罪』
「おい、交代だ」
岡本さんに揺り動かされ、浅い眠りから目が覚める。
「あ、時間・・・ですか。」
目をこすりながら、中村は岡本と体を入れ替えるように場所を譲る。
「ああ、交代で寝させてもらうから、しっかり見張っててくれよな。」
そう言って岡本は先ほどまで中村が使用していた毛布をかけ、大木の陰に横になる。
あのあと、ここ地図で言うとD−2の森まで来た2人は、休息を取る為交代で
睡眠をとることになっていた。
そして、今岡本がその睡眠を取る番になっていた。
(助けてくれ・・・)
中村は思う。
これはゲームだ、やらなければやられるだけ。
そう、仕方がないんだ、と。
でも、なぜだろう。最期の修司さんの姿が、声が、血の感触が中村を苦しめていた。
(助けてくれ・・・)
もう、たくさんだった。
こんなゲームは続けられない。あのあと、自己嫌悪とともにずっと考えていたこと。
中村はふらふらと立ち上がり、歩き出す。
(助けてくれ・・・)
先ほどココへやってきたときに岡本から「そっち危ないぞ!」と注意された
崖の前に中村はたどり着く。
見た感じ、15mほどの落差はあるのだろうか。間違いなく、落ちたら即死でき
るであろう高さだ。
231:764
05/06/30 17:44:45 JGXwbWjc0
(助けてくれ・・・)
中村は崖の前でゆっくりスパイクを脱ぐ。
そして、中村はぼんやりと、自殺する人が靴を脱ぐのって、事故でも殺人でも
なく、カッコたる決意で「自殺」したのだ、ということを示す為なんだなぁ。
そんな事を考える。
(助けてくれ・・・)
あとは、飛ぶだけ。
それだけで、この馬鹿げたゲームから離脱できる。
・・・・だが。
どれぐらい時間が経ったのだろう。
飛べなかった。
決意はしてるはずなのに飛べなかった。
飛べば楽になれるはずなのに。
いつの間にか流れ出していた、頬に伝う涙さえ気にならないまま中村はその崖の
前に立ち尽くしていた。
232:764
05/06/30 18:10:05 JGXwbWjc0
物語を動かすところまで構想は練っていたのですが、破綻しそうなので断念。
でも、もったいないので書き上げて破綻しない文をUPしました。
師弟関係には絡まないとは思いますが、どうなんだろう・・・。
233: ◆7KR.e180t.
05/06/30 18:32:31 PRbL9hUz0
>>232
師弟関係(その3)には一応あと一話続きの話があります。
その話と764氏の構想がかぶるかもということでしょうか?
保管庫のBBSでよければ相談いたしますが。
>>229
まとめ書いたの私です。そうですか。吉武と竹岡間違えましたかorz
234:代打名無し@実況は実況板で
05/06/30 22:32:19 OKBwBAvS0
捕手age
235:某スレ579 1/3
05/06/30 23:45:31 QsdyYwTY0
進む!いいじマン 2
飯島は何故か『資料室室長』という人間に案内され、
コントロール室で現在の状況について説明を受けた。
「あれが生存者を点であらわしたマップ。
あっちのテレビがバーチャルリアリティ空間の映像」
そうやってコントロール室全体を見回している間にも、
「No.49 消滅」
と状況を読み上げるオペレーターの声が響く。
飯島はとっさにテレビ画面を見たが、それがどれなのだかはわからない。
ただダイエーホークスのユニフォームを着た、彼の元同僚らが、テレビ画像の
中で無数に動き回っている。
(さっきNo.○ってのは背番号を表わしてるって説明してた……。
じゃ、修司さんが!? ……)
痛い。
心と言わず頭と言わず、もうどこが痛いのかもわからないぐらい、身体全体が
痛い。
自分がその世界にいる訳ではないので実感は薄いが、それでもオーナーや目の
前にいる人間の言葉を信じるならば、今吉田が死んだということになるのだ。
何故だか、それは嘘ではないんだと唐突に強く感じた。
吉田は亡くなってしまったのだと。もう会えないのだと。
ふと気付くと、涙が出ていた。
236:某スレ579 2/3
05/06/30 23:46:19 QsdyYwTY0
それを見た飯島の説明係の人間が、薄く笑う。
「あんたもこっち側の人間になったんだ。
存外、命なんてのは安くやり取りされてるもんなんだよ。
そんなに動揺しなさんな。
今回の事は出費も多かったけど、無事実験が成功に終わればペイはそれ以上に
見込めるんでね。
そしたらあんたにも相当の報酬が支払われるさ」
涙の滲む目で、飯島は男を睨んだ。
ここにいる人間は、報酬で殺し合いのシステム作りに参加したということか。
(俺は、違う)
確かに先程オーナーからは、野球選手として成功してもそうそう手にできない
であろう金額は提示された。
だがその額を聞いて心動かされたようなことは、決してない。
ただ……彼には守るべき者がいた。それが彼から拒否権を奪っていた。
両の天秤に自分の家族とチームメートを乗せ、家族が勝った。
チームメート達は自身の才覚で困難を乗り越える事もできる。
だが飯島の家族は、飯島が守らなければならない。
そう考え、オーナーの提示に抵抗しなかった。
だが今、どうしようもなく動揺している自分がいた。
(耐えられるのか、俺は)
(チームメート達が無惨に殺されて行くのをただ見すごせるのか、俺は)
営業職に誘われたのもこのためだったのか。
自分は金につられる人間だと思われたのか。
……恥ずかしいと思わずに、今は涙を流してしまおう。
そして泣き終わったら考えよう。
家族を危険に巻き込まず、そして仲間を助ける方法を。
237:某スレ579 3/3
05/06/30 23:48:19 QsdyYwTY0
(そういえばオーナーは、必要な人間を除いたらほとんどの研究員は『事故』
に巻き込まれ死亡すると言った……)
泣いたら、少し頭がすっきりして来た。
飯島は頭を働かせ始める。
文字どおり、人の生死がかかっているのだ。考えろ、考えるんだ自分。
今まで使った事がないぐらいに脳みそ振り絞れ自分。
目の前のこの資料室室長という訳のわからない役職を持った人間は、
生き残る方と処分される方、どちらの側の人間なのだろう。
ひとまず言える事は、ここの事には詳しそうだ。
(こいつを味方につけられたらいいかもしれない……)
飯島は唇をぐっと噛み締めた。
絶対に後悔させてやる。
こんな役目に、自分を選んだ事を。
238:某スレ579
05/06/30 23:49:42 QsdyYwTY0
いいじマンの話は、今のところ時系列的に少し前のことだと思って下さい
239:代打名無し@実況は実況板で
05/07/01 00:11:38 E7DR7iYf0
職人さん達、乙です。
中村の話も飯島の話も続きが楽しみ。
240:代打名無し@実況は実況板で
05/07/01 13:34:46 VYANU9eEO
職人さん乙です!
中村、死ぬなよ!生き延びてくれよ…
飯島は皆を助けられるのだろうか?飯島無理しそうで何か怖い。
241:1/2
05/07/01 15:07:29 QIxKP35I0
入り口
「やれやれ・・・どうしたものか」
彼はモニターを見ながら悩んでいた。
BR世界への入り口が見つからないのだ。
サチコの情報によると、世界中どこでも見れるようネットには接続されているらしい。
(世界の孫・・・か)
新オーナーらしい発想だ。
だが、その分侵入も可能になったのでまぁ良しとする。
(しかし、どうやって探せばいいんだ?)
彼なりに色々と探してみたものの、事が事だけに入り口の場所はしっかり隠されているようだ。
さすがに目の奥が痛くなってきて、彼は少し休むことにした。
リクライニングシートに体を沈め、文字列に疲れた目を閉じる。
ふと、藤井のことを思い出す。
誰よりも野球を愛し、最期まで希望を捨てなかった男。
初優勝が決まる直前、ベンチの一番前で帽子を後ろ向きにかぶって子供のようにワクワクしていた。
優勝したときの写真のほとんどには、彼の笑顔が写っていた。
余命半年と言われながら、ファームで投げたときもあった。
皆に好かれ、彼もまた皆が好きだった。
(工藤や若田部がいたら、話したかっただろうな・・・)
かつての仲間たちの名前が頭に浮かぶ。
奇しくも今藤井と同行しているのは、同期入団の城島と、工藤の背番号を継いだ杉内。
これもなにかの因果というものだろうか。
しかし、サチコの携帯からの情報では、彼は3日程度しかいられない。
3日間の、かりそめの命。
(あいつがいなくなる前に、他の連中とも会わせてやりたい)
彼は目を開き、再びキーボードを叩き始めた。
242:2/2
05/07/01 15:30:47 QIxKP35I0
しかし既に八方ふさがりの状態。温厚な彼も、さすがにいら立ってきた。
「クソッ・・・!」
今こうしてる間にも、誰かが殺されているかもしれないのに。
自分は何もできないのか。
気が付くと、ヤフーのトップが画面に出ていた。
(世界の孫なら何でもできるんだろ、なら見つけてみろよ!)
腹立ち紛れに『ソフトバンクホークスバトルロワイアル』と入力して検索ボタンを押した。
と、いきなり画面が真っ黒になり、
『目指せ!』
と書かれたポップアップが出てきた。
その下には何かを記入する部分と、OKボタンがある。
「・・・は?」
いきなりのことで、おもわず間抜けな声を出してしまう。
しかし、彼はすぐに頭を切り替えた。
(さっきの文字でここに飛んだということは・・・もしかしてここが入り口?)
このポップアップは、おそらく入るためのパスワードなのだろう。
しかし、何を『目指せ』というんだ?
・・・少し考えて、新オーナーがよく口にしていた言葉を思い出した。
そして、彼はそれを入力してみることにした。
『世界一!』
(まさかな・・・)
そう思いつつ、OKボタンを押した。
『ようこそソフトバンクホークスバトルロワイアル(BR2)へ!』
そこは、まさしく彼が探していた『入り口』だった。
どっと体の力が抜ける。
(こんな入り方だったのか・・・)
およそ殺し合いとは程遠いノリである。
(・・・まあいい。あとはハッキングすれば・・・)
自分に気合を入れなおし、彼は注意深く侵入を開始した。
243:代打名無し@実況は実況板で
05/07/01 18:38:27 Zg3a7UGuO
職人さん乙です!
飯島と謎のOB、どっちが脱出のキーになるんだろ
あと保管庫管理人さん、焦らず自分のペースでやってください。
いつもお疲れさまです
244:代打名無し@実況は実況板で
05/07/01 22:24:41 E7DR7iYf0
職人さん、乙です。
「工藤と若田部」と2人を呼び捨てにするあたり、秋山なんジャマイカ?
245:36
05/07/01 22:51:35 iiGr18Gr0
職人さん乙です。彼の正体が気になる(´Д`;)
◆UKNMK1fJ2Y氏版城島編アップしました。
246:代打名無し@実況は実況板で
05/07/01 23:06:12 Txn5NxIG0
職人さん、保管庫管理人さん、◆UKNMK1fJ2Y氏もいつも乙です!
城島編も面白い展開になってきましたね。
続きがメチャメチャ楽しみ。
247:代打名無し@実況は実況板で
05/07/02 21:50:21 OAvJKbV20
圧縮回避
248:代打名無し@実況は実況板で
05/07/03 00:24:30 IYwT2RGY0
保守・・・がてら好きな選手でも。
最近注目は松投手。今何してるんだろう・・・。
249:代打名無し@実況は実況板で
05/07/04 10:28:14 5Fu6mxIU0
保守
私は竹岡かな。悪役好きw
250:代打名無し@実況は実況板で
05/07/04 17:18:08 f0nnO1OJ0
120「忍び寄る影」
チッ……。どこに隠れた?あれだけ殴ってやったんだ。怪我人がそう簡単に移動できるはずがない。
笹川【59】は高橋【0】を探して、ひたすらVR世界を彷徨っていた。長い間探しているにも関わら
ず、高橋の痕跡は全く見つけられない。瑞季を殴り殺した際に感じた快楽が、見つけられない事へ
の苛立ちにとって代わるのにそう時間はかからなかった。
高橋さんはあれだけの怪我だ。誰かが連れて行ったとしても大怪我を負った人間を連れまわすのは
まず無理だろう。いったんどこかの家に隠れ、手当てをするのが普通だ。だがしかし、遠くまで
運ぶ術があるとしたら?その場合は遠くの建物まで運び、そこで手当てをするだろう。
「兎に角、家を調べていくしかなさそうだな」
そう考え、手当たり次第に家を調べて数時間。途中、苛立ちを紛らわそうと見つけた田中【50】に
狙いを定めるも、柴原【1】達の邪魔が入り苛立ちがつのるばかりだった。
251:代打名無し@実況は実況板で
05/07/04 17:18:44 f0nnO1OJ0
苛つきながらも探索を続け、とうとう笹川は川を渡りVR世界の南方まで来ていた。
F-3とF-4の民家付近にたどり着いたその時。
「………で…」
「そ……か……」
「!」
人の声だ。しかも二人。
ナンダ、コンナ所ニ隠レテイタンダ。
カーテン越しにに映る人影を確認し、思わず口元がほころぶ。
あれ、高橋さんってあんなに身長高かったか?カーテン越しだから大きく映っているだけか?
「……ククッ………」
何こだわってんだろ。俺。高橋さんじゃなくても別に構わないじゃないか。
あの時と同じ快感を味わえると思うと、それだけで背筋がぞくぞくする。
「別に誰でもいいよな」
一言ぽつりとつぶやくと、笹川は慎重に窓へと近づいていった。
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
252:代打名無し@実況は実況板で
05/07/04 17:20:46 f0nnO1OJ0
すいません
F-3とF-4の民家付近にたどり着いたその時。 を
F-3とF-4間の民家付近にたどり着いたその時。 に訂正させてください。
よろしくお願いします。
253:代打名無し@実況は実況板で
05/07/04 23:33:51 4iWoXif70
圧縮オチ回避の為、ageときますね。
職人さん、乙です。
笹川が欲望のままに動き始めた (((゜ ゜;))))
254:代打名無し@実況は実況板で
05/07/05 22:09:38 tn7pjBbCO
職人さん乙です。
ガクブル…。F-3.4付近って事は、笹川の目指す民家にいるのって吉武と和巳か?
255:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 00:00:53 ns+R56Wj0
保守。
新作来ないときは全く来ないなぁ。
256:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 05:38:24 QOuRwnIo0
ハッキングOBサイドの作者ですが、正直他の選手が動かないと書きづらい・・・
自分の中では次の話はある程度固まってはいるんですが(いいじマンとのつなげ方とか)
あくまでも外部からの接触なんで、選手が動かないとこっちも書けないですね。
選手サイドの職人さん、よろしくお願いします。
257: ◆7KR.e180t.
05/07/07 11:38:40 8cHoESjo0
憎しみが憎しみを呼んで
「後ろだーー!!!」
ドンッ
和田の体に衝撃が走った。
なんだ?どうした?あれ…?
ゆっくりと後ろを振り向く。そこにいたのは……松中だった。
松中の両手には木で作られた槍が握られていて、その先端は、寺原の左胸を背中から貫いていた。
どん、と和田の肩に寺原の重みが乗っかってくる。
突然のその重みに和田は耐え切れず、寺原の体を落としてしまった。
どさっと崩れ落ちる寺原、もうぴくりとも動かない。
「テラ…?」
和田は寺原の肩をゆさってみる。人形のようにがくがくと上下に揺れた。
それだけだった。
「あ…あ…」
寺原が死んだ。
「あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
和田はきっと松中を睨みつけた。
「なんで殺した!!!」
「和田…」
「あんた内野手だろ!投手の寺原を殺す必要ないじゃないか!!」
松中はなるべく表情を変えずに言った。
「寺原は、他の選手を殺していた。ゲームに乗った人間なんだ。だから、殺した。
俺には!!…乗った人間に殺された仲間の無念を晴らさなきゃならない…」
「ふ、ふざけんな!」
立ち上がり拳を振り上げる。松中はあっさりとそれをかわす。
258: ◆7KR.e180t.
05/07/07 11:42:33 8cHoESjo0
「松中…」
「ゴエさん・・・」
いつのまにか鳥越が二人のすぐ近くにまでやってきていた。その鳥越が持つ銃の銃口は
まっすぐに松中を狙っていた。
「お前も乗ったってのか?」
「…違う。俺は…ゲームに乗った奴しか狙わない。俺は乗ったわけではない」
「同じことだよ。そんなことしてたら、次はお前が狙われるぞ。そこの和田みたいな奴に…」
鳥越は和田に視線を送った。和田は寺原の死体に突っ伏して泣いていた。
声を出さずに、必死にこらえて。
「松中いけよ。乗ったものだけ狙うなら俺たちに用はないだろ」
「…はい。ゴエさん、死なないでくださいね」
その場を後にする松中。その姿が森の中に消えようとする直前、和田は叫んだ。
「松中ぁ!!!寺原のかたきは俺が絶対取ってやるからな!」
松中はゆっくりと右手をあげた。鳥越にはその姿が「まってるぞ」と言っているような気がした。
取得ボーナスポイント:松中信彦【3】
死亡:寺原隼人【20】
【残り38人】(残り9人でゲーム終了)
259: ◆7KR.e180t.
05/07/07 11:44:55 8cHoESjo0
遅くなりました。和田パート一旦完結です。最後は急いで書き上げたので
あとでセリフ回しなど修正するかもしれません。
あとラスト三行訂正します
取得ボーナスポイント:松中信彦【3】 (4p・計4p)
死亡:寺原隼人【20】
【残り37人】(残り9人でゲーム終了)
260:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 12:54:18 siV8RMHE0
おっ来てた来てた
まっちゃん泣かせますね……
261:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 13:10:54 p9/iShJf0
テラ・・・
262:36
05/07/07 14:30:16 DR2h2v1W0
職人さん乙です。
・゚・(ノД`)・゚・。テラ…。松中…。
松中がこれから歩く修羅の道がどうなるかが凄く気になります。和田も。
修正箇所が出てきましたらこちらか保管庫の掲示板かメールでご連絡いただければすぐに
訂正しますので、よろしくお願いします。
263:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 16:41:46 PEi0SZZ2O
松中…予想通りの展開ではあったんだけどなぁ…
テラゆっくり休めよ…
264:代打名無し@実況は実況板で
05/07/07 18:50:21 wSjij7jR0
松中、やっぱりやっちゃったのか。
和田は、+αの方でもこんな感じの役回りだったな。
看取り役みたいな。そういうイメージなんかなあ?
265:1/2
05/07/08 02:31:15 nSpuDgeV0
2本柱
(松中・・・)
彼はモニターの前で「それ」を見ていた。
彼はソフトバンクの精緻を極めた壁をなんとかすり抜け、BR世界に最も近い場所まで来ていた。
そこは、デジタルとアナログの境界線。
特定の人物データに近づけば、その人の考えていることまで画面に現れた。
彼がまずチームリーダーである松中と接触しようとしたとき、「それ」は起きたのだ。
松中が、寺原を殺した。
松中の心の中を見ながら、彼はその現場に遭遇したのだった。
(一人で罪を背負うつもりか・・・松中らしいな・・・)
松中は、彼を慕っていた選手の一人だった。
自主トレにも毎年付いてきて、過酷なメニューを一緒にこなした。
同郷ということもあり、彼もまた松中を心強く思っていた。
そして、松中の性格もよく知っていた。
(・・・俺には止められない、な)
小さくため息をつくと、彼は松中から離れた。
266:2/2
05/07/08 03:05:01 j24em0s40
気を付けろ!スタンド攻撃だ!
267:3/2
05/07/08 03:10:59 Il0D9w3OO
その頃松中はちんこから七色の光を出していた
268:2/2
05/07/08 03:11:53 nSpuDgeV0
「来年からはユニフォームも変わっちゃいますけど、新しい人形を用意しておきますよ」
「ありがとう。・・・でもあれからずっとあの人形が一緒にいたなんて驚いたなぁ」
杉内と見張りを交代した城島は、相変わらず寝ようとしない藤井と話していた。
城島と藤井は同期入団ということもあり、昔話に花が咲いていた。
若田部が横浜へ行ったこと、小久保が巨人へ行ったこと、工藤が巨人で未だ衰えを見せぬこと・・・
この数年で、あの時とはすっかり球界が変わっていたこともあり、話題は尽きなかった。
今彼らが話していたのは「藤井ハリー」の事だった。
2000年、闘病生活を送っていた藤井の代わりに胴上げに加わった背番号15のハリーホーク人形。
それからその人形は、いつもチームと一緒だった。ロッカーにはいつも背番号15がいた。
ユニフォームが変わっても藤井ハリーはこれからも一緒に連れて行くのは城島にとって当たり前の事だった。
彼はいつまでもチームの一員なのだから。
「でも小久保が出て行っちゃうなんてなぁ」藤井がため息をついた。
「・・・俺も信じられなかったっすよ。いきなりのことだったし・・・」
2003年、優勝パレードの翌日に突然発表された小久保の巨人への無償トレード。チームリーダーの喪失は、選手全員が衝撃を受けた。
「・・・でも今は松中さんがいてくれるから」「ジョーもいたからね」
「俺?」「うん、ジョーはもう立派なチームの柱だよ。杉内くんも絶対の信頼を置いてたみたいだし」
「俺は・・・そんな立派じゃないですよ」「自分で立派だなんて思ってる人なんていないよ。僕もジョーだから安心して投げてたし」
「・・・ありがとうございます」
・・・かつてキャプテンだったあの人は、どれだけの重圧に耐えていたのだろうか。
『ジョー、聞こえるか?』 突然、城島の頭の中に言葉が現れた。
「え・・・?今のは?」
『聞こえるようだな、良かった。声には出さなくていいから頭の中に返事を思い浮かべてくれ』
突然声をあげた城島を、藤井が不思議そうに見ている。
(頭の中に直接言葉が?これはなんだ?)
『俺は外部からこの世界に侵入している。お前たちを助けに来た。』
(ちょっと待ってくれ、あんたは誰だ?)
『ああ、まだ言ってなかったな。秋山だ。』
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