日本語の乱れ
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ぼかし表現

「ぼかし表現」とは、あらかじめわかり切っている事柄であろうがなかろうが、はっきり言い切らないことであいまいにしてしまうことである。従来から、あえて匿名にするため「某○○」「さる?」としたり、「ある種」「ある意味」などは広く用いられてきたが、主として若者の言葉遣いで指摘されているのがバイト敬語に多い「?のほう」、「私的には…」、あるいは不必要な場面での「?とか」「?と言うか」「?みたいな」である。また「?する人」といった自分を第三者に見立てた表現も然りである。もっとも今日使われている「立派な方」や「田中様」の「方」や「様」も、元々は人を直接指し示すのを避けて方角や様子のことのようにぼかした表現である。ぼかし表現を参照のこと。
感動表現の濫用
形容詞の語幹の用法
「すごっ」、「はやっ」のような表現は形容詞の語幹用法といって、平安時代以前からある感動表現である。口語における形容詞の終止形が「?し」から「?い」に変化したのは鎌倉時代なので、「すごい」「はやい」よりむしろ古くからある表現である。
接客に関するもの
バイト敬語
とりわけ、ファミリーレストランやコンビニエンスストアなどで、若者のアルバイトが使っていることが多い。詳細は
バイト敬語を参照。ここではパートや従業員も用いることの多い言葉をいくつか取り上げる。

いらっしゃいませこんにちは。→いらっしゃいませ。「こんにちは」は不要。

一語として成立しているかのように聞こえるため、聞く側は社交辞令的に感じてしまうことがままある。


1221円からお預かりします。→正: 1221円お預かりします。「から」は不要である。

なお、「預かる」自体が不適切で、「頂く」「頂戴する」が正しいとする人もいる。

バイト敬語の項参照。

レシートのお返しです。→正: レシートです。 または、 レシートでございます。

レシートは客が預けたものではないという理由である。しかしながら、「返す」には、「相手が何らかの働きかけをしてきた場合に、等しい価値を持つ働きかけをする」という意味があり、その意味でとらえれば正しいとする人もいる[要出典]。


ハンバーグセットのほうお持ちしました。→正: ハンバーグセットをお持ちしました。または、 ハンバーグセットです。「ほう」は不要。

こちらがデザートになります。→正: こちらがデザートでございます。

何かが「デザート」に変化するわけではない。


ご注文の品は木刀でよろしかったでしょうか。→正: よろしいでしょうか。

すでに注文したような表現であると不快に感じる人がいる。1か月前に注文した商品を今渡す場合に、記憶があいまいでないか確認するために言うのなら不自然な表現ではない。たった今目の前でした注文に対してこのように確認すると、「今言ったのにもう忘れてしまったのか」という印象を与えかねない。


若者流の敬語表現

ここでは、若者に限らず中年層でも用いられる場合が多く、かつ「乱れ」として取り上げる余地のあるものを取り上げる。
誤用

ここでは、場合によっては失礼に当たる可能性がある敬語表現について述べる。

私ってコーヒーとか好きじゃないですか。→正:私はコーヒーが好き(なん)です

下記「語尾上げ」を伴う。中高年層で用いられる場合もあるものの、ともすれば自分の意見をことさら強調して押し付けがましく思われたり、目上の者に対して使うとなれなれしく思われたりすることがある。

「北海道って寒いじゃないですか」など、共通認識を確認する目的での使用は問題がないという解釈もある。ただし、相手の知識を意識せず、あるいはあえて知らないと思われることに使うと、押し付けがましい、断定的、馬鹿にしていると受け取られかねない(例えば「ニュートリノって質量があるじゃないですか」など)。

広辞苑によれば、例文の中に出てくる
接続助詞「とか」には、「コーヒーとかお茶(とか)が…」には二つ以上の事柄を並列して述べる用法の他に、近年の用法としてここで用いられているぼかし表現としての使い方もある。

学生が上級生に敬語を使うこと

学生が一学年でも上級の者に対して敬語を使うことはかつては当たり前のことであった。しかし、近年はこれに違和感を持つものや体育会系特有のものと捉える者もいる。

先輩は明日休みなんすか(っすか)?→正:休みなんですか

「っすか」は1927年生まれの金原亭馬の助の落語などにも聞かれる。
表記に関するもの
仮名遣いの誤り

現代仮名遣いでは認められないものを挙げる。「おまえ→×おまへ」などの間違いは児童に多く、学校教育を受けるにつれて直るものであるが、以下に記す事例はまま見られる。ただし、現代仮名遣いは、その前書きにおいて「この仮名遣いは,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」と定めている。現代仮名遣いに沿っていないからといって個々人の表記をあげつらうのは、逆に現代仮名遣いの趣旨に反する。

こんにちわ→正:こんにちは

ワと発音する音節は「わ」と表記するのが原則だとしながら助詞の「は」にだけ「は」と書いてワと読ませる例を残した現代かなづかいの主観性は『私の国語教室』などで強く批判されたところだが、この規定は現行の改訂現代仮名遣いにも引き継がれた。1946年の規定では助詞の「は」を「わ」と書くことをも許容する含みを持たせていたものが、現行の規定では明確に「は」と書くと定められている[10][11]。「今日は御機嫌いかがですか」のような表現の省略されたものであり、もともと助詞の「は」だったから「は」と書くのだ、と説明されることがある[要出典]。

ゆう→正:いう

動詞「言う」は、発音どおりに表記するという現代仮名遣いの原則に従えば「ゆう」だが、特例として「いう」と表記すると定められている。現代仮名遣いによれば「いう」と表記して「ユー」と発音するものである。

この他、歴史的仮名遣こそ日本語として本来あるべき仮名遣いであるとして、現代仮名遣い自体が批判されることがある。この立場からは、先に挙げた「おまへ」の表記こそが正しく、「おまえ」の方が間違っていることになる。
かな書き

新聞や広告、テレビなどは、できるだけ多くの人がわかりやすいことが前提であるべきで、そのために制定されたのが常用漢字であり、現代仮名遣いである。新聞などではかつては常用漢字外の文字は使わずにかな書きするのが原則だったが、近年は読みを括弧書きするなどした上で漢字表記することが増えた。これに比べて、雑誌または書籍は購読者層がある程度絞られることが多いため、以前からかな書きはあまり行われてこなかった。その一方で、例外的に誤読防止や文面を和らげるために意図的にかな書きを用いることも少なくない。

例えば、

「何」は、「なに」と読むのか、それとも「なん」なのか紛らわしい場合に「なにより(何より)」「なんの(何の)」と表記

「私」を、「わたくし」と読んでほしいのか、それとも「わたし」であるのか明確にするために「わたし」と表記

「?の方」を、指示語の「ほう」か、「?の人」の意の「かた」なのかを明確にするためにかな書きとする

といったケースは少なくない。このほかにも、

「じつは」「じつに」「そのじつ」→実

「とくに」→「特に」

「なかでも」「?のなか」→「中」

とする場合がある。編集者以外の記者が書いた原稿は、筆者のオリジナリティーを尊重する観点から原文ママとすることがある。
平仮名に長音符号


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Momi