黄砂
[Wikipedia|▼Menu]

音楽アルバムについては「オユンナII黄砂」をご覧ください。

ウィクショナリーに黄砂の項目があります。
自動車に積もった黄砂(北京-n:zh:沙?天气今年第八次??北京) 地球規模で移動する黄砂、2001年4月7日-18日、NASA。人工衛星のオゾン全量分光計(英語版)を利用して観測された。中国付近の黄砂(赤・黄・黄緑色の部分)は数日かけて北アメリカまで到達している。(NASA解説(2001年7月7日時点のアーカイブ)(英語))

黄砂(こうさ、おうさ[1]、黄沙とも)とは、特に中国を中心とした東アジア内陸部の砂漠または乾燥地域砂塵が、強風を伴う砂塵嵐(砂嵐[2])などによって上空に巻き上げられ、を中心に東アジアなどの広範囲に飛散し、地上に降り注ぐ気象現象。あるいは、この現象で飛散した自体のことである[3]
目次

1 概要

2 黄砂現象の詳説

2.1 発生地

2.2 発生

2.3 移動

2.4 落下

2.5 季節変化

2.6 観測


3 黄砂の変化と歴史

3.1 地質調査による解析

3.2 文献への登場

3.3 20世紀からの変動

3.4 類似の現象


4 黄砂の形状と成分

4.1 形状

4.2 組成と成分


5 黄砂による影響

5.1 物理的・経済的被害

5.2 健康被害

5.2.1 疫学的報告

5.2.2 毒性学的報告

5.2.3 対策


5.3 環境的な利益

5.4 天体の変色


6 対策

6.1 砂漠化・乾燥化の防止

6.2 研究・国際的な活動

6.3 問題点と今後の課題


7 各国の黄砂

7.1 中国・モンゴル

7.2 韓国

7.3 北朝鮮

7.4 日本

7.5 その他


8 黄砂と文化

9 脚注

10 参考文献

11 関連項目

12 外部リンク

12.1 詳説

12.2 観測・予報

12.3 その他の資料


概要

気象現象としての黄砂は、砂塵の元になる土壌の状態、砂塵を運ぶ気流など、大地大気の条件が整うと発生すると考えられている。発生の頻度には季節性があり、春はそういった条件が整いやすいことから頻繁に発生し、比較的遠くまで運ばれる傾向にある。ただ、春に頻度が極端に多いだけであり、それ以外の季節でも発生している[4][5][6]

黄砂は国境を跨ぐ範囲で被害を発生させ、しかもその程度や時期に地域差がある。発生地に近づくほど被害は大きくなり、田畑や人家が砂に覆われたり、周囲の見通し(視程)や日照を悪化させたり、交通に障害を与えたり、人間家畜などが砂塵を吸い込んで健康に悪影響を与えたりするなど、多数の被害が発生する。海を隔てた日本でも、黄砂の季節になると建物や野外の洗濯物・車などが汚れるといった被害が報告されている。東アジア全体での経済的損失は、日本円に換算して毎年7000億円を超えるとされる[3][5][7][8]

発生地に近いほど、砂塵の濃度は濃く、大きな粒が多く、飛来する頻度も高い傾向にある。モンゴル、中国、韓国などでは住民の生活経済活動に多大な支障が出る場合があり、黄砂への対策や黄砂の防止が社会的に重要となっている。近年は東アジア各国で、黄砂による被害が顕著になってきているとされており、一部の観測データもこれを裏付けている[9][10][11][12][13]。これに加えて、環境問題への関心が高まっていることなどもあり、黄砂に対する社会的な関心も高まっている[14][15]

一方、黄砂が自然環境の中で重要な役割を果たしていることも指摘されている。飛来する黄砂は、洪水による氾濫堆積物や火砕物と並ぶ堆積物の1種であり、土地を肥やす効果がある。また黄砂には生物の生育に必要なミネラル分も含まれており、陸域だけではなく域でもプランクトンの生育などに寄与している[16][17][18][4][19]

また、芸術の分野では、黄砂のもたらす独特の景観などが文化表現にも取り入れられており、黄砂のもたらす情景を詠った古代中国の漢詩が伝えられるなどその歴史は古い。黄砂が生活に深刻な被害を与えている地域もある一方で、影響が軽微であり珍しい自然現象・季節の風物詩などとされている地域もある。

「黄砂」という語でひとくくりにされているが、この語を気象学的に定義すると複数の現象が含まれている。発生地付近では黄砂の元となる「砂塵嵐」(砂嵐)、大気中を浮遊する黄砂は「エアロゾル粒子」であり、風の有無にかかわらず黄砂が空中に大量に浮遊・降下している状態は「風塵」や「煙霧」・「ちり煙霧」である。また、視程障害現象にも分類される。東アジア各国では、気象機関がそれぞれ「黄砂」の定義や強弱の基準を定めているが、いずれも少しずつ異なっている(後節参照)。
黄砂現象の詳説 発生地の衛星画像。中央よりやや上によったところにある、薄橙色や薄茶色の部分が主な発生地。左側からタクラマカン砂漠ゴビ砂漠黄土高原の順に並ぶ。(NASA World Wind) X.Y. Zhang, et al.(2003)による黄砂発生源の分布地図[20]。タクラマカン、ゴビ、黄土高原が大きな割合を占めるが、周辺の砂漠からの発生もある。
発生地 黄砂のもととなる、タクラマカン砂漠の砂塵嵐を捉えた衛星画像 (PD NASA) 時間とともに東に移動する黄砂(紫・黄・黄緑色の部分)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:173 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:FIRTREE