言語聴覚士
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言語聴覚士
英名Speech therapist

略称ST(AuD/SLP)
実施国 アメリカ合衆国 カナダ イギリス フランス イタリア スペイン ロシア オーストラリア ドイツ オーストリア オランダ 中国 韓国 日本など
資格種類国家資格(日本)
分野医療福祉
認定団体厚生労働省(日本)
ASHA(米国)
認定開始年月日1997年(日本)
1952年(米国)
等級・称号言語聴覚士(日本)
Audiologist; Speech Language Pathologist(米国)
根拠法令言語聴覚士法(日本)
ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル 資格
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言語聴覚士(げんごちょうかくし、: Speech-Language-Hearing Therapist (ST))は、言語聴覚音声認知発達摂食嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う専門職である。医療機関の他、保健施設、福祉施設、教育機関などで活動している。

医療機関では、医療従事者(コ・メディカルスタッフ)の一員として、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、視能訓練士(ORT)と共に、リハビリテーション専門職を構成する。米国では、オーディオロジスト(聴覚療法師)とスピーチ・ランゲージ・パソロジスト(言語療法士)に分かれており、米国での資格取得には大学院修士課程以上(聴覚療法士については博士課程)の教育歴を要する。


目次

1 定義

2 歴史

2.1 ヨーロッパにおける歴史 - ドイツ、オーストリアでの発達と、イギリスにおける認知神経心理学アプローチ

2.2 アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展

2.3 日本における歴史

2.3.1 戦前のドイツ医学、戦後のアメリカ言語病理学の導入

2.3.2 1960年代における国家資格化の検討と頓挫 - 米国の修士号要件とのずれ

2.3.3 日本聴能言語士協会の設立(1974年)と分裂(1981年) - 養成課程をめぐる内部対立

2.3.4 30年の時を経て国家資格化(1997年)

2.3.5 日本言語聴覚士協会への統一(2000年)

2.3.6 言語聴覚士の活動領域の広がり(2005年?)



3 業務

3.1 医療

3.2 福祉

3.3 教育

3.4 保健


4 職域

4.1 医療機関 - 言語聴覚士不足が続く

4.2 介護施設 - 高齢者の生活の自立を支える

4.3 地域 - 訪問リハビリテーションで患者と家族をつなぐ

4.4 福祉施設 - 機能訓練担当職員として機能訓練に従事

4.5 学校 - 障害を抱える児童の自立を支える


5 対象患者

5.1 幼児と児童

5.2 児童と成人

5.3 成人


6 養成と就労

6.1 アメリカ

6.1.1 養成 - 主要大学の大学院修士・博士課程で養成

6.1.2 就労 - 職種別総合評価では第10位


6.2 日本

6.2.1 養成 - 人口当たりの有資格者はアメリカの4割にとどまる

6.2.2 就労 - 就労者数の地域間格差は最大5倍



7 著名な言語聴覚士

8 脚注

9 参考文献

10 関連項目

11 外部リンク


定義

日本においては、1997年に制定された言語聴覚士法第2条において、言語聴覚士は「厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者」として定義されている。

言語聴覚士の職務は医療にとどまらず、福祉や教育にもまたがっているため、理学療法士や作業療法士とは異なり、「医師の指示の下に」業を行う者とはされていない。ただし、言語聴覚士の職務の一部には「身体に危害を加えるおそれのある行為」があり、これらについては、医師や歯科医師の指示の下に行うものとされている[1]。具体的には、嚥下訓練、人工内耳の調整、その他厚生労働省令で定める行為についてである(第42条)。この「その他厚生労働省令で定める行為」には、他動運動や抵抗運動をともなったり、薬剤や器具を使用したりするものに限って、音声機能、言語機能にかかわる検査と訓練も含まれる。
歴史
ヨーロッパにおける歴史 - ドイツ、オーストリアでの発達と、イギリスにおける認知神経心理学アプローチ英国王のスピーチ』でも知られるライオネル・ローグ

「言語」によって人間関係や社会関係が作られている以上、人類の歴史とともに言語聴覚障害もあったといえる。失語症と思われる症例の記述は、古代エジプトのパピルスや古代ギリシャのヒポクラテス集典に認められる[2]

言語聴覚に対する訓練の歴史は、古代ローマに遡る。ローマの医師、アルキゲネスは、耳の訓練のために、チューブを通して大きな音を耳に伝えようとしていた。ルネサンス期になると、主にスペインを中心として、聴覚障害を有する貴族の弟者への教育が行われるようになった。

学校教育として聴覚障害の教育が始まったのは18世紀後半である。ドイツ人のザムエル・ハイニッケは口話法を体系化し、フランス人のド・レペ手話法を体系化し、19世紀を通して後者の手話法が広がった。

今日の言語聴覚士の業を支えるのは、音声言語医学と言語病理学であり、前者の源流は、言語中枢が発見され、咽頭鏡が発明された19世紀中葉のヨーロッパに発する。ヨーロッパでは、1924年に国際音声言語医学会(IALP)がオーストリアで発足し、医師や言語聴覚士が集い、今日まで続いている。1986年には東京で第20回大会が開催されている。ただし、ドイツでは医師のリーダーシップが強く、言語聴覚士の養成は専門学校での教育が主体であった。

他方で、イギリスでは、1944年にライオネル・ローグらによってカレッジ・オブ・スピーチ・セラピスツと称する言語聴覚士協会が発足するなど、独自の発展を見た。


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