罰金
[Wikipedia|▼Menu]

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2018年1月)

罰金(ばっきん)とは、刑罰の一種であり、行為者から強制的に金銭を取り立てる財産刑である。自然人だけでなく、法人に罰金刑を科すこともできる。

なお、罰金に限らず刑罰はあくまで「国家が自然人や法人に科すもの」であるから、自然人や法人同士の間では、刑罰である罰金を科すことはできない。
目次

1 日本における罰金

1.1 刑の内容

1.2 執行猶予

1.3 労役場留置

1.4 未決勾留日数の算入

1.5 相続財産に対する執行

1.6 前科となる刑罰

1.7 窃盗罪・公務執行妨害罪の罰金刑創設

1.8 物価変動による金額変更

1.9 科刑状況

1.10 道路交通法違反による反則金など行政罰との差異


2 韓国における罰金

2.1 刑の内容

2.2 労役場留置

2.3 未決勾留日数の算入


3 米国における罰金

4 出典

5 関連項目

日本における罰金

この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

刑の内容

罰金の金額は、1万円以上と定められているが、減軽する場合においては1万円未満に下げることができる (刑法15条)。刑法では上限については一般的に制限していない。そのため、個々の条文で罰金額の上限を定めている。特に、独占禁止法金融商品取引法、会社法第960条(特別背任罪)ような経済犯罪については、法律によって非常に高額な罰金が定められることもある。現在のところ法定刑の最高額は、金融商品取引法207条が規定する、法人に対する罰金7億円である。また、脱税および偽造通貨等収得後知情行使(刑法152条)については、脱税額および偽造通貨等の使用額面に比例して罰金を課すことができる(例えば所得税法第238条第2項では、脱税額が500万円を超える場合は、脱税額と同額の罰金を課すことができると規定している)ため、いわゆる青天井になっている。

支払われた金銭は科料の金銭とともに国庫に入り、国を運営する経費に充てられる。
執行猶予

50万円以下の罰金刑が言い渡された場合においては、情状によってその刑の執行を猶予することができる。もっとも、罰金に執行猶予が付されることは滅多にない。2002年以降では、年間数十万人が罰金判決を言い渡されているが、執行を猶予されたのは年間10人に満たない。
労役場留置

罰金を完納できない場合は、労役場に留置され、判決で決められた一日あたりの金額が罰金の総額に達するまでの日数の間、例えば略式命令の場合だと、日給5,000円の労務(封書貼りなどの軽作業)に服することになる。労役場留置の期間は、1日以上2年以下である(罰金を併科した場合は3年以下)。
未決勾留日数の算入

未決勾留されていた被告人が罰金刑を言い渡された場合に、主文において未決勾留日数を金額換算(1日当たり5,000円が多い)して刑に算入することがある。この場合、算入されなかった罰金の残額のみ納付すればよい。換算した金額が言い渡された罰金額を上回れば、罰金を納付しなくて済む(罰金刑の事実が消えるわけではなく即日納付同等になる)。
相続財産に対する執行

罰金刑を言い渡された者が罰金を納付しないまま死亡したときは、その執行もできなくなる。ただし、刑事訴訟法491条に規定する犯罪(租税その他の公課若しくは専売に関する法令の規定により言い渡した罰金)に該当する場合に限って、相続財産に対して罰金刑を執行できる。
前科となる刑罰

罰金を科す有罪判決または、略式手続が確定すると、前科として扱われる。

具体的には、罰金以上の刑を受けた者は、一定期間、市町村役場に備置される犯罪人名簿戸籍住民基本台帳ではない)に登載される。また、検察庁の犯歴記録は、道路交通法違反による罰金以下の刑に処された者についても、記録の対象となる。

前科は、一定期間(罰金の場合5年)を経過することにより消滅する(刑の消滅、前科抹消)。前科ありの場合、たとえ不起訴処分となるような小額の窃盗事件や傷害事件であっても、刑事訴追され有罪(これも刑が重くなる)となる。

前科者として登載・記録されると、結果として海外移住ができなくなるといわれることがあるが、諸外国の入国や査証申請の取り扱いにおいて、犯罪経歴証明書(無犯罪証明)の提出を求められることがあり、犯罪経歴があると申請が拒否される場合があるためである。
窃盗罪・公務執行妨害罪の罰金刑創設

窃盗罪などの財産犯や、公務執行妨害罪などの国家的法益に対する罪は、従来、選択刑として懲役のみが定められ、罰金は定められていなかった。これは、「窃盗は金のない者が犯すのであるから、罰金を科しても実効性がない」ことや、「国家的法益に対する罪は罰金になじまない」ことなどを理由とした。

しかし、少額窃盗(万引きなど)や、軽微な公務執行妨害(喧嘩の仲裁に入った警察官を突き飛ばした場合など)では、懲役を科すのは重すぎると考えられることもある。特に、公務員や一部の士業公認会計士など)は、禁錮以上の刑に処されると執行猶予が付いても失職・欠格となるので、軽微な犯罪で有罪になると酷な事態を招いてしまう。そのため、起訴猶予で処理されてきた事件が多かった。そこでこれらの犯罪への処罰にも柔軟に対応するため、選択刑として罰金が定められた(平成18年法律第36号、平成18年5月28日施行)。
物価変動による金額変更

古い刑罰法規の中には、インフレーションにより罰金刑の額が現在の物価からすると、かなり金銭価値が安くなってしまった規定もある。そのような事情に対応するために、罰金等臨時措置法が定められ、罰金刑の額が個々の刑罰規定における額に関わらず、一定額に引き上げられており、実際の法定刑は個々の刑罰法規に罰金等臨時措置法を適用したものになる。なお、一部法では「罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律 ⇒[1]」により金額などが直接改正された。

対象となる犯罪は、刑法暴力行為等処罰に関する法律、経済関係罰則の整備に関する法律の3つの法律の罪以外の罪(条例の罪を除く)(罰金等臨時措置法第1条)。

罰金刑の最高額が2万円未満の場合は、最高額を2万円とする(同法2条1項本文前段)。

罰金刑の最低額が1万円未満の場合は、最低額を1万円とする(同法2条1項本文後段)。

罰金額が一定の額の倍数で定められている場合は、この限りではない(同法2条1項但書)が、罰金額が1万円に満たない場合は1万円とする(同法2条2項)。

科料で特に額の定めがある場合は、額の定めがないものとする(一定の額の倍数で定められている場合を除く)(同法2条3項)。

法律で命令に罰金刑の規定を委任している場合で、規定できるとする罰金の最高限度額が2万円に満たないときは、2万円とする(同法3条)。

科刑状況

罰金判決が確定した件数は次のとおりである[1]

年総数執行猶予
2002年837,1447
2003年784,5152
2004年743,5532
2005年689,9724
2006年650,1415
2007年533,9497
2008年453,0656
2009年427,6005
2010年401,3825
2011年365,4749
2012年344,1214
2013年306,3166
2014年279,2212
2015年274,1994
2016年263,0991
2017年244,7013

2016年に言い渡された第一審判決 266,027件では、通常第一審(通常手続)が2,419件、簡易裁判所での略式手続が263,608件であり、後者で99%以上を占めている。罪名別では、交通事犯(道路交通法違反、自動車運転過失致死傷罪等)で83%を占めており、次いで窃盗罪、公務執行妨害罪傷害罪などである[2]
道路交通法違反による反則金など行政罰との差異

交通違反の際に課される「反則金」や、行政上の手続違反の際に課される「過料」を俗に「罰金」と呼ぶことがある。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:20 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:FIRTREE