炎上_(ネット用語)
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炎上(えんじょう、: Online shaming)とは、不祥事の発覚や失言・暴言などとインターネット上に判断されたことをきっかけに、非難・批判が殺到して、収拾が付かなくなっている事態や状況を指す。
目次

1 特徴

2 概説

3 認知と状況

4 炎上の経過

5 予防法

6 収束方法

7 分類

7.1 田代光輝による分類

7.2 小林直樹による分類

7.3 その他の分類


8 派生用語

9 文化的考察

10 脚注

11 参考文献

12 関連項目

13 外部リンク

特徴

炎上のほとんどは、リンクされた引用元の記事をきちんと読まずに「タイトルだけ読んでコメント」という脊髄反射的な感情的な投稿の連鎖によって起き、全国の普通の人も参加して延焼する構図になっている。そのため、アメリカの調査でもTwitterFacebookなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)利用者がタイトルだけを見て、リツイートなど拡散・コメント投稿をする者が約60%を超えており、国民の情報リテラシーの低さが社会問題になっている。

日本でも『虚構新聞』のジョーク記事などをタイトルを見ただけで事実と信じて拡散したり、SNSなどインターネット上で、リンク先の元記事を読まずに情報源(ソース)の内容・正確性を確認しなかったりする人が多いことが問題になっている。更に、記事の中身には違うことを誤解・ミスリードを助長する炎上タイトルで、記事で受け答えしていた発言者の発言内容が歪曲されたことで炎上が起きることもある。このため、アクセス数稼ぎなどの理由で釣りや煽りを狙ったタイトルをつけるマスメディアに対しても批判の声がある[1][2][3]

また文化庁が発表した平成28年度(2006年度)版『国語に関する世論調査』で、ネット炎上に参加する意志があるのは2.8%という結果であった[4]

田代光輝は炎上を「サイト管理者の想定を大幅に超え、非難・批判・誹謗・中傷などのコメントやトラックバックが殺到することである(サイト管理者や利用者が企図したものは「釣り」と呼ばれる)」と定義している[5]
概説

ブログやSNS内の日記は、非公開やコメント禁止といった設定を別途しない限り、誰でもコメント欄にメッセージを残すことができる。ブログ執筆者の言動に反応し、多数の閲覧者がコメントを集中的に寄せる状態を「炎上」と表現する。この時、コメントにはサイト管理者側の立場に対する賛否の両方が含まれていたとしても、否定的な意見の方をより多く包含するものを炎上とし、応援などの肯定的な投稿だけが殺到するものは普通は炎上とは呼ばず[6]対義語と言えるバズるが用いられることが多い[7]憲法学者キャス・サンスティーンは、個人がインターネット上で自分自身の欲望の赴くままに振る舞った結果、極端な行動や主張に行き着いてしまうという現象をサイバーカスケードと呼んでおり、炎上もこの現れの一種と言える[8]

国内外に関係なく、炎上と同様の事象が発生している。英語圏ではFlareと呼ばれ、炎が燃える様子を表す用語が用いられるなど、日本と共通している[9]弁護士小倉秀夫は、掲示板上で投稿が殺到することをフレーミング・炎上、ブログ上でコメントが殺到することをコメントスクラムと2つに分類している[10][11]。外部サイトである掲示板のコメントとブログのコメント欄のコメントを比較すると、前者は批判の対象となっている者が比較的無視しやすいのに対し、後者では私的領域にまで踏み込まれている印象を受けるため、無視するのが心理的に難しいという違いがある[12]
認知と状況

インターネット普及期の1980年代に、社会心理学では対面(英語版)場面とコンピュータを介したコミュニケーション場面の差異に着目したCMC(comuter-mediated communication)研究が始まった。炎上現象はCMC研究の初期の段階で観察されている[13]。実名主義のSNS以前のコンピュータを介したコミュニケーションを最も特徴づけていたものは利用者の匿名性であり、CMC研究では匿名性が集団に及ぼす影響について様々な側面で研究が行われた。

日本では、炎上はブログが一般に認知され始めた2004年頃から発生するようになった[14]。2005年1月頃に『朝日新聞』記者のブログが炎上した際、それに言及した山本一郎のブログで「炎上」という語が使用されており、小倉秀夫がコメントスクラムと呼んでいたものが炎上と呼ばれるようになっていった[15]。自身もブログ炎上経験を持つウェブコンサルタントの伊地知晋一によれば、炎上の発生件数は調査方法が確立されていないため、正確には不明であるとしながらも、おおよそ年間60 - 70件程度と述べている[14]。また、炎上の発生から終息までの期間は、2週間から6か月程度であるという[16]。ネット上では炎上中のブログを探して楽しむ「炎上ウォッチャー」と呼ばれる人がおり、炎上中のブログをまとめたウェブサイトも存在する[17]。外部リンクも参照。

Twitter上でも失言、なりすましなどに起因する炎上騒ぎが発生している[18]。ただ、Twitter上で特定個人への批判が殺到するような事例は、ブログや掲示板が舞台となる場合と比べると、炎上が起こっているということが閲覧者にとって直感的に把握できない造りになっている。Twitterの仕様上、当事者がつぶやく(記事投稿する)毎に記録が順次積み重ねられ、記録が流れて見つけにくいことが理由とされる。個別に参照するにしても検索機能を逐一利用する必要が生じるため[19]、見方を変えれば炎上を抑制する方向に設計されたアーキテクチャであるとも言える[20]
炎上の経過

炎上の発生から激化までの過程には、藤代裕之は、巨大な電子掲示板サイトやニュースサイトなどが一役買っていることが多いとして、これらをミドルメディアと名付けた。

前者は、ブログやSNSなどに書き込みが集まる中で大型掲示板に記事を投稿し、さらに多くの人の書き込みがそのブログやSNSなどに集中する。後者は、ブログやSNSなどで起こった小規模な炎上が、ネット上の様々な出来事を紹介する中規模なニュースサイトに掲載されて炎上が加速し、さらに大手メディアで紹介されることにより炎上の被害が拡大していく。例えばJ-CASTニュースは、ネット上の炎上事件を積極的に取り上げることから「炎上メディア」と呼ばれることがある[21]。この他、探偵ファイルガジェット通信Narinari.comトレビアンニュースといったニュースサイトや各種まとめサイトなどで、炎上の話題が取り上げられる[22]

この両者が複合して極めて大きな炎上に至る場合や、発火点がブログなどの書き込みではなく、現実世界での何らかの出来事から、大型掲示板やニュースサイトでの報道を経由する場合もある[23]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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