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「氷」という名称を持つ他の事項については「氷 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
海氷 氷は水よりも密度が低いため、内部に水を残したまま、表面から氷結する。滝が凍結したもの(シビレ山不動滝)。

氷(冰、こおり)とは、固体の状態にあるのこと。

なお、天文学では宇宙空間に存在する一酸化炭素二酸化炭素メタンなど水以外の低分子物質の固体をも氷(誤解を避けるためには「○○の氷」)と呼ぶこともある。また惑星科学では、天王星海王星の内部に存在する高温高密度の水やアンモニアの液体のことを氷と呼ぶことがある。さらに日常語でも、固体の二酸化炭素をドライアイスと呼ぶ。しかしこの記事では、水の固体を扱う。


目次

1 氷の特徴

2 氷の製造

3 氷の利用

3.1 食用

3.2 冷却用

3.3 その他


4 氷利用の歴史

4.1 函館氷

4.2 近年の需要動向


5 自然界の氷

5.1 大気中

5.2 地上

5.3 海上

5.4 地球外


6 相変化

7 参考文献

8 関連項目

9 外部リンク


氷の特徴熱い氷 図は縦軸に温度(摂氏と絶対温度)、横軸に圧力 (GPa) を取った。1 GPa は大気圧の1万倍である。例えば、10 GPa では数百度という高温の氷VIIが存在することが読み取れる。
結晶
無色透明で六方晶系結晶を持つ。融点は通常の気圧摂氏0度。ただし、圧力を変えることで相変化を起こし、結晶構造や物理的性質に差がある、さまざまな高圧相氷になることが知られている。この場合、我々が普段目にする「普通の」氷は「氷I」と呼ばれる。現在のところ、圧力が高い状態において氷IIから氷XVI(16)まで発見されている[1]。特に、きわめて高い圧力下では、水素結合が縮んで水分子の配列が変わる。このように様々なが存在することを多形という。

氷は特異的に凝固熱、融解熱が大きい。例えば融解するときに、潜熱として1キログラムあたり約 80 kcal (333.5 kJ) のを周囲から奪う。これは同量の水を0℃から80℃まで温めることができるほどの熱量である。雪を食べると体力を消耗するとして、寒地では(特に遭難時)禁忌とされている。また、氷は圧力により界面が融解する性質がある。これは後述する通り、氷が水に比べて密度が低いことに由来する。スケートスキーカーリングそりなどはこれらの性質を活かしている。
体積
通常気圧において凍る際は体積が約11分の1増加する。すなわち、比重が0.9168 と小さくなり、水に浮く。物質は温度が低くなるほど分子の振動が小さくなるため、通常であれば温度が低くなるほど密度は大きくなり、従って気相よりも液相のほうが密度が大きく、液相よりも固相のほうが密度が低い。このように固相の方が液相よりも密度が低い物質は非常に珍しい。これは液相の水分子が水素結合で強固に結びついており、固相の場合よりも分子間の距離が小さいことが原因である。また、密閉された状態で凍ると周囲の物質を押し出し、時に破壊する。例えば岩の隙間に水が入り込んで氷になると、岩を破壊する。冬季の寒冷地では水道管の破裂を防ぐため、夜間は水抜栓を用いて水を冷気の及ばない地中に落とし、凍結を防ぐ。清涼飲料水類の缶にも「凍らせないでください」という注意書きが書かれている。
不純物
液体が固体になるとき、溶解している物質は結晶構造に加わらずに濃縮される。冷蔵庫などで氷を作ると、内部に白く気泡が残されるのはこのためで、気泡中には、溶けていた空気二酸化炭素やその他不純物)が閉じ込められている。一方、透明な部分は不純物が少ない、純度が高い水になっている。透明な氷を作るためには、なるべく純粋な水をゆっくり凍らせる必要がある。一般に、一度煮沸して気体を追い出したり、大部分が凍結した段階で不純物が集まった水の部分を捨てるなどの方法が取られる(濃縮された方に用がある場合は、凍結濃縮法と呼ばれる)。
氷の製造「冷蔵庫」および「製氷」も参照

氷には河川や湖水の冬季に氷結した物を切り出して保存・利用する「天然氷」と機械によって製造される「人造氷」とがあり、長らく人類は天然氷のみを利用してきたが、19世紀、科学技術の発達により人造氷が現れると衛生面・コストの点で天然氷の利用は主流ではなくなった。

我々は打ち水をすれば気温が下がることを知っているが、これは水が気化する際に熱を奪う(気化熱)ことによって起こる。機械による製氷も気化熱による冷却と同様の原理が利用される。

1748年、手回し式の減圧装置を用いることによるジエチルエーテルの気化熱を利用した製氷をスコットランドウィリアム・カレンが行ったのが人造氷のはじまりとされる[2][3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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