検事総長
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検事総長(けんじそうちょう)は、最高検察庁の長として、検察官を始めとする全ての検察庁職員を指揮監督する国家公務員

また、外国の類似する役職名の訳語として用いられることもある。本稿では日本の検事総長について記述。
目次

1 地位

2 定年

3 職務

4 俸給

5 法務大臣による指揮権

6 沿革

7 歴代検事総長

8 参考文献

9 関連項目

10 外部リンク

11 脚注

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地位

検察官の職階の最上位。検察の公平性・中立性を保つため、検事総長は法務省特別の機関である検察庁の職員であるにもかかわらず特別な地位を与えられており、次長検事及び検事長とともに認証官とされている。その理由は、職務上対応する司法組織として最高裁判所判事高等裁判所長官が認証官なので、釣り合いを取ることである。

他の省庁では、事務次官が政治的任命職を除く職員(いわゆる事務方)のトップであることが多いが、法務省では事務次官は検事総長・次長検事・検事長に至る検察官の出世ルートの一通過点の位置付けとなっており、この序列は、検事総長・次長検事・検事長は認証官であるが、法務事務次官は認証官ではないこと等からも窺い知れる。

なお、検事総長の直近上位職は法務大臣であり、法務事務次官の直近上位職も法務大臣(及び法務副大臣)である。従って、検事総長、次長検事および検事長は法務事務次官より格上の地位にあるが、法務事務次官在任中は検察官の地位を失うので、法務事務次官の上司ではなく、担当する職務・役割も異なることから、法務事務次官はその所掌事務について検事総長、次長検事および検事長の指揮・監督・命令を受けることはない。
定年

検事総長の定年は、検察官は年齢が63歳に達したときに退官することになっているが、検事総長のみ65歳となっている(検察庁法第22条)。
職務

最高検察庁の長として庁務を掌理し、全国全ての検察庁の職員を指揮・監督する(検察庁法第7条第1項)。
俸給

検察官の俸給は、「検察官の俸給等に関する法律」に規定されている。同法別表によると、検事総長の俸給額は月額151万2000円であり、国務大臣会計検査院長人事院総裁と同額である。

以下は参考であるが、東京高等検察庁検事長の俸給額は月額134万1000円(副大臣等と大臣政務官等の中間程度の額)、次長検事及び検事長(東京高等検察庁検事長を除く)の俸給額は123万5000円(大臣政務官等と同額)である。なお、法務事務次官の俸給額は「一般職の職員の給与に関する法律」の別表第10に定める「指定職8号棒」により月額121万1000円であるため、検事総長、次長検事及び検事長の俸給の額は、法務事務次官の俸給の額を上回る。
法務大臣による指揮権

検察官はそれぞれが検察権を行使する独任官庁であるが、現行憲法上、検察権は行政権に属し、全体として統一されたものでなければならないことから、検察官は検事総長を頂点とした指揮命令系統となっている(検察官同一体の原則)。

検察官は、例外を除き起訴権限を独占する(国家訴追主義)という極めて強大な権限を有し、刑事司法に大きな影響を及ぼしているため、政治的な圧力を不当に受けないように、ある程度の独立性が認められている。端的なものが法務大臣による指揮権の制限である。検察庁は行政機関であり、その最高の長は法務大臣であるため、本来であれば当然に法務大臣が各検察官に対して指揮命令が出来るはずであるが、この指揮権については検察庁法により「検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」として、具体的事案については検事総長を通じてのみ指揮が出来るとした。法務大臣と検事総長の意見が対立した場合に問題となり、かつては法務大臣の指揮に従わないこともありうる旨を述べた検事総長もいて国会で問題とされたものの、法的には「法務大臣の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り違法なものでも服従する義務がある」とされ、その結果是非については、指揮権を発動した際の国民世論が決定することとなる。

検察庁法第14条(注1)により、個々の事件の取調又は処分について法務大臣は検事総長を指揮する権限を持つが、これが発動されたのは1954年(昭和29年)4月21日造船疑獄において犬養健法務大臣佐藤榮作自由党幹事長の収賄容疑の逮捕請求を無期限延期させた例のみとされている。1954年の指揮権発動では世論の批判を浴びた犬養法務大臣は辞職に追い込まれた。造船疑獄での指揮権発動以降、大臣と検事総長の間には常に緊張感が漂っているといわれていて、ある検事総長経験者は、もし、指揮権が発動されたら指揮には従わず、辞表を出す覚悟だったと証言している[1]

法務大臣の指揮権は民主主義的な支持基盤を持たない行政機関である検察が独善的な行動をとらないよう掣肘する目的も有しており、閣議決定による認証官人事及び法務大臣の人事権とあわせて行政機関の民主主義的コントロールを意味している

注1)

第14条 法務大臣は、検察庁法第4条(注2)及び第6条(注3)に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。

注2)

第4条 検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

注3)

第6条 検察官は、いかなる犯罪についても捜査をすることができる。

2 検察官と他の法令により捜査の職権を有する者との関係は、刑事訴訟法の定めるところによる。

沿革

明治8年1875年)6月7日:「大検事」岸良兼養(後に大審院長)を大審院詰とした。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Momi