条例
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

条例(じょうれい)は、

日本の現行法制において地方公共団体が国の法律とは別に定める自主法。本記事において解説する。

箇条形式の法令のこと(本来の語義)

日本でも大正ごろまでは、国の法令に条例と名づけることがあった[1]

航海条例のように海外の歴史的過去における国家法をしばしば条例の名を冠して呼ぶことがある。


目次

1 国内法体系上の位置付け

2 地方自治法の規定

2.1 制定

2.2 法律と条例の関係

2.3 条例で定めることができる罰則

2.4 条例で定めるもの


3 条例の限界

3.1 国の法令との抵触と要綱への依存

3.2 条例(例)(旧準則)への依拠

3.3 複数の条例間の対立

3.4 自治体における意識・体制

3.5 実効性の確保


4 地方分権改革推進会議での提言

5 地方自治行政における政策法務

6 例規集の公開

7 主な条例

7.1 主な条例(一例)

7.2 特色ある条例


8 脚注及び参照

9 関連項目

10 外部リンク

国内法体系上の位置付け

日本国憲法第94条《地方公共団体は、(中略)法律の範囲内で条例を制定することができる。》を根拠とし、地方自治法の規定に基づき制定される。

すなわち、条例は日本国憲法を頂点とする国内法体系の一部をなすものであり、かつ、法の形式的効力の意味において(単純な上下関係ではないが)、国法に違反できないものと位置付けられるものである。

条例を定める事については地方自治法第14条により、より具体的に定めがなされているが、この法律の範囲内でしか条例が制定できない事が定められており、これにより法的効力の順位付けについての矛盾・混乱が発生しないようになっている。ただし、国法令に違反するかどうかは、条例の目的や国法令との関係などによって総合的に判断され、法令の規定を上回る条例を違法でないとする判例も多く出されている(徳島市公安条例事件など)。裁判所でない者が判断できるものではない。
地方自治法の規定
制定

条例の制定・改廃の議決は、議会の出席議員の過半数で決定される。

普通地方公共団体の議会の議長は、条例の制定又は改廃の議決があつたときは、その日から3日以内にこれを当該普通地方公共団体の長に送付しなければならない(地方自治法16条第1項、以下条数のみ記載。)。

普通地方公共団体の長は、議長より条例の送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、その日から20日以内にこれを公布しなければならない(16条第2項)。

条例は、条例に特別の定があるものを除く外、公布の日から起算して10日を経過した日から、これを施行する(16条第3項)。
直接請求

選挙権[2]を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く)の制定又は改廃の直接請求をすることができる(74条)。

請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない(74条2項)。

普通地方公共団体の長は、直接請求を受理した日から20日以内に議会を招集し、意見を附けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない(74条3項)。

条例の制定又は改廃の請求者の代表者は、条例の制定又は改廃の請求者の署名簿を市町村の選挙管理委員会に提出してこれに署名し印をおした者が選挙人名簿に登録された者であることの証明を求めなければならない(74条の2)。
長の拒否権

制定又は改廃の議決があつたときでも、長が公布せず10日以内に理由を示してこれを再議に付す場合は、議会で改めて2/3以上の賛成を以って再可決しなければ廃案になる(176条第1項)。

首長は再可決された条例案が法律と矛盾すると考えるとき、市区町村の場合は知事に、都道府県の場合は総務大臣に審査を申し立てることができる。審査者が法律との矛盾を認めた場合、条例案を再可決した議決は取り消される。首長または議会は、審査結果に不服がある場合は裁判所に訴えることができる(176条第5・6・7項)。
専決処分

議会が成立しないとき等は、普通地方公共団体の長は、その議決すべき条例を専決処分することができる(179条)。
法律と条例の関係

先に述べたとおり条例は法律の範囲内において制定することが憲法に定められており、これに加え14条第1項により、条例は法令に反してはならない。
また、地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。また、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない(2条16項)。

国の法令が全く規制していない領域 :条例で任意の規制ができる

既に国の法令が規制をしている領域

法令の執行を妨げるとき :条例による規制はできない

法令の規制とは別目的の規制 :条例による規制ができる

法令の規制と同一目的の規制

法令が全国一律の均一的な規制をしているとき :条例による規制はできない ⇒工作物除却命令無効確認(最高裁判例 昭和53年12月21日)条例において、河川法が適用河川又は準用河川について定めるところ以上に強力な河川管理の定めをすることは、同法に違反し、許されない。

法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるとき :条例による規制ができる徳島市公安条例事件(最高裁判例 昭和50年9月10日)



条例で定めることができる罰則

 条例により課せられる罰則は、地方自治法14条第3項の規定により、2年以下の懲役禁錮、100万円以下の罰金拘留科料もしくは没収(以上刑罰)又は5万円以下の過料に制限されている[3]

 刑罰を定めるには、法律の授権が相当程度に具体的であり、限定されていることが必要である(最高裁判例[4])。

 刑罰を盛り込む条例を制定する場合は、あらかじめ検察官(地方検察庁)との協議を行うことが慣例となっている。これは、検察官のみが刑罰の起訴ができる権限がある(刑事訴訟法第247条)ため、協議せずに条例制定をし、条文の不備等で起訴できないことになれば、刑罰を盛り込む意味がなくなってしまうためである。

 なお、刑罰とは刑法第9条の罪(上記のうち、過料以外)を意味し、条例で定めることができる罰則のうち、過料のみが刑罰以外=検察協議不要で、地方自治体の長が不利益処分の形で適用できる(地方自治法第149条ほか)。
条例で定めるもの

都道府県庁の位置(4条)

定例会の回数(102条)

副知事及び副市町村長の定数(161条)

職員の定数(172条)

地域自治区の設置(202条の4)

分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項(228条)

公の施設の設置、管理及び廃止(244条の2)

知事の事務の市町村への委任(252条の17の2)

条例の限界
国の法令との抵触と要綱への依存

前述のとおり、既に国の法令で規制されている領域においては条例の制定がかなりの程度で制限され、かつ国の法令の規制が及ぶ範囲は相当に広範かつ詳細にわたることから、地方自治体が独自の観点で条例により規制を行うことができる分野は限られたものとなっており、地方行政のいずれの分野においても、その根幹は国政での立法によって規定・規制されている[5]

また、条例の制定により国の法令との抵触が生じることを回避するため、条例とは異なり法的な位置付けがない要綱を定め、任意の協力を前提とした行政指導を行うことによって行政上の所定の目的を達しようとする手法が、多くの自治体で用いられている。しかしながら、要綱は何ら法的根拠を伴うものではないことから、それに違反する者に対して強制力を有しておらず、また行政指導に従わない者に対して水道の供給を停止することにより行政指導に事実上の強制力を持たせようとして裁判になった事例において、自治体が敗訴する(最高裁平成元年11月8日第二小法廷決定)など、今日では要綱による行政には一定の限界があることが認識されるに至っている。
条例(例)(旧準則)への依拠

現在地方自治体で制定されている条例の多くは、国の法令により委任されている事項を定めたものもあり、またその条例の内容も国や都道府県が参考のために提示した条例(例)(昔で言う準則)あるいはモデル条例と呼ばれる雛形に沿って制定されることが多い。これらは、人員・能力の点から条例制定への対応に困難が伴う自治体にとっては有用である半面、雛形であるがゆえにその内容はニュートラルなものであり、これに依拠する限り個別的な地域のニーズに対応した条例の制定は困難となる側面がある。なお、国等が示す条例(例)(旧準則)には、地方自治体への法的拘束力はない。
複数の条例間の対立

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