恒星
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恒星

恒星(こうせい)は、自らを発し、その質量がもたらす重力による収縮に反する圧力を内部に持ち支える、ガス体の天体の総称である[1]人類が住む地球から一番近い恒星は、太陽系唯一の恒星である太陽である[2]
目次

1 定義

2 語源

3 観測

3.1 名称

3.2 固有運動

3.3 明るさ


4 性質

5 形成と進化

6 主な恒星

7 観測

7.1 距離と明るさ

7.2 恒星の分光

7.3 色

7.4 ヘルツシュプルング・ラッセル図

7.5 X線


8 参考文献

9 脚注

9.1 注釈

9.2 脚注


10 関連項目

定義

理想気体状態方程式が示す通り、ガス体の天体は重力に対抗するために内部が高温・高圧にならなければならない。しかし、その一方で宇宙空間温度は3Kに過ぎず、必ずエネルギーが全方位に流れ出ることになる。これが恒星が輝く理由であり、そのためにエネルギーを供給する源が必要になる[1]

そのエネルギー源は誕生直後の恒星では自己の重力収縮であるが、やがて水素原子核融合をエネルギー源とするようになり、一生のほとんどをその状態で過ごす[1]。重い恒星では、一生の終わり近くになると核融合する元素を水素からヘリウムへ変え、順次原子番号の大きな元素を使うようになり、その過程で収縮と膨張を繰り返す[3]
語源

「恒星(: asteres aplanis)」という言葉は、英語「fixed star」の和訳であり、地球から肉眼で見た際に太陽または太陽系の惑星に見られるような動きを見せず、天球に恒常的に固定された星々という意味で名づけられた[4]。これに対し、天球上を移動していく星のことを「さまよう人」という意味で「惑星」と名づけられたといわれる[5]。恒星はこのような性質から、古代の人々は恒星の配置に星座を見出してきた[4]
観測
名称

比較的明るい恒星は、固有名がつけられたが地方によって名称はさまざまだった。星表が作られるようになると、代表的な星表につけられた名前が次第に使われるようになった。現在は、プトレマイオスがまとめた星表の名称が多く使われる。ギリシャ神話に由来する名称が多いが、アラビア語のものもある。これはプトレマイオスの著書がアラビア語に訳され、そこから広まったと考えられている。

それほど明るくない恒星は、主にヨハン・バイエルのバイエル星表に記載された記号で呼ばれる。これはバイエル記号と呼ばれる。星座ごとに明るい順にα星、β星とギリシャ語の記号をつけるもので、足りなくなると小文字のローマ字のアルファベットが、それでも足りないとローマ字の大文字が使われた。バイエルの死後、星座の境界が変更されたため、たとえばα星がない星座などが存在する。また、必ずしも明るい順につけられているわけでもない。具体的には、ギリシャ語のアルファベットと星座名をあわせ、「こと座 α星」などと呼ぶ。国際的にはラテン語を使い、α Lyraeと書く。このとき星座名は属格に活用変化させる。3文字の略符を使い、α Lyr と書いてもよい。4文字の略符もあるが全く使われない。バイエルは混乱を防ぐため、たとえばローマ文字のa星を作らなかった。また、最も星の多い星座でも、Q星までしかつけなかったため、R以降の文字は、変光星などの特殊な天体につけられる。

これよりさらに暗い星は、ジョン・フラムスティードの星表に記されたフラムスティード番号で呼ばれる。恒星を西から順に1番星、2番星と数字の符号をつけるものである。ただし、フラムスティード番号は、南天の星座にはつけられていないなどの弱点がある。フラムスティード番号で、上記のこと座α星を表すと、こと座3番星(3 Lyrae、または 3 Lyr)となる。この番号は、フラムスティードの望遠鏡で見たところ、こと座で西端から3番目にあった星ということになる。

よく、バイエルが命名しなかった暗い星に順番に番号が振られたといわれることがあるが、誤りである。たとえば、オリオン座α星(ベテルギウス)は、フラムスティード番号ではオリオン座58番星となる。多くの恒星が、両者によって命名がされている。ただし、現在はバイエル符号が主に使われ、フラムスティード番号は主にバイエル名のついていない星に使われる。これよりもさらに暗い星は、さらにそののちに決定された星表(HDなど)でつけられた番号や記号で呼ばれる。
固有運動

太陽系内の惑星は地球との距離が近く、互いの公転による見かけ上の位置変化が大きい。そのため、季節毎で天球上の場所が大きく変わる。しかし、他の恒星の見かけ上の位置変化(固有運動)ほとんど変化しないように見える[6]。これは、太陽以外の恒星は地球から数光年以上の離れた場所にあるためである[4]

しかし、恒星は天球上で完全に静止しているわけではなく、僅かに固有運動を持つ[4]。明るい恒星では年間0.1秒角以下の固有運動を持つが、太陽に近い星はより速く動き、これらは高速度星と呼ばれる。その中でもバーナード星(HIP87937) は10.36秒角/年の速度で移動し、100年間で満月半径にほぼ相当する17.2分角を移動する[6]

そのため、特に注意を払っていなければ数十年から数百年程度の時間では肉眼で変化を確認することは難しい。恒星たちは、地球の自転によって互いの位置関係を保ったまま天球上を回転しているように見える。
明るさ

見かけの等級別の星の数見かけの
等級星の 
 個数
[7]
-12
07
112
267
3190
4710
52,000
65,600
716,000

恒星の見かけの明るさは様々である。太陽を除き、最も明るく見える恒星はシリウスおおいぬ座α星)、次いでカノープスりゅうこつ座α星)である。しかしこのような視認できる明るさは、恒星本来の明るさとは異なり、単位面積の光量は距離の2乗に逆比例して少なくなる[8]

この見かけの明るさは視等級や写真等級で表される。視等級mは、こと座α星が0(ゼロ)等級になる様に定数Cを定め、地球上の単位面積あたりに届く光の強度Iから、

m = -2.5 log I + C

で表される[9]。2つの恒星の等級差は、

m1 - m2 = -2.5 log ( I1/I2)

で表され、これをボグソンの式という[9]
性質

恒星は水素ヘリウムを主な成分としたガスの塊である。恒星の中心部では、原子核融合によりエネルギーが生み出されており、中心から表層へかけて密度温度が次第に減少する構造になっている。これによって恒星の内部には圧力差が発生し、多くの場合は自己の重力による圧縮との釣り合いが保たれている。また、熱エネルギーは高温部から低温部へ移動するため、中心部で発生した熱は放射対流によって表層へ向けて運ばれ、最終的には光エネルギーとして宇宙空間に放出される[10]

恒星は惑星と比べて質量が大きく表面温度も高い。人類にとって最も身近な恒星である太陽は、地球の33万倍の質量と109倍の半径、5780K(5510℃)の表面温度を持つ[11]。太陽系最大の惑星である木星と太陽を比べても、質量は1000倍、半径は10倍の差がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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