後天性免疫不全症候群
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後天性免疫不全症候群
(エイズ)

分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
感染症内科学[*]
ICD-10B24
ICD-9-CM042
DiseasesDB5938
MedlinePlus000594
eMedicine ⇒emerg/253
Patient UK ⇒後天性免疫不全症候群
MeSHD000163

世界の疾病負荷(WHO, 2004年)[1]疾患DALY
(100万)割合
(%)
1下気道感染症94.56.2%
2下痢性疾患72.84.8%
3大うつ病65.54.3%
4虚血性心疾患62.64.1%
5HIV / AIDS58.53.8%
6脳血管疾患46.63.1%
7未熟児、低出生体重44.32.9%
8出生時仮死出生外傷41.72.7%
9交通事故41.22.7%
10新生児の感染症など40.42.7%
11結核34.22.2%
12マラリア34.02.2%
13COPD30.22.0%
14屈折異常27.71.8%
15成人発症性の難聴27.41.8%
16先天異常25.31.7%
17アルコール使用障害23.71.6%
18他傷による怪我21.71.4%
19糖尿病19.71.3%
20自傷行為怪我19.61.3%

後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん、英語: Acquired immune deficiency syndrome, AIDS(エイズ))は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす疾患[2]。照屋勝治はエイズを慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」としている[3]性感染症の一つ。

感染から2-4週で、無症候(症状がない)や、インフルエンザ様の症状などを起こしてから、5年から10年の症状のない潜伏期間に入る。後に風邪によく似た症状や、全身の脂漏性皮膚炎を呈し、その後、多くの感染症にかかるようになる。主な感染経路は、コンドームを用いない性行為のほか、注射器の打ちまわしといった血液感染や、母子感染が主である。感染しているかの検査には血液検査が用いられる。

治療には抗HIV薬を用いたHAART療法が用いられるが、完治は困難で薬の服用が継続される。一方で、平均余命は治療により非感染者とほぼ同水準まで延長されているとする研究も報告されている。
目次

1 臨床像

1.1 急性感染期

1.2 無症候期

1.3 発病期


2 感染経路

2.1 性的感染

2.2 血液感染

2.3 母子感染


3 病原体

4 診断

4.1 検査機関

4.2 種類

4.3 方法

4.4 献血における検査


5 治療

5.1 ガイドライン

5.2 治療開始

5.3 治療薬

5.4 治療方法


6 予後

7 疫学

7.1 世界

7.2 アフリカ

7.3 日本


8 歴史

9 出典

10 出典

11 関連項目

12 外部リンク

臨床像

照屋勝治によると、エイズは単なる細胞免疫不全疾患ではなく、慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」としている。免疫力低下に伴い日和見感染を生じるほかHIVへの感染自体が、血管内皮障害の原因となり脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)や心血管疾患(心筋梗塞など)のリスクを上昇するとされる[3]
急性感染期

HIVの初期感染像はCDC分類では以下がある。いずれも感染後2-4週で起こるといわれ、多くの場合、数日 - 10週間程度で症状は軽くなり、長期の無症候性感染期に入るため、感染には気付きにくい。

急性感染 (Acute seroconversion) - 伝染性単核球症様あるいはインフルエンザ様症状

無症候性感染

持続性全身性リンパ節腫脹 (PGL)

その他の疾患合併

上記以外にも、突然の全身性の斑状丘疹状の発疹(maculopapular rash)や、ウイルス量が急激に増加し重症化する例では、多発性神経炎、無菌性髄膜炎脳炎症状などの急性症状を示す場合もある。しかしながら、これらの症状はHIV感染症特有のものではなく、他の感染症や疾病においても起こりうる症状であることから、症状だけで判断することは困難である。

感染後、数週間から1か月程度で抗体が産生され、ウイルス濃度は激減する。一般のHIV感染検査はこの産生される抗体の有無を検査するため、感染後数週間、人によっては1か月程度経過してからでないと十分な抗体が測定されないため、検査結果が陰性となる場合がある(ウインドウ期間)。詳細は「後天性免疫不全症候群#検査」および「検査」を参照
無症候期

多くの人は急性感染期を過ぎて症状が軽快し、概ね5年から10年は無症状であるが、体内でHIVが盛んに増殖を繰り返す。また、免疫担当細胞であるCD4陽性T細胞がそれに見合うだけ作られ、ウイルスがCD4陽性T細胞に感染し破壊するプロセスが繰り返されるため、見かけ上の血中ウイルス濃度が低く抑えられているという動的な平衡状態にある。無症候期を通じてCD4陽性T細胞数は徐々に減少していってしまう。無症候期にある感染者は無症候性キャリア(AC)とも呼ばれる。

またこの期間に、自己免疫性疾患に似た症状を呈することが多いことも報告されている。他にも帯状疱疹を繰り返し発症する場合も多い。
発病期

血液中のCD4陽性T細胞がある程度まで減少していくと、身体的に免疫力低下症状を呈するようになる。

多くの場合、最初は全身倦怠感、体重の急激な減少、慢性的な下痢、極度の過労、帯状疱疹、過呼吸めまい、発疹、口内炎、発熱、喉炎症、咳など、風邪によく似た症状のエイズ関連症状を呈する。また、顔面から全身にかけての脂漏性皮膚炎などもこの時期に見られる。大抵これらの症状によって医療機関を訪れ、検査結果からHIV感染が判明してくる。

その後、免疫担当細胞であるCD4陽性T細胞の減少と同時に、普通の人間生活ではかからないような多くの日和見感染を生じ、ニューモシスチス肺炎カポジ肉腫悪性リンパ腫皮膚がんなどの悪性腫瘍サイトメガロウイルスによる身体の異常等、生命に危険が及ぶ症状を呈してくる。


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