墜落
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航空事故(こうくうじこ)とは、航空機の運航中に起きる事故である。
目次

1 概要

2 リスク

3 事故の原因

4 事故調査

4.1 アメリカ合衆国

4.2 日本


5 航空事故の再現実験

6 航空事故の一覧

7 航空事故を扱った作品

8 脚注

9 関連項目

10 外部リンク

概要 墜落したトルコ航空1951便の機体 エル・アル航空1862便の墜落現場

重大事故の形態としては、以下のような形が挙げられる。
墜落
飛行中に何らかの事情が発生し、航空機が地上もしくは水上へ落下する事象の総称。以下で述べる空中分解するケースと、原型を保って墜落するケースがある。
空中分解
飛行中に気象、災害、武器攻撃などの外的要因、機体構造の欠陥など内的要因から、構造破壊によって航空機が空中で分解する現象。生存は絶望的なケースが大半。
不時着・胴体着陸
空港やそれ以外の場所に緊急着陸するケース。主な要因として、降着装置(ランディングギア)が降りなかったり、燃料が尽きたり、時には操縦系統が全滅したり屋根が吹き飛んだりしながらも無事に着陸できたケースと、着陸態勢は取れたが場所が不適当だったために機体が破損したというケースに分かれる。墜落に比べると衝撃をコントロールできているため、生存率は高い。
オーバーラン
着陸の際に制動距離が滑走路を逸脱するケース。着陸失敗事故の大半を占める。地上で起きるので生存率は高いが、燃料の炎上や水没などで多数の死者が出たケースもある。
離陸失敗
離陸中滑走路で野鳥群に遭遇したり、離陸直後の上昇中に気象、機器などに起因発生するケース。
火災
飛行中あるいは地上にいる際に何らかの原因で火災が発生する事故。
衝突
空中衝突して墜落するケースと地上(山岳)に衝突するケースがある。多くのケースで、墜落して多数の死者を出している。
地上衝突
混雑した空港で滑走路や誘導路上に航空機同士で接触や衝突するケース。
テロリズム
ハイジャックなどで人為的に発生するケース。

事故といっても、乗客・乗員が無事に生還できるケースから全滅するケースまでさまざまである。

航空会社にとっては一度の事故が航空会社全体の信頼や存亡に関わる事態に発展することがあり、また、事故の原因が航空機の欠陥によるものであることが明らかになった場合、当該の航空機メーカーや業界全体の信頼問題となりうる場合がある(コメット連続墜落事故など)。

このため航空産業発足の当初から、航空事故に対してはその原因究明と対策に全力が注がれてきた。事故で判明したことや得られた情報は、同様の事故が再発しないよう以後の航空機の設計や運用に生かされている。
リスク トロントのピアソン空港の滑走路先に横たわるエアバスA340の焼けただれた残骸(詳細は「エールフランス358便事故」を参照)

アメリカ国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%となる。

アメリカ国内において自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.03%なので、その33分の1以下の確率ということになる。これは8200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかという確率である。これが「航空機は最も安全な交通手段」という説の根拠となっている。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカ人の多くが民間航空機による移動を避けて自家用車による移動を選択したために、同年の10月から12月までのアメリカにおける自動車事故による死者の数は前年比で約1,000人増加した。

航空事故を引き起こすリスクの多寡は航空会社やその運航地域によって異なり、一般に先進国では低く、発展途上国では高い傾向が見られる[1]

ドイツの航空業界専門誌『アエロ・インターナショナル』(AI) が2005年3月号の誌上で発表したリストによれば、ジェット機の死亡事故を起こしていないカンタス航空 が“世界で最も安全な航空会社”とされた。2位にはフィンランド航空が続き、アジアの航空会社ではキャセイパシフィック航空が3位、全日本空輸が4位に、エバー航空が9位に入っている。一方“安全性が最下位”との結果が出たのはトルコ航空で、その後はエジプト航空エア・インディアチャイナエアラインと続く。

航空事故はさまざまな要因が複合して事故に至るものであり、多くの航空機や人命を失った航空会社に安全性の問題があるとは必ずしも言い切れない。たとえば一機の事故としては史上最多の死者を出した日本航空123便墜落事故の場合、その原因は過去に製造元が機体に施した修理のミスだったとされる(異論も存在、当該項を参照の事)。また、アメリカ同時多発テロ事件においてはハイジャックにより4機が犠牲になった。
事故の原因 機械的故障のため前輪が横向きに固定されてしまい、緊急着陸を決行するエアバスA320(詳細は「ジェットブルー航空292便緊急着陸事故」を参照) 部品脱落のため燃料タンクが破損し機体火災を起こしたボーイング737-800(詳細は「チャイナエアライン120便炎上事故」を参照) 製造段階から部品が欠落していたため、車輪が出なくなり胴体着陸を余儀なくされたボンバルディア Q400(詳細は「全日空機高知空港胴体着陸事故」を参照)

航空事故のおよそ8割は、機が離陸・上昇を行う際と進入・着陸を行う際の短い時間帯に起こっている。このなかでも離陸後の3分間と着陸前の8分間の「クリティカル・イレブン・ミニッツ (魔の11分)」と呼ばれる時間帯に事故は集中している。巡航中に発生する事故も少なくはない。事故原因の大半は人為的なミス(操縦ミス、判断ミス、故意の操作ミス、定められた手順の不履行、正しくない地理情報に基づいた飛行、飲酒等の過失など)、または機械的故障(構造的欠陥、不良製造、不良整備、老朽化など)に端を発するものとなっている。

航空事故を専門に追跡する planecrashinfo.com が1950年から2004年までに起った民間航空事故2147件をもとに作った統計[2]によると、事故原因の内訳は以下の通りとなっている。

37% - 操縦ミス

33% - 原因不明

13% - 機械的故障

7% - 天候

5% - 破壊行為(爆破、ハイジャック、撃墜など)

4% - 操縦以外の人為的ミス(不適切な航空管制・荷積・機体整備、燃料汚濁、言語、意思疎通の不良、操縦士間の人間関係など)

1% - その他

またボーイング社が行っている航空事故の継続調査[3]によると、1996年から2005年までに起こった民間航空機全損事故183件のうち、原因が判明している134件についての内訳は以下の通りとなっている。

55% - 操縦ミス

17% - 機械的故障

13% - 天候

7% - その他

5% - 不適切な航空管制

3% - 不適切な機体整備

操縦ミスは依然として航空事故原因のほぼ半数を占めているが、この数字は1988年?1997年期には70%もあり、過去20年間に着実に改善されてきたことが分かる。
事故調査 AA191便墜落事故で残骸を調査する事故調査官 NTSBによるTWA800便墜落事故では海底から機体残骸破片の大部分を回収して機体を組み立て直した

航空機事故の再発防止のためには、徹底した原因究明が欠かせない。事故によっては、数年の歳月と巨額の資金を費やしてまで「なぜ」が追及される。

中立な立場からの事故調査を徹底するため、多くの国家では専門の事故調査機関を設置している。

調査官は残骸の散乱した現場を歩き回り、証拠品を回収することから『Tin Kincer』とも呼ばれる[4]
アメリカ合衆国

そうした中でもアメリカ国家運輸安全委員会 (NTSB) は、長年の経験と深い専門知識から航空事故調査の権威として位置づけられており、各国の事故調査や航空行政に対しても大きな影響力を持つ存在となっている。


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