医療
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医療(いりょう、英語: health care、medical care)とは、人間健康の維持、回復、促進などを目的とした諸活動について用いられる広範な意味を持った語である。広義の類語はヘルスケア保健
目次

1 概説

2 医療の大分類

2.1 補完・代替医療の時代


3 医療の再設定

4 医療への批判

5 医療のデリバリ

5.1 プライマリケア

5.2 二次医療

5.3 三次医療

5.4 在宅・地域医療

5.5 パフォーマンス評価


6 関係する領域

6.1 医療制度

6.2 医療従事者

6.3 医療経済学

6.4 健康情報学


7 医療の下位分類

8 脚注

9 出典

10 参考文献

11 関連項目

12 外部リンク

概説

「生物医学(biomedicine)的な根拠にのっとった近代医療のみを医療と見なす」という立場と、多元的医療システム観に基づき「その社会の一定程度の人に支持された、形式化された〈治療健康〉をめぐる社会文化的行為」とする立場に大きくわかれている[1]と黒田浩一郎は述べた。「補完医療」「代替医療」「伝統医療」という医療もあり、[2]それらを総合したものは「統合医療」という呼称で呼ばれている。
医療の大分類

医療人類学者のアーサー・クラインマンは、医療は様々なセクターで行われている、として、公的機関などに認定された通常医療(制度医療)や伝統医などによる専門職セクターだけでなく、宗教や伝統などに基づいた民俗セクター、家庭内などの民間セクターでも様々な医療が行われているとしている[3]

上記の医療現場による分類だけでなく、一方で病因論身体論の体系に分類の根拠を求める場合がある。

近代医療は、強く制度化されていることもあり、あたかも一枚岩の単一な医療であるという認識が持たれることもあるが、多様な理論の複合体であり、個々の医療従事者による実践も多様性に富んでいる[2]

近年、通常医療の代わりの医療という意味で「代替医療」、一方で通常医療を補完する医療という意味で「補完医療」という言葉が使われるようになっており[4]、これらは『補完・代替医療』と呼ばれることも多い。そこには伝統医学から民間療法、宗教的実践まで様々な療法が含まれている。補完・代替医療は生命自然治癒力を活性化させることを目的とし、得意としている、とアンドルー・ワイルは説明している[5]。なお「代替医療」という呼称については、「日本では東洋医学が主流医学であるので、この欧米式の表現は日本の状況には馴染まない[6]」と指摘する人もいる。東アジア諸国では伝統中国医学(東洋医学)を源流と持つ漢方医学や、韓医などの医師が公的に認知された専門職セクターとして受容されており、西洋医療と比較的良好な関係を持っている[7]。また、欧米においても(後述するように)利用頻度が逆転した状況が続いており、「[要出典]将来的には、西洋医学に “通常医療”という表現を当てることが、状況にそぐわないものと見なされる可能性がある」と言われることがある。、

医療のセクター区分・分類と、それぞれの場において行われる医療行為が、実際に治療効果があるかどうかは別の問題である。通常医療でさえ根拠に基づく医療(EBM)は半分以下しか行われておらず[8]、(特に日本などでは、EBMに必要な大規模調査がそもそもあまり実施されておらず[9])、実は医局や病院の慣習などといった怪しげなものに支えられており、ある分野の治療法群に対してようやくEBMの調査が行われると、多くの場合、長年医師らによって良いと信じられて用いられてきた“治療方法”(=医師が治療だと信じたがっていた何らかの行為)が、統計的に見れば害する割合のほうが大きいとか、そこまでひどくなくても、実はプラシーボ効果以上の効果は無かった、などと判明することがしばしばである。

通常医療(西洋医学)は、自然治癒力を活性化させることを最も苦手としている[5]アンドルー・ワイルは指摘した。通常医療において使われている概念はせいぜい「免疫」や「恒常性」であり、ふつう医学事典に「自然治癒力」という項目は存在しない[10]といったことは定方昭夫の文献でも指摘されている。 さらに言えば『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の記事でフランツ・インゲルフィンガーが「医師がかかわった病気のうち85%は、“自己完結的”(実は医師が関わらなくても、自然に治癒してしまうもの)である」と記しているように[11]、(西洋医学では言語化自体ができないでいるが)実際には人体には明らかに「治癒系」と呼べるものが存在している、と指摘されている[11]。結局、西洋医学は「循環系」や「消化系」や「神経系」などの系については理解してそれを言語化できているにもかかわらず[11]、その同じ西洋医学が、治癒系については全然理解しておらず[11]、概念化・言語化すらできていない、ということなのである[11]。例えば医学事典でも「治癒系」という項目すら立てておらず[11]、西洋医学では医学校(医学部)の履修内容でも「解剖学」「内分泌学」「物理学」「化学」などの科目は存在するのに[11]、現に明らかに生体に備わり存在している、病気からの回復を実現しているしくみ(系・システム)について教える科目が最近までただのひとつも存在していなかった[11]と指摘されている。西洋医学の教育体系では、治癒系がひとつの統合されたシステムとして教えられていない[11]。治癒系のごく一部の機能が(例えば免疫などが)、バラバラの科目の中でバラバラに教えられているにすぎない、というおかしな教育体系になっている[11]と指摘されているのである。

なお民間セクターや家庭内の医療の場合は、そもそも網羅的統計資料に乏しくその治療実態はあまり明らかになっていない。あくまで網羅的ではなくて、そのごく一部だけを恣意的にピックアップし調べた研究にすぎず代替医療を網羅していない[12]が、著者が恣意的に選び調べた治療についてはほとんど効果が無いとの結論を得て[12]、それを一般化までして「代替医療には一部に効果が期待できるものもあるが、大半はプラシーボ効果以上の効果が期待できない[12]」とまで主張する本が出版され、それをきっかけにして代替医療のみならず医療全般に関する議論を呼んだ。
補完・代替医療の時代

1993年、アメリカ合衆国の人々が補完・代替医療に支払った費用は、西洋医学の病院に支払った費用を上回った[13][5]。つまり、アメリカ合衆国では、西洋医学の医療(過去となった「通常医療」)よりも、補完・代替医療のほうが好んで利用されている。また、時代を先導してゆく人たち[* 1]ほど、補完・代替医療を高く評価し、積極的に利用している[5]

人々は西洋医学を見限り代替医療に移ったといえるのではないか、と医師の帯津良一は述べた[14]。また、近年では補完・代替医療の存在感が増している[5]、とか脚光を浴びている[4]、と言われている。米国では最近では医師たちもおよそ半数が代替医療を支持しているという[14]


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