利根川
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観光 日光国立公園・国の名勝日本の滝百選に指定・選定された華厳滝大谷川)。 草津温泉の源泉である湯畑。上信越高原国立公園

利根川流域には自然公園が多く存在し、その中に山、湿原、峡谷、滝、湖沼などの景勝地温泉が存在する。また多くの文化財や観光地も存在する。これらの多くは先述した道路網や鉄道網の発達で首都圏からの交通アクセスも至便であることから、多くの観光客が訪問する。また河川施設や河川自体についても地域の観光資源や身近なレクリェーションスポットとして多くの市民に利用されている。

自然公園としては三国山脈、浅間山、草津白根山などを含んだ上信越高原国立公園、日光・鬼怒川を始めとした日光国立公園至仏山・片品川源流の尾瀬国立公園といった国立公園、妙義山・荒船山を中心とした妙義荒船佐久高原国定公園や筑波山・霞ヶ浦・水郷一帯を中心とした水郷筑波国定公園国定公園のほか、多くの県立自然公園が存在する。こうした自然公園内には多くの景勝地が存在するが、国の名勝日本の滝百選日本百名山に選定されたものも多い。国の名勝に指定されたものとして華厳滝と中禅寺湖、三波石峡(神流川)、吾妻峡(吾妻川)、吹割の滝(片品川)などが、日本の滝百選には華厳の滝・吹割の滝のほか霧降の滝、常布の滝、不動滝が、日本百名山には至仏山、谷川岳、平ヶ岳巻機山、男体山、日光白根山、皇海山武尊山、赤城山、草津白根山、四阿山、浅間山、筑波山が選定。国の天然記念物には十六島ホタルエビ発生地(千葉県)、三波石峡・三波川のサクラと吹割の滝(群馬県)などが指定され、浅間山熔岩樹型は国の特別天然記念物に指定されている[233]。この他の景勝地としては湿原では戦場ヶ原、鬼怒沼湿原、玉原湿原など、峡谷では照葉峡・諏訪峡・綾戸渓谷(利根川)、高津戸峡(渡良瀬川)、龍王峡瀬戸合峡(鬼怒川)など、湖沼では霞ヶ浦や中禅寺湖、榛名湖などがある。

利根川流域には温泉が多く湧出し、関東地方に存在する主要な温泉地の多くは利根川流域内に存在する。この中には伊香保温泉草津温泉鬼怒川温泉といった日本で知名度の高い温泉郷が存在するほか、宝川温泉水上温泉四万温泉猿ヶ京温泉、万座温泉、老神温泉、川原湯温泉、川治温泉湯西川温泉など多数の温泉がある。霧積温泉は映画『人間の証明』の舞台にもなった。しかし川原湯温泉については八ッ場ダム建設に伴い現在の温泉は完成後に水没することから、現在代替の源泉と温泉地整備が図られているが進捗は遅れている。また矢木沢ダム建設により湯の花温泉が水没。猿ヶ京温泉や老神温泉は相俣ダム・薗原ダム建設に伴って一部の旅館が移転し、温泉街の整備が行われた。景勝地・温泉以外の観光地としては草木湖畔のみどり市立富弘美術館碓氷峠鉄道文化むら日光江戸村東武ワールドスクウェア牛久大仏などがある。また夏には花火大会が流域の各所で行われ、冬には利根川上流域や鬼怒川上流域において多くのスキー場が営業する。

利根川流域にある文化財としてはユネスコ世界遺産に登録されている日光東照宮などの日光の社寺を始め、国の史跡重要文化財として丸沼ダム、碓氷第三橋梁などの碓氷鉄道施設遺産群(群馬県)、足尾銅山跡(栃木県)、横利根閘門(茨城県)、伊能忠敬旧宅(千葉県)が、特別史跡として日光杉並木街道、大谷磨崖仏、常陸国分寺跡・常陸国分尼寺跡などがある[234]。県の史跡としては埼玉県が最多で見沼通船堀遺跡・鷲宮神社寛保治水碑・栗橋関所跡・川俣関所跡・石田堤・忍城・伊奈忠次墓などがあり、この他田中正造旧宅・二宮尊徳墓(栃木県)、榊原康政画像と墓など4箇所(群馬県)、熊沢蕃山墓(茨城県)がある[233]

なお、河川開発により建設されたダムや河川敷についてであるが、ダムは矢木沢・奈良俣・相俣・下久保・草木の各ダム湖が所在自治体の推薦によりダム湖百選に財団法人ダム水源地環境整備センターより選定されている。川治ダムでは観光用の日本初国産水陸両用バスの運行が開始され鬼怒川地域の新たな観光スポットとなったほか[235]、毎年夏に矢木沢・奈良俣両ダムの試験放流が実施され多くの観光客が訪れるなど[236][注 41]観光資源として活用されている。また利根川中流・下流部の河川敷は広大であることから多くの流域住民が散歩やスポーツサイクリングなどに利用しており、ゴルフ場も多く存在する。利根川水系河川整備計画策定に当たり流域住民に行ったアンケートによれば河川敷の利用について様々な意見が出されたが、ラジコン飛行機の使用については愛好家が河川敷に専用の場所を設けるよう要望する一方でそれに反対する住民もいるほか、イヌの散歩による糞に対する苦情や水上オートバイ利用に対する苦情も多く出されており、河川をレクリェーションの場として整備する方針を掲げている国土交通省は対応に苦慮している[237]
民俗 手賀沼の河童像。 戸ヶ崎香取神社(三郷市)の三匹獅子舞。毎年7月に行われる。

利根川流域の民俗は、当然ながら水に関するものが多い。古くより暴れ川として洪水の被害を多くもたらした利根川の流域住民は、自己防衛として水塚と呼ばれる洪水を避けるための家屋を建てている。この家屋は利根川中流部の群馬県館林市・邑楽郡、栃木県足利市・栃木市、茨城県古河市、埼玉県加須市に集中して築造された[238]。水塚は納屋母屋よりも高い位置に造られ、『板倉町史』によれば概ね3 - 5mの盛土上に建てられている。これは谷田川堤防の高さとほぼ同一であり、非常用の備蓄食糧や農作業に必要な農具などを格納し洪水時には仏壇を避難させた[239]。また揚舟と呼ばれる小舟を軒下に吊るし、非常時には物資輸送や避難民救助に使用した。この水塚は木曽川水屋と同様の水防システムであり、加須市を中心に輪中も存在していた[240]。これらはカスリーン台風の際にも有効に機能している。

水害より流域を守るため水神に捧げる人身御供も行われていた。一例として埼玉県幸手市には「順禮(じゅんれい)供養塔」が建立されているが、これは利根川の洪水で堤防決壊寸前の所に偶然通りかかった母子連れの巡礼者が人柱として自ら川に入水し、洪水と堤防決壊を抑えた。このため住民がこの母子を供養し水防の守護神として祀るために建立したという伝承である[241]。利根川上流域や鬼怒川下流域では「川の流れは3流れれば水神様が清める」という信仰が伝わっており、湧水や沢、堰付近に水神を祀る水神宮が存在し、正月には供物を捧げたほか群馬県利根郡では「お茶祭り」という祭礼も行われた。弘法大師・空海の伝説も各所に残り、「弘法清水」・「弘法井戸」と呼ばれる湧水や井戸が利根川流域にも広く分布している[242]。群馬県邑楽郡板倉町にある雷電神社はを呼んで雨乞いをする習慣の中で、雷神を祀っている[243]


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