利根川
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水質

利根川水系の水質は、河川と湖沼で傾向に違いが見られている。また吾妻川といった自然由来の水質汚染もかつては問題とされていた。以下水質の動向について河川と湖沼を分けて詳述する。
河川の水質吾妻川中和事業についての詳細は品木ダムを参照。

利根川水系の河川における水質について、利根川本流は久喜市栗橋における計測で2009年(平成21年)の平均値で生物化学的酸素要求量 (BOD) が1.3mg/lとおおむね良好な水質が保たれている[193]。主要な支流では烏川、渡良瀬川、鬼怒川、小貝川、江戸川では利根川同様水質はおおむね良好な数値を維持しているが、都市部を流れる支流については水質が良いとは言いがたい。

利根川水系主要河川のBOD値 (mg/l) [193]河川観測地点BOD河川観測地点BOD河川観測地点BOD河川観測地点BOD
利根川上流群馬大橋0.9神流川神流川橋0.8鬼怒川中流川島橋0.7利根運河合流部8.7
利根川中流久喜市栗橋1.3渡良瀬川中流渡良瀬大橋1.7鬼怒川下流豊水橋1.2江戸川新葛飾橋1.7
利根川下流銚子大橋1.6渡良瀬川下流渡良瀬貯水池3.8小貝川文巻橋1.9中川飯塚橋3.4
烏川高崎市岩鼻1.6鬼怒川上流日光市川治0.7手賀川手賀沼水門5.2綾瀬川手代橋3.7
綾瀬川。往時より水質は改善したが未だ「日本一汚い川」の汚名を背負う。

特に中川と支流の綾瀬川については高度経済成長に伴う流域の都市化で、生活排水が流入。下水道整備も未熟だったこともあって急速に水質汚濁が進行した。両河川のBOD平均値は1989年(平成元年)時点において中川は7.3mg/l、綾瀬川に至っては17.8mg/lと「ドブ川」の体であり国土交通省が毎年発表する一級河川の水質現況においてワーストランキングで綾瀬川は1980年(昭和55年)から実に15年間「日本一汚い川」に名を連ねる不名誉な状況が継続していた[194]。このため埼玉県などの流域自治体において中川・綾瀬川浄化のための諸施策を講じた結果水質は著しく改善。2009年段階のBOD平均値は中川で3.0mg/l、綾瀬川で3.8mg/lと水質改善度は最も高かった。しかしワーストランキングからの脱却は果たせず、日本の主要な国土交通省管理(指定区間外)の一級河川165河川中で綾瀬川は日本一、中川は日本第2位の汚い川に位置している[195][注 29]

利根川水系全体を俯瞰した場合、BOD平均値が最も低い「清流」は神流川である[193]。一方最も汚染が激しいのは足利市を流れる渡良瀬川の支流、松田川の下流部でBOD平均値は15.0mg/lと都道府県管理(指定区間)を含む一級河川の中では日本一の汚染度であり、江戸川支流の真間川に注ぐ春木川 (10mg/l) と国分川 (9.2mg/l) はそれぞれワースト3位と4位の汚染度となっている[196]。なお、足尾鉱毒事件による重金属汚染が問題化した渡良瀬川については現在も継続的な水質調査が実施され、特に首都圏の水がめである草木ダムについては管理者の水資源機構が灌漑期(夏季)には毎日、非灌漑期(冬季)には毎週厳重な水質監視を続けている[197]。銅、砒素などを始めとする人体に影響を与える可能性のある化学物質については、銚子市を流れる高田川が化学肥料などの影響で硝酸性窒素の値が環境基準値を超過した以外は利根川水系で問題となる指標は検出されていない[196]。しかし2011年(平成23年)の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散で江戸川から取水している金町浄水場などから放射性ヨウ素が乳児摂取許容量を一時超過[198]、さらに印旛郡栄町の利根川河川敷においてセシウムが基準値を上回る計測値が検出されている[199]品木ダム(左)と上州湯の湖(湯川)。中和事業の要であり湖内で中和が促進される。

一方自然環境が原因の水質汚染も存在した。群馬県を流れる利根川の支流・吾妻川は流域に草津温泉万座温泉や硫黄鉱山が存在し、この一帯を水源に持つ万座川や白砂川といった吾妻川支流は河水の酸性度が高かった。特に白砂川支流の湯川は草津白根山を水源とすることからpHは平均1.8と希塩酸希硫酸並の酸性度であった[200]。こうした酸性河川が吾妻川に流入するため吾妻川の酸性度も高く、鉄は10日でほぼ溶解、コンクリートは30日で30%近く減量するなど河川工作物への影響も大きかった[201]。魚類は全く生息せず、農業用水にも不適で合流後の利根川の水質悪化も招き、「死の川」と形容されていた。このため群馬県は世界初の河川中和事業である吾妻川中和事業を1961年(昭和36年)より開始、湯川などに中和工場を建設して石灰を投入し下流の品木ダムで中和する対策を講じた。これにより吾妻川の酸性度は改善され、魚類も生息する河川へと蘇った[202]。中和事業は現在国土交通省による直轄事業となり、老朽化した施設の改築や万座ダムなどの万座川中和を含めた吾妻川上流総合開発事業が計画されているが、民主党鳩山由紀夫内閣によるダム事業見直しに伴い同事業は見直し対象となっている。

なお、利根大堰から取水される武蔵水路は荒川へと導水されるが、この利根川の河水を利用した隅田川の水質改善も行われた。1961年(昭和36年)当時の隅田川はBODが38mg/lと水質汚濁が激しくメタンガスも湧出する河川だったが、利根大堰建設における目的の一つとして隅田川浄化が挙げられ、利根川上流ダム群より利根大堰、武蔵水路を経由し秋ヶ瀬取水堰(荒川)で朝霞水路に導水された利根川の河水は新河岸川へ放流され、隅田川に導かれる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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