人工透析
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人工透析(じんこうとうせき)とは、医療行為(区分:処置)のひとつで、腎臓の機能を人工的に代替することである。単に透析(とうせき、英語: Dialysis, ダイアライシス)とも呼ばれる。

腎不全を患った患者が尿毒症になるのを防止するには、外的な手段で血液の「老廃物除去」「電解質維持」「水分量維持」を行う必要がある。

2017年11月現在で、日本に約32万人の透析患者がいる[1]
目次

1 慢性腎不全と透析

2 急性腎不全における透析導入

3 血液浄化療法の分類

3.1 血液透析 (Hemodialysis:HD)

3.2 腹膜透析 (Peritoneal Dialysis:PD)

3.3 血液濾過 (Hemofiltration:HF)

3.4 血液透析濾過 (Hemodiafiltration:HDF)

3.5 持続的血液透析濾過療法(continuous hemodiafiltration:CHDF)

3.6 アフェレーシス(apheresis)


4 腹膜透析と血液透析の違い

4.1 腹膜透析(特にCAPD)の流れ

4.2 血液透析の流れ


5 間欠的血液透析と持続的血液濾過療法

6 血液透析の維持と評価

6.1 血液回路

6.2 透析液供給装置

6.3 ダイアライザー

6.4 血液透析の評価

6.4.1 TACBUN

6.4.2 尿素除去率

6.4.3 標準化蛋白異化率(n-PCR)

6.4.4 標準化透析量

6.4.5 ドライウエイト(DW)

6.4.6 尿素以外の溶質

6.4.7 β2ミクログロブリン

6.4.8 PTHインタクト

6.4.9 HANP

6.4.10 胸部単純X線写真

6.4.11 心エコー



7 血液透析中の合併症

7.1 溶質の透析異常

7.1.1 再循環

7.1.2 不均衡症候群


7.2 溶液の透析異常

7.2.1 血圧低下


7.3 長期血液透析の合併症


8 透析患者の主な合併症

8.1 慢性腎不全の高血圧

8.2 透析患者の高血圧

8.3 透析患者の不快な症状


9 諸注意

10 出典

11 参考文献

12 外部リンク

慢性腎不全と透析

腎臓には糸球体濾過、尿細管の再吸収といった尿の生成、老廃物の排出、免疫内分泌代謝といった機能がある。免疫は細胞性免疫への関与が示唆されており、腎不全の患者では細胞性免疫の低下が認められる。また内分泌は傍糸球体装置によるレニンの分泌やエリスロポエチンの分泌、ビタミンDの活性化、キニンカリクレインプロスタグランディンの分泌などがある。

腎機能障害、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)ではこれらの機能が障害されていく。腎機能を示す指標として、尿検査による蛋白尿、血尿といった所見や、クレアチニンクリアランスを用いられる。採血検査では、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)値がある。クレアチニンは骨格筋由来の代謝産物であり、体格や運動量の影響を受ける。尿素窒素は蛋白質の代謝産物であり、感染症ステロイド、消化管出血や食事内容などに影響を受けるため、両者を見ながら腎機能を考えていく必要がある。一般にクレアチニンは2mg/dL以上になるとネフロンの数は正常の半分以下になっていると考えられる。クレアチニンが5?7 mg/dLあたりになると透析の導入が検討される。

慢性に進行した場合はクレアチニンクリアランスが10mL/minを切るまで通常の生活を送る上で自覚症状が乏しい場合も多く、倦怠感などで病院を訪れて血液検査を行って初めて腎臓がほとんど機能していないと知る事もある。

透析はクレアチニンクリアランスが10mL/分(非透析時も含めた時間平均値)の血液浄化能力しかないため、かなりの時間的制約があるにも関わらず活動、食事などに関しては慢性腎不全と同様に制限を加えなければならない治療法である。そのため、透析導入をできるだけ遅らせる治療がなされている。それが降圧薬による血圧コントロールや食事療法である。旧厚生省研究班の透析導入基準(案)によれば、臨床症状、腎機能(検査値)、日常生活障害度、年齢によって腎機能障害のスコア化を行い、60点以上となったら透析導入を行う、と定めている。ただし、基礎疾患が糖尿病である場合は60点に達していなくても透析導入に踏み切る場合がある。透析患者の予後は動脈硬化による心疾患が多いため、糖尿病がある場合は早期導入した方が動脈硬化の進行を食い止められる可能性が示唆されているが、まだ結論は得られていない。

透析には腹膜透析や血液透析などがある。近年の考え方ではPD firstという考え方が主流であり、患者の生活環境が許すのならまずは腹膜透析を行い(残腎機能が保てているなら)、4?5年したら血液透析に移行するのが最も良いとされている。あくまで残存腎機能が保てていることが前提であるため、血液透析回避目的で腹膜透析を継続することは避けるべきである。また、PD lastという考え方もあり、こちらは血液透析に耐えられない終末期医療において、腹膜透析を利用した最小限の腎機能代償を行い、生活レベルの改善を図るものである。なお、急性腎不全は病態が全く異なるため、上述とは全く異なる。
急性腎不全における透析導入

Cr7.0 mg/dL、BUN80mg/dLといった急性腎不全では透析導入となることが多い。多くの急性腎性腎不全は急性尿細管壊死であるため、透析導入にて合併症を回避し、乏尿期から利尿期に移行すれば数日で透析から離脱することができる。

しかし、多臓器不全の場合は十分な利尿が得られないことが多い。急性血液浄化療法、特に急性腎障害(AKI)でのCHDFの適応としては尿毒症の出現(心外膜炎、中枢神経症状、消化器症状)、うっ血性心不全、肺水腫の出現、保存的治療で管理不能な電解質異常(K>6.5mEq/L or Na>155mEq/L or Na<120mEq/L)、BUN>84 mg/dLの高度の高尿酸血症、pH<7.1の高度のアシデミア、乏尿、無尿(尿量<200mL/12hr)、高体温、透析可能な薬物による中毒などが知られているが十分なコンセンサスは得られていない。
血液浄化療法の分類 血液透析装置
血液透析 (Hemodialysis:HD)

患者に2本のカニューレを挿入し、血液を体外へ導出して限外濾過と溶質除去を行う。残腎機能によるが、基本的に週に3回(月水金または火木土)の通院が必要。毎分100?250mLという大きな血流量を得るため、維持透析患者では動脈静脈を体表近くで交通させた内シャントを作成し、ここにカニューレを穿刺する。シャントのない患者や緊急時には透析専用のアクセスカテーテルを右内頸静脈または鼡径静脈に挿入して血液透析を行う。

一般的には毎回4?5時間の透析をする必要がある。また、生体腎では週168時間かけておこなわれる体内浄化を、血液浄化療法では極短時間に行うため、急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少により不均衡症候群を生ずることもある。


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