人工衛星
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GPS衛星の軌道アニメーション

人工衛星(じんこうえいせい)とは、惑星、主に地球軌道上に存在し、具体的な目的を持つ人工天体。地球では、ある物体をロケットに載せて第一宇宙速度(理論上、海抜0 mでは約 7.9 km/s = 28,400 km/h[注 1])に加速させることで、地球の重力と重力から脱出しようとする遠心力とが釣り合い、その物体は地球周回軌道を回り続ける人工衛星となる[1]。ただし軌道上を周回し続けていても、目的を持たない使用済みロケットの残骸や人工衛星の破片などはスペースデブリとして区別される。また、惑星以外の軌道(月周回軌道太陽周回軌道)を周回する人工天体は宇宙探査機と呼ばれ、一般に区別される。

有人宇宙船宇宙ステーションスペースシャトルも人工衛星に含まれ、アメリカ航空宇宙局等の人工衛星軌道データに掲載もされるが、これらについて触れる際には人工衛星とは呼ばれないのが一般的である。

人類初の人工衛星は、1957年ソビエト連邦が打ち上げたスプートニク1号である。21世紀初頭までに、数千もの人工衛星が地球周回軌道に打ち上げられた。

人工衛星の用途は多岐にわたり、一般的なものは、軍事衛星偵察衛星通信衛星放送衛星地球観測衛星航行衛星気象衛星科学衛星アマチュア衛星などである。

人工衛星は地球を周回する軌道にあるものが大部分であるが、惑星探査目的で火星土星などの他の惑星の軌道上にも観測機がいくつか到達しており、各惑星の人工衛星となっている。これらは惑星の観測を行ったり、火星探査機などのように他惑星の表面に着陸した宇宙探査機からの各種観測データを地球まで中継送信している。
目次

1 歴史

1.1 構想

1.2 人工衛星の誕生


2 宇宙監視網

3 非軍事衛星業務

3.1 固定衛星サービス

3.2 モバイル衛星システム

3.3 科学観測衛星(営利・非営利)


4 人工衛星の分類

4.1 目的による分類

4.2 それ以外の分類

4.3 構想


5 軌道の種類

5.1 中心による分類

5.2 高度による分類

5.3 軌道傾斜角による分類

5.4 離心率による分類

5.5 周期性による分類

5.6 擬似軌道


6 人工衛星の構成

6.1 衛星バス部

6.1.1 TTC系

6.1.2 電源系

6.1.3 姿勢制御系

6.1.4 推進系

6.1.5 構体系

6.1.6 熱制御系


6.2 ミッション部

6.2.1 観測機器

6.2.2 トランスポンダ

6.2.3 アンテナ系


6.3 地上管制系


7 衛星の廃棄

8 人工衛星の軌道投入に成功した国・機関

9 民間団体による打ち上げ能力

10 国別の最初の人工衛星

10.1 計画中


11 衛星への攻撃

12 脚注

12.1 注釈

12.2 出典


13 関連項目

14 外部リンク

歴史
構想「宇宙開発」を参照

人工衛星がフィクション内で初めて描かれたのはエドワード・エヴァレット・ヘイル(英語版)の短編小説、『レンガの月(英語版)』である。この話はThe Atlantic Monthly にて1869年からシリーズ化された[2][3]。この概念が次に登場したのは1879年、ジュール・ヴェルヌの『インド王妃の遺産(英語版)』である。

1903年コンスタンチン・ツィオルコフスキーは「反作用利用装置による宇宙探検」(ロシア語: Исследование мировых пространств реактивными приборами)を出版。これは宇宙船を打ち上げるためのロケット工学に関する最初の学術論文だった。ツィオルコフスキーは地球の回る最小の軌道に求められる軌道速度を8km/sと計算し、液体燃料を使用した多段式ロケットならば達成可能であることを示した。また、彼は液体水素液体酸素の使用を提案した。

1928年、スロベニアのヘルマン・ポトチェニク(英語版)がThe Problem of Space Travel ? The Rocket Motor(ドイツ語: Das Problem der Befahrung des Weltraums ? der Raketen-Motor)を出版し、宇宙旅行と人間の永続的滞在性について述べた。彼は宇宙ステーションを発想し、ステーションの静止軌道計算を行った。彼はまた、人工衛星が平和的・軍事的に地上の観測に使用できることを詳細に記述し、宇宙空間の特殊な状態が科学実験に有意であることや、静止衛星を通信などに利用できることについても述べた。

1945年、アーサー・C・クラークは雑誌ワイヤレス・ワールド(英語版)上で、通信衛星を用いたマスコミュニケーションの可能性を詳細に記述した[4]。また、クラークは人工衛星打ち上げの計画、可能な衛星軌道などについても調査し、3機の静止軌道衛星で地球全体をカバーすることを提案した。
人工衛星の誕生詳細は「宇宙開発競争」を参照 スプートニク1号:世界初の人工衛星

第二次世界大戦中に開発されたドイツV2ロケットの技術とその技術者たちによって、アメリカとソ連のロケット技術は急速な進歩を成し遂げ、人工衛星が現実のものとなりつつあった。

アメリカ合衆国は、1945年より海軍航空局(英語版)の下、人工衛星の打ち上げを検討してきた。1946年5月に米空軍のランド研究所が提出した報告書、「実験周回宇宙船の予備設計」(Preliminary Design of a Experimental World-Circling Spaceship )には「適当な装置を搭載した人工衛星は20世紀の最も強力な科学ツールの一つになりうる」と述べられており[5]、人工衛星が軍事的重要性を持つとは思っておらず、むしろ科学的、政治的、プロパガンダ的なものと当時見なしていた。アメリカ国防長官チャールズ・E・ウィルソンは1954年「私は国内の人工衛星計画を知らない」(I know of no American satellite program)と述べた[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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