事務次官
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事務次官(じむじかん、: Administrative Vice-Minister)は、日本の行政機関官職の一種で、各府に置かれる。現在は復興庁にも置かれている。

大臣副大臣大臣政務官特別職の下にあって、各府省において職業公務員官僚)が就く一般職の職員のうち最高の地位(ただし、防衛省防衛事務次官特別職)で、事務方の長といわれる。
目次

1 概説

2 歴史

3 地位・身分

4 事務次官の経歴

4.1 概要

4.2 技官(技術系行政官)出身の事務次官

4.3 外務省における事務次官

4.4 法務省における事務次官


5 事務次官等一覧

5.1 歴代の事務次官等


6 演じた俳優

7 参考文献

8 脚注

9 関連項目

概説

事務次官は、各省にあっては省の長である大臣を助け、省務(外局にかかる事務を含む。)を整理し、各部局及び機関の事務を監督する(国家行政組織法第18条第2項)ことを職務とし、内閣府にあっては、内閣府の長である内閣総理大臣ではなく、内閣官房長官内閣府特命担当大臣を助け、府務を整理し、内閣府本府(外局を含まない。)の各部局及び機関の事務を監督する(内閣府設置法第15条第2項)ことを職務とする。

任命は各大臣が行うが、内閣による事前承認が必要とされる[1]。また1997年以降、各府省の局長以上の幹部人事については、政府全体の立場から官邸による統率を行うため、閣議に先だって内閣官房長官内閣官房副長官3名の4人によって構成される閣議人事検討会議による了承を経ることになっている。

事務次官は、各府省においてキャリアと呼ばれる高級官僚の中でも最高位のポストである。その影響力は大きく、各府省の実質的な最終決定権を有するともいわれる。府省内外にわたる人的資源、調整能力を必要とするポストである。

各府省の事務次官は、事務次官等会議に出席し、政府提出法案等の最終的な調整を行っていたが、2009年9月に発足した鳩山由紀夫内閣では、同会議は廃止された。

2012年12月に発足した第2次安倍内閣では、府省間の情報共有のため、事務の内閣官房副長官を主宰者とする「次官連絡会議」を設置した。
歴史

事務次官の設置は、内閣制度発足に伴い各省に置かれた次官に遡る。1949年(昭和24年)6月1日の改正国家行政組織法(昭和24年法律第124号)施行により、事務次官に改称[2]されて、現在に至る[3]

以前は、事務次官と同格の大臣補佐役として政務次官が存在した。2001年の省庁再編に伴って政務次官は廃止され、新たに副大臣大臣政務官が設置され、国会議員による行政への統制力強化が図られた。職制上、事務次官は政治任用ポストの下で事務を統括する役職に位置付けられた。
地位・身分

事務次官の身分は一般職国家公務員である(防衛事務次官を除く[4])。一般職は、一般職の職員の給与に関する法律(一般職給与法)に基づいて俸給月額が決定される(検察官は除く)が、事務次官は同法による俸給月額のうち最高額の指定職8号俸を支給される[5]

なお、一般職の職員のうち、事務次官以外で同法に基づく指定職8号俸を支給される官職には、会計検査院事務総長人事院事務総長、宮内庁次長のほか、事務次官等会議の構成員でもあった内閣法制次長警察庁長官金融庁長官消費者庁長官がある。なお、事務次官の年収は約2,300万円である。一方、これらと異なって事務次官等会議の主宰者であった内閣官房副長官は、事務次官よりも数段高い副大臣相当の待遇であり、認証官でもある特別職国家公務員である。

また、特別職及び検察官で事務次官と俸給等の待遇が同等の官職には、内閣官房副長官補内閣広報官内閣情報官、常勤の内閣総理大臣補佐官大臣補佐官[6]、国家公務員倫理審査会の常勤の委員、公正取引委員会委員、国家公安委員会委員、式部官長大使公使の一部、統合幕僚長検事の一部(検事1号俸)がある。国会においては、各議院事務局の事務次長、衆議院調査局長、各議院法制局の法制次長、国立国会図書館副館長が、裁判所においては、判事の一部、最高裁判所事務総長がこれらに相当する。

事務次官に加えて、各府省には「所掌事務の一部を統括整理する職」(総括整理職)として次官級審議官(いわゆる省名審議官[7])が置かれているが、これらの職については外局の長官・警察庁次長などと同等である指定職6号俸が適用される[8]
事務次官の経歴
概要

事務次官等は、キャリア官僚の出世レースのゴールであり、一般に同期入省又は後年入省の事務次官が誕生するまでに、同年次のキャリア組は退官し、省内に唯一残った最古参のキャリア官僚が事務次官となる。ただし、法務省財務省外務省は例外である(後述)。

おおむね、行政職、法律職又は経済職の国家公務員採用I種試験(旧上級甲試験)を通過して省に採用された事務官のキャリアが事務次官に就任する。任期は存在しないが、慣例的に1年から2年とされており、それまでに勇退(依願退職)して後進に譲る慣行である。

従来、任期の慣例を大きく越えることは稀であったが、近年は一部で長期化の傾向が見られる(守屋武昌防衛事務次官は在任4年1ヶ月に及んだ)。事務次官の定年は62歳[9]に延長されるが、更に法律に規定される定年延長制度[10]を利用して長期在任する者もいる。
技官(技術系行政官)出身の事務次官

各府省においては事務官優位の人事慣行のもと、事務官の就任するポストと技官の就任するポストは明確に区別されており、技官が事務次官に到達する例は少ない。しかし、建設省科学技術庁系統の官庁(国土交通省文部科学省)では、技官が事務次官を務めることがある。

旧建設省においては事務官と土木系技官が交互に事務次官となる慣行が存在し(いわゆるたすきがけ人事)、旧科学技術庁・北海道開発庁では主に技官が事務次官に就任していた。中央省庁再編の国土交通省では建設省出身の事務官、同土木系技官、運輸省出身の事務官が順番に次官に就任しており、文部科学省では文部省出身の事務官と科学技術庁出身の技官が交互に就任している。環境省では環境庁入省の事務官と厚生省入省の技官と財務省からの出向者の3者が概ねたすき掛け人事で事務次官に就任している。


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