ヨハネの手紙三
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『ヨハネの手紙三』(ヨハネのてがみさん)は新約聖書正典を構成する27文書の一つで、公同書簡に分類される3通のヨハネ書簡の最後のものである。ガイオという人物に宛てて、他のキリスト教徒を受け入れ、親切にすることを説いたこの書簡は15節しかなく、旧約・新約聖書の中でも短さの点で一、二を争う。1世紀後半から2世紀初め頃に成立したと考えられているが、その短さや教理的要素の少なさもあって、キリスト教文献での直接的言及は3世紀まで見られず、正典と広く承認されるまでに時間を要した。

定評あるギリシア語校訂版のネストレ・アーラント28版での題名は ΙΩΑΝΝΟΥ ΕΠΙΣΤΟΛΗ ΤΡΙΤΗ である[1]。『ヨハネの手紙三』という呼称は新共同訳聖書によるもので、カール・ギュツラフによる最初の日本語訳『約翰下書』[注釈 1]以来、様々な題名で呼ばれてきた。何らかの団体によって訳された聖書(およびそれと訳名が一致する個人訳)での名称としては、『ヨハネの第三の書』(大正改訳)、『ヨハネの第三の手紙』(口語訳バルバロ訳フランシスコ会訳岩波委員会訳)、『ヨハンネスの手紙 III』(共同訳)、『ヨハネの手紙 第三』(新改訳塚本虎二訳)、『イオアンの第三書』[注釈 2]日本正教会訳)などがある[注釈 3]。以下では便宜上、第三ヨハネ書ないし第三書と略す。ほか2つのヨハネ書簡の略し方もこれに準ずる。


目次

1 概要

2 著者

3 執筆年代

4 執筆地

5 内容

5.1 構成

5.2 要約

5.3 注解

5.3.1 1節から4節

5.3.2 5節から8節

5.3.3 9節から10節

5.3.4 11節から12節

5.3.5 13節から15節



6 正典化

7 意義

8 脚注

8.1 注釈

8.2 出典


9 参考文献

10 関連項目


概要明治元訳聖書のヨハネ第三書

公同書簡は本来、公同の教会に宛てて書かれたことからその名があるが、第三ヨハネ書は著者自らが「長老」と名乗り、ガイオという個人に宛ててこの手紙を書いている。便宜上は公同書簡に分類されるとはいえ、本文からはこの手紙が完全に個人的な手紙であることが読み取れる。「長老」は、地域内の信徒の家で営まれた小規模な「家の教会(英語版)」を巡回して福音を説いていた「兄弟たち」の歓待や支援をしているガイオを賞賛し、彼に対し、ある「家の教会」を取り仕切って「兄弟たち」を拒絶しているディオトレフェスには従わず、引き続き善を行うようにと激励している。

初期のキリスト教文献はこの書簡についての言及を何も含んでおらず、3世紀半ばになってようやく言及された。その背景には、この書簡が非常に短いこと、使徒の著作であると承認されるのに時間を要したこと、その内容が個人的であることなどがあったと考えられている。

伝承上は使徒ヨハネの著作とされるが、現代では少なからぬ論者が疑問視している。とはいえ、第三ヨハネ書の言葉遣いは他のヨハネ書簡や『ヨハネによる福音書』と共通するものを含んでおり、若干の異説はあるが、1世紀末頃から2世紀初頭に他の2書簡とともに同じ人物、あるいは少なくとも同じ共同体に属する構成員(たち)によって作成されたと考えられている。執筆地は未詳であるが、伝統的にはエフェソと想定されている。この書簡は現存最古の部類に属する新約聖書の写本の多くに見出され、大きな異文などは存在しない。

神学的内容は希薄とされ、新約聖書の中で重視されてきたとは言いがたいが、信徒同士が親切にしあうことの大切さや尊大に振舞うことへの戒めが説かれていると見なされており、教会制度の過渡期の様子を伝えているという歴史的側面からの評価もなされている。
著者詳細は「ヨハネ書簡#著者」を参照第一ヨハネ書冒頭に描かれた挿絵(ヴルガータの13世紀の写本、シュトラールズント

ヨハネ書簡と呼ばれる3通の書簡は、実際には著者名が一切書かれておらず、第三書の本文でも、著者は単に「長老」とだけ名乗っている。この著者問題は、他の2通のヨハネ書簡および『ヨハネによる福音書』の著者との関連で議論されてきた。全ての書簡が同一人物によるのか、また違う場合にはどれが同一人物によるのかなどについて様々な議論があり、確定していない[2]

とはいえ、少なからぬ専門家が3つの書簡全てを同一人物の作品と見る説を採っている。伝承通り3通全てを使徒ヨハネに帰するローマ・カトリックフェデリコ・バルバロ[3]フランシスコ会聖書研究所[4]福音派の『新聖書辞典[5]や『新実用聖書注解[6]は当然その立場であり、使徒ヨハネを著者とする伝承を受け入れていない聖書学者にも、『総説新約聖書』でヨハネ書簡を担当した中村和夫[7]上智学院の『新カトリック大事典』などでヨハネ書簡を担当した小林稔[8]などのようにこの立場を採る者たちがいる。


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