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「ボタンノキ」と呼ばれるスズカケノキ科の高木「アメリカスズカケノキ」とは異なります。
ボタン(牡丹、学名:Paeonia suffruticosa)は、ボタン科ボタン属の落葉小低木。
または、ボタン属(Paeonia)の総称。 別名は「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」「天香国色」 「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」「ぼうたん」「ぼうたんぐさ」など多数。
以前はキンポウゲ科に分類されていたが、おしべ・花床の形状の違いからクロンキスト体系ではシャクヤクとともにビワモドキ目に編入され、独立のボタン科とされた。APG IIIではユキノシタ目とされる。
目次
1 概要
2 ボタン属
3 園芸
3.1 園芸品種
3.2 栽培
4 薬用
4.1 漢方
5 文学・美術
5.1 中国文学
5.2 日本文学
5.3 絵画
5.4 文様
5.5 家紋
6 牡丹の名所
7 そのほか
7.1 衣装
7.2 名前に牡丹の付く食べ物
8 関連語句
9 脚注
10 関連項目
11 外部リンク
原産地は中国西北部。元は薬用として利用されていたが、盛唐期以降、牡丹の花が「花の王」として他のどの花よりも愛好されるようになった。たとえば、『松窓雑録 シャクヤクとともにボタン属に分類され、英語ではどちらも「Peony」と呼ばれるが、木本性のものは以下の種。 樹高は原種で3m、接木で作られる園芸品種で1-1.5m。 従来は種からの栽培しかできなくて正に「高嶺の花」であったが、戦後に芍薬を使用した接ぎ木が考案され、急速に普及した。 鉢植えや台木苗で市場に出回る。 品種改良が盛んに行われ、園芸品種が非常に多い。花色も豊富(原種は紫紅色)で、花形も多彩である。 春に花付の鉢植えが、秋に、苗木が売られるので、それで育てる。 被子植物なので種からも育てられるが、開花まで時間がかかるので、一般的ではない。そのため、流通する苗のほとんどは、芍薬を台木に接ぎ木にしたものである。 秋の苗木は根を切っているので、植えた翌春に咲いても、その後は株が弱り、次に咲くまで時間がかかる。あるいは枯れてしまう。そのため、花を惜しんで幹を切り二年後に期待するという方法がある。花付のものも花が終わると秋には鉢増しをする。土は腐葉土をたくさん含んだ肥沃なものを使用する。なお夏には休眠するので、葉は取る。 春に台木から芍薬の芽が伸びてくるが、これはすぐに摘み取る。放置すると接木された牡丹の生育の妨げとなり、最悪の場合、牡丹が枯死して完全に芍薬の株に戻ってしまう。 なお、日本の正月に飾られるハボタンはアブラナ科で、葉の形が牡丹の花に似ているが、別種で、放置すればそのうちにアブラナに似た花が咲く。また、夏に咲く草丈10センチメートルほどのマツバボタンはスベリヒユ科の園芸品種で、これも別種である。 中国文学では盛唐以後、詩歌に盛んに謳われるようになった。
概要
ボタン属
木本性のボタン属
Paeonia decomposita
Paeonia delavayi (Delavay's Tree Peony)
Paeonia jishanensis (Jishan Peony; syn. Paeonia spontanea)
Paeonia ludlowii (Ludlow's Tree Peony)
Paeonia ostii (Osti's Peony)
Paeonia potaninii
Paeonia qiui (Qiu's Peony)
Paeonia rockii (Rock's Peony)
Paeonia suffruticosa (Suffruticosa Peony; probably of hybrid origin)
園芸
園芸品種
春牡丹
春牡丹は4-5月に開花する一般的な品種。
寒牡丹
春と秋に花をつける二季咲きの変種。通常は、春にできる蕾は摘み取り、秋にできる蕾のみを残し10月下旬から1月に開花させる。あしかがフラワーパークの冬牡丹
冬牡丹
春牡丹と同じ品種を1-2月に開花するよう、特に手間をかけて調整したもの。寒牡丹と混同されることが多いが、これは放置すると春咲きに戻ってしまう。
日本牡丹・中国牡丹・西洋牡丹(ピオニー)
赤・赤紫・紫・薄紅・黄・白
一重・八重・千重、大輪・中輪
栽培
日当たり・排水の良い地を好む。夏の西日は避けるほうがよい。
牡丹苗は接木(つぎき)で作る。
花後は株の衰弱を防ぐために、首の部分から切り落とし、お礼肥を施す。
植え付けや株をいじるのは、9月下旬から10月下旬が適している。
薬用
漢方
根の樹皮部分は「牡丹皮(ぼたんぴ)」として、大黄牡丹皮湯、六味地黄丸
薬効成分はペオノール
文学・美術
中国文学
李白「清平調詞」其の二:「一枝濃?露凝香、雲雨巫山枉斷腸。借問漢宮誰得似、可憐飛燕倚新妝」楊貴妃の美しさを牡丹になぞらえた。
白居易(白樂天)「牡丹芳」:「花開花落二十日、一城之人皆若狂」(花開き花落つ二十日、一城の人皆狂ふが若し)「長恨歌」でも楊貴妃を牡丹・梨花・柳に例えた。
劉禹錫「賞牡丹」:「唯有牡丹真國色、花開時節動京城」
郭延沢(かくえんたく)牡丹詩千首を詠んだ
『牡丹燈記』(日本では、怪談『牡丹灯篭』や歌舞伎『怪異牡丹燈籠』)
日本文学
日本では8世紀には栽培されていたようであるが、文学に登場したのは『枕草子』が最初である(「殿などのおわしまさで後」の条)。
◇ピンチです!◇
■暇つぶし何某■