ホトトギス
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この項目では、鳥について説明しています。その他の用法については「ホトトギス (曖昧さ回避)」をご覧ください。

画像提供依頼:ホトトギスの画像提供をお願いします。(2009年5月)

ホトトギス
ホトトギス
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))

分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:鳥綱 Aves
:カッコウ目 Cuculiformes
:カッコウ科 Cuculidae
:カッコウ属 Cuculus
:ホトトギス C. poliocephalus

学名
Cuculus poliocephalus
Latham, 1790
和名
ホトトギス、杜鵑
英名
Lesser Cuckoo

ホトトギス(杜鵑、学名:Cuculus poliocephalus)は、カッコウ目カッコウ科分類される鳥類の一種。特徴的な鳴き声とウグイスなどに托卵する習性で知られている(「ホトトギス目ホトトギス科」と書かれることもあるが、カッコウ目カッコウ科と同じものである)。日本では古来から様々な文書に登場し、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰[注 1]、時鳥、子規、田鵑など、漢字表記や異名が多い。


目次

1 形態

2 分布

3 生態

4 文学や芸術とホトトギス

4.1 故事

4.2 日本の芸術とホトトギス


5 天下人とホトトギスの喩え

6 切手

7 県の鳥

8 人との関わり

8.1 別名


9 脚注

10 参考文献


形態

全長は28cmほどで、ヒヨドリよりわずかに大きく、ハトより小さい。頭部と背中は灰色で、翼と尾羽は黒褐色をしている。胸と腹は白色で、黒い横しまが入るが、この横しまはカッコウツツドリよりも細くて薄い。目のまわりには黄色のアイリングがある。
分布

アフリカ東部、マダガスカルインドから中国南部までに分布する。

インドから中国南部に越冬する個体群が5月頃になると中国北部、朝鮮半島日本まで渡ってくる。日本では5月中旬ごろにくる。他の渡り鳥よりも渡来時期が遅いのは、托卵の習性のために対象とする鳥の繁殖が始まるのにあわせることと、食性が毛虫類を捕食するため、早春に渡来すると餌にありつけないためである。
生態

日本へは九州以北に夏鳥として渡来するが、九州と北海道では少ない。

カッコウなどと同様に食性は肉食性で、特にケムシを好んで食べる。また、自分で子育てをせず、ウグイス等に托卵する習性がある。

ホトトギスのさえずり連続3回、再生時間6.7秒
この音声や映像がうまく視聴できない場合は、
Help:音声・動画の再生をご覧ください。

オスの鳴き声はけたたましいような声で、「キョッキョッ キョキョキョキョ!」と聞こえ、「ホ・ト・…・ト・ギ・ス」とも聞こえる。早朝からよく鳴き、夜に鳴くこともある。この鳴き声の聞きなしとして「本尊掛けたか」や「特許許可局」や「テッペンカケタカ」が知られる。
文学や芸術とホトトギス
故事

ホトトギスの異称のうち「杜宇」「蜀魂」「不如帰」は、中国の故事伝説にもとづく。長江流域に蜀という傾いた国(秦以前にあった古蜀)があり、そこに杜宇という男が現れ、農耕を指導して蜀を再興し帝王となり「望帝」と呼ばれた。後に、長江の氾濫を治めるのを得意とする男に帝位を譲り、望帝のほうは山中に隠棲した。望帝杜宇は死ぬと、その霊魂はホトトギスに化身し、農耕を始める季節が来るとそれを民に告げるため、杜宇の化身のホトトギスは鋭く鳴くようになったと言う。また後に蜀がによって滅ぼされてしまったことを知った杜宇の化身のホトトギスは嘆き悲しみ、「不如帰去」(帰り去くに如かず。= 帰りたい)と鳴きながら血を吐いた、血を吐くまで鳴いた、などと言い、ホトトギスのくちばしが赤いのはそのためだ、と言われるようになった。
日本の芸術とホトトギス
古典文学

日本では、激情的ともいえるさえずりに仮託して、古今ホトトギスの和歌が数多く詠まれ、すでに『万葉集』では153例、『古今和歌集』では42例、『新古今和歌集』では46例が詠まれている。鳴き声が聞こえ始めるのとほぼ同時期に花を咲かせる卯の花と取り合わせて詠まれることが多い。

ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明(ありあけ)の月ぞ残れる(後徳大寺左大臣千載和歌集』)

目に青葉山ほととぎす初鰹(山口素堂

他にも夜に鳴く鳥として珍重され、その年に初めて聞くホトトギスの鳴き声を忍音(しのびね)といい、これも珍重した。『枕草子』ではホトトギスの初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つ様が描かれる。

平安時代以降には「郭公」の字が当てられることも多い。これはホトトギスとカッコウがよく似ていることからくる誤りによるものと考えられている。松尾芭蕉もこの字を用いている。

宝井其角の句に「あの声で蜥蜴(とかげ)食らうか時鳥」がある。ホトトギスは美しい声で鳴くが醜いトカゲなどの爬虫類や虫などを食べる、すなわち「人や物事は見かけによらない」ということを指す。

万葉の時代から「ウグイスの巣に卵を産んで育てさせる」という託卵の習性が知られる一方、時代や地域によってはカッコウあるいはウグイスと混同されている例もある。下記「天下人」を詠んだ句では鳴き声を愛でる鳥すなわちウグイスであるとの考え方も一般的である。従って作品中に「ホトトギス」とある場合でも、季節や時間帯によっては注意が必要となる。
近代文学

正岡子規は1895年(明治28年)4月に近衛師団つきの従軍記者として遼東半島に渡ったものの予定通りにはゆかず同年5月には帰国の途につくはめになり、帰国の船中で喀血して重態に陥り、神戸病院に入院し、結核と思われ、当時は結核は「不治の病」という位置づけであったので、自分に死・死期が迫っていると覚悟した。喀血した(血を吐いた)ことから、「鳴いて血を吐く」と言われているホトトギスと自分を重ね合わせ、ホトトギスにちなむ句を一晩で数十も作ったという。そして、ホトトギスの漢字表記のひとつの「子規」を自分の俳号とした。

文芸雑誌『ホトトギス

徳富蘆花作『不如帰


江戸時代から「厠(かわや)の中にいるときにホトトギスの声を聞くと不吉である」という言い伝え、迷信が日本各地に伝わっているが、この出典は『酉陽雑俎』および『太平広記』である。夏目漱石西園寺公望におくった有名な俳句「時鳥(ほととぎす)厠(かわや)半(なか)ばに出かねたり」も、この迷信をふまえる(加藤徹『怪力乱神』ISBN 978-4-12-003857-0)。
音楽


『ほととぎす』(山田流箏曲) - 文化初年頃、山田流の流祖・山田検校作曲。ホトトギスの忍音をたった一声でも聞くため、船に乗り隅田川を徹夜でさかのぼる様が詠われた曲。

『時鳥の曲』(箏曲) - 1901年、楯山登作曲。明治時代に大阪で活躍した盲人音楽家・楯山の数多い作品中、代表作。


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