プロトタイプ
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この項目では、原型品について説明しています。その他の用法については「プロトタイプ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

プロトタイプ(: prototype)は、デモンストレーション目的や新技術・新機構の検証、試験、量産前での問題点の洗い出しのために設計・仮組み・製造された原型機・原型回路・コンピュータプログラムのことを指す。

「プロトタイプ」(原型)という言葉の原義的には、量産モデルに発展させることが前提、ないし少なくともそのつもりはあるという点が、実験機や試験機や試作機(車)などと異なるが、たとえば制式採用を決定するコンペで敗れるなどして結局量産されないこともままあり、厳密な区別は無い(難しい)。
目次

1 概要

2 電子回路

3 コンピュータプログラム

4 自動車

5 鉄道車両

6 模型

7 ロボットアニメ

8 脚注

9 関連項目

概要

新製品を量産に移す前などに試験用途として作られ、製品の設計に起因する問題やその他の不具合を発見でき、具体的な修正の検討に入れる。こうすることによって、量産して市場に出た後で不具合が発覚することを防げる。

量産用プロトタイプが十分に洗練されていて、その機能性・強靱性・量産性および他の目標を十分に達すると判断された場合、その製品を量産に移せる。しばしば、そのような用途のプロトタイプは大量生産技術とは違った技術を用いて製造される。このための技術や手法はプロトタイピングと呼ばれる。
電子回路

電子回路においては、プロトタイプ品と量産品で性能に違いが出てくることがある。これは部品の数や違い・プリント基板のパターン引き回しの違い・空中配線部品を使ったかどうかなど、様々な要因がある。
コンピュータプログラム

C言語には関数プロトタイプ宣言というものがあるが、これは関数サブルーチンの引数と返り値の値を宣言するものである。外部とのやりとりを示す「宣言」に対し、中身を示すものを「定義」と言う。

プロトタイプベースオブジェクト指向プログラミングでは、プロトタイプは「クローンとしての新しいオブジェクト」を作ることができるオブジェクト、のことである。逆にそのクローンの側から見ると、自分がクローンとして作り出される元となったオブジェクトがプロトタイプである。

試作プログラムや画面デモ用プログラムなども「プロトタイプ」と呼ぶ。日本においては「デモ版」ないし「ベータ版」、まれに「アルファ版」(ベータ版の更に手前)などと呼ばれることも多い。
自動車 プリンス・R380

自動車では各種性能の確認や、新たな装備・機能の試験目的で製造される。

スタイリング決定後に公道で試験を行う場合は覆面偽装が施されることもあるが、サスペンションエンジントランスミッションなどの試験の場合、現行型を改造して行われる場合もあり、その場合は外観での判断は難しい。逆にフレームのみであったり雨避け程度だったりと、一見してそれとわかるものもある。一般に披露されることは少ないが、プリンス・R380トヨタ・2000GT速度記録試験車のように宣伝目的で露出され、広く知られるようなる場合もある。

一般消費者へ向けて主にモーターショーなどで展示されるものはコンセプトカーやショーカーともいわれる。中でも第二次世界大戦後のアメリカビッグスリーが製作し、各地のモーターショーやメーカー自身の巡業(GMのモトラマなど)に使われた、いわゆるフューチャーカーやドリームカーの数々は自動車史上でも特筆に値する。 日野・コンテッサ900スプリント

1960年の日本ではトヨペット・スポーツ、日野・コンテッサ900スプリントいすゞ・117クーペなどのように市販車のシャーシヤナセイタリアカロッツェリアなどのコーチビルダーが製作した車体を架装したワンオフのモデルの出品が行われるようになる。その後、FRPを多用した、形だけのいわゆる「ハリボテ」が横行したが、バブル期以降はプロモーションビデオの撮影のため走行可能なものも製作されるようになった。 アウディ・R10(2007年モデル)

モータースポーツには、プロトタイプレーシングカーと呼ばれるカテゴリがある。ル・マン24時間レースのようにスポーツカークラスが中心に開催されているレースでは「スポーツプロトタイプ」と呼ばれることもある。具体的にはポルシェ 917アウディ・R10 TDIが該当する。



鉄道車両 日本国有鉄道207系電車。900番台1編成のみ試作された。 JR西日本207系電車。電気連結器を装備していない右側の車両が試作車。

鉄道車両においては新型車両を量産する際、実際に試験・運用することを目的として製造される。製造された車両は「先行量産車」、「量産先行車」、「量産試作車」などと呼ばれることもある。

ワンオフ試験車とは異なり、量産化の際には営業運転に利用されることが前提となっている場合が多い。プロトタイプ車での運用やテストを経て量産車に仕様が反映されることとなる。

これらの車両は番台区分が異なっていたり(JR東日本E231系900番台(←209系950番台))、外観や編成などが量産車と違う場合(300系新幹線J1編成E3系新幹線R1編成(←S8編成)JR西日本207系F1編成など)がある。量産車にあわせて改造される例も多いが、そのまま使われ続ける場合も珍しくない。

また、量産が見送られた場合には少数勢力や1形式1両のみの車両となってしまうことがある(前者では国鉄207系電車国鉄713系電車、後者ではJR東日本クハ415-1901JR貨物EF500形電気機関車がその例)。さらに一連の試験を終了した車両や量産が見送られた車両については、共通運用が組めない使い勝手の悪さなどから車齢が10年を満たないうちに廃車となる場合もある(後者ではJR東日本E331系電車など)。また、試験はおろか営業運転を行う事無く廃車された車両もある(JR北海道キハ285系気動車がその例[1])。



模型 北米・GP38-2機関車の実車、模型を製作する時はプロトタイプと呼ばれる

模型プラモデルの世界(鉄道模型自動車模型・航空機兵器など)ではプロトタイプとは製作の参考にするための実物モデル(試作品)のことを指す。


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