カタツムリ
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「かたつむり」と「マイマイ」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「かたつむり (曖昧さ回避)」、「マイマイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

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ミスジマイマイ
Euhadra peliomphala

ウィキメディア・コモンズには、柄眼類に関連するカテゴリがあります。

ウィキスピーシーズに柄眼類に関する情報があります。

ウィキクォートに蝸牛に関する引用句集があります。

カタツムリ(蝸牛)は、陸に棲む巻貝の通称。特にその中でも有肺類のうちのが細長くないものを言う場合が多い。


目次

1 概要

2 形態

2.1 体

2.2 殻

2.2.1 殻の巻き方

2.2.2 殻皮

2.2.3 殻の形

2.2.4 殻口

2.2.5 殻の模様と色

2.2.6 蓋



3 生態

3.1 生息環境

3.2 生殖

3.3 餌

3.4 天敵

3.5 寿命


4 人との関わり

4.1 名称

4.2 食品・民間薬

4.2.1 食用上・飼育観察上の注意


4.3 信仰

4.4 民俗・芸能

4.4.1 かたつむり(唱歌)


4.5 その他


5 関連項目

6 脚注

7 参考文献

8 外部リンク


概要

「カタツムリ」という語は日常語であって特定の分類群を指してはおらず、生物学的な分類では多くの科にまたがるため厳密な定義はない。陸貝(陸に生息する腹足類)のうち、殻のないものを大雑把に「ナメクジ」、殻を持つものを「カタツムリ」「デンデンムシ」などと呼ぶ。一般にカタツムリは蓋をもたず触角の先に目を持つ有肺類の陸貝で、中でも球型や饅頭型の殻を持つものを指すことが多く、殻に蓋をもつヤマタニシ類や細長い殻をもつキセルガイなどがカタツムリと呼ばれることは少ない。しかし前述のとおり厳密な定義がないため、殻をもつ陸貝をすべてカタツムリと呼んでも間違いとは言えない。日本で一般にカタツムリと呼ばれるものとしてはオナジマイマイ科やニッポンマイマイ科の種類が代表的なものである。

一般に移動能力が小さく、山脈や乾燥地、水域などを越えて分布を広げることが難しいため、地域ごとに種分化が起こりやすい。他の動物群と同様に、種類は北より南の地方で多い傾向がある。日本列島に限っても、広い分布域をもっているのは畑地や人家周辺にも見られるウスカワマイマイや、外来種オナジマイマイなどごくわずかな種で[1][2]、それ以外のカタツムリは地域ごとに異なる種が生息しており、関東と関西では多くの種類が入れ替わっている[3]。また島などでは特に種分化が起こりやすく、南西諸島小笠原諸島では島ごとに固有種が進化していることも多い[1][4]。このような種分化は地球規模ではさらに顕著で、大陸間ではのレベルで大きく異なるのが普通である。

セトウチマイマイ
(オナジマイマイ科)
日本

プチグリ
(リンゴマイマイ科)
有名な食用種。

Drymaeus laticinctus
(サラサマイマイ科)
ドミニカ。殻高25mm。

ツヤミジンマイマイ
(ミジンマイマイ科)
チェコ。 殻径2mmほど。

形態

軟体動物のうち陸に棲むものは腹足類のみであるが、それらは多様な環境に適応して形態や生態が分化している。中にはナメクジのように貝殻が退化したものや、キセルガイ科やオカチョウジガイ科のような細長い殻をもつものもある。大きさは日本産では1mm前後のものから数cmまでで、殻径60mmを超える四国産のアワマイマイ Euhadra awaensis が最大の在来現生種である[1]。アフリカなどにはメノウアフリカマイマイのように殻が20cm以上、伸びた時の体長が40cm近い種類もある。

陸生貝類のうち、ヤマキサゴ科やヤマタニシ科は殻を塞ぐ蓋をもち、これらは一般にカタツムリと呼ばれる有肺類とは起源が異なる。
カタツムリの体の模式図:1 殻、2 肝臓、3 肺、4 肛門、5 呼吸孔、6 眼、7 後触角、8 脳神経節、9 唾液腺導管、10 口、11 食道、12 唾液腺、13 生殖孔、14 陰茎、15 膣、16 粘液腺、17 輸卵管、18 矢嚢、19 腹足、20 胃、21 腎臓、22 外套膜、23 心臓、24 輸精管紅白の軟体をもつ Indrella ampulla (マラッカベッコウマイマイ科:バンガロール産)。2枚の丸襟のように見えるのは外套膜の伸長部で、その合わせ目の部分が呼吸孔。

体は軟体部とも呼ばれ、殻軸筋(かくじくきん)と呼ばれる筋肉で殻内の殻軸部に付着している。この筋肉を収縮させ体を殻内に引き込む。殻と体は別物ではなく、殻は体の器官の一つであり、中に内臓もある。よって、カタツムリが殻から出たらナメクジになるということはなく、殻が大きく破損したり、無理に取ったりした場合死んでしまう。他の巻貝も同じである。

一般にカタツムリと呼ばれる有肺類では頭部に触角が大小2対あり、大触角(後触角)の先端には眼がある。これに対しヤマタニシなどの前鰓類の陸貝では触角は1対しかなく、先がとがっており、眼はその根元にあるなどの違いがある。

全てのカタツムリは軟体部が湿った状態でなければ生きていけない。また暑さ寒さによっても活動に支障が出る。このような時にはカタツムリは物陰に潜み、殻の中に軟体を引っ込めて、殻口に粘液の膜を張る。この膜は専門用語で「エピフラム」(epiphragm)と呼ばれるもので、乾燥するとセロファン障子紙のような質感の膜になり、軟体を乾燥から守る。またエピフラムには微小な穴も開いていて、窒息しないようになっている[5]

ナメクジと近縁の種であるため塩分に弱いというイメージが持たれがちであるが、小笠原諸島のみに生息するオトメカタマイマイなどは本土から流木に乗って海を渡り小笠原諸島に漂流して独自の進化を遂げたと推測されており、むしろ塩分には耐性がある[6]

触角のある頭部下面には口があり、口内の上には顎板(がくばん:jaw)が、底部にはおろし金状の歯舌(しぜつ:radula)があり、後者で餌を磨り取って食べる。ガラス面を這うカタツムリの口を観察すると赤味を帯びた小さいものが見え隠れすることがあるが、これが顎板で、さらによく見ると顎板の動きと呼応して透明の歯舌の運動も見られる。口は食道から胃へとつながり、奥の方でUターンして殻口近くで肛門となる。

カタツムリは他の有肺類と同様に雌雄同体で、触角の後方側面(右巻きでは右側、左巻きでは左側)に生殖孔と呼ばれる生殖器の開口部があるが、普段は閉じていて目立たない。生殖孔は一つであるが、そのすぐ内部では雌雄の二つの生殖器の開口部に分かれている。生殖行動時には内部から陰茎が反転翻出し相互に生殖孔に挿入して交尾が行われる。生殖器の構造は分類上きわめて重要な部分と考えられており、新種記載の際にはその構造を図示記載するのが通例である。同定する際にも解剖してその構造を調べなければならない場合も多く、古い時代に殻の特徴のみで分類されたものが、後に生殖器の構造からまったくの別科であったと判明したものもある。

殻の巻き方

カタツムリには右巻き(右旋:dextral)と左巻き(左旋:sinistral)があり、上から見て、渦の中心からどちら回りに殻が成長するかで決められる。


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