ウインドシンセサイザー(Wind Synthesizer )は、管楽器の奏法でシンセサイザーをコントロールできる電子楽器。
目次
1 概略
1.1 管楽器奏者からのアプローチ
1.2 シンセサイザー奏者・シーケンサー利用者からのアプローチ
2 構造
3 利用場面
4 調性の設定・調律
5 代表的なウインドシンセサイザー奏者
6 主なウインドシンセサイザー
7 関連項目
8 外部リンク
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木管楽器の外観・操作法に基づくリリコン系統と金管楽器の外観・操作法に基づく金管楽器系のスタイナー系統がある。リリコン系統の機種が多く製造されている。2004年11月にヤマハから発売されたEZ-TPは金管楽器の外観・操作法に基づくがスタイナー系統ではなく、類似機種のない独自のものと考えられる。
読み方を縮約し「ウインドシンセ」と呼ぶのが一般的である。ウインドシンセサイザーのことを総称名詞的に「リリコン」、「EWI」(イーウィ)と初期の代表的な製品名で呼ぶ人も減少傾向だが依然として存在する。
管楽器はそれぞれ固有の音色と音域を持つ。 音色に関してはマウスピースやリードの変更やミュートの着脱にてある程度変化させることができるが、たとえばフルートからトランペットの音色を得るようなことは絶対にできない。従って複数楽器の音色が必要ならば、それぞれの楽器を入手するか演奏者を招くしかない。
音域についても本来の管楽器には制約が多く、熟練者でなければ楽器の持つ音域すべてを滑らかに演奏することは困難である。
ウインドシンセサイザーを用いれば、慣れた管楽器の操作性を引き継ぎつつ、接続先のシンセサイザーが提供する多種の音色と広い音域を自在に演奏することができる。また、管楽器では得ることのできないシンセサイザーならではの音色を操ることができ、管楽器奏者の表現領域を拡大する上で有用といえる。
また、EZ-TPは、それまでのウインドシンセサイザーとは異なる原理で動作している。息の流れを検知するのではなく、内蔵のマイクに入力された歌声をデータ処理し、適切なMIDI信号を生成している。
この方法は金管楽器奏者が音を出す際に行う「頭の中で出したい音を思い浮かべて歌う」プロセスを忠実に反映したものといえる。
MIDIは主に鍵盤楽器の世界で発展し、シーケンサーを用いて演奏情報を入力する際も基本は鍵盤楽器の演奏法に依拠している。だが、鍵盤楽器では微妙なピッチの変化や複雑な強弱の変化を表現するのが難しく、仮にクラリネットの音色を鍵盤楽器で演奏しても、本当のクラリネットのような滑らかさを得ることはできず、鍵盤を弾いているような感触がつきまとう。
ウインドシンセサイザーを用いれば、滑らかな音量変化や音色・ピッチの変化を得ることができ、いわゆる「打ち込みっぽさ」を効果的に取り除くことが期待できる。
ただし管楽器の演奏経験の少ない者にとっては負担が高く、ウインドシンセサイザーへの心理的距離は管楽器奏者の方がうんと短いといえる。反面、シンセサイザーの扱いに慣れている奏者にとっては、ウインドシンセサイザーから送信される演奏情報をより表現力豊かにする音色等の設定が可能だろう。
結果的に、管楽器にもシンセサイザーにも親しんでいる演奏者にとって最良の電子楽器になるといえる。同時にこの楽器は、普段は接点の少ない両種の楽器群および演奏者の交わる場として存在していると考えてよい。
ウインドシンセサイザーは主に三つの部分で構成されている。
マウスピース
キー装置
インタフェース
マウスピースには息の強さに感応するセンサと、リードの部分を演奏者がくわえることにより与える圧力を検出するセンサが含まれている。息の強さにより音の強弱やアタック感を表現することができる。センサが息を感じた瞬間に、運指の状況をノートナンバー、息の強さをベロシティとして「ノート・オン」のMIDI信号を出力する。その後継続的に、息の流量に応じて「ボリューム」もしくは「アフタータッチ」のMIDI信号を出力する。
リードにかかる圧力は主として「ピッチベンド」のMIDI信号を出力する。マウスピースをかむ力を周期的に変化させてビブラートの効果を得ることができるようになっているが、演奏経験の少ない人や、ビブラートの効果をそれほど必要としない人のために、この機能を減弱・停止させることもできる。
キー装置は運指により音の高さを決めるために用いる。一般的にサクソフォーンの運指を元に簡略化されたものが採用されているため、小中学校で用いるリコーダーの運指がわかればある程度演奏できるようになっている。金管楽器を模した機種の運指は、トランペットの運指を簡略化したものである。