もんじゅ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

監視カメラ故障放置

2014年(平成26年)9月に原子力規制庁が立ち入り・保安検査をしたところ、ナトリウム漏洩火災事故に際して設置され、2007年に運用が開始されていた監視カメラ180基のうち50基余りが故障し、映像が映らない・左右に動かない等の状態にあることが判明した。ものによっては故障から1年半以上放置されていたものもあったが、原子力機構は「故障のことは知っていたが、カメラはすでに製造が終了していて交換できなかった」としている[56]
MOX燃料の輸送

もんじゅを始めとした高速増殖炉に使用されるMOX燃料は、プルトニウムを含んでいる。もんじゅのMOX燃料は茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所から出荷され、常磐自動車道首都高速道路東名高速道路名神高速道路北陸自動車道を経て、福井県敦賀市のもんじゅまでトラックで輸送される。この際、テロを警戒して警備車両や警察車両が伴走するが、特別な交通規制はなく、一般の乗用車やトラックと共に高速で走行する。輸送容器(MONJU-F型)は、9mからの落下衝撃に耐え、800℃・30分の条件下に耐えうるものであるが、実際の高速道路での事故の衝撃やトンネル火災の温度はそれ以上になることが心配されている[57]

1992年度:5回 - MOX燃料集合体120体

1993年度:4回 - MOX燃料集合体85体

1995年度:2回 - MOX燃料集合体48体

2008年度:3回 - MOX燃料集合体38本(5月15日、16日:MOX燃料集合体 18体[58] / 7月17日、18日:MOX燃料集合体14体[59] / 12月16日:MOX燃料集合体 6体[60]

批判

もんじゅに対する批判は、内閣府原子力委員会が1997年に設けた高速増殖炉懇談会の席上で、事務局の手による簡易な箇条書きではあるが、公開されている[61]。この批判意見に関して懇談会で議論がなされたが[62]、最終的な報告書[63]では開発継続への反対意見が付記[64]されたものの、従来の開発推進の方向性を肯定する結論となっている。
安全性

冷却材に通常の原子力発電所で使われる水の代わりに金属ナトリウムを使い、発電タービンは水蒸気作動であるため、2つの熱伝達部分をもっている。炉心の金属ナトリウムからタービン系統の水部分へは薄い蒸気発生器の壁を通じて熱伝達を行う。蒸気発生器の壁は薄いため、ピンホールが発生する可能性を完全には否定できず、ピンホールが発生してしまった場合、金属ナトリウムが蒸気発生器の水と化学反応を起こして爆発事故を起こす可能性がある。実際、イギリスで事故が起きている[65]

その他

一部メディアでは軍事転用可能を枕詞にしたもんじゅの紹介がなされている。(普通の原子力発電所に用いられる
軽水炉プルトニウム燃料は240Puなどの239Pu以外の同位体の割合が高いために原子爆弾の材料とするのは難しいが、高速増殖炉では239Puの比率が非常に高い兵器転用が可能なプルトニウムが生産される。)これまでに、239Pu同位体純度97.5%のプルトニウムを62kg生産している[66][67]

物理学者の槌田敦は、もんじゅは軍事用プルトニウムを生産する目的で作られた軍事目的の原子炉であるとしている。槌田の主張によれば、もんじゅは建前ではウランの有効利用を謳っているが、高速増殖炉はプルトニウムを2倍にするのに理論上で90年かかる。また、使用済みの燃料に残るプルトニウムの90%は炉心にあるが、炉心のプルトニウムを完全に再処理する技術は世界になく、さらには高速増殖炉の燃焼の激しさから、さまざまな貴金属ができてしまい、それらがプルトニウムと混ざり合って硝酸に溶けないことから再処理は不可能で、90%のプルトニウムは廃棄しなければならないことから意味がないとしている。もんじゅの真の目的は、高速増殖炉を使うことで純度が高く(98%)再処理が簡単な軍事用のプルトニウムがブランケットにわずかにでもでき、これを軍事利用することで、背景として日本の核武装化を最も望んでいるのはアメリカ合衆国であり、対中華人民共和国戦略がその理由であるという。中華人民共和国は冷戦後、核戦略の対象をモスクワから南シナ海に移しており、万が一、南シナ海で事が起きた場合にアメリカが直接中国と衝突するのを避ける目的で、日本に核武装させる戦略を持っていると主張している[68]

反論

ナトリウムの安全確保は二重三重に図られている。まず、一次系の配管は、原子炉容器の出口よりもできるだけ高い位置にしてある上、位置が低くなる原子炉容器などは、保護容器内に設置されている。よって万一ナトリウムが配管から漏れても、炉心の冷却に必要なナトリウムは確保される。次に、一次系の部屋は窒素が封入されていて、ナトリウムが漏れても燃焼しないようになっている。また、ナトリウム漏出を検出する機器があるので、ナトリウムの流出はすぐに感知できる。さらに、主循環ポンプが止まってもナトリウムが自然循環して炉心を冷却できる仕組みになっている
[69]

研究段階での経済性を実用炉と比較することは一概にはできない。そもそも、もんじゅは経済性の研究のために作られた炉ではない[70]

その他

福井県と敦賀市は、再稼働など「もんじゅ」に関連する節目ごとに同意への見返りとして、政府に対して地域振興策を求めてきた。これが「もんじゅカード」と呼ばれることもあり、
北陸新幹線の敦賀延伸などがその成果とされる[71]

1994年5月24日、郵政省(当時)が「高速増殖原型炉『もんじゅ』臨界記念」の記念切手を発行している[72]

脚注
注釈

[ヘルプ]
^ なお、もんじゅでは電気がなくても高低差と温度差による対流で金属ナトリウムを循環させて原子炉を冷却できる構造になっており、報告書によると、電源喪失時にも冷却が可能であることを再確認したとある。しかし運転停止中のため、データ解析などによる確認のみで同機構の担当者は「実際に機能するかどうかは出力試験後に確認したい」としている[20]

出典^ 高橋忠男. “高速増殖原型炉もんじゅ ?設計・建設・試運転?”. もんじゅの紹介. 日本原子力研究開発機構. 2009年4月30日時点の ⇒オリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年10月27日閲覧。
^ "Japan is already playing a leading role in the Generation IV initiative, with focus on sodium-cooled FBRs" 世界原子力協会. “ ⇒From WNA Digest: June - July 2006”. 2011年10月27日閲覧。[リンク切れ]
^ 世界原子力協会. “Fast Neutron Reactors”. 2009年6月22日時点の ⇒オリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年10月27日閲覧。
^ “ ⇒高速増殖炉「もんじゅ」2次冷却系からのナトリウム漏洩事故”. 原子力百科事典 ATOMICA (2009年3月). 2015年11月14日閲覧。
^ 世界原子力協会. “Nuclear Power in Japan” (英語). 2012年9月19日時点の ⇒オリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年10月27日閲覧。
^ 日本原子力研究開発機構. “ ⇒高速増殖原型炉もんじゅ非常用ディーゼル発電機Aの自動負荷投入確認試験における補助冷却設備空気冷却器用送風機(遮断器)の動作不良について (PDF)”. 2011年10月27日閲覧。
^ 『動燃二十年史』 動燃二十年史編集委員会編、動力炉・核燃料開発事業団、1988年10月、NCID BN03162172 [要ページ番号]。『動燃三十年史』動燃三十年史編集委員会編、動力炉・核燃料開発事業団、1998年7月、NCID BA37707647、口絵。
^ 諸岡さとし 『創造への旅』 文芸社、2001年1月、280頁。ISBN 978-4-8355-1112-2。 “原子力と仏教 文殊普賢と命名”. 佛教タイムス: p. 1. (1970年6月6日付第849号) 。等。
^ 「仏教界の怒りを越えて - 「もんじゅ」への期待-」、『原子力eye』第51巻第5号、2005年5月号、 [要ページ番号]。 『産経新聞』 1996年5月21日付[要文献特定詳細情報]。他
^ “もんじゅ・ふげん原子力政策容認していた仏教界”. 中外日報. (2012年7月10日) 
^ 工藤英勝「 ⇒仏教者は新型動力炉命名にどう関与したか? : 「もんじゅ」「ふげん」命名伝説の虚実 (PDF) 」 、『印度學佛教學研究』第61巻第1号、日本印度学仏教学会、2012年12月20日、 252-255頁、 NAID  ⇒110009586125、2015年11月14日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:91 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:FIRTREE