ため池
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「溜池」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「溜池 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ため池(ためいけ、溜池、溜め池)とは主に農業灌漑)用水を確保するためにを貯え、取水設備を備えた人工ののことである。その目的のために新設したり、天然池沼改築した池を指す。


目次

1 ため池灌漑

1.1 構造

1.2 形態

1.3 問題点


2 各国のため池

2.1 インドのため池

2.2 中国のため池

2.3 日本のため池

2.3.1 歴史

2.3.2 統計



3 生物相

4 脚注

5 関連項目


ため池灌漑讃岐平野のため池

ため池灌漑は堰灌漑や井戸水灌漑と並ぶ伝統的な灌漑方法である[1]

ため池灌漑では、ため池に水を貯えておき必要な時に耕作地へ送水することで季節ごとの水量の変化や旱魃などの気象変動による影響を抑え、農作物を安定して栽培することができるようにする。

例えば、日本では、水を使わない冬季に川の水を取り入れ貯えておけば春先や初夏といった水が必要になるときに耕作地へ供給することができる。梅雨時の河川は平常時を上回る水量となることがあるが、この時の余分な水も貯えておけば盛夏時の渇水の危険性を減らすことができる。また、冷涼な高地から流れ下る雪解け水を一時貯えて、田植え時の水田に温んだ水を供給することで冷害を防ぐ温水ため池というものもある(長野県の白樺湖が代表的)。

池を囲む堤防の高さを上げて貯水量を増やしたり崩壊を防ぐため整備工事を施すなど、機能改善を施した池もある。また飲み水など生活用水としての貯水池として、また河川増水時の調整池としての役割も有しているとしてその価値が見直されている。多種多様な生物が生息する池もあり、周辺を含めた豊かな自然環境も注目されている。

広いため池の場合、ウインドサーフィンボートカヌー水上オートバイなどを使った娯楽場所として使われているところもある。また灌漑の役目を終えても池として残され、噴水遊具の整備を行い親水公園として公開されているところもある。またヘラブナコイブラックバスなどを釣る人でにぎわっているため池も多い。
構造

堤を用いて水を貯えているが、必要な時に耕作地へ水を送り出せるよう取水施設がある。

ため池が作られた初期のころは樋管(ひかん)と呼ばれる管が堤を貫通して外に通じており、栓を外すことで水を池の外へ流せるようになっていた。やがて池の底から立ち上がる立樋(たてひ、竪樋)と、その下から堤を通り外に通じる底樋(そこひ)の組み合わせが用いられるようになる。立樋にはいくつかの高さに栓が複数設けられ、水位の低下に伴って適切な高さの栓を開け水を流せるようになっている。立樋は垂直に立ち上がっているものと、堤の斜面に沿って作られるものがある。

台風などによる増水時に堤が破壊されないよう、堤の一部を低くして許容量以上の水を早めに出す洪水吐(こうずいばけ、こうずいばき)もしくは余水吐(よすいばき)と呼ばれる施設も作られる。英語でオーバーフローと呼ばれることも多い。
形態典型的な谷池(兵庫県加東市皿池の一例。人家に近く、周りが堤で囲まれ、ガマやヒシ、ホテイアオイ等が育つ。

ため池は谷池と皿池という2種類に大きく分けることができる。両者は場所や築造方法が違うほか、水質や生息する動植物に違いが現れてくる。
谷池
谷の下流側に堤を作り、川をせき止めるようにして作られた池。山間部に多く作られている。土を主体とする(せき)、いわゆるアースダムによって貯水されるが堰堤の高さが15.0m以上となると河川法上におけるダムとして定義される。このため、日本におけるアースダムの多くは農業用のため池として建設されている。池の水質は生活廃水の混入が少ないため貧栄養で、酸性を示すことが多い。谷池から流された水は平地の皿池に分配して貯え、そこから農耕地に分配するという方法が取られる。福島県相馬地方のため池はこのタイプが多い。山池と称されることもある。
皿池
堤で周りを囲み、底を掘り下げて作られた池。平野部に多く作られておりや谷池、もしくは他の皿池から用水路を経て引かれてきた水を貯えている。人間の生活範囲に近いところに立地し生活廃水や農耕地から用水路に入り込んだ肥料などが混入することにより、水質が富栄養化する傾向にある。讃岐平野のため池はこのタイプが多い。
問題点

水を流し出す樋管や、樋を付ける場所を意味する打樋(うちひ)はため池の弱点である。樋管に木材を使っていた時代では、腐食するために交換する必要があった。もし樋管が腐食して壊れると、堤の崩壊を招くことにもなる。また打樋は岩もしくは堅い土であることが求められたが、ここも頑丈でないと崩壊を招きかねない。

技術が発達し、堤や取水施設にコンクリートや金属を使うことで強度は上がった。しかし管理が行われなくなった溜池では堤の強度が下がっていくおそれがある。

水質汚濁が進んだ池は悪臭を発し、周辺で暮らす住民の不満を招くことになる。またゴミの不法投棄も問題視されている。
各国のため池
インドのため池


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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