栗まんじゅう問題(くりまんじゅうもんだい)とは、漫画「ドラえもん」に登場するひみつ道具「バイバイン」によって増殖を続ける栗まんじゅうの行く末を心配して貴重な時間を浪費するという、非生産的な活動のことである。
数々の学者がこの問題に取り組み、より生産的に使えるはずの時間を無駄にしてきた。その経済的な損失は計り知れない。産業を低迷させるテロあるいは陰謀とも言える。なお、「ケロロ軍曹」や山本弘の雑記においてもこの問題を検証した記述が見られるなど、その知名度は高い。その発祥は1929年、ロシアのベリヤーエフが書いた小説『永久パン』だといわれている。
これがどれほどの問題を持っているかを理解しやすくするために、この項目では実際に時間を浪費してみることにする。なお栗の味を覚えていない福岡・山口の両県民は、「湖月堂の栗饅頭」を標本とし考察すること。目次
1 前提条件
2 問題点
2.1 元素の問題
2.2 質量保存の法則
2.3 増殖を止める方法
3 膨張速度の問題
3.1 数式
3.2 相対論の壁
3.3 ブラックホール化
4 栗まんじゅうを破壊する要因
4.1 自重での崩壊
4.1.1 検証1 - 脱出速度との関係
4.1.2 検証2 - 重力による栗まんじゅうの破壊
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4.2 他の天体への衝突
4.3 加速度の問題
4.4 衝突による破壊
4.5 太陽光など
4.6 自身の恒星化
5 ホワイトホール仮説による古典論からの脱却
5.1 質量保存の法則に対する反論及び問題点
5.2 膨張圧と自己重力の最新研究
5.3 無限時間後の圧平衡
5.4 栗まんじゅう特異点への進化のプロセス
6 特殊相対性理論を超える考え方
7 栗まんじゅうを粒子とする考え方
8 栗まんじゅうが未来から取り寄せられているとする考え方
8.1 近未来多重世界仮説
8.2 遠未来同一世界仮説
9 その他の考え方
10 結論
11 最後に
12 関連項目
前提条件 事の重大さに驚いたドラえもん
バイバインは、一滴たらすとその物体を5分ごとに倍に分裂させる薬品である。物語は以下のように展開する。
のび太が1つしかない栗まんじゅうを食べようかどうか悩んでいる。
ドラえもんがバイバインを取り出すが、のび太の過去の言動を察してか、かけるのをやめる。(伏線)
ドラえもんがのび太に事の重大性やリスクを敢えて忍ばせて、ちゃんと残さず食べてくれとお願いする(これが後に大きな命取りとなる)。
ドラえもんがバイバインを栗まんじゅうにかける。栗まんじゅうは分裂を始める(5分ごとに2倍に、つまり5n分後には2のn乗倍になる)。
のび太はしばらく放置し、増えたところで最初は喜んで食べていたが、食べきれない。母や友人にも助けを求めるが分裂速度に追いつかない。
栗まんじゅうは増え続け、思わず自宅のゴミ箱に捨ててしまう。
のび太はドラえもんに残さず食べたとウソをつき、ここでドラえもんが初めて事の重大性を述べる。
ゴミ箱にあふれかえった栗まんじゅうをみて困ったドラえもんは、小型ロケットで宇宙空間に放出してしまう。
物語はここで終わるが、問題はこのあと、栗まんじゅうがどうなったかということである。 まだまだ終わ? 2fd8 ?せない…宇宙の果てが見えるまで…!
ここで、前提条件として、バイバインの特性について再確認しておく。 当面の論点は、宇宙空間に放出された栗まんじゅうがその後どうなってしまうのか、である。しかし、このためには解決しなければならない問題が複数ある。ただし、以下の記載はユーモアの欠片もないクソ真面目な理論となるため、どうせお前らにはわからないだろうが気にするな。 栗まんじゅうは主に炭素、水素、酸素、窒素などから構成され、これよりも「重い」元素は少量である。一方で宇宙に存在する元素の構成比は栗まんじゅうのそれとは大きく異なっている。従って、他の元素から栗まんじゅうの元素を得るためには元素の変換が必要であり、現在知られている方法としては核融合
5分ごとに栗まんじゅうを分裂させ、数を2倍に増やす。
食べてしまう(別の物体となる)とそれ以上の分裂はない。
問題点
元素の問題
大気を原料とする場合、上記のような元素は比較的豊富であり、初期のうちに限って言えば大きな問題は起きないと考えられるが、地球自体を材料とし始めると話は変わる。地殻を構成する主な元素は珪素やアルミニウム、鉄などであり、より深い層ではもっと重い元素が増える。鉄よりも軽い元素を、核分裂によってより軽い元素に変換するためには膨大なエネルギーを投入する必要があり、鉄より重い元素を核分裂させて得られるエネルギー(これは現在の原子力エネルギーと同じ原理である)があるとしても、大幅なエネルギーの不足が発生すると考えられる(恐らく太陽光を吸収することになるだろうが、エネルギー源としては甚だ不足である。また、大抵の物質に存在する放射性同位体を線源として作用するかもしれない)。また中性子が余るため、恐らく中性子線を放出して周囲での人間の生存は不可能になるであろう。
栗まんじゅう球の大きさが宇宙規模になると、また話は変わる。宇宙を構成する元素の大半は水素やこれに近い軽い元素であるが、これを栗まんじゅうの原材料とするためには核融合が必要であり、その過程で膨大なエネルギーを放出することとなる。場合によっては新たな恒星が一つ発生したのと同じような現象が起きる可能性もある。なお、このエネルギーは上記の「地球を材料とする」場合に必要なエネルギーとの間で収支のバランスが得られる可能性がある。
なお、宇宙全体を栗まんじゅう化する場合のエネルギー収支については不明な点が多く、何とも言えないというのが現状である。 まず、議論をしやすくするため、栗まんじゅうの重さを100グラム、体積を100立方センチメートルと仮定する。 言うまでもないが、質量保存の法則
質量保存の法則
もちろん、相対論の壁を考えればこれだけ短時間で増殖することは不可能である。したがって、全宇宙を栗まんじゅうに変換するのに要する時間は150億年以上、ということになる。
現在は、質量保存の法則を守れば議論が進まないことが知られており、この問題は丁重に無視されている。もっとも、バイバインが未来の道具である以上は質量保存の法則など既に超越している可能性も高いので問題はないだろう。 溶鉱炉に入れれば解決したが、食べてしまうと増殖が止まる、という条件が不明である。形が崩れれば良いのであれば、ドラえもんのすべきことは急いで栗まんじゅうを踏みつぶすことであろう。唾液が関連する可能性もあるが、そうであるなら、まんじゅうをいちど口に含み唾液をつけたらはき出す、若しくは口から霧状にした唾液を吹きかけるという行為を続ければ良かったのである。 まんじゅうを食べるということはまんじゅうを体内(特に胃袋)に放り込むということである。まず、胃では食物の分解のために酸性の消化液
増殖を止める方法
だが、「酸化学反応説」をとった場合、ドラえもんが実際にとった解決法は悪手になってしまう。というのも、二酸化炭素は微弱ながら酸性であるため、二酸化炭素が存在する大気内(分けても、資本主義国として大量消費が励行される日本の環境下)、完全に止めるには至らないまでも、多少なりともバイバインの効果が抑制される事が期待できるからである。また、多くの家庭用洗剤の類が酸性を示すことも知られている。ドラえもんはそれらの活用ではなく、二酸化炭素の存在が無い(少なくとも地球の大気圏内よりは希薄である)、宇宙空間に放り出してしまったことになる。
また、消化器官には消化酵素が多種類存在し、食した物の分解に役立っている。したがって、食べてしまうと増殖が止まる理由として、これらの消化酵素がバイバインの有効成分を打ち消す作用をもつ可能性が示唆されている(この仮説を以後「消化酵素仮説」と呼ぶ)。ドラえもんが唾液をつけたら吐き出すという行為を採択しなかった理由としては、唾液中に含まれる消化酵素の中にバイバインの有効成分に影響を与える酵素が存在しないことをドラえもんが既知であった可能性と、ドラえもんは原子炉で消化するためそもそも体内に消化酵素が存在しないという2つの可能性が考えられる。
「消化酵素仮説」に基づくと、まんじゅうの増殖を止める有効な方法としては、消化酵素を含む液をまんじゅうにかけ、その酵素の最適温度となる環境に置くことが考えられる。ただし、もしこうした方法が適切とされているのであれ? 1533 ??、20世紀ですら存在するPL法の観点からしても、バイバインは(安全対策として)分解用の薬剤と共に販売されるべきであり、ドラえもんがその薬剤を持っていなかった点にも着目する必要がある。これが販売側の怠慢であるのか、ドラえもんのミスであるのか、消化酵素仮説そのものを否定する証拠であるのか、明確な結論は出ていない。仮に酸化学反応説が正しいとすれば、専用の薬剤でなくとも酸性の液体はありふれているので、専用の薬剤がなかったことには一定の説明はつく。
単に形が崩れれば増殖が抑制されるのか、酸性の物質と反応するのか、消化酵素が介在しているのか、あるいは別の機構が存在するのか、などといったバイバインの効力を抑える理由を考察し、解明することが、まんじゅうの増殖を止める方法だけでなく、その後の分裂の様子を考える上で必要不可欠であると思われる。
仮に唾液のみでは増殖が抑制されなかった場合、20分もチューイングを続ければ頭部を構成する原子が全て栗まんじゅうに変換され、見るも無残な姿になることは容易に想像が付く。 とりあえず質量保存の法則及び構成元素の問題は無視しよう。栗まんじゅうは、なにも無いところから湧いて出るように増えて行くとする。それでは、ひたすら増殖を続ける栗まんじゅうは、その後どうなるのであろうか。 栗まんじゅうがその場で(地球との位置関係を変えずに)増殖を続ければ、数時間後には「栗まんじゅう球」の直径は地球の直径をこえ、地球は飲み込まれてしまう。地球から一定の速度をもって打ち出したとしても「運命の時」を遅らせるのみであり、いずれ地球はのみこまれる。栗まんじゅう球の直径は15分ごとに2倍に、指数的に増えてゆくためである。ただし、放出速度が光速度に近づけばローレンツ変換によって見かけ上の時間の経過が遅くなり、場合によっては「運命の時」が半永久的にやってこない(少なくとも宇宙の寿命より先)とすることも可能であろう。 分裂開始から充分に時間が経過した後の栗まんじゅう球の直径および膨張速度は、以下の数式により求められる。 まず、分裂開始 t{\displaystyle t} 秒後における栗まんじゅう球の体積を V(t){\displaystyle V(t)} 、栗まんじゅう球の半径を
101
r(t)
479
{\displaystyle r(t)} と置くとV(t)=4πr(t)33{\displaystyle V(t)={\frac {4\pi r(t)^{3}}{3}}}
465
……(1) である。式 (1) を変形してr(t)=34π3V(t)1
1284
/3{\displaystyle r(t)={\sqrt[{3}]{\frac {3}{4\pi }}}V(t)^{1/3}} ……(1)' となる。この時 V(t){\displaystyle V(t)} の値は、V(0):=V0{\displaystyle V(0):=V_{0}} とするとV(t)=2⌊t/T⌋V0,T:=300 sec{\displaystyle V(t)=2^{\lfloor t/T\rfloor }V_{0},\quad T:=300\ {\rm {sec}}} ……(2) となる。ここで T はバイバイン増殖定数である。栗まんじゅうの増加量は上の式で示されるように離散的な数値を取るが、以下では計算の便宜上栗まんじゅうの増加量を連続量、すなわちV(t)=2t/TV0{\displaystyle V(t)=2^{t/T}V_{0}}
e0c
……(2)' と見なす(充分に t{\displaystyle t} が大きくなれば、上の式 (2)' は結局式 (2) に収束する)。式 (2) 'を式 (1)' に代入することで、r(t)=3V04π32t/(3T){\displaystyle r(t)={\sqrt[{3}]{\frac {3V_{0}}{4\pi }}}\,2^{t/(3T)}} を得る。ここで r(0):=r0{\displaystyle r(0):=r_{0}} とすれば、式 (1)' より
5aa
r(t)=r02t/(3T){\displaystyle r(t)=r_{0}\,2^{t/(3T)}} ……(3) であり、これにより時刻 t{\displaystyle t}
bd8
における栗まんじゅう球の半径が求められた。 式 (3) の時間微分により栗まんじゅう球の膨張速度drdt(t)=ln21/(3T)⋅r02t/(3T){\displaystyle {\frac {dr}{dt}}(t)=\ln 2^{1/(3T)}\cdot r_{0}2^{t/(3T)}} ……(3)' が得られる。さらにここで上式 (3)' に (3) を代入すれば、drdt(t)=ln21/(3T)⋅r=ln2
1f01
3Tr{\displaystyle {\frac {dr}{dt}}(t)=\ln 2^{1/(3T)}\cdot r={\frac {\ln 2}{3T}}\,r} となり、この右辺が、半径が r{\displaystyle r} の時の表面の速度となる。この式は球体内部にも適用でき、栗まんじゅう球内部のある点を通過する栗まんじゅうの速度は、中心からの距離 r{\displaystyle r} に比例することになる。なお、これはほぼ 7.7016×10-4・r である。 上の式 (3) および式 (3)' は、栗まんじゅう球の直径および膨張速度が15分ごとに倍増していくことを示す。圧縮を考慮しなければ、栗まんじゅう球の初期半径を2.88cmと仮定すると栗まんじゅうの膨張速度は分裂開始4時間45分後には新幹線「のぞみ号」の最高速度である時速270kmを越え、その30分後には音速に達する。相対論的な影響を一切考慮しなければ、11時間後には光速 表面速度が光速度よりも十分に遅い場合は上記の式のままで良い。しかし、栗まんじゅう球のサイズが一定以上になるとそうではなくなり、ローレンツ収縮が無視できない存在となる。 相対論では光速度を超える現象は禁止されているが、栗まんじゅう球においては次のように適用される。 上記のように、光速度に近づくほど膨張力も0に近づき、且つ運動方程式の変更により加速度が収束する。よって球体の膨張は一定速に漸近することが帰結される。仮に光速度に達してしまうと(相対論上は禁止されているが)膨張力が完全に0になり、内側から押されることしかできなくなる。 結果、栗まんじゅう球の膨張速度は光速度に収束してゆく。l=l01−v2c2,t=t01−v2c2{\displaystyle l=l_{0}{\sqrt {1-{\frac {v^{2}}{c^{2}}}}},\qquad t=t_{0}{\sqrt {1-{\frac {v^{2}}{c^{2}}}}}}l:{\displaystyle l:} 見かけ上の長さ
ed2
l0:{\displaystyle l_{0}:} 相対速度が0の時の長さt:{\displaystyle t:} 見かけ上の時間の速さt0:{\displaystyle t_{0}:} 相対速度が0の時の時間の速さv:{\displaystyle v:} 見かけ上の移動速度c:{\displaystyle c:} 光速度 このモデルは、ほぼ光速度で膨張し続ける栗まんじゅう球という、あまり想像したくないシロモノを描き出している。なにしろこの栗まんじゅう球は衝突直前まで目に見えない(観測できない)のである。また衝撃光(オ?
14a4
??ティックブーム)の存在も忘れてはならない。まったくもって想像したくないシロモノである。 このように急激に膨張を続ける栗まんじゅう球であるが、その膨張の様子には、自身の質量から発生する強大な重力が少なからぬ影響を与える。 まず、ブラックホールの発生に重要な役割を果たすのがシュヴァルツシルト半径 一方で、ある時点の栗まんじゅう球半径と質量は、半径:r(t)=r02t/(3T){\displaystyle r(t)=r_{0}2^{t/(3T)}}質量:M(t)=M02t/T{\displaystyle M(t)=M_{0}2^{t/T}} である。この場合、質量 であるが、一見してわかる通り、シュヴァルツシルト半径は質量に比例し、質量は半径の3乗に比例するため、シュヴァルツシルト半径は栗まんじゅう球の半径の3乗に比例する。言い換えれば、初期のうちはごく小さかったシュヴァルツシルト半径が、分裂が進行するにつれて急激に大きくなり、いずれは栗まんじゅう球自身の半径を追い越してしまうことになる。その結果、栗まんじゅう球はブラックホールとなる。 ひとたびブラックホールとなり、すべての栗まんじゅうが事象の地平面の内側に入ってしまった場合、それらは我々の観測可能な宇宙から切り離される。この状態になれば、事象の地平面の外側から見る限り、分裂が停止したものとして扱える。 なおその半径であるが、r02t/(3T)<2GM02t/Tc2{\displaystyle r_{0}2^{t/(3T)}<{\frac {2GM_{0}2^{t/T}}{c^{2}}}} これを整理してr0c22GM0<22t/(3T){\displaystyle {\frac {r_{0}c^{2}}{2GM_{0}}}<2^{2t/(3T)}} 先述の通り、r0:=2.88 cm, M0:=100 g{\displaystyle r_{0}:=2.88\ {\rm {cm}},\ M_{0}:=100\ {\rm {g}}} と仮定すると、ここに達するのはおよそ130.9=t/T、つまり131回目の分裂後、相対論を無視すると分裂開始から11時間弱となる(余談となるが、相対論を無視して計算した場合に膨張速度が光速度に達するのと同じ時点である)。こうして、シュヴァルツシルト半径が4.01×1011m(火星の公転半径の2倍弱)の超巨大ブラックホールが誕生する。これは銀河系全体の質量の1.1%、中心に発見された巨大ブラックホールの質量の3.4%に達し、銀河系全体の挙動にすら影響を与えることが予想される。 なお、相対論を考慮すると、栗まんじゅう球は自身の重力と表面の移動速度によって見かけの時間の経過が遅くなるため、実際にこの状態に達するまでにはより多くの時間が必要となる。 一方で、栗まんじゅう自体が破壊されてしまう可能性についても考慮すべきである。これは、破壊によって分裂が停止する説にとって重要である。 増殖が続くうちに自重で「栗まんじゅう球」の中心部が破壊され、やがて一つの天体 崩壊が一定以上進めば恒星が生まれ、さらにはブラックホール化するとも考えられる。ただし、恒星誕生時に起きるさまざまな現象により残った栗まんじゅうが破壊されたり吹き飛ばされる可能性もあり、ブラックホール化しないのではないか、とする意見もある。 栗まんじゅう球の表面からの脱出速度 V は V=2GMr{\displaystyle V={\sqrt {\frac {2GM}{r}}}} で求められる。 ここで栗まんじゅう球の比重を1.0×103kg/m3と仮定する。ある瞬間の径R(m)に対しての栗まんじゅう球の質量は M=43πR3×1.0×103{\displaystyle M={\frac {4}{3}}\pi R^{3}\times 1.0\times 10^{3}}(kg) であり、r=Rであるから、 V=8GπR2×1033{\displaystyle V={\sqrt {\frac {8G\pi R^{2}\times 10^{3}}{3}}}} である。Gは6.673×10-11m3s-2kg-1だから、V=7.477×10-4×R(m/s) となる。 一方で表面速度は7.7016×10-4×R(m/s) であるから、表面の栗まんじゅうは常に脱出速度を上回っていることになる。ただし、栗まんじゅう球が散乱することはない。球の膨張は指数的に加速しており、表面の栗まんじゅうは常に内側の栗まんじゅうと接することになり、全体として球体を保ち続ける。 なお、栗まんじゅうの増殖が順調に進めば良いが、圧力による破壊が中央部から始まり、膨張速度が徐々に減少した場合、表面の栗まんじゅうも脱出速度を超えることができない可能性がある(脱出速度は密度の平方根に比例することを申し添えておく)。 栗まんじゅう球の膨張速度は別として、球の径がどのくらいになれば全ての栗まんじゅうが破壊され、膨張が止まるのであろうか。 栗まんじゅうがどの程度の加速度を受けると破壊されるかが明確ではないが、試しに1リットル入りペットボトル(栗まんじゅうの10倍の重さ)を載せてみると簡単に潰れたため、とりあえず表面の重力が10G(地球の重力の10倍)に達すると破壊されると仮定する。 ある天体の表面での重力加速度 g は密度と半径に比例する。すなわち、重力が10Gになるのは になる。栗まんじゅう球がこの径に達すると、全ての栗まんじゅうが破壊されて増殖が停止する。余談だが、2.の半径はほぼ地球と月の距離と同じである。 1.の質量は地球の1,000倍となるが、恒星化するには質量が足りない。もし分裂が順調に進んでいれば、8時間後にこの径に到達することになるが、内部では崩壊が始まっているため、実際にはもっと長い時間がかかると考えられる。 2.の質量は地球の30,000倍の質量であり、恒星化するために最低限の質量(太陽の1/10以上)を持つことになるが、こちらの数字はあまり現実的ではない。分裂が順調に進めば8時間半後にこの径に到達する。 地球や太陽など、他の天体の引力や熱によって、十分に分裂する前に全ての栗まんじゅうが破壊されてしまう可能性も考えられる。 栗まんじゅうが分裂する際、その栗まんじゅうはどのように加速するのであろうか。全体に等しい加速度がかかるのであれば、どれほど強い加速度がかかっても問題は無いが、一点から押されるような加速の場合、栗まんじゅうが破壊され、その結果外縁部で増殖が進まなくなる可能性がある。 栗まんじゅうは、初期のうちは一つにまとまることなく、宇宙空間で散乱しながら分裂を続けるだろう。しかし増殖が進むにつれ、栗まんじゅうの間にある空間は埋め尽くされ、互いに衝突を始めるようになる。こうした衝突で栗まんじゅう同士が破壊され、単純な倍々で増殖しない可能性も考えられる。 そもそも、宇宙空間には栗まんじゅうを破壊する要素が無数に存在する。真空状態により栗まんじゅうの水分が蒸発し、大気を通らない太陽光が栗まんじゅうをこんがりと焼き上げてしまうだろう。ぼろぼろに
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なった栗まんじゅうがまだ分裂できるのかどうか、疑問である。 また、打ち上げに伴って気圧が急激に下がれば、内部の空気や水蒸気が逃げるのが間に合わず、栗まんじゅうが破裂してしまうかもしれない。また、打ち上げ時のGに耐えられるかも不明である。 仮に分解せず原型を保ったまま栗まんじゅう球が増殖を続けたとすると、その質量によって重力が増し、その中心部では凄まじい物質の圧縮が発生する。これにより、栗まんじゅうの成分中に存在する放射性同位体が核分裂反応及び核融合反応を示し、それは時間の経過とともに連鎖的に大規模な物となっていき、最後は栗まんじゅう球が恒星の状態になるはずである。 この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。 ここまでの議論はいわゆる古典論 アインシュタインによれば、質量はエネルギーと等価である。 E=mc2{\displaystyle E=mc^{2}} この関係の発見により、これまで理論的に不可能と思われていた栗まんじゅうの増殖が理論的に可能になった。即ち、バイバインを与えることによって、栗まんじゅうの内部からそれに等しいエネルギーが湧き出ればいいのである。このモデルでは、バイバインはエネルギーの湧き出しを与えると同時に、そのエネルギーを湧き出す点の近傍に存在する粒子に変換する性質を持っているとされる。このエネルギーの湧き出しを、一種のホワイトホール 栗まんじゅうの不連続的な変化は未だ謎が多く議論の余地が残っている。また、このモデルでは、メカニズム 古典論では突破できなかった膨張圧 無限時間後の栗まんじゅうについて考えてみる。古典論の範囲では常に栗まんじゅうは巨大化しつづけていた。しかし、それでは宇宙全体のエネルギーの平衡が保てなくなってしまう。この問題点を解消するため、ホワイトホール
膨張速度の問題
数式
相対論の壁
栗まんじゅう球において、個々の栗まんじゅうを加速するのは、内側の栗まんじゅうの膨張力である。
栗まんじゅうの相互作用は電磁場を介してやり取りされるが、電磁場の伝播速度は光速である。栗まんじゅう自体の膨張速度が光速に近づくと、伝播速度の影響が無視できなくなる。
運動方程式自体が相対論的運動方程式への拡張を余儀なくされる。
光速度に近づいた栗まんじゅうは、ローレンツ短縮分だけ薄くなる(見かけ上)。
薄くなった栗まんじゅうは、その分だけ膨張力が減る。また、時間経過が遅くなり(見かけ上)、分裂速度も下がる。
ブラックホール化
栗まんじゅうを破壊する要因
自重での崩壊
検証1 - 脱出速度との関係
検証2 - 重力による栗まんじゅうの破壊
密度が地球と同程度 (5.5×103kg/m3) ならば、地球の径の10倍。
密度が1.0×103kg/m3なら、地球の径の約55倍
他の天体への衝突
加速度の問題
衝突による破壊
太陽光など
自身の恒星化
後は適当に頑張って
ホワイトホール仮説による古典論からの脱却
質量保存の法則に対する反論及び問題点
膨張圧と自己重力の最新研究
無限時間後の圧平衡
しかし、この仮説には問題点もある。湧き出す点が無数に増え続けるこのモデルで全体が一つのブラックホールになるだけでは釣り合いが取れないのではないかという問題である。この問題に対しては、栗まんじゅう特異点への進化のプロセスの解明が重要である(これについては次の説で述べる)。栗まんじゅう球のすべてが一気に栗まんじゅう特異点へと進化したならば、栗まんじゅうから湧き出す増殖されたエネルギーが自己の重力で潰れるだろう。しかし、一斉に潰れることが可能かどうかについては不明である。 十分時間が経過した後、栗まんじゅう球の大きさは十分に大きく、中心と表面の距離が十分大きくなる。ホワイトホール 質量保存則が成り立たないので、特殊相対性理論も成り立たない。作中で栗まんじゅうは22世紀のロケットを使って打ち上げられており、その速度は光速度を超える速度であると仮定する。この場合「ウラシマ効果」に基づき、時間がほとんど進まず、栗まんじゅうは増えない。すなわち「ロケット内で超光速移動中の5分間」は、地球の実時間上では非常に長い時間になると考えることができる。また宇宙が光速度以上で膨張しているとすると、「饅頭増殖速度<ロケット速度<宇宙膨張速度」となり、ドラえもんの栗まんじゅう処理方法は正しいと言える。 栗まんじゅうがさまざまな障害を乗り越え、膨大な数に増殖した場合を考える。通常栗まんじゅう程度の大きさでは量子としての性質は無視できるが、非常に多数となった場合量子力学的性質は無視できなくなる。そこで栗まんじゅうを粒子として考える。ここで量子理論の結論から粒子はフェルミ粒子
栗まんじゅう特異点への進化のプロセス
特殊相対性理論を超える考え方
しかし、原作の最後のコマに、ドラえもんが望遠鏡を見て、「あれが栗まんじゅうの天の川だよ」と言っているので、それほど速くも無いようだ(時間が夜に変わっているので、少なくとも地球上の実時間よりは長い時間である事がわかる)。
栗まんじゅうを粒子とする考え方
さらに栗まんじゅうが増殖を続けたときを考える。栗まんじゅうが増殖を続けると宇宙の大半は栗まんじゅうとなる。こうなると宇宙は均質な栗まんじゅうで満たされた空間と見ることができる。よって、宇宙を考えるにあたり栗まんじゅうで満たされた空間の内部と、その外部に分けることができる。均質な栗まんじゅうに満たされた空間に観測者が居る場合、自身が栗まんじゅう中にいるのか真空中にいるのかは区別できない。背景にある栗まんじゅう粒子が無い場合を観測できないからである。空間内ではエネルギー分布の揺らぎも起こり、これが新たな状態を生み出す可能性もある。そして栗まんじゅうで満たされた空間は膨張を続け次第に冷えていく。
これは新たな宇宙の誕生である。また、我々がいるこの宇宙の性質とも矛盾しない。原作では栗まんじゅうは無事処理できたように書かれているが、もしかすると我々が今居る宇宙は栗まんじゅうに満たされた宇宙なのかもしれない。 五分毎に栗まんじゅうを少し先の近未来から全て取り寄せているとすれば、それは五分毎に二倍に増えることと同一である。そして二倍に増えたことによって未来が分岐するのであれば、それらの栗まんじゅうは過去へと行かないこととなる。もし、栗まんじゅうが増えすぎたとしても、タイムパトロールがやってきて、内々処理してくれるはずであるが、その場合でも未来が分岐するため、タイムパトロールの来ない世界が生まれることとなる。しかし、強力な歴史の修復力(詳しくはT・Pぼんを参照)を考えれば、分岐した複数の未来は、その後相似していくはずなので、未来においては大きな問題とはならないと思われる。 なお、過去に戻れる世界においては、未来の分岐は過去にも影響を及ぼすため、未来の分岐というよりは、過去から未来を含めた世界線の分岐と言う方が適切であろう。 多世界解釈を用いずとも、栗まんじゅうの取り寄せは観測を伴わず、かつ未来への干渉であるため、この現象を同一世界上で考えることもできる。つまり、十分な時間経過後の未来の一時点t1を考えると、そこには既に増えている大量の栗まんじゅうが存在しているので、それを次々と現在に前借りしている、と考えればよい。より因果律的な矛盾が生じない考え方として「反物質栗まんじゅう」の概念を導入することもできる。t1上から栗まんじゅうを取り寄せると、同時にマイナス質量の栗まんじゅう(反物質栗まんじゅう)が生じ、t1上に次々と蓄積されていく。この場合増加した栗まんじゅうは、時間t1に突如出現する大量の反物質栗まんじゅうと反応して対消滅する。どちらの考え方でも、栗まんじゅうは一定時間後に最初の1個を除き全て消滅することになり、質量増加は差し引き0、つまり4次元時空上での質量保存則が成立している。
栗まんじゅうが未来から取り寄せられているとする考え方 次々と分岐するパラレルワールド。 分かりやすく言えば、こういうことである。
近未来多重世界仮説
遠未来同一世界仮説
その他の考え方 賢明な読者の意見の一例
燃やせばいい。バイバインも燃え尽きるだろう。
塩酸でもかけて溶かせばいい。
スモールライト
ビッグライト
最後の一個を磨り潰して水で流し込めよ。
それなwww
タイムマシンで未来ののび太を呼んで食べてもらえばいい。
タイムマシンで過去ののび太にバイバインを使わせなければいい。
バイバインのききめをなくす薬を使えばいい。
その前に、これを使わなくてもビッグライトで大きくして食べればいい。
そもそも、あのチート兵器で増やせばよかったのでは?
タイムふろしきや逆時計を使って元に戻せばよかったのでは?
「もしもボックス」、「ソノウソホント」や「ウソ800」などの全能系道具ですべて消せばいいのでは?
もどりライトを当てて栗と小麦に戻してしまえばいいのでは?
どこでもドアで火山脈か溶鉱炉に捨てれば良かったんじゃないの?
そもそもどこでもドアで直に宇宙空間とつなげば気圧差の関係で勝手に栗まんじゅう全部吸い込んでくれるんじゃないの?
ストレートホールで太陽にブチ込んじゃえばよかったんじゃね?
ミニブラックホールにブチ込んでしまえばペシャンコになるのでは?
味の素の素をかけて無理矢理食べればいいのでは?
宇宙に出る前に5分経過したら風呂敷から栗まんじゅうがあふれ出る可能性がある。