春画は江戸中期には社会一般に認知されていたが、その実何度も摘発対象となっている。ただしこれは現代の非実在青少年規制のように性欲をタブー視したものではなく、春画の価格が異常に高騰していき経済破綻に繋がりかねないと危惧されたせいである。大量生産の為版画形式が一般化すると、版画技師は「もっと鮮明に」「もっと多色刷りに」と高品質を追い求め、10色刷り15色刷りという版画としてはあり得ないほど驚異のテクノロジー[2]を駆使するようになり、単価もどんどん上がっていった。
その結果として江戸末期になると、春画は地下出版物となってしまう。更に明治になると、半端に欧米型価値観に染まった文化人に「恥ずべきアングラな文化」と断じられ、二束三文で海外に流出している。これが大きな文化的損失であることは言うまでもない。
脚注^ 「紫色雁高」などもあった。なんにせよちんこの直喩である。
^ 当時使われていた多色刷りの技術は異常なほど高度であり、現代の出版技術でも再現は難しい。
関連項目
絵
江戸時代
エロ本
性欲
更新日時:2018年1月20日(土)07:32
取得日時:2021/04/21 04:43