妖怪
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ある妖怪DNAの空間充填モデル。ライナス・ポーリングが想定していた三重らせん構造のDNAを実際に持っており、他の妖怪からも明確に違う系統進化をしている。「存在しないものを存在しないと証明することはできない」
? 悪魔の証明

妖怪(ようかい)とは、通常の人間その他の植物が持ち得ない特異なゲノム情報を持つ生物存在の俗称。妖(あやかし)あるいは物の怪(もののけ)などとも呼ばれるが、広義にはやその依り代、妖精なども含まれる。一般には、特殊な遺伝情報に由来する驚異的な特殊能力・異形などを携える存在の総称としての意味合いが強い。

通常、生物の核酸情報は5種類の塩基(アデニンチミンシトシングアニンウラシル)より構成されているが、妖怪の遺伝情報にはこれら以外の塩基が多数含まれており、発現するタンパク質の働きは大分異なったものとなっている。また程度はあるものの、全体的に他生物を有意に凌ぐ耐久力・治癒力を備えている他、寿命が他生物と比較して格段に長く、逆に生殖能力が著しく低いという特徴がある。通常、生物は個体の死亡が絶滅に繋がらないよう、かつ異常な繁殖による破綻を招かないよう、それぞれに適した生殖能力が備わっているものであるが[1]、その中で妖怪は「強力かつ死滅しにくい一個体」として進化した、極めて稀有な生物であると言うことができる。

また、妖怪という呼称は特に日本国に特有のものであるが、以下では諸外国における同様の幻想存在も含め、全て「妖怪」に統一表記する。
目次

1 概要

2 妖怪研究の歴史

3 世界の妖怪

3.1 通常生物に近似した妖怪

3.2 海洋妖怪

3.3 炎の具現としての妖怪

3.4 人間に近しい別種としての妖怪

3.5 身体レベルの著しく異なる妖怪

3.5.1 身体サイズの極めて小 1b41 さな妖怪

3.5.2 巨人型妖怪


3.6 最強の妖怪

3.7 信仰の対象としての妖怪

3.8 人工的に創生された妖怪


4 日本の妖怪

4.1 鬼

4.2 天狗

4.3 河童


5 通常生物の妖怪化

5.1 活動を停止した生物生体の再動現象

5.2 生体の変異を伴わない妖怪化


6 環境による生態の差異

6.1 極度の高温・高圧環境下に生息する妖怪の身体構造

6.2 活性の最適温度を氷点下に持つ生体酵素


7 妖怪の食事

7.1 ヒトの体液を主食とする妖怪の食事形態

7.2 ヒトの精神活動を主食とする妖怪の食事形態


8 妖怪の生殖

8.1 妖怪性の変異を利用した生殖的隔離の克服

8.2 妖怪の生殖活動の文化

8.3 血液を介した無性生殖の生化学的メカニズム


9 物質が生命活動を行う現象

9.1 無機的存在


10 脚注

11 関連項目

概要

妖怪という呼称は特異塩基を保持する生物存在の総称であるため、個々の系統学的な繋がりはほとんど見出せない。しかし、多数の妖怪に共通する生体的特徴である高度な耐久力・治癒力・長寿命は、特異基質に因 e88 を持つ妖怪タンパク質に共通する性質であるという見解で概ねの一致を得ている。この「通常生物にはあり得ない特異な塩基」の由来は、長くに渡って推測の域を出ない理論がぽつぽつと述べられるだけの、妖物学界における巨大なブラックボックスであったが、スタンリー・ミラーによる化学進化の実験によって、これら特異塩基は前述した通常5種類の塩基と共に、普遍的に誕生していたことが示された。原始地球の大気組成を再現したフラスコ内で放電を行うことで合成されうる塩基は、通常生物が持つ5種類の他にも多数の種類が存在することが確認されており、その内の幾つかはグアニン・シトシンよりも安定ですらあることも確認されている。何故これら有用と思われる塩基が通常生物において利用されていないのかは諸説あるが、未だに明確な結論は得られていない。

また、特異塩基による妖怪タンパク質は、それ以外の副産物をも齎した。個体の自由意志や天候・時間帯によって自在に行える身体構造の明確な改変を始めとして、炎や氷といった極高低エネルギーの体内における合成・放出や、高精度・強機能な五感および特異に発達した専用器官による第六感・第七感などといった強力な異能である。通常生物の身体では過負荷が強すぎるため使用できるものではないそれら異能の力、および通常生物を超えた圧倒的なその強靭性・不死性は古来より人間にとって垂涎の的であり、その力を扱う事に成功した者が、それを源としたカリスマ性で世を風靡することは歴史的には全く珍しくない[2]。ほとんどは妖怪の肉を摂取することによる身体の変異[3]、もしくは妖怪との混血児などであるが、封建制が一般的となる中世に入ると、それらを初代とする一族が異能を確実に遺伝させ、また異能を既得権益として外に漏れないように排他的な血統家系を作ることが主流となっていった。現代においては近親相姦のタブー化などの価値観の普及もあって多少は門戸が開かれつつあるが、それでも大きな力を? 1336 ??つ名家などにおいては未だ血統主義的な価値観が強く根付いている。

逆に、人間から排斥されて攻撃された異能者も存在した。中世ヨーロッパ社会においては、民間に広く存在していた魔女達が、異教排斥を掲げたキリスト教会主導の魔女狩りによって壊滅的な打撃を受け、一時は絶滅したともされていたが、19世紀以降になってからは復権を求めて再び人の世に現れる者が増え始め、現代では一般にもよく姿が見られるほどになっている。科学の発達によって、よくも悪くも民間の宗教色が中世に比べて薄くなっていることが大きな要因であろう。 エドワード・トプセル『四足獣誌』より、マンティコアの生態記録。
妖怪研究の歴史

妖怪の生態について調べられた記録は数多いが、しかし中世以前の記録において、人間の集落周辺に生息する一般的な妖怪について触れられた記録は意外なほどに少ない。これには当時の社会情勢が影響している。妖怪の多くは食物連鎖のピラミッドにおいて他の生物の上位に位置し、特異塩基に因を持つ強力な能を持っているがために一般人の手には余る存在であった。そのため「英雄」と呼ばれる専門の業者が妖怪の研究・駆除を一手に引き受けていたが、命の危機と直接に結びつく危険な業種故に人手も少なかったため、人間にとって明確に害を為すもの以外の妖怪については基本的に無視するか、極力刺激しないように丁重に扱われる事がほとんどであり、結果として人間にとって脅威であればあるほどに詳細な記録が残るという皮肉な結果となっている。

例を挙げると、バジリスク、コカトリス、カトブレパスなどの西洋系妖怪に見られる邪視[4]の能などは、本来的には身体能力が低い、もしくは動きが鈍重な捕食者などが自分のテリトリーに入ってきた餌の動きを封じて逃げられなくするために有するものや、逆に被食者が捕食者から逃げる際にその動きを一時的にでも封じるために身に付けているものであるが、多くの動物は標的や天敵の認識には聴覚や嗅覚? 1390 ??どの五感をフルに使用しており、視覚を介さなければ効力を発揮できないこの能は狩りにおいてそれほど効果的なスキルとはなり得ない。しかし、認識のほとんどを視覚に頼っており、かつ一箇所に固まって生活している人間にとっては極めて脅威的な能であり、また能力そのものは非常に絶対的ゆえに明確な天敵もいないため、この種の妖怪の死因のほとんどは人間による駆除であった。 標的を暗殺し、使役主の元に戻ってきた蠱虫。蠱虫が標的の次に覚えている匂いはほぼ間違いなく使役主の匂いであるため、標的を暗殺した蠱虫は次に使役主を殺してしまう[5]

また現代でもそうであるように、軍事的な研究には人手や資金が投入され易い。騎馬を遥かに凌駕する圧倒的能力を持つ妖怪を騎獣として扱おうという試みは古くより繰り返されており、空中戦が可能な上に扱い方がある程度までと共通できるペガサスや同様に空中戦の切り札になり得るグリフォンなど、飼育の手間やコストが比較的少ない複数種投影系の動物型妖怪が主な研究対象とされ、現代に詳細な記録を残している[6]

東洋においては蠱毒法が有名であろう。妖怪変異を誘発するウィルスを込めた箱の中に毒虫を大量に入れ、毒虫が殺し合う中で毒と妖怪性ウィルスの競合作用により妖怪化した一匹が残る[7]。この蠱虫は昆虫の本能としてフェロモンに強い反応を示し、自分の覚えている匂いを追う習性があるため、ここに殺したい相手の髪の毛などを入れておくことで蠱虫はその相手を追っていき、強力な毒で標的を暗殺する。蠱毒法には発展型が多く存在し、雌猫の死体に妖怪型微生物を繁殖させ、その猫の首を刎ねて子宮に詰め込んでおくことで妖怪化させる猫鬼法や[8]、更にこの猫鬼法を発展させ、死体の腹を用いずに使役妖怪を製作する犬神法などのバリエーションも存在している。
世界の妖怪

妖怪の生態は世界各地、それぞれの生息する環境において様々に変わってはくるものの、大体において通常生物に類似した外見を持つものが珍しくない。これは本来は通常生物であったものが進化の中途で妖怪細胞を取り入れ、妖怪化したものがそのまま種として成立しているようなケースが非常に多いためであり、動物系妖怪を始め亜人系ヒト型妖怪などのある程度の共通性を持つ妖怪が様々な地域で別種として成立しており、妖怪も 1936 各地域における生態系のニッチに収まっていることがわかる。 ユニコーンのレントゲン写真。処女を見境なく突き殺そうとする凶暴な妖怪で、近似種にバイコーンやトライコーンなどがいる。
通常生物に近似した妖怪

最も代表的かつほとんどの種を占めているのが、動物種系統の妖怪である。そのほとんどは妖怪型の骨格および筋肉に由来する単純に高い身体能力を持つものか、あるいは変異により高度に圧縮された脳機能をもって人間を超える知能を操るものとに大別され、特に後者に関しては声帯の高度な発達あるいは身体操作などにより、人間の言語を発音することが可能な種も非常に多い。

通常生物種由来の妖怪が多い関係から、ほぼヒトの関わる範囲内におけるあらゆる動物にその妖怪が存在していると言っても過言ではなく、特にヒトと生存環境を同じくする生物種系統の妖怪はヒトと関わる機会も多く、彼らをペットとして飼育している、あるいは飼育されているというようなケースも昨今では珍しくない。まず最もポピュラーな系妖怪としてはケット・シーやワーキャット、日本では猫又などがよく知られている。全体的に身体能力に特化した種はそれほど多くなく、どちらかと言えば知能に特化した妖怪化を経たものが多いのが特徴で、その中でも型の種族は強力な個体が多く白虎などは一般に聖獣として扱われている。系の妖怪は猫系統に比べて明確に身体能力に特化した種が多く、最も一般的なヘルハウンド種は護衛犬として非常に高い人気を誇っているが、それが祟ってバスカービル一家惨殺事件などのような陰惨な事件に関わることもあり、ペットとしての人気はより大人しい北欧のガルム種や英国のクー・シー種、ギリシャのオルトロス種などに一歩譲っている。また近似種である型のフェンリル種なども最近では手懐ける手法の開発が進んできており、また先は長いものの将来性のある分野であると言えよう。の妖怪は東洋に多く存在する特徴があり、大型の 1994 狒々や小型の猩々などが広く知られている。日本では特異な異能を持つ妖怪・覚があり、相手の脳の電子情報を認識して自らの脳内に同様の情報を再現する、俗に「相手の心を読む」能力が有用な研究対象として、大脳生理学の発展に大いに寄与した。また猛禽類系統の妖怪は世界的に神聖な種と看做されることが多く、フェニックスを始めとしてロック鳥やシムルグ、鳳凰や朱雀など有名どころが数多くあり、日本においても火の鳥や八咫烏といった妖怪が存在する。多くが「火」に関わる能力を持っていることが多い特徴から、空を飛ぶ力と合わせて太陽の化身としての位置付けをなされることが多かった。

しかしその一方で、元々が希少な動物種である妖怪などは多くの場合でやはり希少であり、むしろ元となった通常生物種の方が絶滅しており生命力に優れた妖怪種の側のみが残る、というケースも非常に多い。そのような絶滅危惧種の保護として、世界各地に点在し一般人の立ち入りが厳しく制限されている各地隠れ里などが多くそういった妖怪のビオトープとして機能しており、西洋ではエデンやアヴァロン、アルカディア、エリュシオン、シャングリラ、ティル・ナ・ローグなど、中東ではシャンバラやエル・ドラード、東洋では桃源や天竺、ニライカナイなどが特に大きなビオトープとして知られる[9]
海洋妖怪

海洋の妖怪についてであるが、何故か海中を根城とする妖怪は動物型に限らずおよそ全ての型において、陸上型のそれに比べて極めて数が少ないという特性がある。元々陸上生物は海中から進化したものであるし、実際にも通常生物ではかなりの種の生物が海中を根城とするのに対して個体数も有意に限定されている上、それほど多いわけでもない水中生息型妖怪にしてもその大半は水陸両性型あるいは水辺に住む系統の妖怪が多数を占めており、海中を専門とする妖怪となると非常に限られてくる。何故このような生態になっているのかは未だ不明確であり、これもまた長らく妖物学会に横たわる難? 15a3 ??として現在も半ば黙殺されている状態にあるが、現状においては中世以前の人々が水中を調査する術に恵まれていなかったため、単に多くの妖怪が未だ未発見のままでいるだけではないかという答えに落ち着いており、ならば何故深海を調査する術を得た現代になっても新たな妖怪が発見されないのか、などというような問題には基本触れないというコンセンサスが取られている。

中国で最も槍玉に挙げられるものとしては、中国の更に東の海に生息していた霊亀という巨大亀が存在する[10]。定期的に海上に浮かんで長期の睡眠を取る妖怪で、睡眠時はその巨大な身体を海面に出して長期に渡る静止を行うため、古くは一個の島と勘違いされていた。霊亀は背中から特殊な分泌物を放出しており、その分泌物を多量に含むその土壌で育った植物は他に見られないような変わった実や種を備えることから、仙人の住む島・蓬莱と呼ばれ多くの調査部隊が派遣されたり、そこに生育する植物の枝が貴族の娘の嫁入り道具などに用いられることもあった[11] クラーケンの中でも特に強力な力を持つ。その圧倒的な異能からか神として数多くの信仰者を持っており、同様に「旧神」と崇められるクラーケン系統の妖怪とどちらが強いのかがそれぞれの信徒の間で論争になっている。

西洋で最もよく知られているものは、大航海時代において最も多くの犠牲者を出したとされる海洋妖怪のクラーケンだろうか。海上を進む船に取り付き船員達を喰らう巨大な頭足類の妖怪で、特に北欧から大西洋にかけて猛威を振るい、中には竜種とすら並べられる程の規格外の個体すら存在する。現代においては造船技術の発達によってクラーケンの被害は少なくなってはいるが、喜望峰やバミューダ・トライアングルなどの一部地域では未だにクラーケンによる被害の報告が? 1455 ??されている。

海洋妖怪とは離れるが、クラーケンの皮膚には生物の骨を棲家として用いる変わったタイプの妖怪型微生物が生育していることが知られている。この妖怪型微生物はクラーケンが食い残した死骸の中で増殖し、肉を食い尽くして体内にエネルギーを溜め込むと、食べ尽くした死骸の骨の周囲を囲って軽いコーティングのような状態を維持してその宿となる骨を動かし移動する。この微生物群は関節可動域に集まる習性を持ち、骨同士を繋ぎ合わせることで複数の骨を繋げて動かすシステムを持っており、多くの場合は宿となる骨群は生前にそうあったような状況を再現されることになる。スケルトンと呼ばれるこの妖怪は極めて近接戦闘に強い特性を持っており、可動域を集中的に攻撃すれば簡単に骨同士の接続を外すことはできるものの、骨の部分や頭などをどれだけ攻撃してもほとんどダメージが入らない上、骨が外れても多少の距離であれば電子的な共鳴で磁石のように部品同士を繋げることで元通りにすることもできる。そのため何度攻撃しても死なないアンデッドとして扱われることが極めて多く[12]、実際に中世以前はヒトから変異した妖怪であると考えられていたが、現代では妖怪型微生物によって動かされているだけであると判明しており、分類としてはアンデッドには含まれていない[13][14] 火の玉系列としては恐らく最大級の妖怪・クトゥグァ。
炎の具現としての妖怪

炎は人間の原初の武器と称されるように、炎系統の妖怪もまた各地に様々な種が存在する。最も原始的かつスタンダードなのは単純な火の玉系列の妖怪で、単純ゆえに大きく広く世界各地に分散しており、日本における鬼火も西洋におけるウィルオーウィスプも燃焼のメカニズム自体にはさしたる違いは存在しない[15]

直接的な炎とは異なる妖怪としては、生物系または物質系の妖怪が炎を纏っている、あるいは炎がそのような形状を取っている型のものが多い。そのような型の妖怪は、炎を皮脂性の潤滑液に纏わせ、身体自体は白質化した皮膚組織により炎から守る、蝋燭の原理と同様の手段で炎を操っている。皮脂腺に類似の器官より放出した即硬化性の粘着液で空気中の有機物を固め、炎を纏った飛び道具として使用するなどの様々な応用ができ、汎用性は極めて高い。例としては猫の妖怪が炎を纏った火車や、 18e0 カボチャが炎を内に保持し蛍光の役割を果たしているジャックランタンなどがいるが、主軸ではなくとも異能の一つとして炎を用いるスキルを持っている妖怪は極めて多く、細分化が不可能な点から近年では炎妖怪というカテゴリー自体の有用性が問われ始めている。
人間に近しい別種としての妖怪

生物学においてはヒトを他の動物種と違う特別なものとしては扱わないが、ヒト型の妖怪が俗に亜人種と呼ばれ妖怪として扱われないことも多く、ヒトと妖怪の混血が多くの国で市民権を得ている現代社会においては、ヒト型妖怪の知見はやはり重要なものと言える。 人魚種はローレライやメロウ、セイレーンなど多くの亜種が存在し、日本においても人魚の肉が不老不死の妙薬として重宝された歴史的な経緯がある。

ヒト型妖怪でも特に最も多くを占めるのが単純な身体能力で優れる動物種の能を取り入れた型で、両腕が鳥類の翼であるハルピュイア、下半身が蛇のそれであるラミアやエキドナ、蠍のセルケトにギルタブリル、全身を強靭な鱗で包んだリザードマンなど枚挙に暇がなく、背中に鳥の翼を持つヒト型天使族や蝙蝠の羽と尻尾を持ったヒト型悪魔族なども大枠ではこの中に加えられる[16]

また、通常は完全なヒト型あるいはほぼヒトに近い形状を取りながら、有事においては動物種の技能を用いるという完全な使い分け型の種も存在する。西洋において最もよく知られる妖怪である人狼では、網膜に桿細胞・錐体細胞の他にα線を感知する特殊な細胞を持ち、から降り注ぐα線を一定以上の量で認識されると、神経伝達を介して脳下垂体より人狼特有のホルモン生成指令が出されることで身体構造の改変が起こる。この特殊なホルモンにより、生物の体細胞同士を繋げる重要な役割を持つ? 153f ?ドヘリンなどの細胞接着分子が依存する血中内カルシウムイオンのホルモン調節や、身体細胞が膨張・収縮する際に細胞膜を構成する脂質二重膜の形状を維持するためのコレステロール代謝・脂質輸送のためのLDLおよびHDL調節などが行われ、普段のヒト型から獣の身体たる型に変身するのである。

このような何らかの要因あるいは自由意志による身体構造の改変技能は人狼に限らず多種の妖怪に見られる極めて普遍的なものであるが、そのような一般的でものですらもそれだけ複雑な体内調節の結果であり、それが上手く回転しなくなった時の弊害は強力な妖怪であればあるほどに大きくなる傾向がある。例えば身体の霧状化などのように身体の全てを分解するほどの大規模な構造改変を行う妖怪では、全ての体細胞が脱分化された一種の万能細胞によって構成されているため一般的な制御因子だけでは到底足りない。細胞の複数分裂や膨張などの妖怪型プログラムがない通常のヒトにおいてですら、細胞分裂サイクルの制御というものはサイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼによるDNA転写因子を活性化させての細胞分裂の促進に、それら転写因子の抑制を、DNA転写因子を脱リン酸化状態で不活性に保持するRb因子やその脱リン酸化状態を更に維持するp53因子などが行うことでサイクル制御を行っており、またそれを更に制御するためのフィードバック作用なども含め、細胞分裂の制御は複雑かつ厳密に行われている。しかし体細胞が「全ての細胞になり得る」万能細胞で構成される妖怪ともなると、まず「ある細胞からある細胞へ」ではなく、「全ての細胞になリ得る万能細胞からある特定の細胞へ」分化させなければならず、その制御因子と調節因子の構成は複雑などという話ではない。身体全体が調節因子の塊であるがゆえに少しの異常でも細胞分裂調節のエラーが起こってしまうため、それを抑えるための更なる制御機構もまた複雑化せざるを得ず、人狼が月を見た時の変身を自発的に止められないのはその負担を抑えるためでもある[17] 一般的なハイエルフの青年。

そのような他の動物種的な特性を用いない、純粋なヒト型妖怪としてはエルフが挙げられる。

エルフ種は外見的にはヒト種との相違点はほとんど見受けられないが、特に現代社会で多く見られるのは長く尖った耳を持つ? 1754 ?イエルフ・新緑エルフ系統のエルフであろうか。一般に「自然」と括られる、ある種の植物・動物種に囲まれた原生環境下に暮らすハイエルフは、妖物学的にはヒトとは僅かに異なる進化系統樹上の、妖怪型の変異を取り入れた種であると考えられている。エルフ種の身体におけるエネルギーの生産系は、一般的なヒト種における解糖系クエン酸回路電子伝達系で用いられるコエンザイムに高い吸収性を持ち、それらエネルギーに支えられた強靭な身体性能に加えて頭脳もまたヒト種に比べ明確に高い水準にある。しかし、その高い効率を維持するためには周囲を一定以上の原生環境下における妖怪系因子の吸収に務める必要があり[18]、その生物学的な性質から自然的環境への依存度がヒト種に比べ非常に高い。現代でこそヒト種とのハーフやクォーターなども多くそれほど問題にはなっていないが、今でも人間文明と離れた自然界の奥地で暮らす純血型のエルフは、特に先進国の中などに入ると身体を崩してしまうケースが非常に多く、一般にも広く知られる彼らの文化的な、自然への高い敬意および自然を作り替える人間文明への強烈な敵意は、そういった種族的な性質に由来するある意味での相容れなさにも依る部分が大きいことを念頭に置いておきたい。

また、エルフよりも更に植物・水・大地などの自然環境への依存度が高いのがニンフであるが、それゆえに先進国では余り目にかける機会がなく、ほぼ精霊と同一視される傾向がある。木精のドライアドや水精のネレイデスなどの名前が日本では比較的よく聞かれるが、それがニンフの一種であるという認識は一般には大きくないのが現状である[19]
身体レベルの著しく異なる妖怪

通常生物と何ら変わりない形態・機能でありながら、妖怪タンパク質を取り入れることで本来有り得ないサイズになった極大・極小系統の妖怪は多い。そのような体格が極端に異なる種は一般的な変異型妖怪とは明確に区別して扱われる。 日本における小人種としては、北海道にコロポックルなどが分布するほか、ヒトと友好的な関係を築きヒトのため鬼と戦った一寸法師などが存在する[20]
身体サイズの極めて小さな妖怪[ 1796 編集]

ゴブリンドワーフなどのように一般に小人と呼ばれるような種は、他の小型通常生物と同等程度の大きさしかない脳を持ちながら、それに見合わない高い知能を保持する方向に特化している。大きな脳に由来する高度な思考能力を持ったヒトがこの地球上で繁栄できたことからも明らかなように、脳の大きさはそのまま知力に繋がる。生物のタンパク機能がある程度共通のものを用いている以上、パソコンのCPUのような機能の圧縮・効率化・小型化などにはどうしても限界がある。

しかし、小人妖怪の妖怪タンパク質はその脳機能の小型圧縮を可能にする。通常生物において全体の十数%程度しか機能していない脳の機能を、強靭な妖怪細胞によって稼働させている部分も多分にあるが、それ以上に脳のスペースを有効に活用するための独自の神経細胞を持っているものが大半である。通常生物の脳発生は、まず神経細胞の元となる神経堤細胞より足場となるグリア細胞が伸長し、このグリア細胞を伝って神経細胞たるニューロンが外側へと登っていくことで神経細胞の層が作られ、この層が何層も積み重なっていくことで脳が形成される。このグリア細胞はニューロンの足場であり支えとなっている重要な細胞であるが、脳のサイズに限界のある小人妖怪においては神経細胞の入るべきスペースを圧迫する存在でもある。そこで小人妖怪は、グリア細胞の太さを制限することでこの問題を克服した。妖怪型の細胞を用いて通常生物と同等レベルの耐久性を保てる限界までグリア細胞を細め、その空きスペースに更なるニューロンを接続することで、脳サイズによる知能の制限を突破しているのである。

小人以外の明確な小型ヒト系妖怪として最初にイメージされるのは恐らくフェアリーだろうか。元来妖精という名称は西洋において日本でいう妖怪と同等の意味を持つ言葉であり、デュラハンやバンシーなども分類上は妖精目に分類される妖精の一種である。しかし、一般的に日本において妖精と呼ばれるのはフェアリーやリャナンシー、ピクシーといった妖精種以上の、純系の妖精種に限ることが多い。全体としてヒトと同様の身体にトンボのような羽を生やした姿形を取るものが多く、その身体はヒトの子供程度から小指程度まで幅があるものの、総じてヒトよりも極めて小柄である。 巨人種の中には、ヒトでいう象皮病のように皮膚や皮下組織の結合組織が増殖して身体を支える型の種も存在する。
巨人型妖怪

身体サイズの極めて大きい巨人系統の妖怪において、真っ先に槍玉に挙げられる議題? 1770 ?して自重の問題がよく知られている。物質の体積は大きさの三乗に比例して指数関数的に膨張していくため、通常生物の肉体では余りに大きい=重い身体を支えきれずに潰れてしまう。これが自重の問題であり、他にも昆虫など外骨格系生の巨大化を阻んでいる物理法則的な壁となっているのである。一般に知られるトロールやキュクロプス、ギガース、オーガなどは巨人としてもまだヒトの数倍程度に収まり、分類としては強度の高い妖怪細胞で身体を維持する、単純に強靭なタイプの妖怪として扱われているが、しかし北欧の世界樹地下に住むユミルの巨人族や、ギリシャ周辺に生息する巨人タイタンやアトラス、日本の山造りの巨人ダイダラボッチなどの規格外な大きさとなると、如何に強度に優れる妖怪細胞をもってしても自重を支えきれなくなってきてしまう[21]

そういった巨人種は身体の一部部位を完全に死細胞に変えることで強度の問題を解決している。身体の細胞を生きている状態に維持しないのであれば、細胞の機能や分裂に必要な細胞内小器官も、それを維持する細胞質すらそもそも必要としないため、およそとさほど変わらない鉱物も同様なただの角質化されたタンパク質の塊でよいのである。特に負担のかかる下半身は多くの巨人でほぼ死細胞であり、可動に必要な関節や骨格のみ強度の高い生体物質で固めている個体が大半を占めている。しかしその一方で、当然ながら非生体的な身体には最低限度の可動性しかないため動きがワンパターンに収まりやすく、ある程度以上の速度を持つものであれば回避は難しくないという欠点にもなっている。

また、小人とは対照的に巨人妖怪の動きは通常のヒトの動きと比べ緩慢な傾向があり、脳の機能はそれほど特化していない特徴がある。通常、脊椎動物における神経伝達のシステムでは、神経細胞たるニューロンはその大部分を髄鞘と呼ばれる形質が繋がった構造をしている。神経伝達は、通常は保たれている細胞膜内外の膜電位が刺激によって逆転し、その電位パルスが神経細胞を伝わっていくという形式を取る。しかし、通常の細胞においてこの電位パルスの伝達速度はさほど早くはないため、迅速な伝達が求められる神経においてはその伝達速度を早める必要があり、髄鞘 15cc およびランヴィエ絞輪による電位パルスの跳躍伝導によって、素早い神経伝達を可能としているのである。

しかし、身体サイズが極めて巨大な巨人妖怪となると、神経伝達にかかる時間も馬鹿にならないものになってしまう。通常生物においても、一般に小柄な生物は大柄なそれに比べて敏捷性に優れる。最高速度に関して言えば、ヒョウやチーターを例に挙げるまでもなく大柄な生物の方が速いことは多いものの、その速度に至るまでには多少の加速時間が必要であり、瞬間的に出せる速度では自身の数十倍を飛び跳ねるノミやゴキブリなどに大きく劣る。これは空気抵抗や筋肉への負担を抑えるためという理由もあるが、大きくは身体サイズが大きいために神経伝達にも時間がかかっているためと言って良い。これが巨人種ともなると、通常生物のサイズ差云々などとは桁の違うレベルで身体が巨大であるため、通常生物のような神経伝達をしていては身体を動かすまでに日が暮れてしまう。これを解決するためには速い神経伝達を可能とするシステムが必要であるのだが、上記の自重の問題が響いてくる。巨人の巨体でヒトのように神経細胞を張り巡らせるには、余りに重すぎて大きな負担となってしまうため、巨人は神経の発達も抑えている。非常に巨大な脳を持つにも関わらず巨人の知能がさほど高度でないこと、および多少以上に身体の損傷を無視する傾向があるのは、このような特質に依る部分が大きい。 西洋で撮影された、難破船を襲う黒竜の写真。この竜の本来の生息地は日本近海で、度々東京湾に上陸しては東京タワーを薙ぎ倒すことで知られる。
最強の妖怪

猛禽類と共に強力なものが多いのがを始めとする爬虫類系統の妖怪である。総称してと呼ばれるこれらの妖怪は全世界的に様々な派生種が存在し、その多くは他の神々と呼ばれる種すら有意に凌ぐ圧倒的な能力を持っている。

古代ギリシアのウロボロスに見られるように、竜種は太古より創世・終焉を司る規格外の存在として人の間に伝えられてきた。西洋や中東は言うに及ばず、東南アジアのナーガ、中国では黄竜や青竜、日本においてもヤマタノオロチ古事記に記録の残る日本史上? 1784 ??大級の妖怪といって差し支えない。竜種はそれぞれの地域を支配する最強の妖怪というニッチに収まっているケースが極めて多く、現代においてすら蛇神信仰が色濃く残っている点も、かつて暴れた彼らの脅威がどれほどのものであったかを端的に表している[22] オーストラリアのエアーズロックに生息する虹蛇。現代でも先住民族のアボリジニ達が虹蛇と共存している。

一般に竜種と呼ばれる場合には主に欧州地域のドラゴン系統の妖怪種を指し、これは初期の竜種研究の発展が多く欧州から始まったことに由来する。欧州は古来から竜種が非常に多い地域であったため、その脅威から生態研究が危急のものとして常に行われてきた歴史があり、竜種に関する研究知見が極めて多い。他地域では妖物退治全般の専門家を指す「英雄」の通称が、欧州では半ば竜退治の専門家とイコールで語られるのもそのような歴史に依るものであり、最古の竜殺しベオウルフに始まり、竜の血を引くアーサー王や中世最高のドラゴンハンターである聖ゲオルギウス等、竜殺しの英雄の数もそのほとんどが欧州発である。

現代では竜種の多くは中世以前に絶滅あるいは退治されており、生き残っているのはワイバーンやワーム等の下位の亜竜種が大半を占めるほか、竜種の末裔とされる種も中途で他の妖怪や人間の血が入り、竜としての原形を保っている個体はほとんど現存しない。しかし、中には名の知られた巨竜が当時同様の姿で生き残っているケースもあり、北欧で冬眠していたファフニールが岩山の下から現れたり、ウェールズ(旧エリン)でクロウクルアッハの子供が発見されたりといった事例も報告されている。また定期的に復活再生するヴリトラなどの竜もあり、中東では年に一度、夏季の始まりにインドラと空一面で殴り合う大迫力の空中ショーが行われている。他にも、海竜であるレヴァイアサンやヨルムンガルドなども目撃例? 157a ?存在するため、深海の何処かに今も生息しているのではないかという期待が持たれている。 日本人のほとんどが保持するS型神性ウィルスの電子顕微鏡写真。世界の神の中でも特に幻覚能力に優れており、それほど強い依存を必要とせずに目の前に姿を現すことができる上、その形も夜叉の姿から幼女まで信仰者によって様々である。
信仰の対象としての妖怪

人間の信仰あるいは畏怖の対象として畏敬を受ける妖怪は、俗に「」と呼ばれる。その多くは、それぞれの地域一帯において飛びぬけて圧倒的な力を持ったある種の妖怪のことを畏怖を込めて呼んだものであったり、あるいは自分の能をもって人間と共存していた妖怪への感謝を込めて呼んだものであったりと地域によって当て嵌められる対象に違いがあるが、そういった意味合いにおける「神」とはあくまでも実在妖怪への敬称であり、分類学上の「神」とは存在を別にする。

現行の妖物学において「神」とは、人間の脳に感染して電気信号に影響を及ぼし、それによって発生する脳波あるいは神経伝達物質を食べて生きる寄生性の妖怪型ウィルス全般を指す。これら神は多くの場合、鬱病などの原因になるセロトニンノルアドレナリンの不足を補ってくれるため、そういった症状が出た人間が神に感染することで症状が緩和される例は極めて多く、特に精神医療の薬剤などが用意できない地域などでは現在も非常に重宝されている[23]。また俗に「奇跡」と呼ばれる、脳内で繁殖した神が電気信号を介して一斉に特殊な妖怪型ホルモンを放出することで宿主に大きな規模の幻覚を見せる現象は、鬱病や麻薬中毒者におけるフラッシュバックなどとは異なり、多くの場合で過度なストレス環境下にあった宿主の精神を大幅に回復・快調させる効果があることが明らかになっている。

しかし、そういった効果も行き過ぎれば身体の働きを阻害することに繋がる。例えば糖尿病を抑える物質であるインスリンは上がりすぎた血糖値を低下させる因子 14ac であるが、これを過剰に投与してしまえば、今度は体内の糖が無くなってしまい死に至ってしまう。


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出典: へつぽこ實驗ヰキ『アンサイクロペディア(Uncyclopedia)
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