ブランデー(英:brandy)とは、広義には果物を発酵させて作った醸造酒を蒸留した物であるが、狭義にはそのままではまずくて飲めないような低質のワインを蒸留し、カラメルとシロップ、香料でそれらしい色と味と香りを付け、水で薄めた物を指す。また、この記事では主に狭義のブランデーに関して説明する。目次 ワインの蒸留という手法が始まったのは7世紀
1 歴史
2 製法
2.1 伝統的な製法
2.2 近代的な製法
3 飲み方
4 等級
5 広義のブランデー
歴史
その後フランス革命などを経て、ブランデーも庶民の口にはいる値段にならざるをえなくなり、それまでの手間もコストもかかる製法から、大量生産がしやすく、どのような時でも均質な製品を作る必要に迫られた。そういった事情から今日の原酒に水、カラメル、シロップ、香料を注ぎ込む製法が開発された。原酒は個性を失うほどに蒸留されるため、ワイン由来のものである必要はないのであるが、伝統に従って今日でもワインを蒸留したものが使用されている(フランスではワインを入手しやすいと言う事情もある)。
その後ブランデーと言えば個性のない原酒に「ブランデーらしい」色・味・香りを付けたものであったが、最近では市場の高級志向もあって、かつての伝統的な製法を取り戻そうという動きもある。しかしコストの問題もあり、まだ大きな動きとはなっていない。 合理主義者のアメリカ人はブランデーを水やソーダ 下記のような多くの等級を持つが、ほぼ雰囲気作りのための飾りのようなものである。そのため、メーカーごとに混乱が見られるのだが、誰も気にしない。 など。
製法
伝統的な製法
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白ブドウ(特にユニブラン種が好まれる)を使い、蒸留用の白ワインを醸造する。この時点での味が最終的な製品まで残るため、重要な工程である。
醸造したワインを単式蒸留器によって2回蒸留し、アルコール度数70度?72度ほどの原酒を得る。
オーク樽に原酒を詰め、熟成させる。期間は原酒の性質によって異なるが、最低でも2年、長い場合は30年を超える期間熟成させることもある。
熟成完了後、アルコール度数が40度ほどとなるように水を加え、瓶詰めする。この際、望む味を得るためにいくつかの樽からブレンドを行うことが多いが、特に品質のいい年のブドウを使ったものはブレンドをせずそのまま瓶詰めすることもある。
近代的な製法
買い集めたワインを連続蒸留機にかけ、90度を超える度数となるまで蒸留をくり返す。ほぼアルコールと水だけとなり、元のワインの味は残らない。
得られた原酒をステンレスのタンクに詰め、カラメル、シロップ、香料を混ぜて1週間ほどなじませる。
味がなじんだ時点で瓶詰めされる。この時点ではまだ度数が高いため、伝統的なブランデーと同じ40度ほどになるように加水がされる。
飲み方
ヤン・ウェンリーが生み出した、紅茶にミルク替わりにブランデーを使用する方法も考案された。
等級
一つ星
三つ星
VO
VSO
VSOP
XO
ナポレオン
広義のブランデー
アップルブランデー
カルヴァドスが有名。リンゴ果汁を発酵させたシードル
キルシュヴァッサー
サクランボのブランデー。この酒にさらにサクランボを浸して作るリキュールのキルシュと混同されることが多い。
白井梨ブランデー
梨のブランデー。千葉県白井市の第三セクターが製造。日本の梨を使用したもので、コストがかかりすぎて効果になり、売れず、破綻した。
その他、プラムやキイチゴ、ミカンなど、果汁を発酵させることが出来る果物であればほぼなんでもブランデーの材料となりうる。
更新日時:2017年8月28日(月)03:31
取得日時:2021/02/26 19:22