- 568 名前:嗚呼勘違い3 mailto:sage [2010/07/07(水) 23:14:22 ID:gbZWukYf]
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「深大寺で、何かあったのか?」 「……はい?」 「様子がおかしいでないか」 そのくらいは判るだぞと、茂は自信満々にふんぞり返って鼻をふくらませた。 「まあ、イカルはキョーレツだが根に持つ性質ではない。きっと、 お前に何か言ったところで、すぐに忘れとるわ。気に病むことは…」 「あなた…。とぼけとるんですか?」 「あ?」 「もっと、他に。大事件があったではないですか?」 「大事件?」 「あぁあ、もうっ! そげな不貞な腕で触れんでください…っ」 らしからぬ拒絶に驚いて、布美枝の言葉が意味するところがわからない。 「フテイ…」 不定…フテイ…不貞? やっと思い当って、茂はぽんっとひざを叩いた。 「だらっ。なーにくだらんヤキモチやいとるんだ。 アレは違うのだと説明しただろ。お前も納得しとったでねーか」 「ヤキモチ…って、そげなもん焼いてませんっ」 「よー焼けとるわ、食べごろじゃ」 「妬いてませんよっ! だって私…知っとったもん」 「何を知っとったと言うんだ??」 「……」 押し黙ったところで、頑固でいて気の長い茂に敵うはずもない。
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