- 1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 12:07:38 ID:wXoQLilw]
- なさそうなので立ててみた
- 35 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 17:19:47 ID:d1uscZjP]
- 今朝のフミエちゃん思い出シーンのあと。ちょっこし書いてみました。
茂視点です。エロまでいかないっす。 「あのっ……昔、べとべとさんに追われてた女の子を助けませんでしたか?」 フミエが目をきらめかせて訊いてくる。 「ん? そういえばそんなこと……」 なにを藪から棒に。〆切は明日だ。いつまでもお喋りはしていられない。 「あったかもしれんし、なかったかもしれんなあ」 「そうですか……」 フミエがしょんぼりする。茂はペンをインクに浸し、ペン入れの続きに取り掛かった。 しかしフミエはまだ両手を見つめたまま、筆を取ろうとしない。 (そんなにべとべとさんが気になっとるんか? それよりベタをべとべとさんしてくれんことには間にあわんのに) 一言注意してやろうか。茂が顔をあげたとき、ようやくフミエが筆をとり、ベタの続きを塗りはじめる。手つきはいつもながら丁寧だ。そして、幸せそうに笑んでいる。 「……なに、にやにやしとるんだ?」 「なんでもありません。ただ、あれが私の初恋だったのかなあって」 「なにをいっちょる」 また馬鹿なことを言いだす。笑いとばして原稿に向かったが、 (初恋?)
- 36 名前:35つづき mailto:sage [2010/05/11(火) 17:21:49 ID:d1uscZjP]
- ペンが止まる。フミエは(茂にとっての)爆弾発言などなかったように、
幸せそうにベタ塗りを続けていた。 (そうか、初恋か……こいつも三十になっちょったんじゃから、好きな男の一人や二人おったのかもしれんな。 ひょろりとした一反木綿で顔は航空母艦でも、わしよりはいい相手と結婚できたんじゃなかろうか) 「うーむ」 集中できない。茂がペンを投げだしてうなると、フミエがすぐに気づいた。 「どうしました?」 「なんでもない」 「肩がこったんですか? なら、湿布つくりましょう」 勘違いしたフミエが立ちあがりかける。茂は思わず、フミエの手をとった。 さらさらした肌だ。汗をかかせてやりたくなる。 「なんです?」 茂がなかなか手を離さないので、フミエは恥ずかしそうに振り返った。 茂は横目でちらりと残りの原稿の枚数を数え、いけると思った。 「なんでもない……が、おまえ、ちょっこしここに座れ」 「はい、なんです?」 素直に正座するフミエは、茂の役に立つことができると疑ってもみない。 「ちょっこし、目を閉じていてくれんか」 「こうですか?」 フミエが目をつむる。その、嬉しそうな笑みに茂は顔を近づけた。 唇を触れあわせると、フミエがかすかに震える。
- 37 名前:35つづき mailto:sage [2010/05/11(火) 17:52:10 ID:sJshC4n/]
- 「あの……」
「まだ目を開けたらいかん」 高圧的に命令すると、フミエはぎゅっと目をつむった。 「はい」 「それでいい……じっとしちょれよ」 頷くフミエの顎をつまみ、耳元から首筋にそって唇を辿らせる。 電信柱のわりに感じやすい妻は、茂が触れるたびにびくっと身を震わせた。 「後ろを向いてくれ」 浴衣地のワンピースは、片手だけでは脱がせにくい。 フミエは真正直に目を閉じたまま後ろを向こうとしたが、 「あのう……原稿は、ええんですか?」 「あとでええ。いや、よくはないが、なんとかなる。いいからおまえは後ろを向け」 「すみません」 「髪をあげろ」 「こうですか?」 フミエが両手をうなじに添えて、黒髪を掻きあげた。裸電球のもと、女の白い腕と黒髪のコントラストがなまめかしい。 茂は唾を呑みこんだ。焦る手つきで襟元のホックを外し、ゆっくりとファスナーを下ろす。妻の背中があらわになった。 「汗、かいちょらんな」 「すみません」 「なにを謝っちょる……やっぱりおまえは一反木綿じゃな。さらさらして気持ちがええ」 浴衣地のなかに手を差しこみ、脇の下をなぞって胸に触った。 まだ馬鹿正直に髪をあげていたフミエが、小さく声を洩らして両手を放す。 ここまでで。基本フミちゃん色気ないのかもと思いました。
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